2019年9月20日リリースの「iOS 13」。今回のアップデートによってiOSが一新される中、スマホの生命線であるバッテリー充電にも新しい機能が追加されています。「最適化されたバッテリー充電」機能です。
「最適化されたバッテリー充電」機能の追加によって、充電中のスマホのバッテリーが80%に到達すると自動で充電が保留されることがあります。本記事では「最適化されたバッテリー充電」機能について、ざっくり解説します。
iOS 13にアップデートしたらバッテリー充電レベルが最大80%に?「最適化されたバッテリー充電」とは
iOS 13にアップデートすると、「設定」アプリ→[バッテリー]に「最適化されたバッテリー充電」という項目が追加されています。
「最適化されたバッテリー充電」機能は適度なレベルで充電を保留する仕組み
iOS 13にアップデート済みのiPhone XS
「最適化されたバッテリー充電」機能とは、できるだけ80%以上の充電レベルまで充電しないように維持するもの。iOS 13ではデフォルトでオンになっています。
たとえば、ユーザーが22時に就寝して6時に起床する生活を規則正しく送っているとします。すると、iPhoneは「最適化されたバッテリー充電」機能によって、6時のタイミングで100%の充電レベルに達することができる時刻(例:5時30分)まで80%の充電レベルを超えないように充電を保留します。これはiPhoneがデバイス上の機械学習によってユーザーの充電の習慣を学ぶことで実現しているそうです。
バッテリーを劣化させるフル充電状態
なぜ、さっさとフル充電してしまわないのか。それはフル充電またはフル充電に近い状態で放置することで、iPhoneのリチウムイオンバッテリーが劣化してしまうからです。わざと80%充電に留めておくことで、バッテリーの劣化スピードを遅らせ、その結果としてiPhoneを長く快適に利用できるようになるというわけです。
Image:Apple
Apple公式サイトは「Appleのリチウムイオンバッテリーは、バッテリー容量の80%までは高速充電し、その後、低速のトリクル充電に切り替わります。」と解説し、それによってバッテリーの耐用年数を延ばすとしています。「最適化されたバッテリー充電」機能が「80%」を基準としているのも同じ趣旨です。
バッテリー充電レベルが80%以上にならない?
しかし、「最適化されたバッテリー充電」機能自体は、端末バッテリーを長持ちさせるという大きなメリットをユーザーにもたらす一方、時と場合によっては混乱も引き起こすおそれがあります。
というのも、自分が好きなタイミングでフル充電しようとして充電を続けていても、80%で止まってしまうケースが出てくることが想定されるからです。デフォルトで有効化されていることも、その混乱を加速させるでしょう。
「最適化されたバッテリー充電」機能をオフにする方法
「最適化されたバッテリー充電」はデフォルトでオンになっていますが、これを「オフ」に切り替えることで、これまで通りの充電ペースを実現できます。つまり、「なぜか80%で充電が止まっている……」という現象は起こらず、iOS 12以前と同じようにフル充電できるということです。
「最適化されたバッテーリ充電」をオフにして、[明日までオフにする]か[オフにする]のどちらかを選択してください。これで「最適化されたバッテーリ充電」機能は無効化されます。
「明日までオフにする」を選択
筆者が[明日までオフにする]を選択したところ、翌日の午前6時までは「最適化されたバッテリー充電」が無効化された状態になりました。この場合、翌朝6時になれば、「最適化されたバッテリー充電」は自動的に再び有効化されます。
[オフにする]にした場合、「最適化されたバッテリー充電」は無効化されたままになります。その後のオン・オフの切り替えは手動でおこなってください。
バグ? 最適化機能をオフにしても80%以上に充電できない
筆者が遭遇したケースです。iPhone 11 Pro Maxを80%まで充電した状態で「最適化されたバッテリー充電」機能をオフにし、そのまま充電を継続したところ、10分以上経っても充電レベルが80%以上になりませんでした。
その後、充電レベルが60%台になるまでiPhoneを使用し、改めて充電してみると、今度は100%まで充電できました。