iOS 11以降のiPhone/iPadではコントロールセンターが大幅に変化しました。注意が必要なのは、タップしたときの意味合いが変わったボタンがある点。Wi-FiボタンとBluetoothボタンがそれです。
iOS 10以前ではWi-FiボタンやBluetoothボタンをタップすると、Wi-FiとBluetoothの機能全体のオン/オフを切り替えることができました。ところがiOS 11では、ボタンをタップしてもWi-FiネットワークやBluetoothアクセサリから「接続解除」されるという動作に変更され、機能を「完全オフ」にできなくなっているのです。
本記事では、iOS 11およびiOS 12とiOS 10以前でWi-Fiボタン/Bluetoothボタンの機能がどう異なるのかを確認し、Wi-FiとBluetoothの接続を解除する方法と両者を完全にオフにする方法を紹介します。
接続解除と完全オフとの違いは?
コントロールセンターでWi-FiボタンやBluetoothボタンをタップして接続を解除すると、ステータスバーに表示されていたWi-FiやBluetooth関連のアイコンが消えます。そのためWi-FiやBluetoothが完全にオフになったと勘違いしやすいのですが、実はWi-FiやBluetoothは引き続き使用できる状態にあります。
接続解除と完全オフとの違いは、この点にあります。接続解除では、Wi-FiやBluetoothが使えなくなるわけではなく、接続中のWi-FiネットワークやBluetoothアクセサリから一時的に切断されるだけなのです。
上の画像は、コントロールセンターのWi-Fiボタンを状態ごとに並べたもの。「オン」「切断(接続解除)」「完全オフ」の3パターンでボタンの見え方が違います。
AirDropやAirPlayのほか、ペアリングしているApple PencilやApple Watchなど一部の重要な機能・機器は引き続き利用できます。また、Wi-FiやBluetoothを使用するHandoffやInstant Hotspot、位置情報サービスなども有効のままです。
iOS 11/iOS 12では、Wi-FiとBluetoothのボタンがグレイ表示になっていてもAirDropを使える(iOS 10ではAirDropを有効化するとWi-FiとBluetoothも有効化されていた)
一方、Wi-FiやBluetoothを完全にオフにすると、単なる接続解除の場合には無効化の対象から除外されていた一部機能・機器であっても完全に無効化されることになります。
iOS 11で仕様が変更されたことで、iOSの機能が不用意に無効化されることはなくなりました。しかし、節電目的などで機能そのものを完全にオフにしたいときは、いささか不便に感じることもあるでしょう。
Wi-Fi/Bluetoothの接続を解除(切断)する方法
まずWi-FiとBluetoothの接続を解除する方法を確認しましょう。
コントロールセンター
操作手順はiOS 10以前とほぼ同じ。コントロールセンターを表示させて、青色のWi-Fiボタン[]またはBluetoothボタン[]をタップするだけです。
左:Wi-Fiネットワークとの接続が解除された右:Bluetoothアクセサリとの接続が解除された
Wi-Fiボタン[]またはBluetoothボタン[]がグレイ表示になり、「明日まで近くのWi-Fi、Bluetoothデバイスとの接続を解除します」というメッセージが表示されます。これで操作完了です。
Wi-Fi/Bluetoothを切断した際に出るこのメッセージでは、翌日まで接続を解除すると説明されます。そのため「これでWi-Fi機能を完全にオフにできた」などと安心してしまいがちなのではないでしょうか。
ところが、そのままだと場所を移動したときに別のWi-Fiに自動接続されてしまうことになります。「オフにしたはずなのに」とストレスを感じる人も多いはずです。自動接続を常時ストップさせたい人は、次の解説を参考にしてください。
【基礎編】Wi-Fi/Bluetoothを完全にオフにする方法
Wi-FiとBluetoothを完全にオフにしたいときは、機内モードを利用するか、「設定」アプリで機能自体を無効にします。
機内モードはコントロールセンターからオン/オフを切り替えられるので手軽ですが、電話やモバイルデータ通信も利用できなくなるので、使い勝手がよくありません。
消費電力を抑えたいなどの理由からWi-FiやBluetoothを完全にオフにしたいときは、少し面倒ですが「設定」アプリからオフにします。
Wi-FiとBluetoothは「設定」アプリから無効化できる
Wi-Fiを完全にオフにしたいときは、「設定」アプリ→[Wi-Fi]を開いて、[Wi-Fi]スイッチをオフにします。
Bluetoothを完全にオフにする手順もWi-Fiと同様です。「設定」アプリ→[Bluetooth]を開いて、スイッチをオフにします。
再びオンに切り替えるには
完全にオフにしたWi-FiやBluetoothを再びオンに戻したいときは、コントロールセンターを利用すると便利です。グレイ表示のWi-Fiボタン[]またはBluetoothボタン[]をタップするだけで、オンに切り替わります。
「設定」アプリからオンに切り替えることも可能です。
【応用編】ショートカット作成でワンタッチ解決、Wi-Fi/Bluetoothを簡単に完全にオフにする方法
iOS 12で登場した自動連携アプリ「ショートカット」(旧Workflowアプリ)を使えば、Wi-Fi/Bluetoothの完全オフをワンタッチで実現できます。
このアプリでは、iOSでよく利用する設定や機能を組み合わせた作業を1タップで実現できます。つまり(1)「設定」アプリを開き(2)Wi-Fi/Bluetoothへ進んで(3)スイッチをオフにする、という流れ作業を1タップするだけで実行できてしまうわけです。
ちなみに、このショートカットボタンはウィジェットに配置しておけば、ホーム画面がロックされた状態でも右スワイプですぐにタップでき、大変便利です。
まず、「ショートカット」アプリをダウンロードしたら、以下のリンクをタップして必要なショートカットを入手します。
- 「Wi-Fi完全オフ」を入手
https://www.icloud.com/shortcuts/9c58531ccc0a44e18b71ee5526072ca1 - 「Bluetooth完全オフ」を入手
https://www.icloud.com/shortcuts/5cbb6619508847868107af8af355b801 - 「Wi-Fi/Bluetooth完全オフ」を入手
https://www.icloud.com/shortcuts/f300e65552c14234987572c28d79668f
左:アプリを起動した画面右:ウィジェット画面
上の画像のようにショートカットアプリ内とウィジェット(自動で追加されます)にボタンが追加されます。あとは、ショートカットボタンをタップするだけでOKです。
左:コントロールセンターでWi-Fiがオンになっている状態右:ウィジェット
Wi-Fiがオンになっている状態で、ショートカットで作成した「Wi−Fi完全オフ」ボタンをタップします。今回は、画面を右スワイプしてウィジェットから実行しました。
左:コントロールセンターでは、Wi-Fiボタンが透明になって斜線が入った右:設定画面のWi-Fiでもスイッチがオフになっていた
コントロールセンターを確認すると、Wi-Fiボタンが無効になっているのがわかります。さらに、設定の[Wi−Fi]を開いて確認してみても、Wi-Fiが完全にオフになっていました。同じ手順でBluetoothも「Bluetooth完全オフ」ボタンをワンタッチでオフができます。
本記事では「Wi-Fi/Bluetooth完全オフ」のショートカットも紹介しました。このショートカットを使うと、Wi-FiとBluetoothをまとめて完全にオフにできます。状況に応じて活用してみてください。
検証端末:iPhone XS(iOS 12.1)