新しいスマホに機種変更した際は、それまで使っていた古いスマホにあるLINEアプリのデータも引っ越しさせる必要があります。LINEのアカウントやトーク履歴などを引き継ぐのは案外簡単です。きちんと段階を踏めば、5分程度で終わらせることができるでしょう。
ただし事前の準備や確認を怠ると、余計な手間がかかってしまいます。最悪の場合、引き継ぎに失敗してしまう可能性もあるので注意しなければなりません。
この記事を参考に、iPhoneやAndroidスマホの機種変更に伴うLINEの引き継ぎを安全・確実に実行してください。
引き継ぎを始める前にチェックすべき4つのポイント
LINEの引き継ぎを成功させるためには、確実に押さえておきたいポイントが4つあります。
- 機種変更に伴って電話番号に変化はあるか
- 同じOS(Android・iPhone)への機種変更か
- 旧端末は手元にあって操作できる状態か
- 新しいスマホのセットアップは終わっているか
LINEの引き継ぎを開始する前に、軽く目を通しておくとスムーズにデータ移行を進められるでしょう。
機種変更に伴って電話番号に変化はあるか
LINEアカウントは、基本的にユーザーの電話番号に紐づけて管理されています。そのため、機種変更の前後で「電話番号」がどう変化するのかによって、LINEの引き継ぎ方法も変わります。
- 電話番号が変わらない(機種変更後も同じ電話番号を引き続き使う ※本記事の内容)
- 電話番号が変わる(機種変更で新しく電話番号を取得する ※左記リンク先で解説)
- 電話番号がなくなる(データ通信専用SIMに切り替える ※左記リンク先で解説)
具体的には、上記3パターンに大別されるでしょう。いずれも移行できるデータの種類は変わりませんが、必要な準備や手順などが異なるので注意が必要です。
本記事では、大多数のユーザーが当てはまるであろう「電話番号が変わらない」場合の引き継ぎ方法を解説します。一番オーソドックスなパターンで、最も簡単な手順でデータを引き継げるようになっています。
同じOS(Android・iPhone)への機種変更か
続いて重要になるのが、機種変更前と機種変更後でスマホのOS(Android・iPhone)が変わるかどうか。
というのも、同じOS間で機種変更するケースと、異なるOS間(Androidスマホ⇄iPhone)で機種変更するケースとで、引き継げるデータが異なります。
同一OS間であれば全データを引き継げますが、異なるOS間だとトーク履歴をはじめ、お金まわりのデータ(LINEコインなど)を引き継げません。
- トーク履歴
- LINEコイン・チャージ済みのコールクレジット
- LINEマンガのコイン
- 占いコイン/購入した占い
- LINE GAMESのゲーム内通貨(ルビー・コイン・ハート・ダイヤ)など
- LINE LIVEのコイン
- LINE MUSICのコイン
筆者が確認する限り、復元できる裏技やバックアップできるツールなども存在しません。iOSやAndroid OSの制約である以上、仕方がないことなのです。
LINEコインやコールクレジットは払い戻しができないため、残高はできる限り機種変更前に使い切ってしまいましょう。また、絶対に残しておきたいトーク履歴は、苦肉の策としてテキストファイルやトークスクショといった形で残しておくことが可能です(復元はできません)。
以下の記事を参考に、引き継ぎを実施してみてください。
旧端末は手元にあって操作できる状態か
旧スマホのLINEアプリが操作できる状態かどうか、というのも重要なポイントです。
LINEの引き継ぎでは、機種変更「前」に旧スマホ側でおこなう準備や確認がその成否を左右します。また、パスワード忘れやバックアップ漏れなど、データ移行中に何かしらの問題が発覚するケースも想定されます。旧端末のLINEアプリが操作できない状態だと、これらのトラブルに対処できず、データを引き継げないことにもなりかねません。
完全にデータ移行作業が完了するまで、旧スマホは下取りに出したり初期化したりせず、そのままの状態で手元に残しておいてください。携帯電話会社には後日、郵送で下取りに出せます。
また、スマホの故障や紛失などのトラブルにより、やむを得ず事前準備ができないまま引き継ぎ作業をおこなうことがあるかもしれません。この場合、以下の記事で引き継ぎの可否や引き継ぎ方法を確認し、診断結果に応じて適切に引き継ぎ作業を進めていきましょう。
新しいスマホのセットアップは終わっているか
新しいスマホのセットアップはすべて完了し、SMSの送受信や音声通話、インターネット接続がおこなえる状態でしょうか?
LINEのデータを引き継ぐためには、SMSもしくは音声通話による電話番号認証が必要です。SIMカードの入れ替えが正しくできていないと、LINEアカウントにログインできません。
また、機種変更に合わせて通信会社の乗り換えもおこなう場合、電話番号の引き継ぎ(MNP転入手続き)も完了させておく必要があります。
さらにiPhoneの場合、新しい端末を手に入れたら、必ず旧端末と同じApple IDでログインしておかなければなりません。
LINEのトーク履歴のバックアップ先である「iCloud」は、Apple IDに紐づいています。旧端末(バックアップ時)と異なるApple IDでiPhoneにログインした状態だと、トーク履歴を復元できないのです。
機種変更後も同じ電話番号を使う人向けのLINE引き継ぎ方法
ここからは、機種変更時にLINEのデータを引き継ぐ手順を解説します。さっそく下のイラストで引き継ぎの大まかな流れを確認しましょう。
まずはイラストでLINE引き継ぎの流れをひと目で確認
本記事では、機種変更「前」に旧端末でおこなう作業と、機種変更「後」に新端末でおこなう作業の2つに分けて手順を解説します。特に機種変更前におこなう準備が重要で、引き継ぎの成否を左右すると言っても過言ではありません。
以下、一つひとつ確実に実行・チェックしていきましょう。
機種変更「前」に旧端末でおこなう作業
LINEの引き継ぎでは、機種変更前に旧スマホ側でおこなう事前の準備や確認がかなり重要です。
LINEアプリを最新バージョンにアップデートする
まずは、必ず旧スマホのLINEアプリのバージョンを最新にアップデートしておきましょう。古いバージョンのLINEアプリでバックアップしたトーク履歴は、機種変更時に新しい端末で復元できない可能性があります。
トークで共有されている写真・動画・ファイルを保存する
トークルーム内で共有されているだけの写真や動画は、トーク履歴をバックアップしていたとしても、機種変更の際に消えてしまうおそれがあります。
大切な写真・動画は端末にダウンロードしておくか、あらかじめLINEのストレージ機能「Keep(キープ)」に保存しておきましょう。
Keepに保存しておけば、機種変更後も「ホーム」タブにある
ボタンから写真や動画を閲覧・ダウンロードできます。ただ、動画は5分以内のものしか保存できないほか、50MBを超えるファイルは保存期間が30日間に制限されます。容量の大きいファイルの取り扱いには注意が必要です。
LINEに登録している電話番号・パスワード・メールアドレスを確認する
電話番号「変更なし」の引き継ぎでは、原則として電話番号による認証とパスワード入力だけでLINEアカウントを引き継げます。
その反面、パスワード未登録だったり、正しく入力できなかったりすると、引き継ぎに失敗する恐れもあるので注意が必要です。
最新のトーク履歴をバックアップ
友だちリストやスタンプ、アルバム、KeepなどのデータはLINEのサーバーに自動で同期されるため、アカウントを引き継ぐだけで同じ状態に復元されます。
一方、トーク履歴は端末のLINEアプリ内に保存される仕組みです。そのため、機種変更後の端末で元通りに復元させるには、事前に旧端末でバックアップ作業をおこなわなければなりません。
バックアップの手順はiPhoneかAndroidかによって変わるので、自身の環境に合わせて確認してください。なお前述した通り、異なるOS間(Android版LINE⇄iOS版LINE)での機種変更ではトーク履歴は復元できません。
LINEのトーク履歴は、iOS版LINEでは「iCloud」、Android版LINEでは「Googleドライブ」を利用しますが、いずれも無料で利用できる容量に上限があります。
- iCloud:5GBまで
- Googleドライブ:15GBまで
基本的にトーク履歴のバックアップに必要な容量としては十分ですが、すでに他の保存データで逼迫している場合、容量不足でバックアップに失敗する可能性があります。あらかじめ、空き容量を確認しておくと安心でしょう。
機種変更「後」に新端末でおこなう作業
旧スマホ側での事前準備をしっかりおこなえていれば、新スマホ側での作業はスムーズに進みます。
新しい端末にLINEアプリをインストールして起動する
新しいスマホにLINEアプリをインストールし、起動します。
「LINEへようこそ」の画面が表示されるので、
をタップします。ログイン方法を選択
iOS版では3つ、Android版では2つのログイン方法が表示されます。
を選択すればOKです。事前にFacebookやApple IDとLINEアカウントを連携していた場合は、それぞれログインを進めてください。
電話番号認証を済ませる
上の手順で電話番号認証を済ませましょう。SMS経由で認証番号が届かない場合は、以下の記事を参考に対処してみてください。
パスワードを入力してログインする
電話番号認証が正しくおこなわれると、「おかえりなさい○○!」と登録した電話番号に紐付いたアカウント名が表示されます。自分の情報で間違いなければ、
を選びましょう。次の画面でパスワードの入力が求められるので、登録してあるパスワードを入力して
ボタンをタップしてください。トーク履歴を復元する
「トーク履歴はバックアップ済みですか?」と表示されるので、
をタップしてください。ちなみに、Android版LINEはトーク履歴をいつでも復元できる仕様です。ログインを済ませた後に、LINEの設定からトーク履歴を復元させてもOKです。
「トーク履歴を復元しますか?」という確認ポップアップが表示されます。トーク履歴のバックアップが確実に取れているなら
を押しましょう。メッセージにあるように、
を押した時点でLINEアカウントは新しい端末に引き継ぎ済み(ログイン完了)という扱いになり、以前使っていた端末のLINEアプリが初期化されます。万が一、トーク履歴のバックアップを取り忘れていた場合は、
を押す前に必ず旧端末でLINEアプリを起動してバックアップをとってください。ボタンを押すと、再度「トーク履歴を復元」の画面が表示されます。Android版LINEは、バックアップをとったGoogleアカウントを選択してください。
バックアップが正常におこなわれていれば、「前回のバックアップ:」の項目に当日の日付と時間が記載されているはずです。確認できたら、[トーク履歴を復元]をタップしましょう。これで、新端末へのトーク履歴の引き継ぎは完了です。
万が一、復元できなかった場合は以下の記事を参考に対処してください。
友だち追加設定をおこなう
続いて、「友だち追加設定」のオン・オフを設定します。旧端末と同じ友だちリストを復元したいなら、とりあえずデフォルトの「オフ」のままにしておくのが無難です(後からオンにする設定も可能です)。
というのも、「友だち追加設定」や「友だちへの追加を許可」の項目をオンにすると、スマホのアドレス帳に登録してある電話番号とLINEが紐付きます。結果として、会社の上司や元カレ・元カノなどつながりたくない人が意図せず友だち追加されてしまう可能性があるからです。
必要に応じて年齢確認をする
年齢確認は、LINE IDによる友だち検索・追加をおこなう際などに必要なものです。
普段からLINE IDや電話番号検索を活用している人は、指示に従って年齢確認をおこなってください。引き継ぎ完了後にも設定できるので、先を急ぎたければ後回しにしても大丈夫です。
スタンプ・絵文字・着せ替えを再ダウンロードする
ここまでの手順でトーク履歴や友だちリストは復元されますが、スタンプや絵文字、着せかえなどのコンテンツデータは別途ダウンロード作業が必要です。
「ホーム」タブの設定ボタン
→ → に進むと、以前のスマホで購入したスタンプを再ダウンロードできます。着せかえもスタンプと同様に
→ の順にタップし、再ダウンロードしてください。通知を再設定する
LINEの通知設定は引き継がれません。通知のさまざまな設定を変更しましょう。
「ホーム」タブの設定ボタン
から に進むと、通知のオン・オフや通知音の種類などを設定できます。