勝手にアップグレードされた「iCloud+」って? 追加の新機能や料金プランを解説

ユーザーのセキュリティを向上させる機能も追加

iCloudの容量を追加する「iCloudストレージ」が、「iCloud+(アイクラウドプラス)」と呼ばれるサブスクリプションサービスに生まれ変わりました。これまでのiCloudとどう違うのか、疑問に思う人も多いでしょう。

そこで今回は、iCloud+について基本的な解説と、新たに追加されたセキュリティ関連の機能についても紹介します。

新しいサブスクリプションサービス「iCloud+」

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2021年10月、「iCloud+に追加料金なしでアップグレードされました」というメールを受け取ったユーザーはたくさんいたと思います。

iCloudストレージの有料プランやApple Oneの契約者に送られるメールで、内容は「利用しているiCloudストレージプランが、iCloud+へと自動的にアップグレードされた」というものでした。アップグレードに伴う追加料金などはかからない様子です。

「iCloud+って、一体何なの?」と疑問を抱いた人も多いでしょう。何もしていないのにアップグレードされるので、不審に思った人もいるかもしれません。

簡単に言えば、これまでの「iCloudストレージ」が「iCloud+」という名前に変わったということです。そして名前の変更だけでなく、いくつか機能も追加されています。

これまでのiCloudは、基本的にストレージ容量を増やすことがメインのサービスでした。iCloud+は、メインのストレージ機能を据え置き、さらにストレージ以外の付加価値を強化したサービスです。つまり、利用できる容量やプランの料金は変わらず、使える機能が増えたと捉えるとわかりやすいでしょう。

すでにiCloudをアップグレードしていた人は、何の変化もなく新しい機能を享受できます。あとは機能の詳細をチェックするだけです。

今まで無料プランを利用していた人は、iCloud+へアップグレードすべきかどうか、追加された機能を見て判断してください。

iCloud+に新たに追加された機能をチェック

iCloud+で追加された機能を1つずつ見ていきましょう。新しく追加された機能は4つです。最後のファミリー共有は、家族とストレージや追加された機能を共有できる対象が、一番安い50GBのプランにも適用されるようになったという変更です。

iCloud+に追加された機能
  • iCloudプライベートリレー
  • メールを非公開
  • HomeKitセキュアビデオ
  • カスタムメールドメイン
  • ファミリー共有に対応

iCloudプライベートリレー

Safariでインターネットを利用する際にプライバシーを守るための追加機能です。プライベートリレーを有効にすると、ユーザーがどこの誰で、どんなページを閲覧しているか、Appleを含め誰も知ることができなくなります。

プロバイダやWebサイトは通常、訪問ユーザーのIPアドレスや閲覧履歴を取得できる可能性がありますが、プライベートリレーを有効にするとIPアドレスが秘匿され、かつユーザーの訪問先URLなどが暗号化された状態で送信されるようになります。トラフィックの送受信は、AppleとAppleが提携するサードパーティで経由(リレー)され、これによりプロバイダやWebサイト側がユーザーのIPアドレスや位置情報、閲覧履歴などを参照できないようにします。

プライベートリレーのメリットは、個人の情報が悪用されるのを防げることや、オフィスや公共のWi-Fiネットワークに接続するときに安心できることです。プライベートリレーをオンにしても、インターネットのパフォーマンスが落ちることはなく、プライバシーだけを強化できるという使い勝手のよい機能です。

プライベートリレーは、「設定」アプリの[Apple ID]→[iCloud]→[プライベートリレー(ベータ版)]で設定します。「プライベートリレー(ベータ版)」のスイッチをオンにすると有効になります。

WI-Fiの設定から、特定のWi-Fiネットワークでプライベートリレーのオン/オフを切り替えることも可能です。

しかしベータ版という表記があるように、プライベートリレーは一部のWebサービスで対応していないところもあります。

たとえば楽天モバイルでは、プライベートリレーをオンにすると、課金対象でないサービスのデータ通信が課金対象にカウントされることを注意喚起しています。またソフトバンクは、「動画SNS放題」が適用されずにデータ量を消費してしまう恐れや、「ウェブ安心サービス」のフィルタリング機能が利用できなくなることを注意しています。

こうした場合は、プライベートリレーをオフにすると解決します。該当するサービスを利用している人は注意が必要です。

メールを非公開

こちらも、プライバシーを守るための強化機能です。

ランダムなメールアドレスを発行し、メッセージを個人用のメール(普段使っているiCloudメールなど)に転送できます。個人で使っているメールアドレスを伏せたまま、アプリやWebサイトに登録できるのがメリットです。

似たような機能として、以前からある「Appleでサインイン」を思い出した人も多いでしょう。こちらはiCloud+でなくても利用できますが、使えるのは対応しているアプリやWebサイトのみという制限があります。

「メールを非公開」は、あらかじめメールアドレスを発行する方式のため、「Appleでサインイン」と違い、どんなアプリやWebサイトでも使えます。

「新しいメールアドレスを作成する」をタップしてメールアドレスを作成する

「メールを非公開」は、「設定」アプリの[Apple ID]→[iCloud]→[メールを非公開]を開いて[新しいメールアドレスを作成する]をタップします。

ラベルなどを記入すると作成できる

ランダムのアドレスが作成されるので、用途や内容を忘れないようにラベル(名前)をつけて作成します。

作成したメールアドレスは「Appleでサインイン」で管理され、不要になった場合にいつでも無効にできます。

HomeKitセキュアビデオ

HomeKitセキュアビデオ対応カメラのサポート範囲が広がります。HomeKitセキュアビデオ対応カメラは、人物や動物などの動きを検知したときにビデオを収録し、iCloudへアップロードできます。

以前までは、Homekitセキュアビデオ対応カメラを利用するのに、200GB以上のプランを登録する必要がありました。iCloud+では、50GBのプランで1台、200GBは最大5台、2TBなら無制限の台数のカメラをサポートし、過去10日分のコンテンツを容量制限に関係なく視聴できます。

ちなみに、HomeKitセキュアビデオはあまり普及しているとは言えませんが、Apple Storeなどで購入することは可能です。

カスタムメールドメイン

iCloudで独自ドメインのメールアドレスを使用できるようにします。たとえば、「user@icloud.com」というiCloudメールを使っている場合に、「user@appllio.com」というメールアドレスに書き換えて使用できるということです。

会社や個人でブログを運営しているなら、ドメインを所有していることも多いでしょう。iCloudメールを自分のドメイン名で利用できるようにすることで、iPhone標準のメールアプリやiCloudのメールで、ドメインメールをまとめて運用できるのがメリットです。

同様のサービスは、「Microsoft 365」や「Google Workspace」などが先行して提供していますが、月額130円から利用できるiCloud+は新たな選択肢の1つになりそうです。

カスタムメールドメインの設定は、ブラウザからおこないます。iCloudにログインし、「アカウント設定」画面へと進み、カスタムメールドメインの設定をおこないます。

iCloud+では、最大5つのカスタムドメインを登録可能です。さらに1つのドメインにつき、3つのメールアドレス(エイリアス)を、ユーザーとそのファミリーメンバーが使用できます。

ファミリー共有

ファミリー共有を設定することで、グループのメンバーがiCloud+の機能やストレージを共有できるようにします(最大5人まで)。

前述のように、ストレージの共有はこれまで200GB以上のプランでのみ利用できる機能でしたが、iCloud+では50GBのプランから利用できるようになりました。

iCloud+の料金プラン

iCloud+のプランは、利用できるストレージ容量の違いで50GB、200GB、2TBの3つから選べます。料金は以前と同じです。またダウングレードもいつでもできます。

iCloud+の料金一覧(すべて税込)
  • 50GB:130円/月
  • 200GB:400円/月
  • 2TB:1300円/月
EDITED BY
TOKIWA