LINEの各種データは、AndroidスマホからiPhoneへ、またはiPhoneからAndroidスマホへと異なるOS間で機種変更をする場合でも問題なく引き継げるのでしょうか。
今回、実際にAndroidスマホからiPhoneへLINEを引き継いでみて、移行できるデータに不足がないか検証してみました。漏れがあったデータを補い、なるべく失うものがないようにLINEを引き継ぐ方法を紹介します。
復元できたデータ/できなかったデータ
筆者がAndroidスマホからPhoneへLINEを引き継いだ際に、復元できたデータとできなかったデータをそれぞれピックアップしてみました。
- 過去14日間のトーク履歴
- 友だちリスト
- 参加中のグループ
- 自分のプロフィール情報(LINE IDやアイコン)
- ステータスメッセージ
- アルバムに保存中の写真
- ノートの情報
- 購入したLINEスタンプ・きせかえ
- Keepに保存中のデータ
- LINEポイント残高
- LINE Payの情報(残高含む)
- 過去15日以前のトーク履歴
- LINEコインの残高
- LINEマンガコインの残高
引き継げなかったデータについて少し詳しく解説します。
15日以前のトーク履歴を引き継げない
異なるOSに機種変更する場合、最も注意したいのがバックアップしたトーク履歴を復元できない点です。

OSごとにトーク履歴の保存先が異なるため、「Googleドライブ」に保存したトーク履歴のデータを「iCloud」からインポートして復元することはできない(逆もしかり)。
LINEでは、iPhoneは「iCloud」、Androidスマホでは「Googleドライブ」にトーク履歴をバックアップできます。しかし、せっかくバックアップしたトーク履歴も、異なるOSに機種変更してしまうと復元できません。

この点、2022年6月のアップデートで追加された新機能「QRコードかんたん引き継ぎ」を利用すれば、バックアップなしでも14日間のトーク履歴が勝手に引き継がれます。
直近のメッセージのやりとりなら新端末でも確認できるので、「会話の流れが分からない」「何について話していたか思い出せない」といったトラブルは起こりにくいはずです。
とはいえ、引き継げるのはあくまで14日間限定です。15日以前のトーク履歴で絶対に残しておきたいものは、テキストファイルやトークスクショといった形で残し、後で見返せるようにしておくとよいでしょう。
LINEコイン・コールクレジットが引き継げない
アプリ内課金の決済プラットフォーム(Google Play/App Store)を通して購入した「LINEコイン」や「コールクレジット」の残高は、異なるOSへ引き継げません。


LINEアプリ「ホーム」タブの設定ボタン
から や に進んで、残高を確認しておくことをおすすめします。なお、LINEコインやコールクレジットは払い戻しもできません。コインはスタンプやきせかえを購入、コールクレジットはLINE Outで通話をするなどして、機種変更前に残高を使い切っておきましょう。

LINEコインの残高を確認した際に「LINEポイントから変換できるボーナスコイン〇〇を含む」と記載してあった場合、その分のLINEコインは異なるOSへ引き継げる
LINEポイントを保有している場合「2ポイント=1コイン」のレートでコインに自動変換されてコイン残高に加算されます。
しかしこのコインの実態は、あくまでも「LINEポイント」。LINEポイントは異なるOSへも問題なく引き継げるので、無理に使い切らなくて大丈夫です。実際、筆者の検証でもLINEポイントから自動変換されたコインは、AndroidスマホからiPhoneへ引き継ぐことができました。
LINEマンガコインなど、LINE連動アプリのゲーム内通貨・アプリ内通貨が引き継げない

LINE連動アプリのゲーム内・アプリ内通貨も機種変更でOSが変わる場合は引き継げません。引き継げないと案内されている主なサービスとアイテムは、以下の通りです。
- LINEマンガのコイン
- 占いコイン/購入した占い
- LINE GAMESのゲーム内通貨(ルビー・コイン・ハート・ダイヤ)など
- LINE LIVEのコイン
- LINE MUSICのコイン
実際、Google Playストア経由で購入したLINEマンガのコインは、iPhone版LINEマンガに引き継げませんでした。
チャージ済みのコイン残高やアイテムがある場合、機種変更前にすべて使い切ってしまいましょう。なお、購入済みのマンガや音楽、ゲームデータなどは、異なるOSに機種変更後も引き続き利用・閲覧できます。
Android⇄iPhoneの機種変更でLINEを移行・トーク履歴を保存する手順
ここからは、実際にAndroidスマホからiPhoneにLINEのデータを引き継ぐ方法を紹介します。なお、iPhoneからAndroidスマホへ機種変更する場合も同じやり方でデータを移行できるので、ぜひ参考にしてください。
ここでは、手元に新旧2台のスマホが揃っている前提で手順を解説します。手元に旧スマホがない状況の人は、以下の記事を参照してください。
機種変更「前」に旧端末でおこなう作業
まずは、機種変更前に旧スマホで引き継ぎの準備をおこないましょう。異なるOS間での機種変更でもなるべく心残りのないよう、注意点も踏まえながら詳しく解説していきます。
LINEアプリを最新版にアップデート
まずは、LINEアプリを最新版にアップデートしましょう。
ここで利用する「QRコードかんたん引き継ぎ」は、2022年6月のアップデートで追加された比較的新しい機能です。古いバージョンのLINEアプリだと使えない可能性があります。
iPhoneでLINEアプリをアップデートする手順

iPhoneのホーム画面で「App Store」アプリを開きます。



右上のアカウントアイコンをタップ。アカウント画面を下にスクロールして、LINEアプリを探してください。
横に
ボタンがあれば、これをタップしましょう。 ボタンだった場合は、自身のLINEアプリはすでに最新版にアップデートされているのでそのままでOKです。AndroidスマホでLINEをアップデートする手順

ホーム画面で「Google Play ストア」アプリを開きます。


Google Play ストアアプリ右上にあるアカウントアイコンをタップ。メニューから
を選択。

「管理」タブから
をタップします。アップデート未実施のアプリが一覧で表示されるので、下にスクロールしてLINEアプリを探してください。もしLINEアプリがリストにあれば、横の
ボタンをタップします。一方、リストにLINEアプリがなかった場合はすでに最新版にアップデートされています。そのまま何もしなくてOKです。LINEコインや関連アプリのゲーム内通貨、アイテムなどを使い切る
繰り返しになりますが、Google PlayやApp Storeを経由して購入したLINE・LINE連動アプリのゲーム内・アプリ内通貨は、異なるOSに引き継ぐことはできません。
LINEコイン、マンガコイン、占いコイン、ルビー・ハート・ダイヤなどはすべて使い切ってしまいましょう。ゲームのデータや購入済みのコンテンツ自体は、異なるOSの端末に引き継ぐことが可能です。
トークで共有されている写真/動画を保存する
過去15日以前のトーク履歴は、異なるOSへ引き継げません。トークで送受信した写真や動画もすべて消えてしまうので、あらかじめ端末にダウンロードしておくか、LINEのストレージ機能「Keep(キープ)」や「アルバム」に保存しておきましょう。


友だちとのトーク画面を開き、右上にあるメニューボタン
をタップ。「写真・動画」項目横の[>]ボタンを押してください。


右上の選択ボタンをタップして、保存したい写真すべてにチェックを入れます。中央の共有ボタン
をタップして保存先に を選択すればOKです。なお、5分以上の動画と50MBを超えるファイルはKeepに保存できない可能性があります。ダウンロードボタン
を押して端末に保存しましょう。
Keepに保存したファイルは、LINEアプリ「ホーム」タブの自分のアカウント名の横にあるリボンボタンから閲覧・保存できます。
15日以前のトーク履歴をテキスト保存またはスクショ撮影
前述したように、異なるOSへの機種変更では15日以前のトーク履歴は消えてしまいます。絶対に残しておきたいやりとりは、テキストファイルや画像ファイルなどで残しておきましょう。

トークスクショ機能で撮影した画像
後で見返せるように履歴を残しておきたいなら、LINEのトークスクショ機能を利用するのがおすすめです。
通常のスクリーンショットでは収まりきらない長いやりとりも、上の画像のようにまとめて1枚の画像として撮影できます。


スクショしたいトーク部分の開始位置になるメッセージを長押しし、メニューからスクショを選択してください。
終了位置にあたるメッセージをタップしてスクショ範囲を選択したら、
ボタンを押します。筆者が試したところ、メッセージは156件まで選択できました。
確認画面が表示されたら、ダウンロードボタン
をタップして端末に保存しましょう。このほか、共有ボタンからKeep(キープ)に保存しておくのもおすすめです。機種変更「後」に新端末でおこなう作業
旧スマホ側での事前準備をしっかりおこなえていれば、新スマホ側での作業はスムーズに進みます。
新しいスマホのセットアップを終わらせる
LINEの引き継ぎを始める前に、新しいスマホへのデータ移行やセットアップを終わらせておきましょう。異なるOSへ端末のデータを引き継ぐ方法については、以下の記事をそれぞれ参照してください。
AndroidスマホからiPhoneへの機種変更時にデータを移行する方法と注意点iPhoneからAndroidスマホへの機種変更でデータ移行する方法と注意点
新しい端末にLINEアプリをインストールして起動する
新しいスマホにLINEアプリをインストールし、起動します。
「QRコードログイン」をタップ

「LINEへようこそ」の画面が表示されるので、
をタップします。
「QRコードログイン」「電話番号でログイン」「Facebookでログイン」「Apple IDでログイン(iPhone限定)」と複数のログイン方法が表示されたら、「QRコードログイン」を選択します。過去14日間のトーク履歴を引き継げるのは「QRコードログイン」だけです。


QRコードログインを選択後に[QRコードをスキャン]をタップすると、リーダーが起動します。新スマホをこの状態にしたまま、古いスマホを取り出しましょう。
古いスマホで引き継ぎQRコードを表示させ、新しいスマホで読み取る



古いスマホのLINEアプリを起動し、「ホーム」タブ右上の設定ボタン
をタップ。メニューから を選んで、QRコードを表示させます。
このQRコードを、新しいスマホで読み取ってください。
セキュリティ上、同じQRコードを表示していられるのは15秒間までです。15秒経過すると、自動で新たなQRコードに切り替わります。さらに15秒経過すると、QRコードが表示されなくなってしまいますが、更新ボタンを押せば再表示できます。



読み取りが完了すると、古いスマホのLINEアプリに「新しい端末でこのQRコードをスキャンしましたか?」と表示されます。「はい、スキャンしました」にチェックを入れて[次へ]をタップ。端末の画面ロックを解除しましょう。
「新しい端末でLINEアカウントにログインしてください」と記載された白い画面が表示されたら、再び新しいスマホを取り出します。
自分のアカウントにログイン

QRコードから読み込んだアカウント情報が表示されます。自分のもので間違いなければ
を押してください。

本来は、ここでトーク履歴を復元する操作に入ります。しかし、異なるOS間での機種変更ではトーク履歴を復元できないので、
をタップし、確認画面で[OK]を選択しましょう。これで自身のアカウントへのログインが完了し、LINEのホーム画面が表示されます。プロフィール情報や友だちリスト、グループなどが問題なく復元されているか確認してみてください。
LINEスタンプやきせかえを再ダウンロードする
最後に、スタンプや絵文字、着せかえなどのコンテンツデータをダウンロードし直しましょう。


「ホーム」タブ右上にある設定ボタン
をタップ。メニューを下にスクロールして を探します。

マイスタンプをタップすると、過去に購入したことのあるスタンプが一覧で表示されます。
スタンプ横のダウンロードボタン
を押すか、 をタップしてください。これでスタンプを復元できます。なお、一度購入したスタンプは何度でも無料でダウンロードできるのでお金はかかりません。着せかえを利用していた人は、同じ要領で再ダウンロードしましょう。