結論からいうと、Pixelスマホへのデータ移行は超簡単。パソコンは一切使いませんし、バックアップ・復元などの面倒な作業もありません。筆者の環境(Xperia 5→Pixel 5)では、5分ほどでほぼすべてのデータを移行できました。
ただ、機種変更に伴う作業はデータ移行だけではありません。SIMカードの入れ替えやAPN設定など慣れない操作も多く、戸惑うポイントがいくつかありました。そこで本記事では、実際にPixelスマホへ機種変更した際におこなったすべての手順を紹介します。
Pixelスマホへの機種変更でやること完全ガイド
さっそく、Pixelスマホへの機種変更でやるべき作業を紹介します。
Pixel 5のほか、Pixel 4a、Pixel 3でも検証をおこないましたが、いずれも同じ手順でデータ移行できました。Pixelシリーズであれば、モデル関係なくほぼ同じ手順でデータ移行できるようです。
スマホを起動してWi-Fiに接続する
本体の電源を入れて起動しましょう。スマホを立ち上げると、「Pixelへようこそ」という画面が表示されるので
をタップします。画面に表示される手順に沿って操作し、Wi-Fiに接続してください。データの移行自体にネットワーク環境は必要ありませんが、Googleアカウントへのログインなどに必要となります。
旧スマホとPixelスマホをUSB Type-Cケーブルで接続する
「アプリとデータのコピー」画面が表示されるので、
をタップ。「以前のスマートフォンをご用意ください」と表示されたら、 を押して旧スマホと付属のUSB Type-Cケーブルを準備します。上の画像のように、付属のUSB Type-Cケーブルで旧スマホとPixelスマホをつなぎましょう。旧スマホに「新しい端末にデータをコピーしますか?」と表示されるので
を押します。このまま、セットアップが終了するまで旧スマホと新スマホを接続した状態にしておきましょう。
なお、旧スマホの端子がUSB Type-C以外の場合は、旧スマホに対応した充電用のケーブルを同梱の「クイックスイッチアダプター」に挿し込み、接続してください。
Googleアカウントにログインする
しばらく待つと、旧スマホでログインしていたGoogleアカウントが自動的に検出されます。アカウント名に間違いがなければ、パスワードを入力してログインしましょう。
パスワードが分からなければ、旧スマホの「設定」から
→ に進み、パスワードの再設定をおこなってください(データの移行画面はいったん閉じて構いません)。Googleアカウントが認証されると、旧スマホから移行できるデータの一覧で表示されます。
デフォルトではすべての項目にチェックが入っているので、問題なければ
ボタンをタップしてください。旧スマホに「コピー中」と表示されたら、しばらく待ちましょう。続く画面で「Googleドライブへのバックアップ」設定がおこなえます。
オンにしておくことで、新しいPixelスマホで蓄積されたさまざまなデータが自動的にクラウド(Google One)にバックアップされるようになります。故障や紛失に備えて、オンにしておくことをおすすめします。
セットアップ完了と同時にデータのコピーが始まる
セットアップを続行するか問われます。早くデータ移行を終わらせたい場合は
を押してください。セットアップが終わり次第、データの移行が開始されます。ケーブルを接続したまま、しばらく待ちましょう。
「コピーが完了しました」と表示されたら
をタップ。旧スマホと新Pixelスマホからケーブルを抜いて大丈夫です。ホーム画面が立ち上がり、アプリが順次インストールされはじめます。Wi-Fiに接続した状態を保ってしばらく待ってください。
旧スマホから新スマホにSIMカードを入れ替える
アプリがすべてインストールされたら、旧スマホから新スマホにSIMカードを入れ替えましょう(SIMカードとPixelスマホをセットで購入した場合は入れ替える必要はありません)。
なお、旧スマホからSIMカードを抜いても、旧スマホが初期化されたり操作不能になったりすることはありません。SIMカードを抜いた後も、Wi-Fiに接続されていれば旧スマホでアプリ操作やWebサイトのアクセスなどがおこなえます。
SIMカードを入れ替える手順
まず、SIMカードの入れ替えをおこなう前には、必ず端末の電源を切りましょう。起動したまま入れ替え作業をおこなうと、端末の故障につながるおそれがあります。
続いて、端末の側面や上部にある小さな穴をSIM取り出し用ピンなどでプッシュして、挿し込み口(トレイ)を取り出します。穴がないタイプは、そのままトレイを爪で引き出して取り出せます。
トレイが引き出せたら旧スマホからSIMカードを取り外し、PixelスマホのSIMカードトレイに乗せて挿し込みます。このとき、斜めに欠けている角部分が合うようにSIMカードを置き、トレイと端末のプッシュ穴の位置を合わせて水平に押し込むと正しい向きで装着できます。
チップ部分に皮脂や汚れ、ほこり、水分などがつくと不具合の原因になります。なるべくICチップ(金属部分)に触れないよう、取り扱いには注意してください。
最後にPixelスマホの電源をオンにして、画面上部のステータスバーで回線が変わっているか確認しましょう。
必要に応じてAPN設定をおこなう
SIMカードを入れ替えたあとは、モバイルデータ通信ができるか確認します。Wi-Fiをオフにした上で、Googleでなにか適当に検索してみてください。
インターネットに接続できなかった場合は、「APN設定」が必要となります。正常に検索結果を表示できた場合は、APN設定が済んでいるので、ここは飛ばして次項に進みましょう。
PixelスマホでAPN設定をする手順
日本に飛び交っているさまざまな通信会社の回線から、自身が契約している通信会社の回線を特定するためにあるのが「APN設定」です。
SIMフリーのスマホを使う場合は、基本的に手動でAPN設定をしなければモバイルデータ通信ができません。たとえば、Googleのオンラインストアで購入したPixelスマホに、手持ちのSIMカードを入れて使う場合などです。
また、ドコモで購入したPixelスマホに楽天モバイルのSIMカードを入れるケースなど、他社製品同士を組み合わせて使う場合もAPN設定をしなければならないことがほとんどです。
端末の「設定」を開き
をタップ。メニューから を選択し、SIMの通信会社名を押してください。下にスクロールし、
をタップしてください。続く画面で右上の ボタンをタップします。利用する通信会社の公式サイトやSIMの説明書を確認し、APNの設定情報をすべて入力します。
入力できたら、メニューボタン
から をタップ。最後に、登録したAPNにチェックを入れれば設定完了です。各アプリにログイン/データの引き継ぎをおこなう
LINEアプリのデータを引き継ぐ
LINEアプリは、Pixelのデータ移行システムで引き継げません。別途、バックアップや復元作業をおこないましょう。詳しい手順は別の記事で解説しているのでここでは割愛しますが、ざっくりとした流れは以下の通りです。
- 旧スマホのLINEアプリでトーク履歴をバックアップする
- 新スマホのLINEアプリを開く
- 新スマホのLINEアプリで電話番号認証とパスワード入力してトーク履歴を復元
パソコンなどを使った難しい作業はありません。案内どおりやれば、5分ほどで終えられる内容です。
おサイフケータイのデータを移行する
モバイルSuica、モバイルPASMO、楽天Edy、iDなど、かざして支払うタイプの電子マネーを利用している人は、残高の移行作業が必要です。
たとえばモバイルSuicaでは、旧スマホにデータ(残高)を残したまま新スマホでログインしようとすると、上のような画面が表示されてしまいます。
データ移行方法は各電子マネーごとに異なりますが、いずれも基本的な流れは同じです。
- 旧スマホで登録した会員情報やチャージ残高などのデータを一旦サービス事業者のサーバーに預ける
- 新スマホでIDやパスワードでログインしてデータをサーバから受け取る
データを預けたり、受け取ったりといった作業は各サービスごとにおこなう必要があります。おサイフケータイアプリやGoogle Payアプリ経由で一括でおこなえるわけではおこなえないので注意してください。
Androidスマホの機種変更で「Suica」のデータを移行・引き継ぎする方法Androidスマホの機種変更で「モバイルPASMO」を移行する(引き継ぐ)方法
旧スマホが手元にない/操作できない場合はどうする?
旧スマホが紛失して手元にない、もしくは故障などで操作できないケースでは、前述したケーブル接続によるデータ移行方法は利用できません。
その場合は、Google One経由でデータ復元を試してみましょう。
「以前に使用していたスマートフォンをご用意ください」の画面が表示されたら、[以前のデバイスを使用できない場合]を押します。
旧スマホで使用していたGoogleアカウントとパスワードを入力します。ここでGoogleアカウントに紐付いたバックアップデータ(スマホの機種名など)が検出されれば、旧スマホのデータの多くは復元できるはずです。
ただ、一部の画像、動画ファイルや音楽、文書ファイルなどバックアップ対象外のものもあります。また、LINEのトーク履歴など別途バックアップ作業が必要なデータも、残念ながら消えてしまうかもしれません。
Google Oneへのバックアップで復元できるデータとできないデータについては、以下の記事で詳しく解説しています。