雑誌や書籍を月に数冊読んでいるなら、電子書籍読み放題のサブスクリプションサービスがお得です。
今回は人気と知名度がともに高い、「Kindle Unlimited」と「楽天マガジン」を比べてみます。料金プランや取り扱うジャンル、使いやすさなどの違いをまとめているので、どちらのサービスを利用しようか迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
料金プランと支払い方法などを比較
Kindle Unlimitedと楽天マガジンの料金、支払い方法、無料体験期間などの違いを表にまとめました。料金はすべて税込表記です。
Kindle Unlimited | 楽天マガジン | |
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料金プラン |
月額980円 |
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ポイントの有無 | なし |
楽天ポイント付与 |
支払い方法 |
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無料体験期間 | 30日間 | 31日間(楽天モバイル契約時は90日間) |
請求日 | 無料体験終了の翌日から1カ月ごと |
無料体験終了の翌日から1カ月ごと(年額プランは1年ごと) |
料金プランとポイントの有無
料金プランで比べると、楽天マガジンに軍配が上がります。

楽天マガジンは月額572円のプランと、年額5500円の2つのプランがあります。年額プランは月換算で458円になり、1年間のトータルで見ると年額プランのほうが月額プランで支払うよりも1364円安く抑えられます。
さらに、月額・年額料金の支払い金額に応じて楽天ポイントも付与されます。税別価格に対してポイントを進呈する仕組みで、月額プランは5ポイント、年額プランは50ポイントがもらえます。
また、楽天モバイル契約者は月額プラン、年額プランともに割引される点にも注目です。条件は楽天マガジンの登録前に楽天モバイル「Rakuten最強プラン」の利用を開始するだけ。初回無料期間も90日に延長されるので、楽天モバイルを利用していると楽天マガジンがよりお得に感じられるでしょう。

対するKindle Unlimitedは月額プランのみで980円です。Kindle Unlimitedには年額プランがないため、楽天マガジンの年額プランと比較すると、年間ではKindle Unlimitedのほうが6260円も高い計算になります。
Kindle Unlimitedの利用でAmazonポイントはもらえず、プライム・ビデオなどで人気のAmazonプライムとは別料金なのも残念な点です。
対応している支払い方法
支払い方法は、Kindle Unlimitedのほうが選択肢は多く用意されています。クレジットカード、デビットカード、Paidy(ペイディ)、PayPay、携帯決済、Amazonギフトカードに対応していますが、Amazonポイントやコンビニ払いなどでは支払いできません。

楽天マガジンはクレジットカード・デビットカードはもちろん、貯まった楽天ポイントも支払いに充当可能です。特にクレジットカードなら楽天カードを使うのがおすすめ。楽天マガジンだけでなく楽天市場などの楽天サービスで支払いに利用すれば、効率よく楽天ポイントを貯められます。
無料体験の期間
Kindle Unlimitedと楽天マガジンは、どちらも初回登録者限定で無料お試し期間があります。Kindle Unlimitedは30日間、楽天マガジンは31日間(楽天モバイルの契約者は90日間)です。楽天マガジンのキャンペーンは無料体験と併用できますが、Kindle Unlimitedは、無料体験またはキャンペーンプランのいずれかしか選べないので注意が必要です。
楽天マガジンは、初めて年額プランに登録した人を対象に、楽天ポイントが1000ポイントもらえるキャンペーンを実施しています(左記リンク先ページ下のバナー参照)。
Kindle Unlimitedでも、不定期で「3カ月間無料」などのキャンペーンがAmazonのビッグセール時期を中心に展開されることが多いので、Kindle Unlimitedのキャンペーン情報はチェックしておくとよいでしょう。
取り扱い冊数やジャンル・配信日の違い

楽天マガジンの配信雑誌
楽天マガジンは雑誌に特化したサービスで、2000誌以上を取り扱っています。人気のファッション・ビューティー・エンタメ・旅行系の雑誌はもちろん、車・バイク関連や海外の雑誌なども充実しています。

Kindle Unlimitedの配信雑誌
Kindle Unlimitedは雑誌だけでなく、コミックやライトノベル、小説、ビジネス書などの書籍を扱い、和書・洋書含めて200万冊以上をそろえています。さまざまなジャンルの書籍を読みたいなら、Kindle Unlimited一択でしょう。
雑誌に注目して両者のラインナップを比較してみると、やはり楽天マガジンに軍配が上がります。人気雑誌はKindle Unlimitedと楽天マガジンの両方で配信されている場合が多いですが、Kindle Unlimitedでは配信されていない雑誌も多数あります。特にエンタメや韓国芸能についてはより傾向が顕著です。
ただし、コミック誌に関しては楽天マガジンはほとんど配信がなく、Kindle Unlimitedのほうが充実しています。
Kindle Unlimitedのみ | 楽天マガジンのみ | 両方に取り扱いのある雑誌 | |
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女性ファッション | - |
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ビジネス・経済・国際・IT |
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ニュース・週刊誌 |
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芸能・エンタメ | - |
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コミック誌 |
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- |
また、雑誌に特化した楽天マガジンが有利なのは配信日です。楽天マガジンは紙の雑誌発売日とほぼ同じタイミングで配信されます。参加雑誌の一覧から、読みたい雑誌があるかどうかも調べられます。
Kindle Unlimitedは雑誌の発売日から数日遅れて配信されるものもあり、特に週刊誌にその傾向が強いです。雑誌の最新号をできるだけ早く読みたい人には楽天マガジンをおすすめします。
使いやすさや機能面を比較
次に使いやすさや機能面を比べてみましょう。
Kindle Unlimited | 楽天マガジン | |
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ダウンロード | 手動 | 手動・自動どちらも可 |
検索機能 |
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独自の付属機能 |
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複数端末の同時利用 |
1アカウントにつき、スマホ・タブレット・PCなど6台まで |
1アカウントにつき、スマホ・タブレット5台、パソコン2台まで |
どちらも専用のアプリで読みたいタイトルを探して読みます。Kindle Unlimitedは「Kindle」アプリ、楽天マガジンは「楽天マガジン」アプリです。PCからはKindle Unlimited、楽天マガジンともにブラウザから閲覧することもできます。
ダウンロード方法


楽天マガジンは、基本的には手動でダウンロードしますが、お気に入りに登録した雑誌については、最新号を自動でダウンロードできる機能があります。ダウンロード後はオフラインでも読めます。
Kindle Unlimitedには自動ダウンロード機能はなく、すべて手動でダウンロードします。ダウンロードした本はオフラインでの読書にも対応しています。
検索機能や本の探しやすさ

記事内のキーワードで検索できる

バックナンバーがまとまっている
楽天マガジンは雑誌名だけでなく記事内のキーワードからも記事を検索でき、さまざまな雑誌の記事から横断的に情報を集められます。
雑誌ごとにバックナンバーもまとまっているので、過去の記事や特集も探しやすいです。


Kindle Unlimitedのフィルターをかけて対象本を検索する
Kindle Unlimitedの検索機能はやや使いづらい印象です。キーワード検索は基本的にタイトルや著者名、出版社などの登録情報でヒットします。それだけでは読み放題の対象ではない本も表示されてしまうので、フィルターでKindle Unlimited対象作品だけを絞り込んで表示させます。
また、検索ワードを使って検索すると、それに関連した書籍が出てきてしまいます。たとえば「東洋経済」と検索すると経済関連書籍が出てくるといった具合に、検索結果におすすめが紛れてしまう場合があります。
雑誌ごとにバックナンバーがまとまっていないのも残念なポイントです。


ただし、Kindle Unlimitedはレコメンド機能が強力なので、過去の閲覧履歴や読書履歴などからユーザーが興味を持ちそうな本を表示してくれます。本を一冊選ぶと画面下方に関連本が次々と表示されるので、そこから新しい本を探すことも可能です。
カスタマーレビューを読んで、ダウンロードするかを判断できるKindle Unlimitedならではと言えるでしょう。
便利な付属機能

楽天マガジンのホーム画面は好きなジャンルに編集できる
楽天マガジンはホーム画面に表示するジャンルを自分好みにカスタマイズできます。好きなジャンルだけをまとめて表示し、興味のないジャンルは非表示にすれば、さらに読みたい雑誌を見つけやすくなるでしょう。
また、お気に入りのページに印を付ける「ふせん」機能も搭載しています。


Kindle Unlimitedには便利な付属機能が豊富に付いています。ページに目印を付ける「しおり」機能はもちろん、フォントの種類・サイズ変更、自由に書けるメモ機能や大事なところにマーカーを引くハイライト機能、わからない単語を調べる辞書機能、翻訳機能などが充実しています。
ただし、これらの機能は雑誌の閲覧で利用することはできません。小説やビジネス書などを中心に読む際に、最大限に活用できるでしょう。
対応端末
Kindle Unlimitedと楽天マガジンは以下の端末で利用できます。
Kindle Unlimited | 楽天マガジン |
---|---|
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Kindle端末やFireタブレットといったAmazonデバイスに対応している分、Kindle Unlimitedのほうが多くの端末で利用できます。

スマホで雑誌を表示すると文字が小さく見にくい場合も
特に雑誌は広い誌面いっぱいに情報が並んでいることが多く、スマホの小さい画面では読みにくいと感じるかもしれません。より多くのタブレット端末が使えるKindle Unlimitedは雑誌の閲覧に適しているといえます。Fireタブレットを持っているなら、Kindle Unlimitedを選んでもよいでしょう。
楽天には電子書籍サービスの楽天Koboがありますが、楽天Kobo端末で楽天マガジンを閲覧することはできません。対応アプリも異なる点に注意が必要です。
閲覧可能ページ・同時に保存できる冊数の違い
閲覧可能なページや、同時に保存しておける冊数の違いについて紹介します。
閲覧可能ページ
一般的に電子版の雑誌は、実際に書店で売られている紙の雑誌とは異なり、電子版では読めない記事やページもあります。週刊誌のスクープ記事などは読み放題の対象外になっていて、各出版社のWebサイトなどから別途購入が必要なのがその例です。また、プレゼントや懸賞などにも応募できません。
雑誌のページ数で比べると、Kindle Unlimitedと楽天マガジンはほぼ同じです。同じ雑誌でも総ページ数が異なるものもありますが、記事の内容には影響せず、広告ページが追加で挿入されているというケースがほとんどです。
ただし、成人向けのページなど一部の表現については扱いが異なります。楽天マガジンでは露出の激しい画像などには塗りつぶしたようなマスクがかけられます。一方アダルト書籍も扱っているKindle Unlimitedは制限がゆるく、ヌードグラビアなども隠されずに表示されます。
楽天マガジンは一部のタレントを塗りつぶして見えない状態にしている場合もあり、さまざまな制限がなく雑誌を楽しめるという点ではKindle Unlimitedのほうが勝ります。
同時に保存しておける冊数の違い

Kindle Unlimitedは、同時にダウンロードしておける書籍が最大で20冊までという制限があります。
少し面倒ですが、20冊以上読みたい場合は手元にある本のうち、どれかの利用を終了(返却)しなければなりません。ただ、ライブラリにある読み放題対象本が一定数に抑えられるので、ストレージを圧迫する心配がないというメリットもあります。
反対に、楽天マガジンには保存できる本の冊数に制限はありません。ストレージに余裕がある限り、いくらでもダウンロードできます。
設定で「お気に入り雑誌を自動ダウンロードする」をオンにしておくと、お気に入りに登録した雑誌の最新号が自動でダウンロードされ、読むときの待ち時間をほぼゼロにできます。
解約手続き後の閲覧期間を比較
Kindle Unlimitedと楽天マガジンは、いつ解約手続きしても次の更新日まで利用できます。更新日になるまでは、本の閲覧やダウンロード、しおり(付箋)など、すべての機能が使えます。
無料体験期間中であっても、解約を決めたならすぐに手続きしても大丈夫です。更新日前に解約するのを忘れて、うっかり自動更新されてしまうミスを防げます。
なお、Kidnle Unlimitedと楽天マガジンは、アプリから解約できません。手続きはどちらもWebサイトからのみ可能です。
【まとめ】Kindle Unlimitedと楽天マガジン、どっちがおすすめ?
最後にKindle Unlimitedと楽天マガジンがそれぞれどんな人に向いているかをまとめます。
和書全般を読むならKindle Unlimited

Kindle Unlimitedは、小説・ビジネス書・雑誌・マンガなど豊富なジャンルを取りそろえ、和書・洋書合わせて200万冊以上の本が読み放題になります。雑誌以外のジャンルも読みたいのであれば、Kindle Unlimitedを選択する以外ありません。
料金は月額980円で楽天マガジンよりも割高ですが、本のラインナップ数を考えると妥当な値段と言えるでしょう。Kindleアプリの付属機能である、しおりやメモ、ハイライト、辞書機能なども便利で、本を読みながら学びを深めるのにも役立ちます。
初回登録時には無料で30日間サービスを使えて、気に入らなければいつでも解約可能なので、気軽に登録できるところも魅力の一つです。
雑誌が中心なら楽天マガジン

楽天マガジン
雑誌を中心に読みたい人には楽天マガジンが合っています。
雑誌のメリットは情報の鮮度です。楽天マガジンなら2000誌以上と十分なタイトル数があり、雑誌の発売日とほぼ同じタイミングで読むことができます。お気に入り登録した雑誌は、最新号を自動でダウンロードしてくれます。
楽天マガジンアプリの検索しやすさ、見やすさについては雑誌を閲覧することに特化しており、とても使い勝手がよくストレスなく利用できます。また、年間プランを利用すればかなり料金が安くなり、コスパの高いサービスといえます。楽天モバイル契約者ならよりお得に利用できるのもメリットです。単体で利用するのもいいですが、Kindle Unlimitedと併用するのもおすすめです。
楽天マガジンにも31日間の無料体験でサービスがあるので、まずは無料でサービスを試してみるのもよいでしょう。