音楽が聴き放題となるサブスクリプションサービスは数多くあります。最新の音楽が聞けるという点では、どのサービスも似通ってきてはいるものの、どのサービスも同じというわけではありません。今回はその中から「Apple Music」と 「LINE MUSIC」の2つを比較します。
Apple MusicとLINE MUSICは、「身の回りにApple製品が多くある」「LINEモバイルを契約している」といったようなケースごとにサービスの使い勝手が変わってきます。契約の前に、自身の状況がどちらに当てはまるのかをしっかりと確認しておきましょう。
プランの違いは?
まずは、Apple MusicとLINE MUSICの料金プランを見ていきましょう。
Apple Musicは有料プランのみなのに対して、LINE MUSICには有料のプレミアムプランと無料プランがあります。無料トライアル期間はどちらも1カ月なので、無料期間を体験してから、決めるのも良いでしょう。
Apple Musicのプラン
Apple Musicは、有料プランのみの強気の設定です。個人・学生・ファミリープランの3種類を用意しています。
プラン | 料金 | 最大アカウント数 | 無料期間 |
---|---|---|---|
個人プラン | 1080円/月、1万800円/年 | 1つ | 1カ月 |
ファミリープラン | 1680円/月 | 6つ | |
学生プラン | 580円/月 | 1つ |
また、Apple MusicとApple TV+、Apple Arcade、iCloud+(50GB)の4つのサービスをバンドルしたApple Oneも、1200円/月(ファミリーは1980円/月)から利用できます。こちらは、個別に登録すると2710円かかるサービスがバンドルされているので大変お得です。
なお、iCloudストレージ(50GB)だけでも130円かかるため、iCloudストレージを拡張している人は、Apple Musicを登録するだけでApple TV+とApple Arcadeが付いてくると思いがちです。しかし、Apple Oneには年間プランがないので、50GBのiCloudとApple Musicだけの組み合わせなら個別に登録したほうが安くなります。
LINE MUSICのプラン
LINE MUSICのプレミアムプランは、LINE MUSICのすべての機能が利用できるプランです。一般・学生・ファミリーの3種類があるのはApple Musicと同じですが、ファミリープランにもお得な年間プランを用意しています。また学生プランは中高生でも利用できるのが、Apple Music(こちらは実質大学生以上)との大きな違いです。
プラン | 料金 | 最大アカウント数 | 無料期間 |
---|---|---|---|
一般プラン | 980円/月、9600円/年 | 1つ | 1カ月 |
ファミリープラン | 1680円/月、1万4000円/年 | 6つ | |
学生プラン | 480円/月 | 1つ | |
フリープラン | 0円/月 | 1つ | - |
フリープランはLINE MUSICを無料でお試しするためのプランです。期間限定ではなく、いつまでも利用できます。
ただ、曲の再生時間が各曲30秒に限られていることや、歌詞の同期表示、myBGM設定、オフライン保存などが利用できないなどの制限があります。全曲通して聴けないので、日常使いには向きません。期間無制限のお試し機能ととらえたほうがよいでしょう。
配信楽曲数の違いは?
配信楽曲数では、Apple Music、LINE MUSICともに1億曲以上となっており、どちらも膨大な数の楽曲を配信しています。

Apple Music

LINE MUSIC
Apple Musicのランキングは、グローバル、都市別ランキングや国別のデイリートップ100など充実しています。邦楽も洋楽も満遍なく探すことができるでしょう。ミュージックビデオのランキングもカテゴリー別に表示できるなど、とにかく細かいです。
一方でLINE MUSICのランキングは、限定的な規模にとどまりますが、個性的です。種類としては「ソング Top 100」「ミュージックビデオ Top 100」「BGM & Melody Top 100」「Profile MV Top 100」「カラオケ Top 100」「アルバム Top 100」など10種類です。
「BGM & Melody Top 100」や「Profile MV Top 100」はLINEのプロフィールに設定されている曲やMVのランキング、「カラオケ Top 100」はLINE MUSICのカラオケ機能で歌われている曲のランキングです。LINEを愛用するユーザー内のトレンドに敏感な内容と言えます。
音質の違いは?

Apple Musicの音質は長らくAAC 256kbpsでしたが、2021年6月「ロスレスオーディオ」と「ドルビーアトモス(Dolby Atmos)」に対応するという大型アップデートがありました。
ロスレスオーディオは、オリジナル音源とほぼ同じ音質で再生できる高音質モードです。楽曲によっては、さらに高音質な「ハイレゾロスレス」にも対応しています。ロスレス、ハイレゾロスレスを配信しているサブスクリプションサービスは少数しかなく、Apple Musicはこの点で大きな存在感を持ちます。
またドルビーアトモスは、3D音源を体感できる空間オーディオです。AirPodsなどの対応イヤホン/ヘッドホンでは、空間オーディオが自動で再生され、その他のイヤホン/ヘッドホンでは、自身で設定をすれば空間オーディオが利用できます。
ロスレスやドルビーアトモスはデータ量が多いので、Wi-Fi接続が推奨されます。モバイル通信時に聴くときは、最大256kbpsの音質でも楽しめます。こちらはiTunes Storeで購入可能な楽曲と同じAACです。

LINE MUSICでは標準的な音質が選べる
LINE MUSICは320kbps、192kbps、AAC(64kbps)の3種類から選べます。初期状態では、Wi-Fi接続時で高音質の320kbps、モバイル接続時で容量の小さなAACが選ばれています。
こちらはサブスクリプションサービスの中では標準的な内容です。Wi-Fi環境でもモバイル環境でも不足を感じることはないはずです。
Apple MusicとLINE MUSICの特徴的な機能を比較
ここで、各サービスの特徴を紹介します。それぞれの独自サービスを比べることで、自分にとってどちらが魅力を感じるか、検討してみてください。
【Apple Music】ここでしか聴けない「ラジオ」

Apple Musicの「ラジオ」は、Apple Musicでしか聴けないコンテンツです。ライブ配信のステーションのほかに、随時エピソード形式で公開されるラジオ番組が数多くあります。スタートした当初はすべて英語でしたが、現在は日本発のラジオ番組も増えています。
オンデマンドのため時間を気にせず好きなときに楽しめるのが「ラジオ」のよいところです。今のところ、「ラジオ」のためにApple Musicに加入するという人は少ないでしょうが、ゲストで訪れたアーティストとの対談や、プレイリストと連動した音楽を楽しむなど、音声+音楽で1エピソード約1時間の濃い時間を楽しめます。
【Apple Music】ライブラリの使いやすさ
Apple MusicはAppleのサービスだけあって、iPhoneやMacでシームレスに利用できます。Apple Musicのストリーム音源と自分で登録した曲を一緒に管理できるのは、Apple Musicだけです(LINE MUSICにも、ローカルファイルを表示して再生する機能はありますが、プレイリストへの追加や着信音などへの設定はできません)。
【Apple Music】Apple製品との連携
ライブラリだけでなく、Appleのさまざまな機能や製品と連携できるのが強みです。「Hey Siri、○○を再生して」といえば、SiriがApple Musicから曲を探して再生してくれます。
また、CellularモデルのApple Watchを持っているなら、iPhoneがなくてもApple Watch単独でApple Musicを聴くことが可能です。GPSモデルであっても、アプリをいちいち操作せずにApple Watch上で楽曲を再生でき、慣れてしまうと手放せません。
そのほか、Apple TV、HomePod、さらには対応のカーナビまで、Apple Musicを楽しむさまざまな機器が用意されています(ただし、複数の端末で同時に再生するにはファミリープランが必要です)。
【LINE MUSIC】LINEとの豊富な連携機能

グループトークにもBGMを設定できる
LINE BGMでは、友達がプロフィールを開くと、設定したBGMやMVが流れます。自分が今気に入ってる曲を簡単に共有できるのが便利です。さらにトーク画面にBGMを設定する「トークBGM」もあります。トーク画面ごとにBGMを設定できて、メンバーが自由に再生できます。

LINE着うたは、標準の着信音・呼び出し音をカスタマイズできる機能です。着うたは無料ユーザーでも月1回まで変更できます。LINEの着信音・呼び出し音を変更する唯一の方法なので、LINEユーザーには魅力的に映るでしょう。
また、LINEプロフィールとの連携だけでなく、トークやタイムラインへ音楽をシェアしやすいので、LINEのユーザーに音楽を紹介したいときなどに便利です。
【LINE MUSIC】カラオケの練習ができる(対応曲)


再生画面でマイクアイコンをタップすると、ボーカルの音量が下がってカラオケモードになります。曲の進行に合わせて歌詞も表示され、イヤホンからは自分の歌声が聞こえてきます。ボーカルがほぼ除去され、リバーブもかけられるので、気分はすっかりカラオケです。
ボーカルの除去率は調節可能なので、慣れない曲でも練習しやすくなります。得点こそ表示されませんが、テレワークなどで自宅にいる機会が増えた今、LINE MUSICなら家で一人カラオケを存分に楽しめます。
【LINE MUSIC】LINEモバイル契約者はLINE MUSICがより便利でお得に

LINEモバイルを利用している人なら、LINE MUSICをお得に楽しめます。オプションサービスに申し込めば、LINE MUSICの月額料金が825円になります(ただし年額プランはありません)。
また、データフリーオプション「SNS音楽データフリー」に加入することで、LINE MUSICがデータフリーになります。モバイル接続でどれだけ聴いても通信量がかかりません。いちいちダウンロードする手間が省け、1億曲全部を自由に取り出せるようになります。
ただ、残念ながらLINEモバイルの新規受付はすでに終了しています。現時点では連携機能などはないものの、今後、LINEMOでのキャンペーン展開があることを期待しましょう。
各サービスのデメリット
Apple MusicとLINE MUSICを利用する上で注意したい点を紹介します。
Apple Musicの死角

「iCloudミュージックライブラリ」がオフだと曲のダウンロードができない
Apple Musicの死角は、「iCloudミュージックライブラリ」をオンにしなければ、オフライン再生ができないことです。iCloudを経由して、どのデバイスでもライブラリを同期できる機能ですが、仕組みが少しややこしく、すんなり理解できません。
たとえば、iCloudミュージックライブラリをオンにすると、iTunesから同期ができなくなります(ライブラリにある曲がすべてクラウドにアップロードされ、各デバイスでダウンロードする必要があるため)。これは一例ですが、他の音楽配信サービスと比べて少し複雑な面があります。

「Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」でiPhoneとイヤホンを接続する
また、高音質のロスレスオーディオは、聴くための環境を用意する必要があります。
ロスレスオーディオを再生するには、iOSまたはiPad OS 14.6以降、MacならmacOS 11.4以降にアップデートした上で、今は同梱されていない「Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」を利用してスピーカーやヘッドホンに接続します。サンプリングレートが48kHzを上回る曲を本来の音質で再生する場合は、デジタル/アナログコンバーター(DAC)を内蔵したアダプタが必要です。
LINE MUSICの死角
LINE MUSICをPCで利用するには、ブラウザを利用します。ブラウザ版のLINE MUSICにはカラオケ機能や歌詞の同期表示、歌詞検索などが利用できないといった制限があります。PCでも専用のアプリが利用できれば、もっと快適に音楽を楽しめそうです。
曲数は8800万曲とApple Musicとほぼ変わらないのですが、洋楽はApple Musicよりも少なめです。ランキングなどに表示される洋楽も限定的なので、新しい洋楽との出会いを積極的に求めるタイプの人には不向きかもしれません。洋楽メインで聴きたいなら、タイトルなどを検索してラインアップを確認することをおすすめします。
Apple Musicが向いている人、LINE MUSICが向いている人は?
以上、Apple MusicとLINE MUSICを比較してきました。最終的には、実際に利用してみて自分に合ったサービスを選ぶことが大切でしょう。
最後に、それぞれのサービスに向いているのはどんな人なのかをまとめてみました。
- 音楽を高音質で楽しみたい人
- iPhoneやiPadなど、Apple製品のユーザー
Apple Musicでロスレスの高音質再生、ドルビーアトモスの空間サウンドを追加料金なしで利用できるのは、本当に素晴らしい点です。ドルビーアトモス以外は再生環境を整える必要があるとはいえ、Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタなら1000円程度で購入できます。音楽を聴くほとんどの人は、高音質で楽しみたいと思うことでしょうから、Apple Musicの手軽さはニーズをしっかりと押さえていると言えます。
またiPhoneやMacのユーザーなら、他にもAppleの製品を利用しているかもしれません。Apple Musicは、Apple製の多くの機器で再生可能です。部屋のあちこちに置いてあるデバイスを通じて音楽を楽しむことができ、スマホ以外でも音楽をよく聴く人にも最適です。
- 家で手軽にカラオケを練習したい
- 中学生・高校生
- LINEモバイルユーザー
「聴く・見る・歌う」がLINE MUSICの売りです。「聴く・見る」まではApple Musicでもできますが、「歌う」のカラオケ機能はLINE MUSICにしかありません。自分の声を聞きながら練習できるのは、口ずさみながら音楽を聴くどころではなく、かなり本格的と言えます。
また、中高生なら学生プランが利用できるLINE MUSICがおすすめです。Apple Musicは実質大学生以上でなければ学生プランを利用できません。利用料金をぐっと抑えるならLINE MUSIC一択です。
LINEモバイルを利用している場合は、「SNS音楽データフリー」を組み合わせて、データフリー化できます。どこでも通信量を気にしなくてよいので、音楽を聴く時間が長い人ほどおすすめです。