Androidスマホの容量不足を解消する方法──いっぱいになった内部ストレージの空き容量を増やす基本テク
Androidスマートフォンを使っていて、内部ストレージの容量がいっぱいになってしまった経験はないでしょうか? 容量が不足すると、新しくアプリを入れたり写真や動画を撮れなくなったり、スマホの動作が不安定になることがあります。
そこで本記事では、Androidスマホの空きストレージ容量を増やす4つの基本テクニックについてまとめました。
手元の複数機種(末尾記載)で仕様を検証していますが、お手持ちの機種に該当しない場合でも、操作手順は似ていることも多いため、本記事を参考に試してみてください。なお機種だけでなく、キャリアやOSバージョンなどによっても設定項目名や操作などが異なることがあります。予めご了承ください。
ストレージとは? 容量不足を解消する4つの方法
ストレージとは、スマホ内に音楽や写真、アプリなどを保存しておくための記憶領域を意味します。スマホに内蔵されている内部ストレージはデバイスによってあらかじめ上限容量が決まっているため、ユーザーが必要に応じてデータを削除したりストレージを拡張したりして、空き容量不足を解消する必要があります。
Androidスマホの空き容量を確保するには、大きく以下の4つの方法があります。
- スマホに保存してあるアプリやデータ、ファイルを削除する:不要なデータを減らして容量を確保する
- microSDカードにデータを保存する:一部のAndroid端末が対応。外部ストレージにより容量自体を増やす
- PCにデータを移動させる:保存場所をパソコンに変えて、スマホからデータを削除する
- クラウドサービスを活用する:データをクラウドサービスに保存し、端末のストレージを確保する
microSDカードはiPhoneだと利用できないため、AndroidスマホとiPhoneとを差別化する1つのポイントになっています。また上記のうち、Googleはクラウドサービスを利用する方法を一貫して推奨しています。
まず最初にストレージの空き容量を確認しよう
ストレージの空き容量を増やす大前提として、Androidスマホ・タブレットのストレージにどれくらいの空きがあるのかを確認しましょう。
「設定」アプリで[ストレージ]をタップすると、「写真と動画」「音楽と音声」「ゲーム」などの項目ごとに消費・占有しているストレージ容量が目安として表示されます。
Android 9.0搭載スマホの内部ストレージ。まだ空き容量が残っている
Androidでは、PCのように内部のデータをファイラーで覗けますが、この画面で表示されているのは内部構造ではなく、データの種類ごとに大まかに分類されたものにすぎません。あくまでもユーザーに理解しやすいように表現し直した”見かけ上の仕分け”である、という程度に理解しておいてください。
機種によっては、「ダウンロード」という項目があったり、外部ストレージ(microSDカード)関連の項目があったりしますが、この画面でストレージ全般を把握できることに変わりありません。
【方法1】スマホに保存してあるアプリやデータ、ファイルを削除する
スマホに保存してあるアプリやデータを削除することで空き容量を増やす最もシンプルな方法です。削除できる項目には次のようなものが挙げられます。
キャッシュを削除する
キャッシュとは、さまざまなデータを端末内に一時的に蓄積しておき、動作を高速化する仕組みのこと。キャッシュされたデータを削除すれば、スマホの空き容量を増やすことができます。
日常的に使うアプリのキャッシュをクリアしてもその場しのぎの対策にしかならないかもしれませんが、逆に利用頻度が少ないアプリなら有効策となることもあります。ただし、空き容量を増やすテクニックとしての位置づけは、アプリ削除や動画・写真の削除ほど効果的ではない点に留意してください。
キャッシュをアプリごとに削除する方法
キャッシュはアプリごとに削除できます。
たとえば「設定」アプリで[ストレージ]→[その他のアプリ]に移動して、キャッシュを削除したいアプリをタップします。
左:キャシュが2.27MBある右:[キャッシュを削除]することでキャッシュが0Bに減少した
アプリ別の「ストレージ」画面で[キャッシュ]を選択します。これでキャッシュが削除されます。
[その他のアプリ]だけでなく、ストレージ内の[写真と動画][音楽と音声][ゲーム][ムービー&TVアプリ]から各ジャンルのアプリにアクセスし、キャッシュを個別に削除することもできます。
このほか「設定」アプリから、[アプリと通知]→キャッシュを消したいアプリ→[ストレージ]と進んでもキャッシュの削除が可能です。
アプリを削除する(アンインストール)
一般的に、もっとも容量削減に効果を発揮しやすいのが、端末にインストールされているアプリの削除です。とくにゲームアプリの場合、アプリ本体(apkファイル)のサイズと初期データのサイズを合わせると1GBを優に超えることも多々あります。
不要になったアプリを残しておくとストレージを占領するのみならず、無駄にバックグラウンドで通信するケースがあるなど、デメリットが生じます。定期的にアンインストールできるアプリがないか見直すことをおすすめします。
アプリを削除する方法
「◯個のアプリをすべて表示」をタップすれば、インストールされている全アプリが参照できる
アプリの削除は、アプリ情報画面から実行するのが基本。「設定」アプリで[アプリと通知]から削除したいアプリを選んで、「アプリ情報」画面に移動し、[アンインストール]をタップすれば削除できます。
ホーム(ランチャー)アプリによっては、ホーム画面でアプリアイコンを長押しすればアンインストールのメニューが表示されるものもあります。また、アプリアイコンを長押ししてドラッグ・アンド・ドロップによるアンインストールも便利です。
なお、Google Playのアプリページからもアプリをアンインストール可能です。
アプリデータを消去する
普段はあまり使わないにもかかわらず、端末から削除できないプリインストールアプリ(元々端末にインストールされているアプリ)の場合、そのアプリ内のデータを消去すると容量節約につながることがあります。
ただし、アプリデータの消去はアプリの初期化と同義なので、コンテンツデータのほかログイン情報や設定情報なども削除されてしまう点に注意してください。
アプリデータを消去する方法
アプリデータの消去はアプリ削除(アンインストール)と同様、「アプリ情報」画面から実行できます。「設定」アプリで[アプリと通知]→データを消去したいアプリ→[ストレージ]で[ストレージを消去]をタップします。
また「設定」アプリから[ストレージ]→[その他のアプリ]などの項目→データを消去したいアプリ→[ストレージを消去]と進むことでも、アプリデータを消去できます。
写真・動画・音楽・漫画などのコンテンツデータを削除する
使い方によってはアプリ以上に容量を食うのが、写真や動画、音楽、漫画といったコンテンツのデータです。後で必要になりそうなデータならば、事前にPCやmicroSDカード、クラウドサービスなどに移動・保存させておきましょう。
スマホ中上級者であれば、各種ファイルマネージャー(ファイラー)を使用すると、ストレスなくPC感覚でファイルを削除できるかもしれません。
写真・動画ファイルを削除する
写真・動画ファイルは、「ギャラリー」アプリや「フォト(Googleフォト)」アプリ、「アルバム」アプリなどから削除できます。ここでは「Googleフォト」アプリで写真・動画を削除してみましょう。
削除ファイルが1個の場合、写真・動画のサムネイル画像を表示して、削除したい写真・動画をタップします。写真・動画が拡大表示されるので、メニューのゴミ箱ボタン[]をタップします。これで削除完了です。
サムネイルの時点で長押し選択後、メニューからゴミ箱ボタン[]をタップしてもOKです。
Googleフォトで複数選択
削除ファイルが複数の場合は、複数選択でまとめて消すと手間がかかりません。「Googleフォト」アプリではサムネイルを長押しし、そのまま指を離さずにドラッグすれば複数枚を一度に選択できます。
音楽ファイルを削除する
定番アプリ「Poweramp」で楽曲を選択して[削除]
音楽ファイル(音声ファイル)は、音楽プレイヤーアプリから楽曲やアルバムを選択し、メニューから削除するのが手軽です。
音楽プレイヤーアプリ 無料おすすめ鉄板まとめ【Android】
漫画データを削除する
Kindleアプリ:(1)表紙を長押し→メニューボタン[](2)[アイテムを削除]をタップ
Kindleなどのアプリで漫画を読んでいると、キャッシュやダウンロードコンテンツが溜まっていきます。漫画データのファイルサイズは大きくなりがちなので、マンガアプリを愛用しているユーザーは適宜対処していきましょう。
【2019】無料で全巻読み放題も、マンガアプリおすすめ19選を比較 利用者数の人気ランキングも紹介
YouTubeからダウンロードした動画・音楽を削除する
YouTubeプレミアムに加入しているユーザーは、端末に動画や音楽をダウンロードしてオフライン再生を楽しめます。ダウンロードしたコンテンツはストレージを圧迫するので、あまり再生しないコンテンツは適宜削除するとよいでしょう。
詳しくは下記記事で解説しています。
ダウンロードしたファイルを削除する
ネットからダウンロードしたPDFファイルやPPTファイル、書類ファイル、画像ファイルなどで不要なものを削除すれば、さらにストレージに余裕が出てきます。テキストファイルは一般的にファイルサイズが小さいので、普通は無視しても構いません。
「ファイル」アプリでファイルを選択後、削除ボタンをタップ
ダウンロードファイルの削除は、プリインストールされている「ファイル」アプリや「ダウンロード」アプリから実行するのが分かりやすいでしょう。
【方法2】microSDカードにデータを保存する
iPhone/iPadにはないAndroid端末の強みが、microSDカードを使ってストレージを増強できることです。
スマホの「SDカード」活用ガイド──おすすめ選びから音楽/写真などのデータ移動、初期化の方法(フォーマット)まで
端末にmicroSDカードを追加する
当然ながら、まずはmicroSDカードを端末に挿さなければなりません。しかし家電量販店などでmicroSDカードを物色してみると、それなりに値が張るものが多いことに気付かされるでしょう。microSDカード初心者には、安さと信頼性が両立しているTranscend製microSDカードを最初の一歩としておすすめしておきます。
写真・動画の保存先をmicroSDカードに設定しておく
左:アルバムアプリのメニューボタン[]で[移動先]を選択右:[場所]で「SDカード」を選択
カメラで撮影した写真・動画などの保存先は初期設定だと内部ストレージになっています。容量が大きくなりがちな写真・動画の保存先をmicroSDカードに設定しておけば、内部ストレージをいっぱいにせずに済みます。
たとえばXperiaでは、「アルバム」アプリのメニューから保存先を変更できます。
写真・動画をmicroSDカードに移動させる
Xperia 5(Android 9.0)で検証
撮りためた写真・動画をmicroSDカードに移せば、空き容量を増やせます。移動には「アルバム」アプリや「ギャラリー」アプリ、「Googleフォト」アプリなどを利用するとよいでしょう。
Xperiaの例を挙げれば、「アルバム」アプリから画像を選択し、画面右上にあるメニューボタン[]から[移動先]をタップします。場所を「SDカード」に指定し、フォルダー名を入力後[OK]をタップすればデータの移動が完了します。
【方法3】PC(パソコン)にデータを移動させる
念のため、パソコンのストレージにデータを移動させる方法も簡単に紹介しておきます。
Windowsの場合
Windows PCの場合、スマホとPCをUSBケーブルで接続することで、PCのエクスプローラーに端末名が表示されます。ここでいつもどおり、端末内のファイルをPC内に転送できるようになります。容量不足の原因になりがちな写真・動画は通常、DCIM(Digital Camera IMages)フォルダに格納されています。
Pixel 3a(Android 9.0.0)で検証
PC側がスマホを認識してくれないときは、スマホの通知をチェックしてみてください。「この端末をUSBで充電中」というようにUSB関連の通知が表示されていたらタップしましょう。あとはUSB接続の用途に関する選択肢で[ファイル転送]を選択するだけです。
スマホの機種によって簡単に認識してくれる場合となかなか認識してくれない場合があります。うまく認識してくれないときは、各機種のヘルプページなどを参考にしましょう。

Macの場合
Macの場合、ファイル転送にはAndroid File TransferをMacにダウンロードし、インストールする必要があります。あとはスマホとMacをUSBケーブルで接続し、Android File Transferを使ってWindows PCと同じようにデータを移動させられます。
【方法4】クラウドサービスを活用する
手持ちのデータがストレージ容量に収まりきらないなら、クラウドサービスを利用しましょう。特に容量を圧迫しがちな写真や動画などのファイルは、無料で容量無制限の「Googleフォト」がおすすめです。
写真や動画は「Googleフォト」に保存する
AndroidスマホにプリインストールされているGoogle純正の写真・動画向けクラウドサービス「Googleフォト」。
このGoogleフォトにバックアップした写真・動画を端末内から削除すれば、端末のストレージを大幅に節約することができます。Googleフォトの使い方について詳しくは、下記記事で紹介しています。
音楽ファイルは「Dropbox」などに保存する
もしスマホの中に音楽ファイルが大量に保存されているのなら、いったんDropboxやGoogleドライブ、OneDriveのようなクラウドストレージに保存場所を変更してみることを検討しましょう。端末内に保存しておくのは、ヘビロテする楽曲や聴きたくなる頻度が高い楽曲だけで十分です。
クラウドサービスに音楽ファイルを保管し、好きなときにストリーミング再生で楽しめるアプリとして最適なのが「Google Play Music」。最大5万曲を無料で保存できます。さらに有料プランでは、バックグラウンド再生や広告不要の動画視聴が可能な「YouTube Music Premium」が料金内で利用できるメリットも。
30日の無料期間中はアルバムや曲のストリーミング、カスタム プレイリストの作成、広告不要のラジオステーションの視聴など全機能を試すことができます。

検証端末:HUAWEI P20 lite(Android 9.0)、Pixel 3a(Android 9.0)、Galaxy A20(Android 9.0)、Xperia 5(Android 9.0)