Galaxyスマホへの機種変更、データ移行から設定まで全部自分でやってみた

実際に作業して感じた注意点も解説

本記事では、筆者がGalaxy S21 5Gへ機種変更した際におこなったデータ移行の作業内容をすべて解説します。

比較的新しいGalaxyスマホには簡単にデータを移行できる仕組みが搭載されているので、小難しい作業はありません。ショップや業者に頼らず、自分ひとりで機種変更を完了させることは十分に可能です。

【図解】Galaxyスマホへの機種変更に伴うデータ移行のやり方と流れ

Galaxyスマホへのデータ移行は、旧スマホが手元に「ある」場合と手元に「ない」場合で作業内容が変わります。それぞれの状況別に、やるべき作業とデータ移行の大まかな流れを確認しましょう。

旧スマホが手元にある場合

結論からいうと、旧スマホさえ手元にあればGalaxyスマホへのデータ移行はとても簡単にできます。

パソコンやSDカードなどの機材は使っていませんし、バックアップなどの事前準備も一切おこなっていません。また、キャリア(ドコモ・ソフトバンク・auなど)が提供している移行アプリなども不要です。

Galaxyデータ移行

Galaxyスマホへの機種変更では、「Smart Switch」アプリを使ってケーブル、もしくはワイヤレス接続でデータを転送します。新しいGalaxyスマホのセットアップが完了した後に、移行できなかったアプリデータなどを順次引き継いでいくのが基本的な流れです。

特にGalaxyスマホ同士では、写真・動画・音声といったメディアファイルはもちろん、アプリデータや設定、ホーム画面の配置や壁紙、ウィジェットまで完璧に再現されます。旧端末の環境をほぼまるごとコピーできる、といっていいでしょう。

「Smart Switch」アプリで上手く移行できない場合は?

旧スマホの機種やOSバージョンによっては、「Smart Switch」を経由してのデータ移行が上手くいかないケースもあるようです。実際、筆者がXperia 5→Galaxy S21+5Gに機種変更した際は、インストールされないアプリがいくつかあったほか、アプリ内データはほとんど引き継がれていませんでした。

「Smart Switch」経由でのデータ移行結果に満足できなかった人は、新Galaxyを一度初期化した上で、以下の記事を参考にGoogleバックアップ経由でのデータ移行作業を実施してみてください。

旧スマホが手元にない場合

旧スマホが手元にない、もしくは故障などで操作できない場合は、デバイス同士をつなげてのデータ移行はできません。自動バックアップデータからの復元を試してみましょう。

Galaxyデータ移行

Androidスマホには、機種を問わずGoogleアカウントに紐付いた自動バックアップ機能(Google Oneへのバックアップ)が搭載されており、デフォルトでオンになっています。ユーザーが意識しなくても勝手にデータをバックアップしてくれている可能性がある、というわけです。

Google Oneに自動バックアップされるデータ
  • 画像ファイルの一部
  • 動画ファイルの一部
  • 連絡先(電話帳)
  • 通話履歴
  • SMSのメッセージ送受信履歴
  • インストールしていたアプリ(有料・無料問わず)
  • アプリ内のデータ(一部のみ)
  • ホーム画面の壁紙
  • Wi-Fiネットワークのパスワード
  • Google関連サービスのデータ(Gmail/Googleドライブ/Googleカレンダー/Googleフォト)

自動でバックアップされるデータは上記の通り。重要なデータは網羅されているので、ほとんど元通りに復元できるといっていいでしょう。

とはいえ、一部の画像、動画ファイルや音楽、文書ファイルなどバックアップ対象外のものもあります。LINEのトーク履歴など別途バックアップ作業が必要なデータも、残念ながら消えてしまうかもしれません。

Galaxyスマホへの機種変更でやること完全ガイド

ここからは、専用アプリ「Smart Switch(スマートスイッチ)」を使ってGalaxy S21 5G(Android 12)へデータ移行する手順を解説します。なお旧スマホは、Galaxy A20(Android 10)とXperia 5(Android 10)の2台で検証しています。

旧スマホに「Smart Switch」をインストールして初期設定を済ませる

アプリ「Galaxy Smart Switch Mobile」をダウンロード

まずは、旧スマホ側に「Smart Switch」アプリをインストールしておきます。

続行

旧スマホ側に「データを転送」画面が表示されるので[続行]をタップします。

続行
許可

各種権限の許可が求められるのですべてに許可しましょう。ひとつでも許可していない項目があると、データ転送を開始できません。

ファイルへのアクセス
さあばじめよう

最後に「全ファイルへの管理権を付与」スイッチをオンにすれば、初期設定は完了です。

さあ、始めようをタップし、接続方法の確認画面が表示されたら、いったん旧スマホを置いて新Galaxyでの作業に移りましょう。

Galaxyスマホを起動してWi-Fiに接続する

ようこそ

続いて、新しいGalaxy本体の電源を入れて起動しましょう。「ようこそ!」という画面が表示されるので、[開始]をタップします。

サービス権限

確認すべき項目とサービスのアクセス権限が表示されるので、一読して問題なければ[同意する]を押しましょう。

Wi-Fiネットワークを選択

周囲の接続可能なWi-Fiが検出されるので、自宅など安定したWi-Fiに接続してください。通信量が大きくなる可能性があるので、モバイルネットワーク接続での作業はおすすめしません。

旧スマホと新Galaxyスマホをケーブルもしくはワイヤレスで接続してデータを移行する

アプリとデータのコピー

「アプリとデータのコピー」画面が表示されたら、次へをタップ。

なお、旧スマホから新スマホへのデータ移行は、セットアップ中のこのタイミングでしかおこなえません。セットアップ完了後に再び「アプリとデータのコピー」画面を表示させることはできないので注意してください。

デバイスを用意

続く画面で「前に使用していたデバイスをご用意ください」と求められるので、次へを押します。

インストール中

「Smart Switch」アプリが自動的にインストールされ、起動するのでしばらく待ちます。

端末を選択

古いデバイスの種類を「Android(Galaxy)」か「iPhone/iPad」か選びます。「iPhone/iPad」を選んだ場合は、ケーブルの接続画面に遷移するのでそのまま案内に従ってデータを移行しましょう。

接続方法を確認

「Android(Galaxy)」を選択した場合は、「ケーブル」か「ワイヤレス」か接続方法を選べます。両端子が「USB Type-C」のケーブルを持っている人は[ケーブル]に進みましょう。

ワイヤレスでのデータ移行も試しましたが、動作が不安定でかなり時間がかかる印象です。なるべくケーブルで接続することをおすすめします。

Galaxy

上の画像のように付属のUSB Type-Cケーブルで旧スマホとGalaxyスマホをつなぎ、案内に従ってデータ移行を進めてください。

セットアップが終了し次第、データの転送が開始する

Googleサービス

続く画面で、「Googleドライブへのバックアップ」設定をおこなえます。

オンにしておけば、新スマホで蓄積されたさまざまなデータが自動的にGoogle Oneにバックアップされるようになります。故障や紛失に備えて、オンにしておくことをおすすめします。

端末を保護

端末のロック設定をおこないます。後から変更することもできるのでスキップを押してもOKです。

アシスタント

Googleアシスタントの設定をおこないます。後から変更することもできるのでスキップを押してもOKです。

次へ

プリインストールされるGalaxyやGoogle関連のアプリが一覧で表示されます。必要ないものは、チェックを外してください。

準備完了

「準備完了!」と表示されたら完了をタップ。すると、ホーム画面が立ち上がります。

ただ、この時点でまだデータ移行作業が完了したわけではありません。旧スマホ側でデータ移行の完了が知らされるまで、ケーブルやワイヤレス接続を解除せずにしばらく待ってください。

アプリ内データを個別に引き継ぐ

アプリデータ移行

すべてのアプリがインストールできたら、それぞれの中身をチェックしましょう。Google系のアプリをはじめ、いくつかはアプリデータが自動で引き継がれているはずです。

一方、アプリデータを引き継げなかったものは、それぞれ手動で移行作業をおこなう必要があります。

アプリのログイン情報を引き継ぐ

ログイン

一部を除き、アプリのログイン情報は新しいGalaxyスマホに引き継がれません。以下のようなログインを要するアプリは、すべてログアウトされた状態で新しいGalaxyスマホにインストールされてしまうのです。

  • インスタグラム、Facebook、TwitterなどのSNSアプリ
  • メールアプリやメッセージアプリ
  • Amazonショッピングや楽天市場、メルカリなどの通販アプリ
  • マンガ配信アプリや電子書籍アプリ
  • PayPayや楽天ペイなどのスマホ決済アプリ
  • 銀行系のアプリ
  • SpotifyやYouTube Musicなどの音楽配信アプリ
  • NetflixやHuluなどの動画配信アプリ

旧スマホでユーザーネームやパスワードを確認しつつ、新しいGalaxyスマホで各アプリのログインを進めてください(Wi-Fiに接続されていれば、SIMカードなしでも旧スマホは利用できます)。

LINEアプリのデータを引き継ぐ

LINEアプリのデータも、個別に引き継ぎ作業をおこなわなければなりません。ざっくりとした流れは以下の通りです。

AQUOS データ移行

旧スマホが手元にあるなら、旧スマホで表示したQRコードを新スマホで読み取るだけでLINEアカウントの引き継ぎは完了です。トーク履歴のバックアップ・復元さえすれば、元通りにLINEを復元できます。詳しい手順は、以下の記事を参照ください。

オンラインゲームアプリのデータを引き継ぐ

オンラインゲームのアプリにも、独自のデータバックアップ・引き継ぎ機能が搭載されているケースが多いです。各アプリの案内に従って、アイテムやセーブデータなどの引き継ぎをおこないましょう。

以下、本サイトでもいくつかゲームアプリの引き継ぎ方法を記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。

電子マネーのデータを移行する

おサイフケータイデータ移行

“かざして支払う”タイプの電子マネーアプリは、セキュリティ上、複数のスマホに同じアカウントで同時ログインできません。

そのため機種変更の際は、(1)旧スマホで登録した会員情報やチャージ残高などのデータをサービス事業者のサーバーに預ける、(2)新スマホでIDやパスワードでログインしてサーバからデータを受け取る、という作業が必要です。

引き継ぎ作業が必要な電子マネーアプリ

旧スマホにデータを残したままだと、新しいGalaxyスマホで残高やアカウント情報を引き継げません。スマホを“かざして”支払ったことがある人は、必ずデータの移行作業をおこなってください。

なお、データの移行作業は「おサイフケータイ」アプリや「Google Pay」アプリからはおこなえません。データを預けたり、受け取ったりするのは、各サービスのアプリから個別に実行する必要があります。

旧スマホから新スマホにSIMカードを入れ替える

SIMカード

新しいスマホのセットアップとアプリのインストールが終了し次第、スマホの電源を落としてSIMカードの入れ替えをおこないましょう。eSIMを使っている人は、専用のサイトで機種変更の手続きを済ませればOKです。

旧スマホからSIMカードを抜いても、旧スマホが操作不能になったり初期化したりすることはありません。SIMカードを抜いた後も旧スマホは問題なく使えますし、Wi-Fiに接続されていればアプリ操作やWebサイトのアクセスなどもおこなえます。

必要に応じてAPN設定をおこなう

SIMカードを入れ替えたら、新スマホの電源を入れてモバイルデータ通信ができるか確認します。Wi-Fiをオフにした上で、Googleでなにか適当に検索してみてください。

検索結果を表示できた場合はAPN設定が済んでいるので、何もしなくてOKです。

モバイルデータ通信

一方、上の画像のように検索結果が表示できなかった場合、モバイルデータ通信ができていません。以下の手順でAPN設定をおこないましょう。

GalaxyスマホでAPN設定をする手順
接続
モバイルネットワーク

端末の「設定」を開いたら接続をタップ。メニューからモバイルネットワークに進みます。

APN
APN

APNに進むと、挿入しているSIMカードに従って自動的にアクセスポイント名が表示されます。自身の使っている回線を選択してください。

回線が見つからない場合は、右上の追加ボタンをタップしAPNの情報を手入力します。「キャリア名 APN」などのキーワードでGoogle検索すると、APNの情報が調べられるはずです。必要な項目を埋めていきましょう。

検証バージョン
Galaxy S21
Android
12
Galaxy M23 5G
Android
12
Galaxy A20
Android
10
EDITED BY
MOEGI