LINEを開かないと通知が届かない─そんな不便な状況に悩む人は少なくありません。たとえば「LINEを起動するとまとめて通知が届く」「リアルタイムに通知が来ない」といった現象は、多くの場合、LINEアプリのバックグラウンド通信がうまく働いていないことが原因です。
この記事では、iPhone・Androidスマホの両方を対象に、LINEを開かないと通知が来ないときに考えられる原因と、その解決方法をわかりやすく解説します。
リアルタイムでの通知受信を妨げる原因と対処法

LINEアプリは、起動していない間も「バックグラウンド通信」によって新着メッセージや通知を受け取っています。
しかし、このバックグラウンド通信が何らかの理由で妨げられると、アプリが閉じている間は新しい情報を取得できなくなります。その結果、「LINEを開いたときに通知がまとめて届く」といった遅延が発生してしまうのです。
ここからは、バックグラウンド通信を妨げる主な原因と、それぞれの対処法を紹介します。
なお、バックグラウンド通信以外が原因でLINEの通知が来ない、または遅れる場合の対処法については下記記事にて詳しく解説しています。あわせて確認してください。
原因1:端末のデータ通信節約モードがオンになっている

今や、多くのスマホでデータ通信を節約する機能が搭載されています。モバイルデータの使いすぎ、ひいては通信速度制限を予防するためです。
これらの機能が有効化されている間はデータ消費量を抑えるため、基本的にWi-Fi接続時のみバックグラウンド通信がおこなわれます。これにより、移動中や外出中はLINEアプリを開くまで通知が届きません。同様の症状に悩まされている人は、一度設定を確認してみてください。
iPhoneでの対処法
iPhoneの「省データモード」では、自動アップデートや写真同期など特定のバックグラウンド動作のみが停止します。アプリ通知を受信する動作は省データモードの対象外となっているので、直接的な原因とは考えづらいでしょう。
ただ、不具合等により通知機能に意図しない影響を及ぼしている恐れもあるので、念のため設定をオフにしてテストしてみるのもいいかもしれません。


「設定」アプリから、[モバイル通信]→[モバイルデータ通信のオプション]の順にタップします。


「データモード」画面で「省データモード」以外を選択
[データモード]をタップして、
もしくは を選んでください。Androidスマホでの対処法



ホーム画面でLINEアプリのアイコンを長押しし、展開したメニューで[ i ]ボタンをタップします。
アプリ情報画面が開いたら、[モバイルデータとWi-Fi]をタップします。ここで「バックグラウンドデータ」と「モバイルデータの無制限利用」両方のトグルをオンにします。
原因2:端末の省電力モードがオンになっている

端末の「省電力モード」や「バッテリー節約モード」の設定を確認しましょう(名称は機種によって異なります)。
これらの機能は、スマホ全体のパフォーマンスを抑えてバッテリー消費を減らすためのものです。そのため、処理速度が制限されるほか、使用していないアプリのバックグラウンド通信が停止し、通知がリアルタイムで届かなくなることがあります。
特にAndroidスマホでは、省電力モードをオンにすると「停止中のアプリから通知が届かない」「通知が遅延する」と明記されている機種もあります。また、バッテリー残量が一定以下になると自動的にオンになる場合もあるため、心当たりがなくても一度設定を確認してみるとよいでしょう。
iPhoneでの対処法


ホーム画面で「設定」アプリを開き、[バッテリー]をタップします。「低電力モード」がオンになっていた場合、「低電力モード」をオフに切り替えてください。
Androidスマホでの対処法

画面を上から下にスワイプし、設定パネルを出す

「長エネスイッチ」をオフにする(例:AQUOS sence 4)
画面を上から下にスワイプして、クイック設定パネルを表示します。機種ごとに以下の名称を探し、オンになっていた場合はオフに切り替えます。
- Pixel・arrows:バッテリーセーバー
- Xperia:STAMINAモード
- AQUOS:長エネスイッチ
- Galaxy:省電力モード(パワーモード)
- OPPO:省エネモード
または、以下の手順でLINEアプリのバックグラウンド使用を許可する方法もあります。



ホーム画面でLINEアプリのアイコンを長押しし、展開したメニューで[ i ]ボタンを押します。アプリの[モバイルデータとWi-Fi]に進み、「バックグラウンドデータ」をオンにしてください。
原因3:ユーザーのタスクキル(アプリの強制終了)行為
通知の遅延を防ぐためには、LINEアプリをむやみに強制終了しないことが大切です。強制終了するとバックグラウンド通信が遮断され、通知が届かなくなる場合があります。

スワイプして強制終了をしない
アプリの強制終了とは、いわゆる「タスクキル」のことです。上の画像のように、マルチタスク画面で待機中のLINEアプリを上方向にスワイプして終了させる操作を指します。
タスクキルをおこなっても、スマホがオンラインであればバックグラウンド通信は即座に止まるわけではありません。しかし、強制終了と再起動を繰り返すことで無駄な処理が増え、結果的に通知の受信が遅れたり不安定になったりする可能性があります。この点については、LINEアプリの通知設定画面でも注意喚起されています。

バックグラウンドで待機しているアプリが増えると、「バッテリーを消費しやすくなる」「メモリを圧迫して動作が重くなる」といったイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし、近年のスマホは十分なメモリを搭載しており、待機中アプリによる動作への悪影響はほとんど気にする必要はありません。そもそもiOS・Androidともに、バッテリーやメモリの使用状況は自動で最適化されます。一定時間使われていないアプリや、過剰にメモリやバッテリーを消費しているアプリは自動的に終了するため、ユーザーが手動で管理する必要は基本的にありません。
原因4:メモリ解放アプリや節電アプリ、ウイルス対策アプリの干渉

スマホにインストールしている他のアプリが、LINEの通知受信に干渉している場合があります。前述した内容を踏まえると、起動中のアプリを一括で強制終了する「メモリ解放アプリ/クリーナーアプリ」や、バッテリー消費を抑える「節電アプリ」には注意が必要です。これらはバックグラウンド通信を止めてしまい、通知の遅延や不達を招くことがあります。
また、ウイルス対策アプリが通知機能に影響するケースも報告されています。心当たりがある場合は、これらのアプリを一時的に無効化またはアンインストールし、通知が正常に届くかテストしてみましょう。
原因5:端末の不具合またはストレージ不足

スマホの不具合やストレージ不足が原因で、通知が届かない場合があります。こうしたトラブルは、端末を再起動するだけで改善するケースも少なくありません。手軽に試せる方法なので、まずは再起動してみることをおすすめします。
また、内部ストレージの空き容量が不足すると、スマホ全体の処理速度が低下しやすくなります。動作がもたつくことで「通知の表示が遅れる」といった現象が起こる可能性もあります。
目安として、内部ストレージの空き容量が10%未満になっている場合は注意が必要です。不要なアプリやファイルを削除し、容量を確保しておきましょう。
原因6:LINEアプリの不具合またはキャッシュが溜まっている
どんなに優れた設計のアプリでも、長期間同じ端末で使い続けているうちに、不具合や動作トラブルが発生することがあります。特に通知まわりの不具合は、アプリを再インストールして初期状態に戻すことで解消できるケースも少なくありません。
ただし、LINEを再インストールする際は、トーク履歴のバックアップやアカウント情報の確認といった事前準備が必要です。操作は、安定した通信環境が確保できるタイミングでおこないましょう。
LINE通知が届かない場合のケース別対処法
ここでは「特定の相手からだけ通知が届かない」場合の対処法や、LINE通知が正常に動作しているかを確認する方法を紹介します。
特定の人からだけ通知が来ないときの対処法
特定の相手からの通知だけが届かない場合は、LINEの個別通知設定でその相手の通知がオフになっていないかを確認しましょう。


通知が届かない相手とのトーク画面を開き、右上のメニューボタン
をタップしてください。表示されたメニューからスピーカーアイコンを確認してみましょう。スピーカーアイコンに斜線が入り、「通知オン」と表示されている場合、通知がオフの状態です。ここをタップすると通知がオンになります。
この設定は、個人トークだけでなくグループトークにも適用されます。特定のグループから通知が来ない場合も、同様の手順で確認してみてください。
通知が改善されない場合、再インストールも視野に

前述の対策をすべて試しても改善されない場合、LINEアプリ自体に不具合が生じている可能性があります。このようなときは、アプリの再インストールも効果的です。
ただし、再インストール時にはトーク履歴やアカウント情報が失われないよう、事前の準備が必要です。手順や注意点は、以下の記事で詳しく解説しています。
LINEの通知が正常に届くかテストする方法
対処法をひと通り試したら、通知がリアルタイムで受信できるかを確認してみましょう。
ここでは、LINEの自動リマインド機能「リマインくん」を使って、1人でも簡単にできるメッセージ受信テストの方法を紹介します。もちろん、家族や友人に協力してもらい、実際にメッセージを送ってもらう方法でも構いません。

検索で「リマインくん」を探してタップ

リマインくんを友だちに追加
LINEの「ホーム」画面の検索窓から「リマインくん」と検索して「リマインくん」を友だち追加します。
このとき、公式アカウントに絞って検索すると簡単に見つけることができます。

左下のキーボードボタンをタップ

『通知テスト』など適当な内容を入力し、1分後など任意の時間を指定して送信

指定した時刻にリマインくんから通知が届く
リマインくんとのトーク画面を開き、左下のキーボードボタンをタップします。キーボードが表示されたら、『通知テスト』など任意の内容を入力し、リマインド時間を「1分後」などに設定すれば完了です。通知が正常に受信できていれば、指定した時刻にリマインくんから通知が届きます。
リマインくんを使わずに確認する方法としては、以下のようなものもあります。
- 他の人にメッセージを送ってもらう
- 別アカウントを持っていれば、自分で送信してみる
テストの際は、LINEアプリをマルチタスク画面からスワイプして終了し、さらに端末をスリープ状態にして試すとより確実です。こうすることで、アプリを起動していない状態で通知が届くかどうかを確認できます。
それでも通知が届かない場合は、端末の設定やアプリの通知権限を再確認してください。通知は届くものの遅延する場合は、Wi-Fiとモバイル通信の切り替えなども試してみましょう。