仕事や勉強中のBGMに聴き放題の音楽配信サービスを使っている人は多いでしょう。最新の人気楽曲からJ-Pop、K-Pop、洋楽、ロック、アニメまで、幅広いジャンルに対応しているので聴く人を選びません。
本記事では「Amazon Music Unlimited(アンリミテッド)」と「Amazon Music Prime(プライム)」の2つのサービスを比べて、そのメリットやデメリットを紹介していきます。プライムからアンリミテッドへのアップグレードを検討している人や、他の聴き放題サービスと比べたい人は参考にしてください。
Amazon Music「アンリミテッド」と「プライム」を比較(一覧表あり)
Amazon Music Unlimited | Amazon Music Prime | |
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楽曲数 | 1億曲以上 | 1億曲以上 |
再生方法 | スキップ無制限で自由に再生可能 |
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月額料金(税込) |
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年額料金(税込) |
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支払い方法 |
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音質(ビットレート) |
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最大320kbps |
付帯サービス | なし | Amazonプライム特典 |
無料体験 |
30日間(不定期で3カ月や4カ月無料のキャンペーンを開催することも) |
30日間 |
「Amazon Music Unlimited(アマゾンミュージックアンリミテッド)」と「Amazon Music Prime(アマゾンミュージックプライム)」は、どちらもAmazonが提供する音楽配信サービスです。
両者は基本的に同じサービスですが、Amazon Music PrimeはAmazonプライムの特典のひとつで、プライム会員だけが使うことができます。これに対して、Amazon Music Unlimitedは非プライム会員も登録できます。Amazon Music UnlimitedはPrimeの上位版という位置づけです。
以上を踏まえて、それぞれのサービスの違いを見ていきましょう。
楽曲数・再生方法の違い
アンリミテッドもプライムも1億曲以上の楽曲を楽しめる点は同じですが、再生方法が大きく異なります。

プライム版は基本的にシャッフル再生のみ

プライム版はスキップの回数制限もある
プライムは基本シャッフル再生のみで利用でき、スキップも6回までの回数制限があります。
作業中/ワークアウト中にBGMとして流したいときや、特に聴きたい曲が定まっていないときは問題ないですが、目当ての曲だけを聴き続けることができないのが難点です。


「曲を選んで再生」というマークが付いているプレイリストは、オンデマンド再生などにも対応している
プライムでは、好きな曲を選んで再生したり回数無制限でスキップしたりできる「厳選プレイリスト」があらかじめ用意されています。
また、ユーザーで好きな楽曲を追加(15曲以上の追加が必要)して自由にオンデマンド再生・スキップできるプレイリストを2つまで作成できます。
厳選プレイリストも自身が作成したオンデマンド再生できるプレイリストも、オフライン再生にも対応しています。


アンリミテッド版は自由に曲を選んで再生できる
一方、アンリミテッドは自由に好きな曲を選んで再生でき、スキップの回数制限もありません。曲をダウンロードすればオフライン再生ができるので、通信制限を気にする必要もありません。
料金プランの違い

プライム会員の料金
Amazon Music PrimeはAmazonプライム特典の一つなので、プライム会員の料金だけで追加料金はかかりません。
Amazonプライムは、月間600円または年間5900円(いずれも税込)の会員制プログラムです。プライム会員になると、ミュージックプライム以外にもさまざまな特典を受けられます(後述)。ミュージックプライムが基本的にシャッフル再生しかできないとはいえ、1億曲以上の音楽を楽しめるコストパフォーマンスに優れたサービスです。
大学生や専門学生(高等専門学校含む)であれば、プライムスチューデントを利用できます。料金は半額の月額300円・年額2950円で、Amazon Music Primeはもちろん、通常のAmazonプライムとほぼ同じ特典を利用可能になります。

一方のAmazon Music Unlimitedは、一度に1台の端末でのみ聴く「個人プラン」、6台まで同時に再生して家族で楽しむための「ファミリープラン」、学生限定の「学生プラン」、EchoまたはFire TVいずれか1台で利用する「ワンデバイスプラン」があります。
個人プランの月額料金は1080円です。聴き放題のサブスクリプションとしては標準的な料金設定ですが、プライム会員であればさらに100円安い月額980円または年額9800円の会員限定料金を選べます。
ファミリープランは月額1680円で、プライム会員なら10カ月分の料金(年額1万6800円)で1年間使える年額プランも選択できるようになります。学生プランは月額500円、ワンデバイスプランは月額480円で、プライム登録の有無は関係ありません。
音質の違い
Amazon Musicの音質には、「標準」「HD(音楽CDと同程度)」「Ultra HD(音楽CDよりも高音質)」の3つがあります。
プライムは標準以外に音質を選べませんが、アンリミテッドは再生する曲の音質を3つから選ぶことができます。以前はアンリミテッドもHD・Ultra HDは別のサービスとして別途料金がかかっていましたが、現在は追加料金なしで利用できるようになっています。
音楽の配信サービスでは、音質の違いをサンプルレート(Hz)やビット深度(bit)で示します。数値が高ければ高いほど音質がよくなります。Amazon Musicのそれぞれの音質の違いは表の通りです。
標準(SD) | 高音質(HD) | 超高音質(Ultra HD) | |
---|---|---|---|
ビット深度 | 16bit | 16bit | 24bit |
サンプルレート | 44.1kHz | 44.1kHz | 44.1〜192kHz |
平均ビットレート | 320kbps | 850kbps | 3730kbps |
標準(SD)と高音質(HD)はどちらも44.1kHz/16bitでストリーミングされますが、これはCDの規格と同じです。違うのは平均のビットレート(1秒あたりのデータ量)です。HDで採用されているのはロスレス圧縮と呼ばれているもので、圧縮による音質の劣化をなくすことで高音質(高ビットレート)を実現しています。つまり、より音楽CDに近い音質で聴けるというわけです。
Ultra HDは、HDよりさらに高音質になります。しかし、iPhoneやAndroid端末は標準で48kHz/24bitしか対応していないため、最高音質で楽しむには、ハイレゾ対応をうたう機材(DACや対応イヤホンなど)を別途用意する必要があります。
またアンリミテッドは、ドルビーアトモスや360 Reality Audioといった立体音響技術を使った3Dオーディオフォーマットにも対応しています。iPhone XS以降など対応の端末やイヤホンを利用することで立体的な空間オーディオを楽しめるのも、プライムとの大きな違いです。
付帯するサービスの違い

プライム会員に登録すると、Amazon Music Primeはもちろん、その他にもさまざまな特典を受けることができます。主な特典の例は以下の通り。
- Amazon Music Unlimitedを特別料金で利用できる(前述)
- お急ぎ便やお届け日時指定便などが無料で使える
- プライムビデオで対象の映画やドラマが見放題
- Prime Reading(プライムリーディング)で対象のKindle本1000冊以上が読み放題
- Amazonフォトで容量無制限&無圧縮で写真をクラウド上に保存できる
- Prime Try Before You Buy(洋服や靴を購入前に自宅で試着ができるサービス)が使える
- 対象のベビー用品・マタニティ用品を10%OFFで購入できる
- 定期おトク便でおむつやおしりふきを15%OFFで購入できる
- プライム会員限定セールに参加できる
など
一方でアンリミテッドだけに登録しても、上記のようなサービスは付帯しません。
プライムとアンリミテッドはどちらも、初回登録者は30日間の無料体験がついています。無料体験中に解約すれば料金も発生しないので、気軽にサービスを試してみましょう。
Amazon Musicのアンリミテッドとプライム、どっちがおすすめ?
最後にAmazon Musicのアンリミテッドとプライムが、それぞれどんな人におすすめなのかまとめました。
楽曲数や音質にこだわるなら「アンリミテッド」

Amazon Music Unlimitedは1億曲以上の楽曲を自由に聴き放題で、楽曲数は音楽配信サービスの中でもトップクラスの品揃えを誇っています。
音質も標準/HD/Ultra HDの3種類から選べます。ドルビーアトモスや360 Reality Audioといった立体音響技術を使った3Dオーディオフォーマットにも対応しており、ユーザーはより没入感のある多次元的なオーディオ体験を楽しめます。音質やラインアップにこだわりを持っている人なら、最初に選ぶサブスクリプションサービスとしておすすめです。
プライム会員であればAmazon Music Unlimitedの料金が少し安くなったり、お得な年額プランを選択できたりします。最初にプライム版をお試しで聴いてみて、それでは物足りないと感じたら、アンリミテッドにアップグレードを検討するというのもありでしょう。
プライム会員特典だけで十分なら「プライム」

Amazon Music PrimeはAmazonプライムの特典に含まれていて、プライム会員であれば追加料金なしで使えるのがメリットです。
一部のプレイリストを除いて、基本はシャッフル再生のみ可能なので、自分の聴きたい曲をピンポイントで再生できないこともありますが、それでも1億曲の楽曲を楽しめます。プライムビデオやPrime Reading、お急ぎ便が無料で使えるなど、プライム会員のすべてのサービスを受けられるので、お得感は申し分ありません。
30日間の無料体験もあるので、Amazonのサービス全般を利用しているなら、まずはこちらから試すとよいでしょう。