iPhoneバッテリーの減りが早い時、電池を節約して駆動時間を長持ちさせる19の方法
iPhoneを朝にフル充電したのに、午後にはバッテリーがなくなってしまった…という経験のある人も多いはず。そこで本記事では、バッテリーの減りが早いiPhoneの電池消耗を節約し、駆動時間を延ばすための設定を紹介します。
バッテリー節約術として取り上げられる設定は非常に数多いものの、なかには利便性を損なったり効果が乏しかったりする方法もあるため、ここではなるべく効果的とされるものを厳選して解説。少し使い方を工夫するだけで、iPhoneのバッテリー駆動時間が今より長持ちするはずです。
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- 1. バッテリー残量をパーセンテージで表示する
- 2. アプリ別にバッテリーの使用状況を表示する
- 3. バックグラウンド処理を制御する
- 4. メールのプッシュ通知を無効にする
- 5. 位置情報サービスを無効にする
- 6. 不要な通知を無効にする
- 7. 画面の明るさの自動調節をオンにする
- 8. ダークモード(色を反転)を活用する
- 9. 自動ロックまでの時間を短く設定する
- 10. Wi-Fiを優先するシーンを判断する
- 11. BluetoothやAirDropをオフにする
- 12. 電波の弱い場所では機内モードを活用する
- 13. SiriやSpotlight検索をオフにする
- 14. 自動ダウンロード(アップデート)を無効にする
- 15. 視差効果を減らす
- 16. 壁紙には静止画を設定する
- 17. 低電力モードを有効にする
- 18. フェイスダウン検知機能を活用する
- 19. モバイルバッテリーを利用する
1. バッテリー残量をパーセンテージで表示する
iPhoneの画面右上には、バッテリー残量を示すアイコンが表示されています。残量が20%を切ると赤色で表示されますが、バッテリーの状況を正確に知るには少し表示がアバウトです。
基本的なことですが、まずはバッテリー残量を数値できちんと把握するところから始めてみましょう。
画面右上を下方向にスワイプしコントロールセンターを表示
ホームボタンの廃止されたiPhone X以降では、バッテリーの残量はコントロールセンターで表示します。
iPhone 8以前のホームボタンを搭載したiPhoneでは、「設定」アプリから[バッテリー]を開いて、[バッテリー残量(%)]をオンにすると、バッテリー残量を示すアイコンの左に残量がパーセンテージで表示されます。
もちろん、これだけではバッテリーの節約になりませんが、残量を数値で正確に把握することで、バッテリー消費への意識付けにつながります。常時パーセント表示で確認することができないiPhone X以降のユーザーは特に重要です。
iPhoneのバッテリー残量をパーセント表示する2つの方法【iPhone X/XS/XR】
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2. アプリ別にバッテリーの使用状況を表示する
「設定」アプリから[バッテリー]と進んで画面を下へスクロールすると、「App毎のバッテリー使用状況」を確認できます。
バッテリーを使用しているアプリの一覧で使用率の大きなものから表示されるので、特にバッテリーを減らしているアプリを簡単に突き止めることが可能です。アプリの使用を控えることで、バッテリーを節約できるはずです。
[24時間以内]と[10日以内]のタブがあり、短期と長期で統計を切り替えます。リストの上位にあるアプリが、普段もっともよく起動しているアプリです。
これを見て、「バッテリーの減りが早いのは、ゲームばかりしているせい」といった分析に役立てることができます。
【iPhone】バッテリー交換前の劣化状態の診断方法と、電池の寿命(耐用年数)を延ばすコツ
3. バックグラウンド処理を制御する
上記「バッテリー」でリストをタップすると「App毎のバッテリー使用状況」が「Appのアクティビティ」が切り替わり、アプリを使用した状況が表示されます。その中で「背面処理」と表示されているものは、バックグラウンドでバッテリーを消費したアプリです。
普段あまり起動してもいないのにバッテリーの使用率が高いアプリは、ほとんどがこのバックグラウンド処理が理由です。
バックグラウンド処理は、データ通信が利用可能な時に自動でコンテンツを更新する機能。ログを記録するアプリなどバックグラウンド更新が不可欠なものもありますが、使用頻度の低いアプリは自動更新をオフにしても構いません。
バックグラウンド更新は、「設定」アプリから[一般]→[Appのバックグラウンド更新]と進み、アプリごとにオン/オフを切り替えます。また更新をWi-Fiのみに制限することで、バッテリーの消耗を軽くすることもできます。
4. メールのプッシュ通知を無効にする
バックグラウンドでコンテンツを受信するアプリの1つに「メール」があります。メインで使っているメールでなければ、手動によるデータ取得を選択するか、データを取得する頻度を下げることでバッテリーを節約できます。
「設定」アプリから[パスワードとアカウント]→[データの取得方法]を開きます。[プッシュ]をオフにして、取得頻度を下の「フェッチ」から選びます。
プッシュとは常に(メールが届いているか)サーバーに問い合わせ、ほぼリアルタイムで(新着メールなどを)受け取る仕組み。またフェッチとは、一定間隔または手動にてサーバーに問い合わせることです。
手動で取得したい場合でも[自動]を選択しておけば、電源とWi-Fiに接続している時だけ新規メールを自動で取得してくれるため、バッテリーの消費が気になりません。
複数のアカウントがある場合、重要なものだけプッシュ通知で受け取り、あとはフェッチにするといった設定も可能です。
5. 位置情報サービスを無効にする
バックグラウンドで位置情報サービス(GPS)を利用するアプリも、バッテリーを消費します。位置情報サービスを使っているアプリは「バッテリー」画面で確認できます。
位置情報の設定は「設定」アプリの[プライバシー]→[位置情報サービス]をタップします。位置情報サービスを利用しているアプリの一覧が表示されます。
各アプリには「許可しない」「このAppの使用中のみ許可」「常に許可」のいずれかが表示されています。
「常に許可」とあるものはバッテリーを多く消費しやすいので、できれば[このAppの使用中のみ許可]に切り替えておくといいでしょう(切り替え不可能なアプリもあります)。
[自分の位置情報を共有]はメッセージやファミリー共有で位置情報を共有するのに利用します。
使っていないならオフにします。
位置情報サービスの一覧画面の最下部にある「システムサービス」には、iOSが利用するサービスが登録されています。不要なものはオフにしておくと、これもバッテリーの節約になります。
必須なのは[iPhoneを探す][コンパスの調整][モーションの調整と距離](ヘルスケアで使用)[緊急電話およびSOS]くらいです。残りのオプションで、あまり使っていないものはオフにしても支障ないでしょう。
6. 不要な通知を無効にする
今では、ほとんどのアプリが通知機能を利用します。不要な通知を無効にすることにより、ロック画面が表示される回数を減らし、バッテリーを節約できます。
通知の設定は、「設定」アプリの[通知]でおこないます。アプリごとに通知のオンオフやスタイル、ロック画面に表示するしないなどの設定ができます。
通知が不要なアプリは、通知を許可をオフにしましょう。
あまり重要でない通知は、ロック画面や通知バナーをオフにして通知センターだけで受け取れるようにしたり、アイコンのバッジだけ表示したりという具合に、通知の機能を個別にオン/オフすることが可能です。
iPhoneで邪魔な通知を事前に消す(非表示にする)方法【アプリごと/一部機能ごとにオフ】
7. 画面の明るさの自動調節をオンにする
画面の明るさを暗くするだけで、バッテリーを大きく節約できます。画面の明るさは標準よりも少し暗めにするか、明るさの自動調節機能をオンにします。
画面の明るさを調節するには、コントロールセンターを利用します。画面の下端を上方向にスワイプしてコントロールセンターを引き出し、明るさのスライダを上下に動かします。
明るさの自動調節は、「設定」アプリから[一般]→[アクセシビリティ]→[ディスプレイ調整]と進みます。
[明るさの自動調節]をオンにすると、周囲の明るさに合わせて画面の明るさを自動で調節します。暗い場所や極端に明るい場所などで見えづらい時は手動で調節もできます。
自動調節がオンの時に手動で明るさを変更した場合、自動調節をいったんオフにしてオンにし直すと、適切な明るさへと再調節されます。
8. ダークモード(色を反転)を活用する
有機ELを採用したiPhone X以降のモデルでは、正式名称ではないものの、実質的にはダークモードのように使える「色を反転(スマート)」という設定が利用できます。
この擬似的なダークモードを利用することで、バッテリーの消費が少なくなります。素子の発光を控えることで、電力の消費も抑えられる仕組みです。
ダークモードは「設定」アプリの[一般]→[アクセシビリティ]→[ディスプレイ調整]→[色を反転]を開いて、[反転(スマート)]をオンにします。
画面の色調が反転しますが、写真やアイコンは元のまま表示されるので、見やすさがあまり損なわれません(一部のアプリを除きます)。
毎回操作するのは面倒なら、「アクセシビリティ」の画面で[ショートカット]をタップして[色を反転(スマート)]を割り当てておきます。サイドボタンをトリプルクリックすることで、ダークモードへ瞬時に切り替えることができます。
9. 自動ロックまでの時間を短く設定する
iPhoneを操作しないと一定時間経過後、ディスプレイが自動的に消灯しますが、この時間を短くすることで、バッテリーの余分な消耗を節約できます。ディスプレイの点灯時間を抑えることができるからです。
方法は「設定」アプリから[画面表示と明るさ]→[自動ロック]と進みます。自動ロックまでの時間を「1分」や「2分」など、なるべく短めの時間に設定しておくことをおすすめします。短くしすぎても使いにくくなるだけなので、ベストな間隔を調節してください。
iPhoneで自動ロック(スリープ)までの時間を変更する方法──iPadとの違いと低電力モード時の制限も解説
10. Wi-Fiを優先するシーンを判断する
基本的に、Wi-Fi接続は携帯電話のデータ通信よりも消費電力が低くなります。そのため、自宅など安定してWi-Fiが使えるところでは優先して利用します。
ただしWi-Fiが常時オンになっていると、iPhoneが利用可能なWi-Fiを探し続けているためにバッテリーを無駄に消耗します。外出時などでWi-Fiを利用しないのであれば、逆にオフにすることでバッテリーを節約できます。
カフェなどの無料Wi-Fiスポットを使い倒す方法、便利アプリの活用やセキュリティ上の注意点も
左:コントロールセンターからはWi-Fiの一時的なオフのみ可能右:完全なWi-Fiのオフは「設定」アプリからおこなう
以前はコントロールセンターからWi-Fiのオフ操作がおこなえたのですが、現在は一時的なオフ(接続解除)にしかなりません。そのため「設定」アプリから[Wi-Fi]を開いて、[Wi-Fi]のスイッチをオフにすることで、Wi-Fiを完全に切ることができます。
【iPhone】Wi-FiとBluetoothを接続解除/完全オフにする方法
11. BluetoothやAirDropをオフにする
BluetoothやAirDropは基本的に利用時だけオンにするのがおすすめです。Wi-Fiと同様、以前はコントロールセンターで設定できましたが、これも現在は一時的なオフ(接続解除)にする機能へと変更されています。
左:コントロールセンターからはBluetoothの一時的なオフのみ可能右:完全なBluetoothのオフは「設定」アプリからおこなう
「設定」アプリから[Bluetooth]と進んで、[Bluetooth]のスイッチをオフにすることでBluetoothを切ることができます。Bluetoothをオフにすると、AirDropも無効になります。
「AirDrop」の使い方──写真・動画などを送受信する方法【iPhone/Mac】
12. 電波の弱い場所では機内モードを活用する
機内モードを有効にすると、バッテリーの駆動時間を伸ばすことができます。
特に圏外や電波の弱い/不安定な場所にいると、iPhoneがより強い信号を探すため、バッテリーを消耗してしまいます。このような時はコントロールセンターを開いて、機内モードをオンにするのが有効でしょう。
とはいえ、機内モード中は電話やネットワークなど電波を利用する機能がすべて使えなくなります。連絡を待っている時などは注意が必要です。
13. SiriやSpotlight検索をオフにする
iPhoneのパーソナルアシスタント機能である「Siri」や、ホーム画面を下にスワイプして呼び出して様々な情報を検索できる「Spotlight検索」ですが、バックグラウンドなどで処理をおこなっているためバッテリーを消耗します。普段から利用していなければ、設定をオフすることで節約できます。
Siriは「設定」アプリから[Siri]と進んで、[”Hey Siri”を聞き取る]と[サイドボタンを押してSiriを使用]の2つのスイッチをオフにすることで無効にできます。
Siriをオンのままに使う時は、同じ画面にある[ロック画面上での提案]や、そのほかの使わない機能をオフにします。下にあるアプリの一覧から検索しなくてもいい項目を個別に設定することも可能です。
【iPhone】Siriと音声コントロールを両方同時にオフにする方法
【iPhone】意外と知らない、Spotlight検索の使い方──設定変更で「Siriの検索候補」などを非表示にする方法も解説
14. 自動ダウンロード(アップデート)を無効にする
「自動ダウンロード」がオンになっていると、アプリのアップデートやダウンロードが自動でおこなわれます。便利な機能ですが、外出時にバッテリーが消耗するのを防ぎたいなら、更新は「手動」でおこなうといいでしょう。
「設定」アプリから[iTunesとApp Store]を開いて、「自動ダウンロード」の項目をオフにします。
自動ダウンロードをオフにする代わりに、[モバイルデータ通信]をオフにするだけでもバッテリーを節約できます。Wi-Fi接続時のみ自動ダウンロードをおこなうことも可能です。
iPhoneアプリを勝手に更新させない、自動アップデートをオン/オフする方法
15. 視差効果を減らす
「設定」アプリから[一般]→[アクセシビリティ]を開いて、[視差効果を減らす]のオプションをオンにします。
これは、ロックを解除した時のふわったとしたアニメーションや、モーションセンサーを使って壁紙が動くように見える効果を軽減する設定です。バッテリーの消耗も、わずかですが抑えられます。
16. 壁紙には静止画を設定する
iPhoneの壁紙にある「ダイナミック」は、いわゆるライブ壁紙で、背景が動画のように移り変わるような表現が特徴の壁紙です。通常の静止画の壁紙よりもバッテリー消耗が大きくなります。
そのため「設定」アプリを開いて[壁紙]→[壁紙を選択]と進みます。壁紙を[静止画]から選ぶと、バッテリーの節約になります。
iPhoneで壁紙を設定(変更)する方法【ホーム画面/ロック画面】
17. 低電力モードを有効にする
バッテリーの残量が20%になった時と、さらに10%まで下がった時、「低電力モード」へ切り替える通知が表示されます。または「設定」アプリから[バッテリー]を開いて、[低電力モード]をオンにすれば、低電力モードに手動で切り替えることができます。
低電力モードを有効にするとiPhoneのパフォーマンスは落ちますが、通話やメール、メッセージ、インターネットアクセスなどの主要機能を最低限維持したまま、バッテリー駆動時間を長くすることが可能です。
低電力モードではディスプレイの明るさを減らし、デバイスのパフォーマンスを最適化するほか、システムのアニメーションを最小限に抑えます。また、アプリのバックグラウンド更新を停止し、AirDrop、iCloudの同期などの機能も無効になります。
18. フェイスダウン検知機能を活用する
iPhoneには、画面を伏せた状態で机などに置くだけでバッテリー消費を抑えることのできる「フェイスダウン検知(Facedown detection)」機能を搭載しています。
iPhoneの画面を下向きにして置いておくと、それをディスプレイの上に配置されているセンサーが感知して、通知が来ても画面をオンにしない機能です。通知が頻繁に届くなら、その度に画面をオンにせずに済むのでそれなりの省電力効果を期待できます。
iPhoneのバッテリーを置き方ひとつで長持ちさせる方法──通知によるディスプレイの電池消費をゼロにする
19. モバイルバッテリーを利用する
駆動時間を延ばすという点では、Appleのオンラインショップで販売されている「iPhone XS Max Smart Battery Case」のようなバッテリー内蔵ケースを活用するという手もあります。価格は1万4800円(税別)です。
iPhone XS Max Smart Battery Case
カラーバリエーションはピンクサンド、ホワイト、ブラックの3色。iPhoneのバッテリーと同時に使うことで通話は最大37時間、インターネット利用は最大20時間に延長されます。Qi規格の充電器にも対応しています。バッテリー節約とは異なりますが、外付けバッテリーを持っていることの安心感は大きいでしょう。
この他にも、手軽に持ち歩ける優れたモバイルバッテリーや、大容量の製品が数多く販売されています。下記の特集も参照してみてください。
どれがおすすめ? 利用デバイスで考える最適な「モバイルバッテリー」の選び方【スマホ/iPhone/パソコン/急速充電など】
検証端末:iPhone X(iOS 12.3)
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