Instagramでよく見かける「非公開」のアカウント。俗に「鍵垢(鍵アカウントの略)」とも呼ばれる非公開アカウントは、リアルな友だち以外とつながりたくなかったり、できるだけ安全かつクローズドにインスタグラムを使いたかったりする場合に便利な機能です。
本記事では、インスタで非公開アカウントに設定したとき、フォロワー以外のユーザー(第三者)に対してどこまで非公開になるのかを解説。また、自分の行動(ストーリー閲覧、いいね、コメント、タグ付けなど)が通知等で第三者にバレたり、履歴として残ったりするのかどうかも検証します。
インスタグラムにおける非公開アカウントとは
インスタグラムの非公開アカウントとは、フォロワー以外のユーザー(本記事では便宜的に「第三者」と呼びます)に自分の投稿などを見られないようにするアカウント設定。Twitterの鍵アカウントなどと似た機能です。

非公開アカウントのプロフィール画面。フォロワー以外の第三者に「このアカウントは非公開です」と表示される
インスタグラムは写真や動画を共有する場であるため、自分や友人の顔、訪れた場所など、文字だけのSNSよりも多くの個人情報が公開されることになりがち。見知らぬ誰かにすべての投稿を閲覧されたくないのであれば、アカウントを非公開に設定することをおすすめします。

アーカイブすれば特定の投稿だけ非表示にできる
特定の投稿だけを非公開にしたいのであれば、アカウントを非公開化するまでもありません。投稿ごとに非公開化できる「アーカイブ」機能が用意されているからです(複数の写真を一括投稿している場合、1投稿内の写真を個別に非公開にすることはできません)。
非公開アカウントにするとどうなる?
インスタで非公開アカウント(鍵アカ)にすると、フォロワー以外のユーザー(第三者)からの行為に対してどのような影響を及ぼすのでしょうか。以下4つの場面についてそれぞれ解説します。
プロフィールの検索とフォロー申請

非公開アカウントも検索結果に表示される
第三者は、非公開アカウントを検索タブで探せます。検索結果では、非公開アカウントであってもユーザーネームや名前、プロフィール写真などが表示されます。
このアカウント検索などから、第三者は非公開アカウントのプロフィール画面に移動できるため、プロフィール画面自体は閲覧できるわけです。ただし、非公開アカウントのフォローは承認制になります。


非公開アカウントを[フォローする]と、アカウント主へフォローリクエストが送信される
第三者が非公開アカウントのプロフィール画面などで[フォローする]をタップすると、非公開アカウントに対してフォローリクエストが送信されます。非公開アカウント側では、受信したフォローリクエストの確認(リクエストの承認)または削除(リクエストの拒否)を選択できます。ちなみに、フォローリクエストが削除された場合でも、第三者は再度フォローの申請が可能です。
インスタグラム「フォロー」機能とは? 基本の使い方や注意点など超入門ガイド
非公開アカウント側としては、どうしても第三者にフォローされたくなかったり、申請がしつこいと感じたりするのであれば、ブロックという手段で対抗を検討するとよいでしょう。
フィードやストーリーなどの投稿閲覧
フォロワー以外の第三者は、非公開アカウントによる写真・動画の一般投稿を閲覧できません。

第三者から見た非公開アカウントの画面

第三者から見た公開アカウントの画面
非公開アカウントのプロフィール画面では、フィード投稿・ストーリー・ストーリーハイライト・リール・インスタライブ・タグ付けされた投稿といったあらゆる写真・動画が、第三者に対して非表示になります。


LINEのトークで投稿のURLをシェアしても、非公開アカウントの投稿は表示されない
投稿のURL(ウェブ版Instagram)からのアクセスであっても閲覧できません。左上の画像では、LINEのトーク内で投稿のURLをシェアしていますが、URLを開いても「このページはご利用いただけません」と表示され、投稿などは見られないようになっています。
ただし先述した通り、プロフィールの検索からはユーザーネームや名前、プロフィール写真などが公開される点は、非公開アカウント主としては注意すべきです。本名や顔写真をプロフィールに使っていると、個人を特定されかねません。ユーザーネームや名前、プロフィール写真の設定は、よく吟味する必要があるでしょう。
DM(ダイレクトメッセージ)の送受信
非公開設定にしただけでは、ダイレクトメッセージ(DM)の送受信に影響しません。そのため、第三者はフォロー承認されていない非公開アカウントとも、ダイレクトメッセージのやりとりができます。


第三者からの初めてのDMはメッセージリクエストに届く
非公開アカウントの状態だと、自分がフォローしていない人から初めてDM(ダイレクトメッセージ)を受信した場合、そのメッセージは「メッセージリクエスト」に届きます。メッセージリクエスト内にあるDMを開いてしまっても既読は付かないので安心してください。
ただ、非公開アカウントに設定しただけでは、知らないアカウントから勝手にメッセージが送られてくることまでは防げません。第三者からのDMがメッセージリクエストに届くことも嫌だという人は、メッセージリクエストの受信を拒否する設定に変更しましょう。操作方法は以下のとおりです。



まずはプロフィール画面で右上のメニューボタン
から設定ボタン を押し、[プライバシー設定]→[メッセージ]に進みます。

メッセージリクエストを受け取らない設定にもできる
続いて「Instagramでのフォロワー」の項目で「リクエストを受信しない」にチェックを入れると、相手が自分をフォローしていて、かつ、自分がフォローしていない人からのメッセージリクエストの受け取りを拒否できます。
一方、「その他のInstagram利用者」項目で「リクエストを受信しない」にチェックを入れると、お互いにフォローしていない人からのメッセージリクエストが届かなくなります。
なお特定の相手からのDMを受信したくない場合は、そのユーザーを「ブロック」するのが有効です。
投稿へのタグ付け・ストーリーなどのメンション

フィード投稿の「タグ付け」

ストーリーの「メンション」
Instagramの「タグ付け」や「メンション」とは、投稿した写真や動画に関連するアカウントを紐付けられる機能。タグをタップすると、その人のプロフィールや投稿一覧などの詳細が確認できます。
非公開アカウントの場合、第三者からタグ付けすることは可能なのか、タグをタップしたとき他の人からどう見えるのか解説します。
フィード投稿・リールへのタグ付け
第三者は、フォロワーでない非公開アカウントでも、ユーザーネームが分かっていればフィード投稿・リールに自由にタグ付けすることができ、誰でもそのタグを見られます。非公開設定にしただけでは、タグ付けされないようにできない仕様なのです。


タグをタップしても非公開アカウントのプロフィール画面は一部しか表示されない
とはいえ、投稿やリールのタグから非公開アカウントのプロフィールページへ遷移しても、フォロワーでなければ当該アカウントのプロフィール上に投稿は一切表示されません。フォロー関係の数字もタップできなくなっており、どんな人とつながっているのか、どんなハッシュタグをフォローしているのかも見えないようになっています。
それでも、第三者から勝手にタグ付け自体されたくないという人は、アカウントのプライバシー設定でタグ付けできるユーザーを制限しなければなりません。


プロフィール画面のメニューボタン
から設定ボタン →[プライバシー設定]に進みます。

次に[投稿]をタップし、「誰にも許可しない」または「フォローしている人」を選択すれば、フォロワー以外の第三者からのタグ付けを防げます。
第三者がタグ付けをして投稿しようとすると、編集画面ではタグを追加できますが、投稿後の画面を見てもタグが表示されません。
ストーリーなどのメンション
第三者は、非公開アカウントでも「@+ユーザー名」でメンションすることができます。メンションは、ストーリーや投稿のキャプション、コメントなどで使えます。
他のユーザーがそのメンションをタップすると、該当アカウントのプロフィール画面に移動します。


ストーリーのメンションをタップしても、非公開アカウントのプロフィール画面は一部しか表示されない
非公開アカウントにしていれば、フォロワー以外のユーザーがメンションをタップしても、プロフィール画面は一部しか表示されず、投稿などを見ることはできません。
第三者からメンション自体できないように設定したいという場合は、他人からのメンション機能を拒否または制限する必要があります。設定方法は次のとおりです。


Instagramアプリの設定画面から[プライバシー設定]を開き、[メンション]をタップします。

@メンションを許可する人を、「誰にも許可しない」または「フォローしている人」から選択すれば、フォロワー以外の第三者からメンションされるのを防げます。

メンションしようとしても相手を選択できなくなる
第三者はメンションをしようとしても、そのユーザーを選択できなくなります。
非公開アカウントでも第三者側に通知や履歴は残るのか
非公開アカウント(鍵アカ)であっても、自分のアクションによって第三者側に何らかの通知が届いたり履歴が残ったりするのか、以下4つの場面で検証します(ここでは「第三者=フォロワーではない公開アカウント」という前提で解説しています)。
ストーリー(ハイライト)の閲覧
非公開アカウントであっても、第三者のストーリーを見たときには相手側の画面に閲覧履歴(いわゆる“足跡”)がしっかり残ってしまいます。ストーリー投稿の閲覧履歴は、ストーリーを投稿したユーザー自身(投稿主)だけが見られます。
ちなみにフォロー関係にない非公開アカウント同士は、フォローリクエストを送信して承認されないと互いにストーリーの閲覧自体ができません。

相手側(第三者側)の画面に閲覧履歴が残る
ストーリーの閲覧履歴は、投稿されてから24時間に限って表示される仕組みなので、ハイライトの閲覧でも24時間以内に投稿されたものであれば足跡が付いてしまう可能性があります。とはいえ、投稿後24時間が過ぎるとハイライト内のストーリーの閲覧履歴は消えて、閲覧数だけが投稿主に表示されるようになります。
第三者の投稿へのいいね・コメント

非公開アカウントでも、第三者へのいいねやコメントは通知される
非公開アカウントが第三者の投稿などに「いいね」や「コメント」を付けると、投稿主であるユーザー(第三者)に通知されます。
また、非公開アカウントが付けたいいねやコメントの内容は、投稿主以外のユーザーからも閲覧できてしまいます。いいねとコメントは、常に公開されていると考えるべきでしょう。
第三者を投稿にタグ付け・ストーリーなどでメンション

非公開アカウントだとフォロワーでない第三者をタグ付けできない
非公開アカウントのユーザーは、自分のフィード投稿・リールにフォロワー以外の第三者をタグ付けできません。
フォロワーでない人を選択しようとすると、公開アカウントにしてからというような注意喚起のダイアログが表示され、タグ付けができない仕組みになっています。

フォロワー以外の人であっても、ストーリーでのメンションは可能。相手に通知はされない
一方で、ストーリーのメンションはフォロワーでない第三者も追加することが可能です。
メンションしたことは相手(第三者)に通知されません。したがって、第三者側は非公開アカウントから自分がタグ付けされた事実を関知できないのです。
インスタライブの視聴

インスタライブを視聴すると配信者側に通知される

現在の視聴者も一覧で表示できる
非公開アカウントであっても、第三者が配信するインスタライブを視聴するとライブ画面上に「(ユーザー名)が視聴を始めました」と通知(表示)されます。
また配信者は、ライブ配信時に画面右上の目のマークをタップすると、その時に視聴しているユーザー名を確認できます。

配信中のコメントやいいねも配信者側に届く

ライブ配信終了後も視聴者履歴が残る
ライブ配信中のコメントやいいねも、配信者や他の視聴者に表示されます。ライブ配信終了後は、視聴したアカウントとして配信者側に履歴が残ります。
非公開アカウントの影響についてよくある質問と答え
非公開アカウントに設定したときの影響について、気になる疑問とその答えをまとめました。
非公開アカウントにすると相手からどう見える?
非公開アカウントにした場合、フォロワーでないユーザーからは「このアカウントは非公開です」と表示されるため、非公開アカウントだと分かります(詳細)。

フォロワーでない人から見た非公開アカウント

フォロワーから見た非公開アカウント
一方フォロワーから見た場合、プロフィール画面は公開アカウントと変わらないので、プロフィール画面を見ただけでは非公開アカウントかどうかは分かりません。
フォロワーでない人が非公開アカウントの投稿をこっそり見る方法はある?
非公開アカウントによる投稿を、フォロー承認なしにこっそり閲覧する機能や裏ワザはありません。ただし、非公開アカウントだからといって、投稿がフォロワー以外の誰かに見られてしまう危険性もゼロとは言えません(詳細)。
フォロワーの誰かが投稿やストーリーをスクリーンショットで撮影し、その画像を共有してしまえば、非公開アカウントの投稿であっても容易にフォロワー外の人に見られてしまうおそれがあります。Instagram投稿を再投稿(リポスト)して多くの人に拡散できるアプリも存在します。
したがって、Instagramアカウントに鍵をかけても、「100%確実に安全になる」とは言い切れません。一般的なネットリテラシーとしてインターネット上に写真や動画をアップロードする以上、完全に非公開になることはないと考えておいたほうが無難でしょう。
相手が非公開アカウントかどうか確認する方法は?
相手の投稿画面にある紙飛行機マークをタップしたとき、「非公開アカウント」という表示があるかどうかで判断できます(詳細)。

相手の投稿の紙飛行機マークをタップ

「非公開アカウント」と表示されればそのアカウントは鍵アカであると分かる
相手のフィード投稿やリールの画面で紙飛行機マークをタップします。相手が非公開アカウントであれば、共有先一覧に「非公開アカウント」と表示されます。
反対に公開アカウントであれば、共有先一覧にも「非公開アカウント」という表示は出ません。これで簡単に相手が非公開アカウントかどうか確認できます。