iPhoneを机などに置く際、画面を下向きにしておくだけでバッテリー消費を抑えられることを知っていますか?
iOS 9で搭載された「フェイスダウン検知(Facedown detection)」によるもので、iPhone 5s以降のiPhoneなら標準で使える機能です。「低電力モード」や「バッテリー使用状況の確認」などと違って、設定オプションが用意されていないこともあり、意図して活用できている人は少ないかもしれません。しかし、バッテリーを節約する方法の1つとして抑えておきたい機能です。
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そこで今回は、フェイスダウン検知をより有効に使う方法などを紹介します。
無意識に電池を節約できるフェイスダウン検知機能
フェイスダウン検知の効果は2つあります。
1つは、ディスプレイを消灯する機能。iPhoneの画面を下向きにして置いておくと、それを端末の上部に配置されている環境光センサーや近接センサーが感知します。だいたい20秒くらいで画面が一段暗くなり、さらに20秒経つと画面が消灯。自動ロックの設定よりも短い時間で、画面をオフにできます。
フェイスダウン検知のもう1つの機能が、画面消灯中に通知が来ても画面をオフのままにしておく機能です。ディスプレイの消費電力を抑えることはバッテリーを長持ちさせるうえで重要です。通知が頻繁に来るなら、その度に画面をオンにせずに済むのでそれなりの省電力効果を期待できます。
なお、画面は消灯したままですがバイブレーションは作動します。通知ではなく電話がかかってきた場合は、フェイスダウン検知は働きません。
フェイスダウン検知では、iPhoneの画面を下向きに置く癖をつけるだけで、意識せずにバッテリーを節約できるようになっています。塵も積もれば山となる、です。ただし、画面の向きを認識できるのはiPhone 5s以降であるため、フェイスダウン検知機能の恩恵を享受できるのもiPhone 5s以降のiPhone端末に限られます。
ガラステーブルでも使える
机に置いて動作するなら気になるのは、ガラステーブルでもフェイスダウン検知は機能するのかという点です。
結論から言えば、フェイスダウン検知はガラステーブルでも機能します。おもしろいことに、テーブルの下からライトを当てた状態で通知を受け取っても画面は消灯したままです。この結論が指し示すのは、近接センサーがガラステーブルをきちんと認識できていることです。下向きで置いてあれば明るくてもフェイスダウン検知は動作します。
実は置いていなくても動作する
実はフェイスダウン検知機能は、机などに置かずに空中で下向きにしていても動作します。ただし、きちんと固定されていることが条件です。また、このような状況では通知が届いたときに画面が点灯してしまいます。近接センサーが下に何もないことを認識しているせいでしょうか。フェイスダウン検知は、環境光センサー、近接センサー、そしてモーションセンサーを使用して、総合的に状況を把握しているようです。
フェイスダウン検知を活かすには手帳型ケースもおすすめ
iPhoneを下向きに置くとディスプレイが傷つきそうでイヤと感じる人もいるかもしれません。その場合は、スリープ状態にしてからディスプレイの上に配置されているセンサー類を本などで覆ってしまえばOKです。iPhoneの向きに関係なく通知が来ても画面がオンになりません。
服のポケットやカバンの中などでiPhoneが他の物体と密着していれば、フェイスダウン検知と同等の省電力効果があるということでしょう。また手帳型ケースにiPhoneを収めているなら、ケースを閉じておくだけでフェイスダウン検知が機能します。通知が届いても画面はオフのままです。手帳型ケースを使っているだけで、フェイスダウン検知の節電効果を最大限に受けられるというわけです。
「手前に傾けてスリープ解除」をオフにして節電効果を追求
ところで、裏向きに置いたiPhoneを持ち上げると、画面が自動で点灯します。これは、「手前に傾けてスリープ解除」機能が有効になっているためです。
[設定]→[画面表示と明るさ]で[手前に傾けてスリープ解除]をオフにする
「手前に傾けてスリープ解除」は、[設定]アプリ→[画面表示と明るさ]でオフにできます。通知を確認するのにスリープ状態を解除する必要が出てきますが、せっかく節電目的で裏返しているのだから、持ち上げるたびディスプレイが点いてしまうのが納得いかないという人や、節電効果をさらに追求したい人におすすめです。
iPhoneを持ち上げるだけで勝手にスリープ解除してしまう? 設定をオフ(無効)にする方法
フェイスダウン検知機能は無効化できないが……
フェイスダウン検知機能をオフにする設定は提供されていません。基本的に常にオンの状態です。そもそも無効化したいというニーズが存在しないとAppleは判断したのかもしれません。
しかし、画面を自動で消灯する機能を無効にする道は残されています。
「設定」アプリ→[画面表示と明るさ]→[自動ロック]を開いて[なし]に変更する
1つは、「自動ロック」を「なし」にする方法です。フェイスダウン検知では、自動ロックの設定を無視して画面を短時間で消灯しますが、「なし」に設定したときだけは例外的に自動ロックの設定が優先されます。
iPhoneで自動ロック(スリープ)までの時間を変更する方法──iPadとの違いと低電力モード時の制限も解説
「設定」アプリ→[プライバシー]→[モーションとフィットネス]を開いて[フィットネス・トラッキング]をオフにする
もう1つは、「設定」アプリ→[プライバシー]→[モーションとフィットネス]→[フィットネス・トラッキング]をオフにするという方法です。
いずれの方法も、iPhoneを下向きに置いたときにスリープに移行しなくなります。ただし、通知の画面をオフのままにする機能は無効になりません。また「フィットネス・トラッキング」をオフにすると、フィットネス・ヘルスケア関連アプリの利用に支障をきたすことに注意してください。