インスタグラムには「報告する」という機能が用意されています。不快な投稿やストーリーズ、不適切なコメント、嫌がらせメッセージ、著作権侵害や悪質なスパム行為などに遭遇したときに、Instagramの運営に通報することが可能です。
本記事では、インスタグラムにおける「報告」の意味はもちろん、報告すると相手にバレるのか、間違えて通報した場合はどうなるのか、そして実際に各機能から報告する手順などについて解説します。
インスタグラムにおける「報告」とは?

インスタグラムの「報告」機能を使えば、不快・不適切な投稿、コメント、ストーリーズ、ダイレクトメッセージ(DM)などをInstagram運営側に通報することができます。
著作権侵害やスパムなど各種トラブルを通報できる
Instagramにおいて報告を検討するケースとして多いのが、投稿画像や動画などに関する著作権をはじめとした知的財産権の侵害、アカウントのなりすまし、スパム(迷惑行為)、嫌がらせの被害でしょう。
知的財産権の侵害

著作権侵害などの報告画面
Instagramの利用規約では、著作権や商標権を含む第三者の知的財産権を侵害するコンテンツを投稿することを禁じています。たとえば著作権侵害は、自分がネット上などに公開していたオリジナルコンテンツが第三者に無断で転載されていたり、加工して投稿されていたりした場合などが当てはまります。
著作権侵害を報告できるのは、著作権の所有者(投稿主など)またはその公式代理人のみです。Instagram上のコンテンツが第三者の著作権を侵害していると思われる場合は、権利所有者にその旨を連絡します。著作権侵害に関する詳細は、公式ヘルプセンターを参照してください。
アカウントのなりすまし

なりすましの報告画面
インスタグラムでは、芸能人やインフルエンサーをはじめ、企業、ブランドなどのアカウントそっくりに作り上げた偽アカウントが多く存在します。
なりすましアカウントの中には、DMでURLを送ってフィッシング詐欺に誘導したり、クレジットカード情報や銀行口座の暗証番号など個人情報を入力させたりするケースもあります。
スパム行為
スパムとは、SNS、メールなどでの迷惑行為を指します。インスタでのスパム行為は、たとえば投稿に対して内容とまったく関係ない商品のPRコメントが付けられたり、海外等の知らないアカウントからみだりにフォローやタグ付けされたりすることなどが該当します。
インスタで報告するときに選択できる主な報告理由
著作権侵害やスパムも含めて、さまざまなトラブルが起きたときの対処法の一つとして「報告」の機能があります。
インスタグラムで報告する理由はたいていの場合、以下の12項目が表示されます。その中から理由を1つ選んだら、画面の案内に従って報告用のフォームを作成・送信する流れです。
- スパムである
- 単に気に入らない
- ヌードまたは性的行為
- 詐欺・欺瞞
- ヘイトスピーチまたは差別的なシンボル
- 虚偽の情報
- いじめまたは嫌がらせ
- 暴力または危険な団体
- 知的財産権の侵害
- 違法または規制対象商品の販売
- 自殺または自傷行為
- 摂食障害
どういった投稿が不適切と判断されるかについては、下記インスタグラムのコミュニティガイドラインや利用規約を参考にしてください。
インスタの「報告する」「ブロック」「制限する」の違い

「報告する」はインスタグラム側への通報行為です。インスタグラム側の判断によっては、相手の投稿やコメントなどが削除される可能性は大いにあります。ただし、通報しただけではこれまでと何ら変わりはなく、お互いに投稿が見られたり、メッセージのやりとりができたりするままかもしれません。
報告をするだけでなく、その相手を「ブロック」することで、相手とのすべての接触を拒絶できます。報告した後は、相手をブロックすることで自分の投稿した写真や動画、ストーリーズなどを相手に見られないようにしておくことをおすすめします。
また、アカウントを「制限する」機能は、相手とのコメント、ダイレクトメッセージ(DM)にのみ作用します。ブロックまではしたくない場合、制限の機能を使って相手をシャットアウトする方法もあります。
報告するとどうなる? 気になる疑問点を確認
インスタグラムで報告したらどうなるのでしょうか。相手に通知されてしまうのか、報告は取り消せるのか、報告後にインスタ側からどう反応が返ってくるかなど、気になるところを紹介します。
インスタグラムで報告すると相手にバレる?
インスタグラムで「報告」しても、著作権侵害が認められた場合を除いて、誰が・いつ報告したといった通知が相手に届くことはないので安心してください。
投稿が削除に値するなど、特別な措置を取るべきだとインスタ運営側が判断すると、相手(通報されたユーザー)に詳細を尋ねるための連絡をしたり、削除を要請するメールを送ったりする可能性があります。インスタ側からの連絡にも、誰が報告したかといった情報は記載されません。
ただし、Instagram側に著作権侵害の報告をおこなう際は注意が必要です。
報告内容がInstagramに認められ、該当するコンテンツを削除してもらうことになったら、著作権侵害で報告(通報)されたユーザー宛てに権利所有者の名前などが通知される仕組みになっています。
間違って通報してしまったら取り消せる?
インスタグラムには「報告をやめる」といった機能はなく、一度報告すると取り消すことはできません。

報告完了後の画面
操作を間違えて報告してしまった、報告の理由を間違えて選択してしまったなど、意図しない報告をしてしまうときもあるでしょう。
しかし、報告を一度しただけで即座に相手のアカウントが削除される、といったことにはならないと考えられます。
そのアカウントや投稿を削除する必要があるか否かをインスタ側も調査するため、間違えて報告してしまっても「投稿内容に害がない」とみなされれば、特に措置が講じられることもなく、相手にも通報した事実が知られることもないため、さほど心配する必要はないでしょう。
報告した後はどんなことが起きる?
あるコメントを報告した結果、報告した本人のインスタ画面でのみ、そのコメントが消えます。他の端末ではそのコメントを確認できるので、完全に削除されたわけではありません。数時間後、インスタ運営側からアプリ内のアクティビティに返信が届きます。報告の内容によっては返信が来ないケースもあります。
今回報告した件についての返信は、以下のようなものが届きました。

アクティビティに通知が届く

インスタグラム側からの返信を確認できる
「コメントがコミュニティガイドラインに違反している可能性は低いと判断された」と記載されています。
また、今後も報告したアカウントを見たくない、関わりたくない場合は、フォローをやめる、ミュート・ブロックなどをするように促されています。下にある[サポートオプションを見る]をタップすると、そのままアカウントのブロックや制限などがおこなえます。
今回のように、インスタ側が報告したコンテンツを「不適切ではない」と判断する場合もあれば、詳細な内容を報告者に求めるメールを送ってくるケースもあります。
インスタ側に投稿やストーリーズ、コメントなどが不適切だと判断されると、そのコンテンツが削除されます。コンテンツを投稿して報告された当事者は、問題のコンテンツがインスタグラムの運営側によって削除されたとDMで通知されるようになっています。
インスタで報告・通報する方法を機能別に紹介
インスタグラムにおける報告は、フィードやストーリーズ、DMなど利用している機能ごとに仕様が異なります。それぞれ見ていきましょう。
投稿写真・動画を報告する
フィードの投稿(写真・動画)を報告する方法です。

iOS版アプリの場合

Android版アプリの場合
報告したい投稿の右上にあるメニューボタン
(Android版は )をタップし、次の画面で[報告する](Android版なら[報告])をタップします。
表示されたメニューの中から、報告する具体的な理由を一つ選んでください。理由によってその後の報告フォームが異なります。


たとえば[スパムである]を選択するとすぐに報告が完了し、「ご報告ありがとうございました」という画面に切り替わります。
[次へ]を押すと、そのアカウントに対して任意で「ブロック」「制限」「フォローをやめる」といったアクションを選択できます。

報告した投稿は非表示になりますが、報告した本人のインスタグラム上でのみ非表示になるだけです。他のユーザーの画面ではこれまで通り投稿は表示されたままです。
投稿内のコメントを報告する

iOS版アプリはコメントを左にスワイプ

Android版アプリはコメントを長押し
iOS版アプリの場合、報告したいコメントを左にスワイプして、[!]マークをタップします。
Androidアプリは報告したいコメントを長押しして、[!]マークを押しましょう。


続いて、iOS版・Android版アプリともに[このコメントを報告]をタップしてください。
報告する具体的な理由を表示されたメニューの中から選びます。理由によってその後の報告フォームが異なります。


「ご報告ありがとうございます」などの画面が表示されれば完了です。[次へ]ボタンを押すと、報告済みのアカウントを任意でブロック・制限することが可能です。
報告したコメントは自動で消える仕様になっています。ただし、他の端末から同じコメントを確認すると、削除されずに残っていました。報告した本人のインスタグラム上でのみ消えるだけで、完全に削除されたわけではありません。
自分が指定したワード、あるいはインスタグラム側で定めたワードがコメントに表示されないようにする「非表示ワード」という機能もあります。詳しい設定方法については下記記事を参考にしてください。
ストーリーズ(ハイライトを含む)を報告する


ストーリーズまたはハイライトを開き、画面右上のメニューボタン (Android版アプリは )→[報告する](Android版アプリは[報告])をタップします。
ここで注意したいのが、ストーリーズには閲覧履歴(足跡)が付くということです。相手はストーリーズを投稿してから24時間以内であれば、閲覧履歴を確認できる仕様になっています。

報告する具体的な理由を表示されたメニューの中から選びます。理由によってその後の報告フォームが異なります。

報告が終わると、自分のインスタ上で相手のストーリーズが見られなくなります。相手のプロフィール画面でプロフィールアイコンを押しても、ストーリーズは再生できません。
ハイライトも同様で、報告したハイライトが画面から消えて表示できなくなります。
これは報告した本人にだけに起こる現象で、他の端末から確認すると通常通り相手のストーリーズやハイライトは残ったままになっています。
リールを報告する


リール(Reels)は最大60秒のショートムービーを作成・編集・投稿できます。報告したいリールを開き、右下のメニューボタン (Android版は )をタップ。[報告する](Android版アプリは[報告])を選んでください。

提示されたメニューの中から報告する理由を選びましょう。何を選んだかによってその後の報告フォームは異なります。


報告後はそのリールが非表示になりますが、これは報告した本人にだけ起こる現象なので、他の端末から確認するとこれまで通り相手のリールは表示されたままになっています。
インスタライブを報告する

インスタグラムのストーリーズに搭載されているライブ機能「インスタライブ」。このライブ配信も報告できます。
ホーム画面を開いて上部のストーリーズ欄(トレイ)を見ると、現在ライブ中のアカウントで「LIVE」と表示されています。これをタップすれば、フォロー中アカウントのライブ配信が視聴できます。


iOS版アプリは配信画面下の[+]ボタン→メニューボタン
をタップしてください。Android版アプリであればメニューボタン だけを押します。

[報告]をタップし、報告する具体的な理由を選択します。選んだ理由によって報告フォーム措置が異なります。
報告後は、報告した本人の端末でのみすぐにインスタライブが消え、再視聴できなくなります。ただし、インスタライブ配信者側やその他の視聴者側の画面では、インスタライブがすぐに消えることはありません。
DM(写真・動画を含む)を報告する


ダイレクトメッセージ(DM)を報告する方法を説明します。相手とのトークルームを開き、報告したいメッセージや写真・動画を長押し→画面下の[報告する]をタップします。
報告する理由を9項目の中から選び、指示に従って報告を完了させます。DMで報告したメッセージや写真・動画は、チャット内で消えることはありません。
プロフィール(相手のアカウントごと)を報告する
問題のあるアカウントに遭遇した際には、Instagramアプリから報告できますが、なりすましアカウントの報告の場合はヘルプセンターからでもおこなえます。
インスタアプリから報告する


報告するアカウントのプロフィール画面で、右上のメニューボタン
(Android版は )をタップし、[報告する](Android版なら[報告])を選択してください。次の画面でアカウントを報告する理由をさらに細かく選びます。[投稿、メッセージ、コメントの報告]または[アカウントを報告]をタップして、案内に従って報告をしてください。選んだ理由によって報告フォーム措置が異なります。

報告後はそのアカウントごと非表示になり、プロフィール画面が見えなくなります。表示が変わるのは報告した本人の画面上だけです。
インスタのヘルプセンターからアカウントのなりすましを報告
SafariやChromeなどのブラウザで、インスタのなりすましを報告するための専用フォームを開きます。


該当する状況にチェックを入れたら、(1) 自分の氏名、(2) 自分のメールアドレス、(3) なりすましアカウントの氏名(プロフィールに表示されているもの)、(4) なりすましアカウントのユーザーネームを入力します。
続いて、(5) 本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)を手に持った状態で自分の姿を撮影し、その写真を報告フォームにアップロードします。自分の顔と本人確認書類の顔写真の両方がはっきりと写るようにしてください。別の人がなりすましの被害を受けていて、あなたが代わりに報告する場合は、被害を受けている人に本人確認書類を手に持ってもらった状態で写真を撮影し、報告フォームにアップロードしましょう。
(6)追記したい情報があれば入力し、すべて完了したら(7)[送信]をタップします。これで報告は完了です。
インスタグラム広告を報告する
インスタグラムのフィードやストーリーで流れてくるインスタグラム広告ですが、広告の内容によっては不快な思いをしたり、表示頻度の多さにうっとうしいと感じたりすることもあるでしょう。インスタグラム広告についても、報告することが可能です。


報告したい広告のメニューボタン
(Android版は )をタップし、[広告を報告]をタップします。広告を報告する理由を7つから選んでタップしてください。選んだ理由によってその後の報告フォームが異なります。報告後はその広告が表示されなくなります。
「ショップ」内の商品を報告する

インスタグラムは、ネット通販のプラットフォームのような役割も果たしています。画面下の「ショップ」タブ(カバンのマーク)を開くと、ファッションやコスメ、フードなどさまざまな商品画像を一覧で見ることができます。そこから商品購入ページへアクセスできる便利な機能です。
ショップ内の商品の中に、もしインスタグラムの運営に通報すべきものがあれば、報告することも可能です。


まずは報告したい商品の投稿をタップ。次に画面右上のメニューボタン
(Android版は )を押し、[商品を報告](Android版は[この出品を報告])を選択します。表示された報告理由から該当するものを選んでください。選んだ理由によってその後の報告フォームが異なります。報告後はその商品の投稿が、報告者側の画面上でのみ非表示になります。