コスパは高いが満足度は低い?「Amazonプライム・ビデオ」5つの魅力と3つの弱点

2019-04-19 19:00
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コスパは高いが満足度は低い?「Amazonプライム・ビデオ」5つの魅力と3つの欠点

数ある定額制で見放題の動画配信サービスの中でも、コストパフォーマンスが最も高いと評価されているのが「Amazonプライム・ビデオ」(以下、プライムビデオ)です。月額500円(年間プランなら408円)で約8千本以上の動画が見放題になります。

プライムビデオの人気は非常に高く、以前に実施された動画配信サービスに関する調査でも、利用率で断トツの1位を獲得しています。その一方、作品の配信が遅かったり、他の動画配信サービスでは無料で観られる作品が課金対象だったりするなど、登録しようとする人には気になる点もいくつか見受けられます。そこで本記事では、プライムビデオの魅力や弱点について掘り下げて検証したいと思います。

魅力1:コストパフォーマンスが最高

プライムビデオの最大の魅力は、コストパフォーマンスの高さです。

プライムビデオは、Amazonプライムの会員に用意されている特典の一つです。Amazonプライムには、お急ぎ便などの配送特典をはじめ、100万曲以上が聴き放題で楽しめる音楽配信サービス「Prime Music」や、毎月1冊無料で読める「Kindleオーナーライブラリ」、容量無制限のフォトストレージ「プライム・フォト」など様々なサービスが用意されています。プライムビデオもそのうちの一つで、追加料金なしで利用できます。

Amazonプライムビデオ 作品一覧

プライム会員には年間プランと月間プランがあり、前者は年4900円、後者は月500円(いずれも税込)です。1カ月あたりの費用は、年間プランで408円という安さ。HuluやNetflixなど他の定額制動画配信サービスと比べても破格です。さらに学生限定の学割プランもあり、こちらは年会費2450円で利用できます。Amazonプライムの全特典が利用でき、1カ月あたりの会費は204円です。

代表的な動画配信サービスの月額利用料(税込)

魅力2:8千本以上の作品が見放題

プライムビデオは、「Amazonビデオ」で配信されているコンテンツの一部が見放題になるサービスです。見放題ではないコンテンツは、レンタルまたは購入して視聴します。画質はSDやHD(最高1080P)のほか、UHD(4K)やHDRも少しですが視聴できます。

2019年4月時点でAmazonビデオ全体のコンテンツ数は、約7万本以上。このうちプライム会員特典で無料になるのは約8千本、レンタル・購入作品が約3万本以上となっています。随時新しいタイトルが追加され、コンテンツの総数は日々変化しています。見放題ではないタイトルはレンタルでカバーでき、流通しているたいていの作品を見つけることができます。

『ゲーム・オブ・スローンズ』を筆頭に、ヒット作を次々と生み出しているアメリカのケーブル局「HBO」作品が豊富に揃っているのも魅力のひとつ。『セックス・アンド・ザ・シティ』や『ニュースルーム』など全シーズン見放題の作品も数多く揃っています。

Amazonプライムビデオ レンタル作品

レンタルの価格は作品や画質により異なります。一般的なレンタル作品の価格は100円から500円程度です。旧作は200円前後でレンタルできるものが多く、見逃していた作品を見るのにちょうどよい価格設定です。購入作品は1000円から2500円程度のものが多いようです。レンタル期間は30日間で、一度視聴を開始すると48時間でレンタル期間が終了します。

Amazonプライムビデオ アプリ画面Amazonプライムビデオ アメリカのテレビドラマ

本数は少ないながら、海外ドラマにはHBO作品を含む話題作が揃う

2019年4月時点でのジャンル毎の内訳(レンタル・購入含む)では、「外国映画」は7500本以上、「日本映画」は6000本以上と充実しています。そのほか、過去3年以内にスタートした新作が中心の「アニメ」が2000本以上、「キッズ・ファミリー」は3000本以上と家族で楽しめるプログラムも豊富です。ナショナルジオグラフィックの番組を含む「ドキュメンタリー」も、旅行や自然・野生動物などのカテゴリを中心に7000本以上のコンテンツが用意されています。

ちなみにテレビドラマは、アメリカと日本で半数以上を占めていますが、プライム会員特典で見られるのは、アメリカが625、日本が240と少数です。見逃し配信もありますが、こちらは有料のものが多く、テレビ局系列の動画配信サービスに比べて見放題作品が少ない印象です。

魅力3:しっかり作り込まれたオリジナル作品

HuluやNetflixを始め、最近ではどの動画配信サービスもクオリティーの高いオリジナル作品の配信に力を入れています。プライムビデオでも、アメリカで制作されたオリジナル作品に加え、2016年からは日本独自のタイトルも制作しています。

Amazonプライムビデオ オリジナルコンテンツAmazonプライムビデオ ドキュメンタル シーズン6

左:バラエティーからドラマ、キッズまで多岐にわたるオリジナルコンテンツ右:2016年に配信スタートした『ドキュメンタル』はシーズン6に突入

シーズン2が配信中の恋愛バラエティ『バチェラー・ジャパン』や、Amazonランキング大賞・Prime Video部門(2018年)で堂々の1位を獲得した松本人志の『HITOSHI MATSUMOTO presents ドキュメンタル』、東京カレンダーで人気のウェブ連載をテレビドラマ化した『東京女子図鑑』など、他では見られないユニークな作品が続きます。

さらに、2011年公開の映画『ハンナ』のAmazonリメイク版ドラマ『ハンナ ~殺人兵器になった少女~』や、円城寺マキの人気コミックが原作、ディーン・フジオカ主演の『はぴまり〜Happy Marriage!?〜』など、キャストの豪華さもさることながらどれもしっかり作り込まれており、子どもから大人まで楽しめるラインアップです。

魅力4:レコメンドとユーザーレビューが充実

「何を観ようかな」という時に参考になるのが、プライムビデオのおすすめ機能です。作品の詳細ページには「この作品をご覧になったお客様は次の作品もご覧になっています」が表示され、1つの作品から似たような作品を次々見つけることができます。

Amazonプライムビデオ レコメンド機能

似たような作品が見つかりやすいレコメンド機能

また特徴的なのが、ユーザーの投稿したレビューを全文読める点です。もちろんネタバレには十分に注意しなければなりませんが、いいところや悪いところが克明に書かれていることが多く、観る作品を決める時のフィルターになります。星の数で作品評価をする動画配信サービスは、何が良くて何が悪いのかはっきりしませんが、Amazonビデオならそのようなことがありません。

またレビューの数を見て、人気作かどうかを判断する人も多いでしょう。高評価の作品や賛否に分かれた作品など話題を呼んだ作品は、いずれもたくさんのレビューが投稿されています。たとえば前述の『バチェラー・ジャパン』は725件、『ドキュメンタル』のシーズン1においてはなんと1656件ものレビューが投稿されています。

書き込みが多い作品は、それだけ多くの人が観ている証拠です。観たい作品が見つからない時は、こうした作品からチェックするというのもアリかもしれません。人の評価で視聴するものを決めたくないという意見もあると思いますが、つまらないコンテンツで時間を無駄にするリスクは軽減できます。

魅力5:対応デバイスが豊富

Amazonビデオは、様々なデバイスに対応しています。iOSデバイスやAndroidデバイスといったスマートフォンやタブレットなら、作品をダウンロードすることが可能なので、出先でもモバイルデータ通信を節約しながら高画質な映像が楽しめます。

エピソード単位 ダウンロード

エピソード単位またはシーズンまるごとダウンロードできる

ストリーミング再生やダウンロードの画質は端末により異なります。たとえば、iOSデバイスはストリーミングでHD再生が可能ですが、ダウンロードはSD画質になります。

Androidデバイスは、デバイスによってSD/HD/UHD/HDR再生が可能です。HDに対応していない端末は、ストリーミング再生もSD画質になります。UHDやHDRについては、Amazonビデオのヘルプに対応機能が記載されています。これによると、UHD/HDR/HDを再生できるのは、Sony Xperia XZ Premiumモバイル端末で、HDR/HDはSamsung Galaxy Note 7/8/9、Galaxy 8/8+/9/9+、Galaxy Tab S3、Sony Xperia XZ1です。

またAndroidの場合、ストリーミング再生の画質は「標準画質」に設定されています。映像がかなり粗く見えますので、Wi-Fiが使えないところで見るならあらかじめダウンロードしておくか、1つ上の「高画質」に変更しておくとよいでしょう。ダウンロードする時は、保存先をSDカードにするのがおすすめです。

ストリーミング再生の画質(iOS)

最高 1時間で約5.8GBのデータを使用(12.3Mbps相当)
1時間で約1.8GBのデータを使用(3.8Mbps相当)
中(初期設定) 1時間で約0.6GBのデータを使用(1.3Mbps相当)

ダウンロードの画質(iOS)

最高 1時間で約0.9GBのデータを使用(1.9Mbps相当)
高(初期設定) 1時間で約0.6GBのデータを使用(1.3Mbps相当)
1時間で約0.3GBのデータを使用(635Mbps相当)

ストリーミング再生/ダウンロードの画質(Android:Nexus 5X)

最高画質 1時間で約2.35GBのデータを使用(5Mbps相当)
高画質 1時間で約0.98GBのデータを使用(2Mbps相当)
標準画質(初期設定)※1 1時間で約0.23GBのデータを使用(480kbps相当)
データセーバー 1時間で約0.13GBのデータを使用(275kbps相当)

※1:初期設定はストリーミング再生のみ。ダウンロードは「毎回確認」になっている

Amazonが提供しているFireタブレットシリーズも対応デバイスに含まれます。こちらもHDで楽しむには「Fire HD 8」や「Fire HD 10」などHD画質に対応しているモデルが必要です。

ダウンロード画質

ストリーミング再生やダウンロードの画質は設定で変更できる

このほかテレビで楽しむ場合は、「Amazon Fire TV」や「Fire TV Stick」「Apple TV」といったSTB、「PlayStatuion 3/4」や「Wii U」「Xbox One」、テレビ、Blu-rayレコーダー/Blu-rayプレーヤーといった家電製品がAmazonビデオを利用できます。これらのデバイスはストリーミング再生のみになりますが、対応デバイスなら4Kのタイトルも再生できます。

弱点1:入れ替わりが割りと激しい

ここからはプライムビデオの欠点を見ていきたいと思います。一つ目は、タイトルの入れ替わりが頻繁にあるということです。

どの動画配信サービスでも、同じ作品がいつまでも配信されているわけではありません。契約が更新されるタイミングなどで、タイトルの入れ替えがおこなわれます。プライムビデオでは、この入れ替えが割りと頻繁です。

「見放題が終了する映画/TV番組」カテゴリで確認すると、相当数の作品が無料でなくなるのがわかると思います。過去には1000本以上の作品が一気に特典から外されたこともあります。

見放題が終了する映画見放題が終了するTV番組

気になる作品はとりあえずウォッチリストに登録し、時間がある時に少しずつ消化していくというのは、動画配信サービスを利用している人にありがちなことですが、プライムビデオでは少し危険です。あとで観ればいいやと思っていた作品が配信終了になっていたらきっと悔しく思います。

公開終了の日を確認できる

一部の作品は期間をおいて再登場することもありますが、どれだけ待てばいいか誰にもわかりませんし、そもそも保証もありません。ウォッチリストに追加した作品は貯めておかず、なるべく早めに観るのがおすすめです。

弱点2:見放題が実は少ない

これはプライムビデオに限ったことではなく、他の動画配信サービスでも同様のケースが見受けられます。Amazonビデオの作品総数が約7万本であるのに対し、見放題のAmazonプライム対象作品は8千本程度。レンタル・購入作品は3万本以上にも上り、Amazonプライム・ビデオが動画配信専門サービスではなく、あくまでAmazonプライム会員特典の一部であることを意識する必要がありそうです。

見逃し配信やリアルタイム配信を無料で提供している動画配信サービスに比べると、プライムビデオは「今見たいコンテンツがない」という不満につながりやすいかもしれません。

さらにはスポーツやニュース、ドラマなどサードパーティのチャンネルを個別に選び、プライム料金に加算して楽しむことができる「Amazon Prime Videoチャンネル」の存在も大きく影響しています。HBO最新作やエンタメ、放映中のアニメなど旬なコンテンツを求めるユーザーには見放題以上に魅力があるとも言えます。

弱点3:機能的に物足りない(字幕、検索ほか)

海外ドラマや映画で語学の学習をしたいと考えている人に、プライムビデオは向きません。字幕表示と吹き替えを途中で切り替えることや、日本語字幕を非表示にすることができませんし、英語字幕も用意されていないためです。HuluやNetflixなど、英語字幕が用意されている動画配信サービスを使ったほうが効率が上がります。

また気になるのはアプリの使い勝手、特に検索機能が弱いことです。スマホ向けのアプリやSTBでは、細かいジャンルによる検索ができません。笑えるコメディやホラーの傑作を探したい時、キーワード検索と作品ごとに表示されるリコメンドしか使えないのは不便です。

このほか、Fire Stick TVではユーザーレビューが表示されません。レビューに関してはネタバレもありますので賛否あると思いますが、ブラウザの使い勝手とは大きくかけ離れています。

Amazon プライムビデオ メリット デメリット

まとめ

月単位換算にすると408円(年間プラン)で利用できるプライムビデオは、現状でコストパフォーマンスの最も優れた動画配信サービスです。プライム会員になれば、ショッピングの送料は無料になるし、音楽も聴ける。本も読める。その上、動画が見放題です。どう考えてもお得なのは間違いありません。ただし、これらはプライム会員の魅力であって、プライムビデオの魅力ではありません。

プライムビデオ自体は、最新の海外ドラマや日本のテレビをよく見る人には正直物足りません。特に新しい話題作はレンタルで提供されることが多いので、月に数本もレンタルすると安さのメリットは薄れてしまいます。プライムビデオが目的でプライム会員になると、他の動画配信サービスのラインアップを妬ましく思うかもしれません。

それでも、最新の作品にこだわらなければ、プライムビデオはおすすめです。総数7万本とラインアップは充実しており、質の高いオリジナル作品や見ていなかった名作を掘り出す楽しみがあります。入れ替えが頻繁にあることは、幅広い作品を楽しめるとプラスの方向で受け取ることができます。年間に10数本の映画を見るだけでも、軽く元を取ることができるしょうし、時々おこなわれているレンタルのセールなども利用すれば、見たい作品の相当数はカバーできます。

ただし、Amazonプライム会員は、特典を利用していない場合を除いて、途中でキャンセルすると返金を受けられないことがある点に注意が必要です。HuluやNetflixなら使わない月は更新を停止することができます。プライムビデオでも同じ使い方をしたいなら、月間プランを利用するのが無難です。この場合、年間で1100円高くなりますが、30日間の無料体験後も悩んでいたら、月間プランに切り替えてしばらく使ってみるという選択肢もありでしょう。

EDITED BY SORA