LINE(ライン)はその気軽さゆえ、ふとしたミスでメッセージの誤送信、いわゆる「誤爆」をしてしまうケースが多く見られます。そのためLINEには、送信済みメッセージを相手のトーク上から消すことができる「送信取り消し(送信取消)」機能が備わっています。
ただ気になるのは、送信を取り消した事実が相手にバレないのか、また通知でメッセージ内容を知られる可能性はないのか、といった点でしょう。
そこで本記事では、LINEでメッセージを取り消す方法や、その効果を紹介した上で、通知、履歴も消せるのかなど、仕様面について詳しく解説します。
LINEの「送信取り消し」機能とは? やり方と仕組み


送信取り消しの方法は簡単です。トーク画面で取り消したいメッセージを長押しして、表示されたメニューから[送信取消]を選択します。確認画面が表示されるので、特に問題なければ、[送信取消]をタップして完了です。
自分が送ったものであれば、メッセージだけでなく、さまざまコンテンツが送信取り消しの対象となります。
- メッセージ/絵文字/スタンプ
- 画像(写真)/動画
- ボイスメッセージ
- URL(リンク)
- 連絡先
- LINE MUSICの楽曲
- 位置情報
- ファイル
相手と自分のトークルームから送信済みメッセージを消せる


LINEで送信取り消しを実行すると、自分および相手(グループメンバー含む)のトーク画面で対象メッセージが表示されなくなります。メッセージが未読・既読のどちらであっても取り消しは可能です。
ただ、万が一相手がバージョン7.12.1未満のLINEアプリを使っている場合、相手のトークルームからメッセージは消えません。といっても、バージョン7.12.1は約4年前のリリースなので、相手がこのバージョン以下である確率はかなり低いといえるでしょう。
24時間が経過すると送信取り消しできなくなる

LINEで送信取り消しができるのは、送信してから24時間以内のメッセージに限られます。送信後24時間が経過すると、メッセージを長押ししても送信取消ボタンがメニューに表示されません。
送信を取り消したメッセージはスマホ版とPC版/iPad版で同期される

スマホ版LINEとPC版LINEは自動で同期される
送信取り消しを実行すると、同じアカウントでログインしているすべての端末からメッセージが取り消されます。PC版LINEやiPad版LINEなど別端末からメッセージ内容を見られる心配はないので、安心してください。言い換えれば、サブ端末を使って取り消されたメッセージを確認しようとしても、それは不可能ということになります。
一方で、「削除」したメッセージは同期されません(自分のLINE画面からのみ消える)。たとえば、LINEアプリで「送信取り消し」と間違えて「削除」してしまったメッセージを取り消したいときは、PC版/iPad版から送信取り消しするという手があります。
Androidユーザーなら送信取消されたメッセージを復元する方法も

LINEアプリのトーク画面

既読回避アプリのトーク画面では取り消されたメッセージが表示されたまま
LINEで受信したメッセージを既読をつけずに読むことのできる「既読回避アプリ」を使えば、送信取り消しされたメッセージを読むことができます。これらはメッセージ内容を独自に記録しておけるので、送信取り消しされたメッセージでも関係なく確認できるのです。
ただし、アプリ使用前に受信したメッセージはさかのぼって確認できない点に注意が必要。既読回避アプリが受信できるのは、アプリのインストール後、適切な設定が済んだ後に受信した新規メッセージだけです。それ以前に取り消されたメッセージを復元して読むことはできません。
送信取り消しをすると相手にどう表示・通知されるのか検証
ここからは、LINEのメッセージ送信取り消し機能の仕様面について詳しく解説します。
現象1:トーク画面に「○○がメッセージの送信を取り消しました」と表示される

LINEで送信取り消しをおこなうと、相手やグループメンバーのトーク画面に「○○がメッセージの送信を取り消しました」という履歴が表示されます。
この履歴は自分のトーク上では削除できますが、相手のトーク上からは削除できません。メッセージ内容はバレなくても、送信取消をしたという事実は必ず相手に知られてしまう仕様なのです。
現象2:トークリストが元の位置に戻る
送信取り消しすると、トークルームの位置がもとに戻る
LINEでは、新着メッセージがあると該当のトークがリストの最上部に表示されますが、送信取消後はトークの位置が元に戻るようになっています。また、トークルーム横の未読バッジも元の状態に戻ります。
現象3:新着メッセージを知らせる通知バッジが消える

送信取り消し前

送信取り消し後
新着メッセージがあると、画面下部の「トーク」タブに通知バッジと未読数が表示されます。
送信取り消しをすると、この通知バッジも元の状態に戻ります(他に未読メッセージがある場合はバッジ上の数字が減り、ない場合は通知バッジごと消える)。

送信取り消し前

送信取り消し後
iPhoneの場合、アプリアイコンに付く通知バッジも同じように元に戻ります。またAndroidスマホでも、機種やランチャー等の条件により通知バッジが消えるケースがあります。
現象4:Android版LINEではプッシュ通知がまるごと消える
送信取り消しすると、プッシュ通知のバナーが消える(検証端末:AQUOS sense6)
メッセージ通知の内容表示をオンにしている場合、プッシュ通知のバナー上に送信者(相手)の名前とメッセージ内容の一部がプレビュー表示されます。
筆者の検証したAndroidスマホ(AQUOS sense6/Android 12)では、送信取り消しを実行すると同時にこのプッシュ通知も消えました。したがって、送信取り消し済みのメッセージがロック画面上に通知として残る心配はないでしょう。
ただ、当然リアルタイムでスマホを操作している場合は、プッシュ通知上で送信者とメッセージ内容を確認できてしまいます。通知が残らないからといって、内容がバレていないとは言い切れません。
現象5:iOS版LINEでは「○○がメッセージの送信を取り消しました」と通知される
相手が送信取り消しすると、プッシュ通知の内容が変わる
iPhoneでは送信取り消し後、プッシュ通知の内容が「○○がメッセージの送信を取り消しました」に切り替わります(メッセージ通知の内容表示をオンにしている場合)。
メッセージ内容自体は見られず(ロック画面などに残らず)に済みますが、送信取り消しをした事実がより強調されて伝わってしまうのが気になるところです。

ちなみに、メッセージ通知の内容表示がオフの場合は、送信取り消し前も後も変わらず「新着メッセージがあります」と表示されます。
【結論】送信取り消しした事実は確実にバレるが、内容を確認される可能性はかなり低い

LINEで送信取り消しをするとトーク画面に履歴が表示されるため、取り消した事実は確実に相手にバレます。さらに、iPhoneの場合は送信取り消しをした旨も通知されるため(通知オンの場合)、送信取り消ししたことがより強調される仕様になっています。
この履歴を見て、悪口を書かれていたのではないか、などと逆に相手に怪しむ人もいるかもしれません。取り消し後は、フォローのメッセージを一言送っておくとお互いにモヤモヤせずに済むでしょう。
とはいえ、前述したようにメッセージ自体はロック画面上や通知センターに残りません。スマホの操作中(ロック解除中)にLINEトークのプッシュ通知が届いた場合や、相手が既読回避アプリを利用している場合を除いて、メッセージ内容を確認される可能性はかなり低いといえます。