LINEのキャッシュを削除するとどうなる? やり方と注意点

「キャッシュ」と「トークデータ」の削除はどう違う?

LINEのキャッシュを削除するとどうなるのでしょうか? LINEアプリの重い動作を軽くしたり、端末ストレージの使用容量を減らしたりするために、LINEのキャッシュデータを削除する方法とあわせて解説します。

また、写真のデータを削除すると閲覧できなくなるのか、iPhoneでLINEのキャッシュデータを削除した際に「書類とデータ」がどれだけ軽くなるのかなど、よくある疑問点にも答えます。

LINEでキャッシュを削除するメリットと注意点

まずは、LINEにおける「キャッシュ」とは何なのか、そしてキャッシュを削除するメリットと注意点を解説します。

LINEの「キャッシュ」とは?

「キャッシュ」とは、よく利用するデータを初回利用時に端末に保存しておいて、次回以降の表示や実行を高速化する仕組み、またはその保存されたデータ自体のことを言います。

一般的には1つのアプリに対して1つのキャッシュしかありませんが、LINEにはアプリの動作を速くするためのキャッシュデータ(キャッシュ)と、トークルーム内の写真・動画などのキャッシュデータ(トークデータ)という2種類が存在します。

LINEの「キャッシュ」はアプリの動作を速くするためのキャッシュデータ

アプリの動作を速くするためのキャッシュデータ

アプリの動作を速くするためのキャッシュデータ

LINEは「キャッシュ」と分類しているキャッシュのことを、「アプリの動作を速くするため、一時的に保存されたデータです」とアプリ内で説明しています。

たとえばユーザーがLINEニュースを読んだり、LINE VOOMを見たりすると、画像ファイルなどのデータがLINEアプリ内にキャッシュされます。そのため同じ画面を再表示すると、最初に表示したときよりも素早く表示されるはずです。

LINEの「キャッシュ」に含まれるもの
  • LINEの各種サービス
  • LINE VOOMの動画
  • Live Photos(iOS)で受信した動画などのキャッシュデータ

LINEの「トークデータ」はトークルーム内の写真・動画などのキャッシュデータ

「トークデータ」はトークルーム内の写真・動画などのキャッシュデータ

「トークデータ」はトークルーム内の写真・動画などのキャッシュデータ

「トークデータ」は、トークルーム内で送受信され、表示・再生された写真・動画・ファイルなどのキャッシュデータの総称です。

写真ファイルなどをトークデータとしてアプリ内に保存しておくことで、いったん表示した端末であればLINEサーバー側の保存期間経過後でも変わらず表示できます。「キャッシュ」のように気軽に削除すべきではない、重要度の高いキャッシュデータです。

LINEの「トークデータ」に含まれるもの
  • トークルームで表示した写真・動画・ボイスメッセージ・ファイル
本記事では「トークデータ」をキャッシュデータとして取り扱います

「トークデータ」に含まれている写真・動画・ボイスメッセージ・ファイルのデータは、削除しなければ消えないデータではなく、一時的に保存されているキャッシュデータとして考えておいたほうが安全です。安全側に倒して判断をする理由は、機種変更時のLINEのトーク履歴引き継ぎを想定すると簡単に理解できます。

機種変更の際、LINEのトーク履歴を新端末に正常に引き継いだとしても、「トークデータ」に含まれていたはずの写真・動画・ボイスメッセージ・ファイルが新しい端末のLINEで再び表示・再生できることは保証されていません。筆者の経験上、写真は旧端末のときと同様に再表示できることが多々ありますが、動画再生はできなくなります。写真についても、旧端末で拡大表示をしておけば新端末でも再び必ず拡大表示できる、と筆者は断言できません。

メリット1:スマホのストレージ容量が確保される

スマホのストレージ容量が確保される

LINEを使えば使うほどキャッシュは溜まっていきます。気づけばスマホのストレージ容量を圧迫するほどのサイズになっていることも珍しくありません。

そんな時、LINEアプリのキャッシュや不要なトークデータを削除すると、ストレージ容量を確保できます。

iPhoneの場合

iPhoneの場合:設定アプリ→[一般]→[iPhoneストレージ]から確認可能

Androidの場合

Androidの場合:設定アプリ→[ストレージ]などで確認可能(端末により異なる)

なお、スマホの設定アプリから各アプリでストレージ容量をどれだけ消費しているか確認できます。ここでLINEの容量を確認し、キャッシュを削除するかどうか判断してください。

メリット2:スマホの動作が軽くなる

メリット2:スマホの動作が軽くなる

キャッシュの削除(キャッシュクリア)によって、LINEアプリの動作を改善する効果もあります。

そもそもキャッシュは、よく利用するデータを初回利用時に端末に保存しておくというもの。これによって次回以降の表示や実行を高速化できるのですが、LINEを使えば使うほどキャッシュは増えていきます。

通常は問題ありませんが、キャッシュの量が増えて端末の許容範囲を超えると情報を処理するペースが遅くなり、動作が重くなってしまうことも。その場合、キャッシュを削除することによりスマホの動作が軽くなります。

LINEの動作が遅い・重いと感じたときは、キャッシュの削除を試してみてください。

注意点:トークで受信した画像・動画を表示できなくなる恐れ

キャッシュを削除することによりメリットはあるものの、注意しなければならない点もあります。

LINEのキャッシュ(トークデータ)にはトークルームで表示した写真・動画などが含まれており、これを削除した場合、写真や動画を開けなくなる可能性があります。

ただし写真・動画を表示できなくなるかどうかは、キャッシュを削除したタイミングによって決まります。

トークで受信した画像・動画を表示できなくなる恐れ

保存期間が終了すると、写真データをLINEサーバーから読み込めなくなる

というのも、LINEで受信した写真・動画は、ユーザーの端末だけでなく、LINEのサーバーにも一定期間保存されています。

その一定期間中にトークデータを削除したか、それとも一定期間が経過した後にトークデータを削除したかによって、写真や動画を開けるかどうかが決まるのです。

  • LINEのサーバーに保存されている期間中:キャッシュ削除後も写真や動画を新たに読み込んで拡大表示できる
  • LINEのサーバーに保存されている期間終了後:キャッシュ削除後は写真や動画を新たに読み込めず、拡大表示できない

ここで注意したいのが、LINEサーバーに保存される期間はかつては「2週間」とされていましたが、LINE側は現在、具体的な保存期間を公表していないという点です。

「いつ保存期間が終了するのか」をユーザー側で判断できず、具体的な保存期間は不明。不本意なデータ喪失を避けたいのであれば、「キャッシュ」や「トークデータ」を削除する前に、写真や動画は端末などに保存しておく必要があります。

保存期間を経過した後でも、「キャッシュ」であれば原則として削除してしまっても問題ありません。ただし、Live Photosや動画は再生できなくなるおそれがあるため、消去したくないファイルは事前にダウンロードしておきましょう。

一方、「トークデータ」を保存期間経過後に削除すると、写真や動画を読み込んで拡大表示できなくなります。ストレージの空き容量確保や重い動作の解消のために仕方がない場合を除いて、「トークデータ」の削除はあまり推奨されません。

「キャッシュ」を消すと、Live Photosなどは再生できなくなる可能性あり
Live Photosのダウンロードデータは「キャッシュ」で管理されている?

Live Photosのダウンロードデータは「キャッシュ」で管理されている?

「キャッシュ」を削除すると、Live Photosの動画や通常の動画を再生できなくなる可能性があります。一般論としては、キャッシュ削除が大きな問題は引き起こすことはほとんどありません。あくまでもキャッシュは、消えてしまっても構わない一時的なデータに過ぎないからです。

LINEでも同様です。たとえ「データの削除」画面で「キャッシュ」を削除したとしても、端末が通信できる状況であれば、保存期間内の写真や動画などは再び拡大表示できます。

問題は保存期間を経過した動画関連のデータ、特に動画データとして扱われているLive Photos(iPhone・iPadで撮影できる"動く"写真)です。筆者が検証したかぎりでは、再生したLive Photosのデータはどうも「キャッシュ」として扱われているようです。つまり「キャッシュ」を削除しただけで、保存期間を経過したLive Photosは再生できなくなる可能性があるわけです。「Live Photosは写真・動画だからトークデータに含まれている」と考えるのが自然であるところ、この挙動は筆者としても不意打ちを受けた印象です。

また保存期間経過「前」の検証ではありますが、受信した通常の動画を一度再生し、その後で「トークデータ」は削除せずに「キャッシュ」だけを削除すると、機内モード(通信を遮断した状態)で当該動画を再生できなくなる現象が発生することがありました。この現象は、動画データのキャッシュが「キャッシュ」に保存される場合があることを示唆しています。

いずれにせよ、「キャッシュ」の削除だからといって過去に受信したデータが一切消えないという保証はないと考えておいたほうが無難です。

【重要】キャッシュデータ削除の前に写真・動画を保存しておく

LINE 写真の保存

写真を端末に保存(ダウンロード)

LINE 写真の保存

写真をアルバムに保存

LINE 写真の保存

写真をノートに保存

「キャッシュ」や「トークデータ」の削除によって意図せず写真・動画のデータを失うことを防ぎたいのであれば、影響を受けない場所にあらかじめデータを保存しておくのが安心です。

主なデータ保存方法は以下のとおり。

  • 写真・動画を1枚ずつ(個別に)ダウンロードしてスマホに保存する
  • 写真・動画をまとめてダウンロードしてスマホに一括保存する
  • LINEの「アルバム」に保存する(動画はLYPプレミアム会員のみ保存可能)
  • LINEの「ノート」に保存する(写真のみ保存可能)

これらの具体的な保存手順については下記記事で解説しています。

LINEでキャッシュデータを削除する方法

LINEアプリ(iOS版/Android版)でキャッシュデータを削除する方法は主に以下の4つが挙げられます。Android版LINEに限り、端末の設定アプリからキャッシュを削除することもできます。

ここでは主にiOS版LINEの画面を使って解説していますが、Android版LINEでも手順は同様です。

方法1:全トークルーム内のキャッシュを削除する

全トークルーム内のキャッシュを削除する
全トークルーム内のキャッシュを削除する

「ホーム」タブの設定ボタン​→[トーク]→[データの削除]と進みます。

「キャッシュ」の削除をタップ

「キャッシュ」の[削除]をタップ

画面上部に、現時点でLINEアプリに蓄積されているデータ容量が表示されています。「キャッシュ」の横にある[削除]をタップすれば、「キャッシュ」削除が完了します。

「キャッシュ」が0KBになり、LINE全体のデータ容量が削減された

「キャッシュ」が0KBになり、LINE全体のデータ容量が削減された

これで「キャッシュ」が0KBにリセットされるはずです。ただし、LINE全体の容量がリセットされるわけではありません。

なお、「トークデータ」の削除はおすすめできません。保存しておきたい写真や動画などをダウンロード済みの場合だけ、トークデータを削除するようにしましょう。[すべてのデータを削除]をタップすると、全トークルームの「トークデータ」が一括削除されます(トーク履歴は削除されません)。

方法2:アルバムのキャッシュを削除する

個別のトークルームで作成したアルバムのキャッシュデータだけを削除することもできます。

アルバムのキャッシュを削除する
アルバムのキャッシュを削除する

アルバムのキャッシュを削除したいトークルームを開いてメニューボタン​​​→[設定]→[データの削除]と進みます。

アルバムのキャッシュを削除する
アルバムのキャッシュを削除する

「アルバムのキャッシュ」の横にある[削除]をタップし、確認画面でもう一度[削除]をタップすれば、アルバムのキャッシュ削除は完了です。

方法3:【Android版のみ】端末の設定からキャッシュを削除する

Androidスマホの場合、端末の設定アプリからLINEアプリのキャッシュデータを削除できます。

検証端末:AQUOS Sense4(Android 12)
検証端末:AQUOS Sense4(Android 12)
検証端末:AQUOS Sense4(Android 12)

検証端末:AQUOS Sense4(Android 12)

設定アプリで[アプリ]または[アプリと通知]から[LINE]を選択。[ストレージとキャッシュ]→[キャッシュを削除]でキャッシュを削除できます。機種やバージョンにより項目名が異なる場合がありますが、概ね同様の手順でおこなえます。

方法4:トークルームごとのトークデータを削除する(要注意)

選択したトークルーム内の「トークデータ」をデータごとに削除できます。「キャッシュ」は削除できません。

保存しておきたい写真や動画などは、予めダウンロードしておいてください。「トークデータ」削除によって、過去の写真・動画が表示・再生できなくなるおそれがあります。

トークルームごとのトークデータを削除する
トークルームごとのトークデータを削除する

トークルームを開いてメニューボタン​​​→[設定]→[データの削除]と進みます。

トークルームごとのトークデータを削除する
トークルームごとのトークデータを削除する

それぞれ「写真」「動画」「ボイスメッセージ」「ファイル」の横にある[削除]をタップし、確認画面でもう一度[削除]をタップするとそのデータが削除されます。

iOS版LINEに限り、[すべての期間]をタップすると削除するデータの期間を選択できます。

【注意】「メッセージとトークデータをすべて削除」はタップしない
「メッセージとトークデータをすべて削除」はタップしない

「データの削除」画面で[メッセージとトークデータをすべて削除]をタップしたのち、確認画面で[削除]をタップすると、そのトークルームにおけるすべてのトーク履歴まで削除されてしまいます。

一度削除してしまうとトーク履歴の復元は非常に困難なので、誤ってタップしないように注意してください。

LINEのキャッシュ削除に関するよくある疑問と答え

ここでは、LINEのキャッシュ削除に関するよくある疑問に答えています。

LINEアプリを再インストールすると容量を減らせる?

LINEアプリを再インストールすることでストレージの使用容量を減らせる可能性があります。

LINEアプリを一度アンインストールし、再びインストールすることで、ストレージの使用容量を削減できる可能性があります。

再インストールした結果、100MB以上削減できた

再インストールした結果、100MB以上削減できた

実際にLINEアプリを再インストールしたところ、iOS版LINE・Android版LINEともにストレージの使用容量を削減できました。

端末やLINEアプリの利用状況によっては、思うように容量を削減できない場合もあります。必ずしも容量を効果的に削減できるとも限らないので、あくまでもストレージ容量が逼迫した時に試す最後の手段のひとつです。

なお再インストールする際は、必ずトーク履歴のバックアップを取るようにしてください。バックアップを取らずにLINEアプリをアンインストールすると、トーク履歴が消失するおそれがあります。

写真のトークデータを削除すると、アルバム内の写真を見られなくなる?

いいえ。アルバム内の写真は引き続き閲覧できます。

写真のトークデータやアルバムのキャッシュを削除しても、アルバムに保存した写真そのものが消えることはありません。

写真のトークデータを削除すると、トーク内の写真を見られなくなる?

写真のトークデータを削除すると、トークルーム内に送受信された写真は閲覧できなくなる可能性があります。

トークルーム内に送受信された写真は、一度拡大表示するとトークデータとして蓄積され、次にその写真を開いた際の読み込み速度が速くなります。

トークで送受信した写真・動画などは保存期間がある

トークで送受信した写真・動画などは保存期間がある

しかし、写真のトークデータを削除すると、トークルームで写真を開いた際に「保存期間が終了したため写真を読み込めません」と表示されてしまうケースがあります。

これは、トークルームに送受信された写真の保存期限が過ぎているためです。トークルームの写真には保存期間(具体的な日数は非公表)が設けられていますが、写真を拡大表示することでトークデータに蓄積され、保存期間を過ぎても一時的に写真を閲覧できる状態になります。写真データの削除により、以前までトークルームで閲覧できていた写真が閲覧できなくなってしまうことがあるのです。

キャッシュを削除するとiPhoneの「書類とデータ」はどうなる?

キャッシュを削除すると、iPhoneの「書類とデータ」を軽減できる可能性があります。

iPhoneユーザーの場合、スマホのストレージ容量を確認した時にLINEアプリの「書類とデータ」が膨大になっていることに気付くケースが多々あります。前述の方法でキャッシュデータを削除し、「書類とデータ」を減らしましょう。

キャッシュの削除前

キャッシュの削除前

キャッシュの削除後

キャッシュの削除後

トークルーム全体のキャッシュを削除した今回のケースでは、データ削除前にLINEが占めていたデータ容量は174.2MBでしたが、データを削除したことで89.2MBとなりました。

思うような結果が得られないこともありますが、LINEで頻繁に写真を送受信する人は、より多くの空きを確保できる可能性があります。

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