LINEに備わっているKeep(キープ)とは、写真や動画、PDFファイル、トークメッセージなどをライン上に保存しておける大変便利な機能です。保存できる容量には上限がありますが、基本的には無期限でデータを保存可能。機種変更してもLINEアカウントを引き継げば、Keep内のデータもそのまま移行できます。
そこで本記事では、押さえておくべきLINE Keep(ラインキープ)の基本機能を紹介。より便利にキープを使いこなすためのテクニックや、Keep内のデータが消えた要因などのよくある疑問点についても解説しています。
LINE Keep(ラインキープ)とは? その特徴と注意点
Keepは、各種コンテンツをLINE上に保存しておけるストレージ機能です。写真や動画、WordやExcel、PDFなどのファイル、音声メッセージ、メモなどのテキストデータを保存しておくことができます。
- 写真
- 動画
- WordやExcel、PDFなどのファイル
- 音声メッセージ
- メモなどのテキストデータ
- URL(リンク)
LINEでやりとりしたデータが保存の主な使い道となりますが、端末内に保存してあるデータもKeepにアップロードできます。
トークでやりとりしたデータを無期限で保存できる
LINEのトークでやりとりした写真や動画、ファイルなどのデータは、一定期間をすぎると保存期限が切れて閲覧や保存ができなくなります。期限切れとなってしまうと、相手に送り直してもらう以外、閲覧・保存する方法はありません。
トークで送受信した画像は、一定時間が経過すると「保存期限が終了したため…」となり閲覧できなくなる
その点、Keep機能を使えば、これらのデータを1GBまで無期限でLINE上に保存し続けることができます。
ただし、1ファイルあたりの容量が50MBを超える場合は、30日間の制限付きとなるので注意が必要です(後述)。
【LINE】写真・動画の保存期間は? 期限終了後は保存・復元できない、予防策を解説
保存できる容量は最大1GB・1ファイル50MBが上限
Keepのメイン画面で[]ボタン→[設定]と進んだ画面で残りのストレージ容量が確認できる
LINE Keepには、合計1GBまでのデータを無期限で保存できます。とはいえ、以下の通りデータの種類によっては制限があるので注意が必要です。
- 画像: 制限なし
- Word、Excel、PDFなどのファイル:制限なし
- 動画 : 最大5分
- テキスト:最大1万字
たとえば、5分以上の動画をKeepに保存しようとすると、自動で5分間に縮小されてしまいます。
50MBを超えるファイルには残りの日数のマークがつき、1日経過するごとに数字がカウントダウンされる
また、1ファイルが50MBを超える場合、そのファイルの保存期間は30日間に制限されます。動画など容量の大きいファイルの保存する際には気をつけましょう。
スマホの故障・紛失時もKeepに保存したデータは消えない
LINE Keepは、インターネット経由でデータを保存しておける「オンラインストレージ」サービスの一種。Keepに保存している写真や動画のデータは、スマホの端末内ではなく、LINEのサーバーに保存される仕組みです。
したがって、スマホ本体を故障や紛失で失ったとしても、新端末でLINEアカウントにログイン(パスワードや電話番号の入力)するだけで、いつでもKeepのデータにアクセスできます。
1GBまでの容量制限付きですが、大切な写真や動画のバックアップ先として利用するのもおすすめ。機種変更によるLINE引き継ぎ時に、トーク内の写真などを一時的に保存しておくのにも有用です。
LINE Keepの基本的な使い方
ここからは、Keepの使い方・基本操作を初心者にも分かりやすく解説します。
コンテンツ(写真・動画・ファイル)をKeepに保存する
Keepへの保存は、「LINEのトークから保存する方法」と「端末等のデータをKeepにアップロードする方法」に大別されます。
トークからKeepに保存する
LINEのトークでやりとりしたコンテンツを保存するのは簡単です。
保存したいコンテンツ(テキスト、写真、動画など)を長押しし、[Keep]をタップ。保存したいトークを選択(複数選択も可)して[保存](iOS版)/[Keep](Android版)をタップすれば保存完了です。
端末等のデータをKeepにアップロードする
左:「ホーム」タブで[Keep]をタップ中:[+]ボタンをタップ右:アップロードしたいコンテンツを選択
Keepには、端末など(クラウドストレージも含む)に保存されているデータを直接アップロードすることも可能です。
LINEの「ホーム」タブから、自分のプロフィール名の横にある[Keep]ボタンをタップ。Keepのページに移動したら、上部にある[+]ボタンを押しましょう。
[テキスト][写真・動画]などコンテンツの種類を選択するメニューが表示されるので、Keepに保存したいものを選択します。
左:写真・動画を選択した場合はカメラロール(ギャラリー)が開く右:ファイルを選択した場合はファイルアプリが開く(画面はiPhoneのファイルアプリ)
あとは、Keepにアップロードしたいコンテンツを選んで(複数可)、[選択]をタップすればOKです。自動的にKeepのページに移動し、保存されているのを確認できます。
Keepに保存したコンテンツを閲覧・ダウンロードする
保存したコンテンツは、LINEアプリ上でいつでも閲覧・ダウンロードができます。
LINEの「ホーム」タブから、自分のプロフィール名の横にある[Keep]をタップしてKeepにアクセスします。
「写真」や「ファイル」などのタブに分類される
Keepでは、コンテンツの種類によって「写真」「動画」「ファイル」「リンク」などのタブに自動的に分類されます。
コレクション機能やピン留め機能を使えば、より細かく整理することも可能です。
Keep内のコンテンツを端末にダウンロードするときは、各ファイルの右横にある[]ボタン→[端末に保存]をタップします。
Keepから端末にダウンロードしたファイルは、Androidスマホの場合、ストレージ内の「LINE」という名称のフォルダに保存されるケースが多くなっています(写真や動画は、アルバム等でも確認できる場合もあります)。またiPhoneの場合は、「写真」アプリや「ファイル」アプリから参照できます。
Keepに保存したデータを削除する
Keepへ保存したデータは個別、あるいは一括選択で削除できます。
Keepのコンテンツをひとつずつ削除
Keepへ保存したデータを個別に削除するには、各ファイルの右側にある[]ボタンから[削除]を選択します。
再度[削除]をタップすれば削除完了です。一度削除したら修復できないので注意してください。
複数のコンテンツをまとめて削除
複数選択して削除するには、Keepの画面右上にある[]ボタンから[アイテムを選択]をタップ。コンテンツを選んだら画面左下のゴミ箱ボタン[]→[削除]で削除完了です。
LINEトークでKeepにあるコンテンツを共有する
Keepに保存されているコンテンツは、LINEのトークや他アプリなどで共有できます。ここでは最もポピュラーな共有手段として、トークルームでKeepを呼び出して写真やファイルを送信する手順を紹介します。
ファイルを共有したい相手(グループ)とのトークルームで、メッセージ入力欄の左にある[+]をタップ。メニューから[Keep]を選択してください。
左:共有するコンテンツを選択(複数可)右:選択したコンテンツが共有(転送)された
Keepの画面が表示されるので、共有したい写真・動画、ファイルなどを選択します。複数選択も可能です。
[シェア]をタップすると、Keep内のコンテンツがトークに共有されます。
LINE Keepを使いこなすための便利テクニック
LINE Keepを使う上で知っておくと便利な5つのテクニックを紹介します。
「コレクション」機能でフォルダ分けする
「コレクション」機能は、フォルダ分けのような機能です。Keepに保存したコンテンツを自分が付けたフォルダ名で分かりやすく整理できます。
コレクションは100個まで作成可能で、コレクション内に追加できるコンテンツの数に制限はありません。
コレクションを作成するには、Keepページ「コレクション」の項目にある[+]をタップ。隠れている場合は[∨]ボタンを押すと表示できます。
コレクション名を入力して[作成]ボタンをタップ。これで新しいコレクションが作成されました。
左:[アイテムを追加]をタップ中:コレクションに追加するコンテンツを選択して[作成]右:コレクションの作成完了。コンテンツの追加もできる
コレクションにコンテンツを振り分けたいときは、[アイテムを追加]をタップ。
すると、Keepに保存しているコンテンツ一覧が表示されるので、コレクションに追加したいものを選択して[作成]をタップすればOKです。
左:トーク画面でコンテンツを長押しして[Keep]をタップ中:画面下部の[コレクション]をタップ右:任意のコレクションを選択
ちなみに、トーク画面からコンテンツを保存する際、保存先を任意のコレクションに指定することも可能です。
Keep保存後に表示される「Keepを保存しました」の横にある[コレクション]をタップ。保存先のコレクションを選択すればOKです。
コレクションの作成・追加・削除など、詳しい使い方は以下の記事で紹介しています。
トークと同じ感覚でテキストや画像を保存できる「Keepメモ」
「Keepメモ」は、自分だけが参加できるメモ専用のトークルームです。iOS、Android版は10.11.0以上、PC版はバージョン6.1.0以上で利用できます。
Keepメモのトークルーム画面上部にあるLINE Keepボタン[]をタップすると、LINE Keepを開ける
友だちとのトークと同じ感覚でKeepメモにメッセージや画像などを送信すると、自動的にLINE Keepに表示してくれます。わざわざメモ帳アプリを使わずとも、思いついたときにすぐメモができるほか、友だちに送るLINEメッセージの下書き作成などにも活用できそうです。
ただし、Keepメモも普通のトークルームと同様、送信した画像・動画・ファイルは一定期間を経過すると閲覧・保存ができなくなります(テキストメッセージ、リンクは無期限)。
残しておきたい画像・動画・ファイルは、長押しして改めて[Keep]に保存しておきましょう。
お気に入りのコンテンツを「ピン留め」しておく
左:コンテンツ右上の[]→[ピン留め]をタップ右:Keepの最上部に表示される
Keepに保存されたコンテンツは新しい順に並んでいるため、古いものは画面下のほうに表示されるようになってしまいます。
そこで、何度も見返したい写真や動画、テキストは、Keep内にピン留めしておくのがおすすめ。ピン留めしておけば、常にKeepの最上部に固定表示されます。
ピン留めを解除したい場合は、各コンテンツのメニューボタン[]をタップして[ピン留めを解除]をタップしてください。
Keepに保存したコンテンツを他のアプリへ共有する
Keepに保存しているコンテンツは、LINEトークへの共有をはじめ、メールやツイッターなど他アプリへのシェアもおこなえます。
シェアしたいコンテンツのメニューボタン[]をタップし、iOS版は[共有]、Android版は[シェア]をタップ。「送信先を選択」から[他のアプリ]を選択します。
左:Instagramを選択した場合右:Twitterを選択した場合
あとは共有するアプリを選択しましょう。メールのほか、InstagramやTwitterなどのSNSも選択可能です。
PC(パソコン)版LINEでKeepを活用する
LINEのKeep機能は、PC(パソコン)版LINEでも利用できます。スマホとPC間でのファイル共有などに役立つでしょう。
LINEのトークでやりとりした画像やファイルも、[Keep]を押すだけで保存が完了します。
PC内にあるファイルをKeepに保存したいときは、メニューバーから付箋マークをクリック。
別ウィンドウでKeep画面が立ち上がるので、右上の[+]ボタンをクリックして[ファイルを追加]を押すか、追加したい画像やファイルをドラッグアンドドロップすると、Keepに保存できます。
LINE Keepに関するよくある疑問と答え
LINE Keepを利用する際に、よく挙がる疑問点とその答えをまとめています。
Q1:Keepに保存していたデータが消えた理由は?
A:1ファイル50MBを超えるデータやKeepメモに設けられている「保存期限」を過ぎてしまったことが要因と考えられます。
Keepに保存したデータは、基本的に保存期限は設けられていません。しかし、50MBを超えるデータには30日間の保存期限が設けられています。50MB以上のデータは、Keepに加えて端末やストレージサービスなどに保存しておくとよいでしょう。
KeepとKeepメモは別機能だが、同じ画面に表示されるので区別が付きにくい
またLINEによれば、「Keepメモ」のデータがKeep内に表示される期限は2週間程度と案内されています。
KeepメモとKeepは同じ場所に表示されているため区別がつきにくいのですが、KeepメモはKeepに保存されているわけではなく、一時的にKeepの画面に表示されているだけです。
つまり、Keepメモに保存した写真やテキストなどが保存期限を経過すると、Keepの画面から消えてしまうのです。Keepメモ保存後は、Keepにも保存しておけば2週間を経過しても消えなくなります。
KeepとKeepメモは非常に似た機能で、同じ画面に表示されるため、区別がつきにくいケースがあります。
Keepメモの場合
Keepメモでは、詳細画面で[]ボタンをタップすると[Keepメモで見る][Keepに保存]という項目があるので、これによってKeepと区別できます。
[Keepに保存]をタップすればKeepに保存され、Keepメモの保存期限が経過してもデータが消えてしまうことはありません。
Q2:Keep内のデータを他人に見られることはある?
A:Keepに保存したデータが、他のユーザーに見られてしまうことはありません。Keepは自分のみ閲覧機能な機能です。
左:自分から見たプロフィール画面にはKeepが表示される右:他のユーザーから見たプロフィール画面には表示されない
自分のプロフィールを開くと、[Keep]ボタンが表示されているので、他のユーザーがアクセスできるのではないかと不安になるかもしれません。
しかし、他のユーザー側から見ると[Keep]ボタンは表示されず、当然中身も見られないので安心してください。
Q3:Keep内のデータを他人と共有できる?
A:Keepに保存されたデータを、他のユーザーと共有することはできません。
前述の通り、Keepは自分専用のストレージ機能です。そのため、自分がKeepに保存したデータを相手のKeepと共有することはできません。
なお、Keepに保存したデータをトークやメールなどで相手に転送することは可能です。
Q4:機種変更時にKeepのデータも引き継がれる?
A:機種変更時にLINEアカウントのデータを引き継げば、Keep内のデータも引き継がれます。
そのためLINEアカウントの引き継ぎ前に、トーク内で共有された写真や動画、ファイルなどをKeepに保存しておくのも有効です。詳しくは下記記事を参照してください。
Q5:「Keepに保存」とは?
A:ブラウザアプリやSNSなどのメニュー画面に「Keepに保存」という項目が表示されることがあります。これを選択すれば、LINEを開かなくてもKeepに保存できます。
左:Safariの場合右:Instagramの場合
SafariやChromeなどのブラウザ、Twitter、Instagramなど、メニュー画面で[Keepに保存]を選択できます。
[Keepに保存]をタップすると、そのページをリンクをKeepに保存できるようになります。Keepから保存したページに気軽にアクセスできるので、気になったサイトなどをブックマークの要領で保存すると便利です。
検証したLINEのバージョン:iOS版11.10.0、Android版11.10.2