LINEの「送信取消」は、誤って送ったメッセージを相手の画面からも消せる便利な機能です。うっかり送信してしまった内容や、見られたくないメッセージをなかったことにできるため、重宝している人も多いでしょう。
ところが、いざ使おうとすると「送信取消」ボタンが表示されない場合があります。主な理由は、メッセージの送信から24時間以上が経過していることです(2025年10月下旬以降は「1時間」に短縮予定)。
ただし、それ以外にも取り消しができない原因はいくつかあります。この記事では、LINEで送信取り消しがうまくいかない理由や、取り消しても相手に内容が見えてしまうケースなどを詳しく解説します。
送信取り消しできない原因はブロックではない
LINEの「送信取り消し」は、一度送ったメッセージを相手と自分のトークルームの両方から削除できる機能です。1対1のトークはもちろん、グループトークや複数人トークでも利用できます。
使い方はかんたん。取り消したいメッセージを長押しして[送信取消]をタップするだけでOKです。
メッセージの送信を取り消す手順
メッセージを取り消せないと、「もしかしてブロックされた?」と不安になる人もいるかもしれませんが、送信取り消しの可否とブロックの有無は関係ありません。
相手にブロックされていても、自分の画面ではメッセージの送信後24時間以内であれば取り消し操作が可能です(2025年10月下旬以降は「1時間以内」に短縮予定)。
ただ、ブロックされている場合はそもそも相手にメッセージが届いていないため、取り消しても意味はありません。
LINEで送信取消できないときに考えられる主な理由と対処法
ここでは、LINEで送信取り消ししようとしてもできないときに考えられる7つの要因と、その対処法を挙げています。
原因1:メッセージ送信から24時間(1時間)が経過した
送信取り消しができないとき、まず考えられるのはメッセージを送ってから24時間以上が経過しているケースです。取り消し操作ができるのは、送信から24時間以内のメッセージに限られます。
送信から24時間が経過すると[送信取消]ボタンが表示されない
送信から24時間以上が経過したメッセージでは、メニューに[送信取消]が表示されず、選択できなくなります。つまり、「消したい」と思っても、1日以上経ってしまうと相手のトーク画面には残ったままになってしまうのです。
送信取り消しをおこなう場合は、相手が既読にする前にできるだけ早く実行しましょう。
なお、2025年10月下旬からは仕様が変更され、送信後1時間以内のメッセージしか取り消せなくなる予定です。今後は、送信取り消しの判断をより迅速におこなう必要があります。
原因2:送信取り消ししたいメッセージを「削除」した
「削除」してしまったメッセージはトーク画面から消えるため、そのメッセージ自体を長押しできず、送信取消も実行できなくなります。
ただし、「削除」は自分の端末だけに反映される操作です。そのため、PC版LINEやiPad版LINEで同じトークを開けば、送信取り消しの操作ができます。
スマホ(iOS/Android)版LINEで削除してしまったメッセージも、PC版やiPad版LINEならトーク画面に残っています。
該当メッセージを長押し、または右クリックして[送信取消]を選択しましょう。
原因3:送信相手のLINEアプリのバージョンが古い
相手が使っているLINEアプリのバージョンが古い場合(バージョン7.12.1未満)、送信側のバージョンに関係なく送信取り消しが機能しないことがあります。
自分の画面では取り消しできたように見えても、相手のトーク画面ではメッセージが残ったままというケースもあるのです。
この場合は、相手にアプリを最新バージョンへアップデートしてもらうしか対処法がありません。ただし、送信取り消し機能が導入されたのは2017年のため、現在ではこうしたケースは非常にまれです。
原因4:投票や日程調整、通話の履歴などを取り消そうとしている
24時間以内でも送信取り消しできない投稿がある
送信から24時間以内(2025年10月下旬以降は1時間以内)でも、一部の投稿は送信取り消しができません。
たとえば、「投票」や「日程調整」を作成した際にトーク画面へ自動で投稿される操作履歴がそれにあたります。このほか、通話履歴(「応答なし」など)や、あみだくじの結果表示も取り消しの対象外です。
メッセージ、スタンプ、画像、動画、ファイル、ボイスメッセージ、リンク、連絡先、位置情報、LINE MUSIC
原因5:投稿から24時間(1時間)以上経過したアルバムやノートの作成履歴サムネイルを取り消そうとしている
アルバム(左)やノート(右)は24時間以内であればトーク上から送信取消が可能
アルバムやノートを作成した際には、トークにサムネイルが自動投稿されます。投稿から24時間以内(2025年10月下旬以降は1時間以内)であれば、この履歴サムネイルも送信取消が可能です。
アルバムやノート自体を削除したことにはならない
ただし、あくまでもトークルームからサムネイルが削除されるだけです。そのため、アルバムやノート自体は削除したことになりません。
アルバムから写真の一部を削除したが、サムネイルにそれは反映されない
また、アルバムに追加した写真を削除すると、相手が閲覧しているアルバムからもその写真は消えます。ただし、トーク画面上に表示されるサムネイル画像は削除されず、残ったままになります。
トークルームに写真(サムネイル)を残したくない場合は、自動投稿されたサムネイルを送信後24時間以内(2025年10月下旬以降は1時間以内)に「送信取消」しておきましょう。
原因6:スタンプのプレゼントやLINEギフトを取り消そうとしている
LINEスタンプのプレゼント
LINEスタンプのプレゼントやLINEギフトなどを送ると、トーク上に履歴サムネイルが表示されますが、これらは送信取り消しできません。
また、スタンプのプレゼントやLINEギフト自体も、一度相手に贈るとキャンセルできない仕様になっています。
相手のトーク画面から履歴を消すことはできませんが、自分の画面だけ整理したい場合は[削除]を選びましょう。
原因7:LINEの不具合や通信環境のトラブルが起きている
上記のいずれにも当てはまらない場合は、LINE側の不具合や障害が原因の可能性があります。
まずは、LINE公式サイトや公式X(旧Twitter)アカウント(@LINEjp_official)、またはXのキーワード検索で同様の不具合が報告されていないか確認してみましょう。原因がLINE側にある場合は、修正版アップデートの配信や障害の復旧を待つしかありません。
また、ユーザー側の通信環境が一時的に不安定な場合も、送信取り消しができないことがあります。その際は、LINEアプリの再起動や機内モードのオン/オフ(通信のリフレッシュ)、Wi-Fiとモバイルデータ通信の切り替えなどを試してみてください。
送信取り消しが実はできていない・意味をなしていないことも
LINEで送信取り消しをしたつもりでも、実際には相手の画面でメッセージが消えていないことがあります。ここでは、そんな「取り消したのに意味をなしていない」ケースをまとめました。
メッセージを「削除」しても相手の画面からは消えない
メッセージの送信から24時間(2025年10月下旬以降は1時間)が経過して取り消しできなかった場合、メッセージを「削除」すればいいのでは、と考える人もいるかもしれません。しかし、メッセージの削除と送信取り消しは異なる機能です。
メッセージを「削除」しても、相手の画面には残る
- 送信取り消し:相手と自分の画面からともにメッセージを消す
- 削除:自分の画面のみメッセージを消す(相手の画面からは消えない)
メッセージを「削除」しても、相手の画面から消すことはできません。そのため、誤って送ったメッセージを削除しても、相手のトークにはその内容が残ったままになります。
「削除」と聞くとメッセージそのものを完全に消去するイメージを持つかもしれませんが、実際には自分の画面上だけで非表示にする機能です。
送信取り消ししたメッセージは専用アプリで復元できる場合もある
送信取り消しをおこなうと、相手の画面からもメッセージが消えるため、取り消し前に確認していない限り、相手はその内容を読めません。
ただし、Androidスマホで提供されている「既読回避アプリ」を相手が使っている場合は、送信取り消ししたメッセージを擬似的に復元されてしまうことがあります。
「既読回避サポーター」アプリの画面
「あんりーど」アプリの画面
既読回避アプリは、その名のとおり既読をつけずに相手のメッセージを読めるアプリです。通知からメッセージ内容を取得し、アプリ内でLINEトークのように再現する仕組みになっています。そのため、アプリ上で内容を確認してもLINE側では既読がつきません。
この特性により、送信取り消しされたメッセージも擬似的に復元されてしまう場合があります。ただし、該当メッセージが届いた後に既読回避アプリを導入しても、メッセージの復元はできません。
送信取り消しした相手が、普段から既読回避アプリを利用している場合は、「取り消したメッセージを見られてしまう可能性がある」ことも覚えておきましょう。
送信取り消しした事実は相手に知られてしまう
送信取り消しした事実は相手に知られてしまう
LINEで送信取り消しをおこなうと、相手のトーク画面からメッセージが消えると同時に、「○○がメッセージの送信を取り消しました」という通知が表示されます。
この通知を相手のトーク上から消す方法はなく、メッセージの内容は隠せても、送信を取り消した事実自体は相手に伝わる仕組みになっています。