LINEで「通知が来ない」「表示が遅れる」といった場合、単純な設定ミスの可能性も高く、通知設定を変更するだけで解決することも少なくありません。
厄介なのは、すべての通知設定をオンにしているのにもかかわらず、通知が正常に届かなくなるケースです。筆者も、過去に何回か原因不明の不具合でポップアップ通知が届かなくなった経験があります。
そこで本記事では、試行錯誤した結果、iPhone・AndroidスマホでLINEの通知が来ない問題を実際に解決できた方法をベースに、試したい対処法をまとめました。
LINEで通知が来ない/遅れるときに試してみたこと
筆者手持ちのiPhone・およびAndroidスマホでも、LINEアプリの通知が突然来なくなる状況に陥ったことがありました。このとき、試したことは以下のとおりです。
筆者のAndroidスマホでは【5】の「データ通信節約モード」が原因だと分かり、設定をオフに切り替えることで通知が届くようになりました。また、iPhoneでは【1】〜【9】は効果が得られず、最後に試した【10】の「LINEアプリを削除して再インストールする」で問題が解決しました。
ただ、ユーザーによって原因や症状はさまざまなので、すべてのケースで同じ対処法が当てはまるわけではありません。できるだけ多くの対処法を試すのが最善策となるでしょう。その後、後述する通知テストをおこなって改善するか確認してみてください。
1:端末の設定でLINEアプリの通知受信がオフになっていないか確認
プッシュ通知はアプリから送信され、端末本体に備わっている通知システムによって表示されます。
いくらLINEアプリの設定で通知をオンにしていても、端末側の設定で通知を有効化していなければ、通知は届きません。LINEの通知が届かない場合は、まず端末の通知設定を確認してみてください。
設定は「通知が来ない」原因にはなりますが、「遅れる」原因にはなりません。また、これまで普通に通知が来ていたのに、ある日突然来なくなった場合も設定に問題があるとは考えづらいでしょう。
このような場合は、設定の項目をスキップして対処法【4】に進んでください。
2:LINEアプリの設定で通知がオフになっていないか確認
「LINEアプリ側の通知設定がオフになっていた」というのもよくある話です。すでにチェックしている人も多いと思いますが、念のため、LINEアプリの通知設定も見直しましょう。
トークルーム個別の通知設定を見直す(iPhone/Android)
PC版LINE使用時にスマホ版LINEの通知がオフになる設定になっていないか
PC版LINEにはいくつか特有の通知設定があり、なかにはスマホ版LINEと連動しているものもあります。
PC版LINEのメニューボタン
から[設定]に進み、「通知」タブを開きます。ここで「PC版を使用している場合はスマートフォン版への通知をオフ」にチェックが入っているなら、外して設定をオフにします。3分以上PC版LINEを操作していないならこの設定は発動しないはずですが、PC版LINEを利用しているなら確認してみましょう。
3:端末が通知非表示モードになっていないか確認
iPhone/Androidスマホともに、プッシュ通知を一時的に非表示にできるモードが存在します。この機能がオンになっていることで、通知が表示できていない可能性も高いです。
iPhonで集中モードを確認する
iOS 15で新たに登場した「集中モード(旧おやすみモード)」が有効になっていると、その時間内はLINEを含むすべての通知・着信が表示されません。LINEの通知を受け取りたいなら、設定で「集中モード」の例外に指定しましょう。
iPhoneのホーム画面で「設定」アプリを開きます。
iPhoneをiOS 15以上にアップデートしている場合は、メニューに
があるはずです。これをタップしましょう。続く画面で、普段利用している集中モードをタップしてください(ここではパーソナルを選択しました)。「通知を許可」項目の
を選択します。をタップしアプリの一覧から を選択します。
これで集中モード(パーソナル)がオンになっていても、LINEアプリの通知だけは表示されるようになりました。
Androidスマホでサイレントモードを確認する
「サイレントモード」は、「マナーモード/バイブモード」とは別に用意されている消音機能。ポップアップ通知やロック画面通知といった視覚的な通知も停止する効果があるため、オンになっていると通知が届きません。
LINEアプリの通知を受け取りたいなら上の手順でサイレントモード自体をオフにするか、以下の手順でLINEアプリを例外に指定しましょう。
なお、サイレントモードはメーカーによってさまざまな名称で呼ばれます。ステータスバーやクイック設定パネルに表示されるアイコンは上の画像のもので統一されているので、見つからない場合は丸いアイコンを目印に探してみてください。
- Pixel/Xperia/AQUOS:サイレントモード
- Galaxy:通知をミュート
- AQUOS sense3以下:高度なマナーモード
- arrows:高度なサイレントモード
本記事では、便宜上「サイレントモード」で統一して表記します。
ホーム画面でLINEアプリのアイコンを長押しし、展開したメニューで[ i ]ボタンを押します。アプリ情報画面が開いたら
に進んでください。サイレントモード中に受け取りたい通知の種類を選択します。続く画面で「詳細設定」下にある「重要な通知(通知をミュートを無効化/サイレントモードの例外)」のスイッチをオンにしましょう。
これで、LINEアプリのメッセージ通知だけはサイレントモードを横断して表示できるようになりました。
4:端末を再起動してみる
通知に限らず、スマホの動作にトラブルが発生した際は、端末を再起動するだけで改善するケースも少なくありません。すぐに実行できるので、まず試してみることをおすすめします。
5:端末のデータ通信節約モードをオフにしてみる
端末の「データ通信節約モード」などの影響で通知が来なくなることもあります。
というのも、アプリ通知は基本的にバックグラウンド通信で受信するもの。データ節約モードでバックグラウンド通信が制限されると、通知が正常に受信されなくなる可能性があるのです。
LINEを開かないと通知が来ない? 原因はバックグラウンド通信の問題かも
実際、筆者のAndroidスマホ(Pixel 4a)では、この設定が原因でポップアップ通知が届かなくなったことがあります。
6:端末の省電力モードをオフにしてみる
端末の「省電力モード」が有効になっている間は、電池の消費を抑えるために処理速度が制限されたり、一部バックグランド動作が停止したりします。
全体的に動作がもたつき、遅くなる場合があるため「通知の表示が遅れる」といった現象を引き起こすことも考えられるでしょう。特にAndroidスマホの場合、「オンにすると通知が来なくなる」と明記している機種もあるので注意が必要です。
7:LINEアプリのキャッシュを削除する
LINEアプリのキャッシュが溜まりすぎると、動作が重くなったり、誤作動を起こしやすくなったりといった悪影響を及ぼすケースがあります。
特にLINEアプリは利用頻度が高いため、数GB単位のキャッシュが溜め込まれていることも少なくありません。一度キャッシュデータを削除してみてください。
iPhoneでキャッシュを削除する
iOS版LINEアプリでは、全トークルーム内のキャッシュデータを削除する方法のほか、アルバムのキャッシュデータだけを削除する方法、トークルームごとにキャッシュデータを削除する方法があります。
以下の記事を参考に、実行してみてください。
8:LINEアプリを強制終了させない
LINEアプリの通知設定画面では「アプリを強制終了すると、通知が遅れたり、受信できない場合があります」と注意が促されています。
「強制終了」は、いわゆる「タスクキル」のこと。上画像のようにマルチタスク画面でLINEアプリを上にスワイプして終了させる行為を指します。LINEアプリを使うたびに強制終了させることがクセになっている人は、なるべく控えたほうがいいかもしれません。
また、メモリ解放系アプリやタスクキラーなどを利用している場合も注意が必要。これらは、バックグラウンドで待機中のアプリを一括で終了させてしまいます。もしそういった類のアプリを利用しているなら、アンインストールしてしばらく様子をみてみましょう。
9:SIMカード/SDカードを挿入し直す
落下などの拍子にSIMカードやSDカードが接触不良を起こした可能性も考えられます。以下の記事を参照しながら、一度SIMカードを外して挿し込み、再起動してみましょう。
10:LINEアプリを削除して再インストールする
通知設定の確認や通信環境のチェック、端末のメンテナンスなどをおこなっても改善しないケースがあります。
その時は最終手段として、LINEアプリをいったんアンインストールし、再びインストールしてみることをおすすめします。実際、過去に筆者のiPhoneで通知が来なくなったときも、LINEアプリを入れ直したら通知を受信できました。
LINEアプリをアンインストールしても、LINEアカウントおよび友達リストやスタンプ、プロフィール情報などのデータは消えません。
LINEアプリをアンインストールすることで消失するのは「トーク履歴」だけです。とはいえ、事前にしっかりとトーク履歴をバックアップしておけば、再インストールした際にトーク履歴を復元できるので安心してください。以下の手順通りに事前準備をしてからアンインストールしましょう。
LINEの登録情報を確認する
LINEアプリをアンインストールするとログアウトされた状態になるため、インストール後に自身のLINEアカウントにログインしなければなりません。スムーズにログインできるように、パスワードや連携情報を確認しておきましょう。
「ホーム」タブ右上にある設定ボタンFacebookアカウントやApple IDの情報を使ってログインする場合、連携されていることを確認してください。
から に進むと、登録中の電話番号・メールアドレス・パスワードをチェックできます。ほか、なお、基本的に同じ端末でログインする際はパスワードは要求されません。しかし、記憶が曖昧な場合は、念のために確実なパスワードを再登録しておくのがおすすめです。
最新のトーク履歴をバックアップ
LINEアプリをアンインストールするとトーク履歴がすべて消えてしまいます。事前に必ずトーク履歴をバックアップしてください。
iPhone版LINEでトーク履歴をバックアップする
iOS版LINEには、Apple IDに紐付く「iCloud」を利用したトーク履歴データのバックアップ機能が搭載されています。
「ホーム」タブ右上の設定ボタン
から に進みます。→ の順にタップすると即座にバックアップが始まります。「前回のバックアップ」欄に当日の日付と容量が表示されていれば完了です。
トークで共有されている写真・動画・ファイルをKeepに保存する
トークルーム内で共有されているだけの写真や動画は、トーク履歴をバックアップしていたとしても、機種変更の際に消えてしまうおそれがあります。
大切な写真・動画は端末にダウンロードしておくか、あらかじめLINEのストレージ機能「Keep(キープ)」に保存しておきましょう。
任意の相手とのトークルームを開き、右上のメニューボタン
をタップ。メニューの「写真・動画」項目にそのトークルームで送受信した写真・動画が集約されているので、横の[ < ]ボタンをタップしてください。
右上の
ボタンを押して、保存したい写真にすべてチェックを入れましょう。横のダウンロードボタン
を押すと、端末の内部ストレージに写真・動画が保存されます。中央の共有ボタンをタップしてメニューのなかから[Keep]を選べばLINEのKeepに保存されます。いずれか、好みの方を選んでください。LINEアプリをアンインストールする
続いて、LINEアプリをアンインストールします。
LINEアプリをインストールしてログインする
Google PlayストアやApp StoreでLINEアプリをインストールして起動します。
→ と進み、電話番号による認証をおこないます。
Apple IDやFacebook連携でログインする場合は、画面の指示に従ってください。
続いて、バックアップしたトーク履歴を復元しましょう。その後、友だち追加設定や情報利用への同意(任意)を済ませれば、元通りにLINEを再開できるようになります。
あとは、通知が届くかどうかをテストしてみてください(後述)。
LINEの通知が正常に来るかどうかテストする方法
改善できたかどうか、実際にLINEの通知が届かないと確認できません。一通り対処法を試したら、通知が表示されるかのテストをおこなってください。
以下では、「リマインくん」と呼ばれるLINEの自動リマインド機能を使った通知テストの方法を紹介します。もちろん、家族や友人にお願いしてメッセージを送信してもらっても構いません。
「ホーム」「トーク」「ニュース」いずれかのタブの検索窓から「リマインくん」と検索して友だち追加します。
リマインくんとのトーク画面を開き、[+新しいリマインダ]をタップ。リマインドする言葉を適当に「テスト」などと設定したら、時間を10秒〜20秒後くらいに設定しましょう。
解決していれば、指定した秒数が経過するタイミングでリマインくんから通知が届くはずです。