Galaxyスマホへ機種変更する際は、専用アプリの「Smart Switch」でデータを移行するのが主流です。手軽におこなえて非常に便利なのですが、筆者が試した際は、このアプリだけで旧スマホの全データを移行することはできませんでした。
「Smart Switch」はGalaxyスマホ同士だとほぼ丸ごとデータ移行できる優れものですが、他社製スマホだと上手くいかないケースもあるようです。必要に応じて、別の手段も併用する必要があるかもしれません。
本記事では実際に作業して感じた注意点なども含め、Galaxyスマホへの機種変更でやったことを具体的に紹介します。
方法1:Smart Switchを使ってデータ移行する
まずは、専用アプリ「Smart Switch」を使ってGalaxyスマホへデータ移行する手順を解説します。
なお、Galaxy A20のほかGalaxy S21でも検証をおこないましたが、いずれも同じ手順でデータ移行できました。Android 4.3以上を搭載しているGalaxyシリーズであれば、モデル関係なくほぼ同じ手順でデータ移行できるようです。
Galaxyスマホを起動してWi-Fiに接続する
本体の電源を入れて起動しましょう。新スマホを立ち上げると「始めよう」という画面が表示されるので
をタップします。画面に表示される手順に沿って操作し、Wi-Fiまたはモバイルネットワークに接続してください。いずれかに接続しない限り、データの移行はできません。
新スマホに「Smart Switch」アプリをインストール
「アプリとデータのコピー」画面が表示されたら、
をタップ。続く画面で「前に使用していたデバイスをご用意ください」と求められるので、 を押します。「Smart Switch」アプリが自動的にインストール・起動されます。旧スマホの種類を「Android(Galaxy)」か「iPhone/iPad」か選んでください。「接続方法を確認」画面までが表示されたら、ひとまずGalaxyでの作業は止めましょう。
旧スマホに「Smart Switch」をインストールする
続いて、旧スマホに「Smart Switch」アプリをインストールしてください。
をタップすると、各種権限の許可が求められるのですべてに許可しましょう。ひとつでも許可していない項目があると、データ転送を開始できません。
をタップし、接続方法の確認画面が表示されたらGalaxyスマホを隣に置いて、データの移行作業に入りましょう。
旧スマホと新Galaxyスマホをケーブルもしくはワイヤレスで接続してデータを移行する
接続方法を「ケーブル」か「ワイヤレス」か選びます。「ケーブル接続」を選択した場合はお互いをType Cケーブルで接続し、認識されるのを待ってください。
ワイヤレス接続を選択した場合は「近くの端末を探索中」に切り替わるので、旧スマホと新スマホを同じWi-Fiに接続した上で近くに置き、互いが認識されるのを待ちましょう。
新スマホと旧スマホが正常に接続されると、転送(移行)できるデータの一覧が表示されます。デフォルトではすべての項目にチェックが入っているので、問題なければ
ボタンをタップしてください。新Galaxyで「アカウントを移行しますか?」と問われたら、旧スマホで
をタップ。すると、旧スマホでログインしていたGoogleアカウントが自動的に検出されます。アカウント名などに間違いがなければ、パスワードを入力してログインしましょう。
セットアップ作業を進める
続く画面で、「Googleドライブへのバックアップ」設定をおこなえます。
オンにしておけば、新スマホで蓄積されたさまざまなデータが自動的にGoogle Oneにバックアップされるようになります。故障や紛失に備えて、オンにしておくことをおすすめします。
あとは、案内に従ってセットアップを完了させると、ホーム画面が立ち上がり、アプリが順次インストールされはじめます。Wi-Fiに接続した状態を保ってしばらく待ってください。
なお、途中でメッセージアプリ(LINE)の移行作業がおこなえますが、セットアップ終了後でも実行できるので、ここではスキップしてもOKです。
旧スマホから新スマホにSIMカードを入れ替える
アプリがすべてインストールされたら、旧スマホから新GalaxyにSIMカードを入れ替えましょう(SIMカードとGalaxyをセットで購入した場合は入れ替える必要はありません)。
なお、旧スマホからSIMカードを抜いても、旧スマホが初期化されたり操作不能になったりすることはありません。SIMカードを抜いたあとも、Wi-Fiに接続されていれば旧スマホでアプリ操作やWebサイトのアクセスなどがおこなえます。
SIMカードの入れ替えをおこなう前には、必ず端末の電源を切りましょう。起動したまま入れ替え作業をおこなうと、端末の故障につながるおそれがあります。
続いて、旧スマホの側面や上部にある小さな穴をSIM取り出し用ピンなどでプッシュして、挿し込み口(トレイ)を取り出します。穴がないタイプは、そのままトレイを爪で引き出して取り出せます。
トレイが引き出せたらSIMカードを取り外し、 GalaxyスマホのSIMカードトレイに乗せて挿し込みます。チップ部分に皮脂や汚れ、ほこり、水分などがつくと不具合の原因になります。なるべくICチップ(金属部分)に触れないよう、取り扱いには注意してください。
最後にGalaxyスマホの電源をオンにして、画面上部のステータスバーで回線が変わっているか確認しましょう。
必要に応じてAPN設定をおこなう
SIMカードを入れ替えたあとは、モバイルデータ通信ができるか確認します。Wi-Fiをオフにした上で、Googleでなにか適当に検索してみてください。
検索結果が表示できなかった場合は、「APN設定」が必要となります。正常に検索結果を表示できた場合は、APN設定が済んでいるので、ここは飛ばして次項に進みましょう。
日本に飛び交っているさまざまな通信会社の回線から、自身が契約している通信会社の回線を特定するためにあるのが「APN設定」です。
SIMフリーのスマホを使う場合は、基本的に手動でAPN設定をしなければモバイルデータ通信ができません。たとえば、Samsungのオンラインストアで購入したGalaxyスマホに、手持ちのSIMカードを入れて使う場合などです。
また、ドコモで購入したGalaxyスマホに楽天モバイルのSIMカードを入れるケースなど、他社製品同士を組み合わせて使う場合もAPN設定をしなければなりません。
各アプリにログイン/データの引き継ぎをおこなう
LINEアプリのデータを引き継ぐ
LINEアプリは、Galaxyのデータ移行システムで引き継げません。別途、バックアップや復元作業をおこないましょう。詳しい手順は別の記事で解説しているのでここでは割愛しますが、ざっくりとした流れは以下の通りです。
- 旧スマホのLINEアプリでトーク履歴をバックアップする
- 新スマホのLINEアプリを開く
- 新スマホのLINEアプリで電話番号認証とパスワード入力してトーク履歴を復元
パソコンなどを使った難しい作業はありません。案内どおりやれば、5分ほどで終えられる内容です。
おサイフケータイのデータを移行する
モバイルSuica、楽天Edy、モバイルWAON、モバイルnanacoなど、かざして支払うタイプの電子マネーを利用している人は、アカウント情報および残高の移行作業が必要です。
たとえばモバイルSuicaでは、旧スマホにデータ(残高)を残したまま新スマホでログインしようとすると、上のような画面が表示されてしまいます。
データ移行方法は各電子マネーごとに異なりますが、いずれも基本的な流れは同じです。
- 旧スマホで登録した会員情報やチャージ残高などのデータを一旦サービス事業者のサーバーに預ける
- 新スマホでIDやパスワードでログインしてデータをサーバから受け取る
データを預けたり、受け取ったりといった作業は各サービスごとにおこなう必要があります。おサイフケータイアプリやGoogle Payアプリ経由で一括でおこなえるわけではおこなえないので注意してください。
Androidスマホの機種変更で「Suica」のデータを移行・引き継ぎする方法Androidスマホの機種変更で「モバイルPASMO」を移行する(引き継ぐ)方法
方法2:Google Oneにデータをバックアップ&復元する
冒頭で述べたように、「Smart Switch」はメーカーによって移行できるデータの種類にばらつきがある印象です。筆者が試した際は、インストールされないアプリがいくつかあったほか、アプリ内データはほとんど引き継がれていませんでした。
アプリデータを確実に移行したい場合、全機種共通で利用できるGoogle One経由のデータ移行のほうが信用できるかもしれません。Smart Switchでの結果に満足できなかった人は、新スマホを一度初期化した上で、以下の記事を参考に移行作業をやり直してみてください。