数あるクレジットカードの中でも「楽天カード」と「PayPayカード」は、年会費無料でポイントが貯められる人気のカードです。ポイントの還元率や使い道、カード特典、新規入会キャンペーンなどを見ても、どちらも持っていて損はないお得なカードですが、細かな特徴やサービス内容を比較すると異なる部分があります。
本記事では、自身にはどちらのカードを選ぶほうが「お得」なのかが見えてくるように、いくつかの重要ポイントを楽天カードとPayPayカードで比較。それぞれのカードの強みやウィークポイントから、自分に合ったクレジットカードがわかります。
楽天カード | PayPayカード | 違い | |
---|---|---|---|
年会費 | 無料 | 無料 | どちらも年会費無料 |
基本のポイント付与率 | 1%(税込100円ごとに1ポイント) |
1%または1.5%(税込200円ごとに2ポイントまたは3ポイント) |
基本のポイント付与率が高いのはPayPayカード。1.5%付与にするためには、条件の達成が必要だが、メインカードとしてPayPayカードを使うならばクリアできる範囲 |
貯まるポイント(経済圏) | 楽天ポイント | PayPayポイント |
自分の経済圏が「楽天」なのか「PayPay」なのか。楽天のサービスをよく利用するのか(楽天経済圏)、ソフトバンクやLINEヤフーのサービスをよく利用するのか(PayPay経済圏) |
カード特典 |
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カード特典がつくサービスが多いのは楽天カード。Yahoo!ショッピングで毎日5%の付与率(+4%)と、キャンペーン時以外でも高い付与率で買い物できるのはPayPayカード |
ポイントの有効期限 |
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なし | 有効期限を気にせず、ずっとポイントを貯められるのはPayPayカード。キャンペーン時に獲得したポイントも、通常ポイントと同じ扱い |
家族カード |
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作成できる家族カードの枚数が圧倒的に多いのはPayPayカード |
ETCカード |
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無料でETCカードを使いたいなら楽天カード。本会員カード1枚に対して複数枚のETCカードを作成できるのはPayPayカード |
付帯保険 |
海外旅行傷害保険(利用付帯) |
なし |
PayPayカードには付帯保険がない |
カード利用可能額 |
最高100万円(与信状況による増減あり) |
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カード利用可能額はカード会員の与信状況等により変動するため、明確な違いがあるとは言えない |
国際ブランド | VISA/Mastercard/JCB/AMEX | VISA/Mastercard/JCB | 楽天カードはAMEXを選択できる |
楽天カードがお得な人、PayPayカードがお得な人
基本のポイント還元率や、新規入会特典、ポイントが貯められる場所、付帯サービスなど、比較する項目が多い楽天カードとPayPayカード。どの部分を優先するかによって、自身にとってお得なクレジットカードがどちらなのかが見えてきます。
- 楽天経済圏のユーザー(楽天市場、楽天ふるさと納税、楽天ペイなど、楽天のサービスをよく利用する)
- 新規入会キャンペーンでもらえるポイント数が多い方がいい
- 海外旅行傷害保険があるほうが安心
- 国際ブランドにAMEXを選択したい
- PayPay経済圏のユーザー(ソフトバンク、Yahoo!ショッピング、LOHACOなど)
- 基本のポイント付与率が高いことが重要(最大1.5%)
- 家族カードやETCカードを複数枚発行したい
ポイントの付与率や特典で比較する
まずは、クレカ選びで最も重要視している人も多い「ポイント付与率」を比較していきましょう。年会費はどちらも無料ですが、ポイント付与率とその条件などは双方で異なります。
基本の付与率だけを見ると、PayPayステップの条件クリアによりPayPayカードの付与率が最大1.5%になるのは大きなメリット。一方で楽天カードでは、楽天市場や楽天トラベル、楽天ペイなどの楽天サービスでの支払い時に、カード利用特典としてポイント付与率がアップする仕組みが豊富に用意されています。
【楽天カード】基本のポイント付与率は1%、楽天ペイ・楽天トラベルでポイントアップや楽天市場で最大+15.5倍
楽天カード | PayPayカード | |
---|---|---|
ポイント基本付与率 | 1%(100円ごとに1ポイント) |
1%または1.5%(200円ごとに2ポイントまたは3ポイント) |
楽天カードでは、税込100円ごとに1ポイントが付与されます。基本のポイント付与率だけを比較するとPayPayカードのほうが優勢(条件達成で1.5%)ですが、楽天カード利用でポイント付与率がアップするサービスが多いのが楽天カードのメリットです。
楽天ペイ:楽天カードで楽天キャッシュチャージをすると+0.5%(1.5%付与)
楽天ペイで「楽天カードから楽天キャッシュにチャージして支払う」ことで、楽天ペイ加盟店で1.5%付与が実現可能です。

- 楽天ペイアプリで、楽天カードから楽天キャッシュにチャージ→0.5%付与(2024年夏以降は付与なしに変更)
- 楽天ペイで、チャージした楽天キャッシュからの支払い→1%付与(2024年夏以降は1.5%付与に変更)
この2ステップにより、楽天ペイアプリの利用でポイント1.5%付与になるわけです。楽天ペイは、街のスーパーや飲食店、ドラッグストア、ECサイトなど、楽天ペイ加盟店で利用できます。
楽天カードから楽天キャッシュへのチャージは、楽天ペイアプリ上ですぐにできます。レジで支払い金額の確定後に必要な分だけチャージをしても、チャージに待ち時間はほとんどないためストレスフリーで使えます。
楽天カード | PayPayカード | |
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ポイントアップ特典 |
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ポイントアップ制度 |
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通常のポイント付与に加えて追加される付与率を「+◯倍」「+◯%」と表記しています。
楽天カードのポイントアップ特典は楽天市場、楽天トラベルでの支払い時にも適用されます。カードの支払いでもらえる基本の付与率をみると、PayPayステップのクリアで1.5%となるPayPayカードがお得になります。
どちらのカードも使い方次第でポイントがたくさんもらえるので、判断は難しい状況。自身の購買行動に合ったカードを選ぶのがよさそうです。
楽天SPUのカード利用特典で、楽天市場の買い物が常に+2倍
「楽天SPU(スーパーポイントアッププログラム)」というポイントアップ制度により、楽天市場での買い物でポイントがさらに貯まるようになります。楽天SPUは、楽天カードをはじめとする対象サービスの条件を達成すると楽天市場の買い物でもらえるポイント数が増える制度。ポイントが最大17倍までアップできるプログラムです。

楽天カードを楽天市場で使えば、楽天SPUの条件達成により+2倍のポイントが付与されます。通常ポイント(1倍)と合わせると、合計で3倍分のポイントが常に獲得できるようになります。
SPUの対象となるサービスは全14種類。楽天トラベルや楽天モバイルなどの対象サービスで条件を達成すれば、さらにポイント倍率が加算されていくため、楽天サービスを使えば使うほど楽天市場での買い物がお得になる仕組みです。
楽天市場で定期的に開催されるポイントアップキャンペーン

- お買い物マラソン:最大+9倍
- ワンダフルデー:最大+3倍
- 5と0のつく日:最大+4倍
- ご愛顧感謝デー:ゴールド会員+1倍/プラチナ会員+2倍/ダイアモンド会員+3倍
- 勝ったら倍:単独勝利+1倍/ダブル勝利+2倍
- 39キャンペーン:+1倍
- 2ショップ購入キャンペーン:+2倍
※通常ポイント1%に加えて追加される付与率を「+◯倍」と表記
楽天市場では、毎月さまざまなポイントアップキャンペーンが実施されています。
特に「お買い物マラソン」では、楽天市場で税込1000円以上の買い物をしたショップ数に応じて、最大10倍の楽天ポイントを獲得できる目玉キャンペーンです。お買い物マラソンでは楽天ふるさと納税もポイントアップ対象サービスとなっているため、他の買い物と並行してふるさと納税で複数の自治体に寄付(1自治体ごとに1ショップカウント)をするといった使い方もできます。
楽天カードを持つならば、楽天市場を利用してポイントを効率よく貯めるのがおすすめです。
【楽天カード】新規入会キャンペーンを常時開催、5000〜1万ポイントがもらえる

キャンペーン内容を確認する
常時開催されている「楽天カード新規入会キャンペーン」では、カードへの新規入会とカードの利用で5000ポイントが付与されます。時期によって、付与ポイントが7000、8000、1万ポイントに増量するケースもあるため、年会費無料のクレジットカードの中でも最高クラスの新規入会特典が得られます。
2024年 | 2023年 | 2022年 | |
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1月 | -(通常の5000ポイント) |
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2月 | -(通常の5000ポイント) |
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3月 |
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4月 |
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5月 | -(通常の5000ポイント) |
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6月 |
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7月 | -(通常の5000ポイント) | -(通常の5000ポイント) |
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8月 | -(通常の5000ポイント) | -(通常の5000ポイント) |
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9月 |
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-(通常の5000ポイント) |
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10月 |
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-(通常の5000ポイント) |
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11月 |
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12月 |
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楽天カード新規入会時のポイント増量キャンペーンの傾向を見ると、2024年度は1万ポイント付与を4回、8000ポイント付与を1回すでに実施しています。1万ポイントまでの増量は2022年、2024年度よりも多い結果となりました。
ポイント増量中にタイミングよく入会できなかったとしても、最低でも5000ポイントが獲得できるのは大きなメリット。ポイント付与の条件も難しいものではありません。
- カードが手元に届き次第「楽天e-NAVI」への初回登録を済ませる(契約後7カ月以内)
- カード申し込み翌月末までに楽天カードで1回以上決済する(1円以上)
上記の条件さえ達成すれば、5000〜1万ポイントが付与されます。楽天カードとPayPayカードのどちらに申し込むのか決めきれない場合は、新規入会時の特典を天秤にかけるのも一つの手です。
キャンペーン内容を確認する
【PayPayカード】基本のポイント付与率は1〜1.5%、Yahoo!ショッピングで毎日+4%
PayPayカード | 楽天カード | |
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ポイント基本付与率 | 1%または1.5%(200円ごとに2ポイントまたは3ポイント) |
1%(100円ごとに1ポイント) |
PayPayカードにおける基本のポイント付与率は1%ですが、条件をクリアすれば200円ごとに1.5%分のPayPayポイントが貯まります。
PayPayステップの条件クリアでポイント付与率が1.5%に
「PayPayステップ」とは、PayPayアプリ・PayPayカードの毎月の利用状況に応じて翌月のポイント付与率がアップするプログラムです。
PayPayステップの条件「PayPayで1カ月あたり200円の決済を30回以上、合計10万円以上を支払う」をクリアすれば、翌月のポイント付与率が0.5ポイント加算され、合計で1.5%になります。
たとえば1000円の買い物を楽天カードとPayPayカードで決済すると、付与されるポイント数は
- 楽天カード(付与率1%):1000円決済→10ポイント付与
- PayPayカード(付与率1.5%):1000円決済→15ポイント付与
となります。PayPayステップによりポイント付与率がアップしている場合、楽天カードよりもPayPayカードのほうが、付与されるポイント数が多くなるわけです。
ただし、PayPayカードのポイント付与は「200円ごとに付与」なので、200円未満は切り捨てられる点に注意してください。500円の買い物をした場合だと、ポイント付与の対象は400円。100円(端数)の分は切り捨てられてしまいます。
PayPayステップの条件を達成できる可能性が低いなら、100円ごとに1ポイントが付与される楽天カードのほうが、ポイントを効率よく貯められることになります。
Yahoo!ショッピングでの買い物で常に+4%

特典をすべてPayPayポイントでもらう場合は、Yahoo! JAPAN IDとLINEアカウントを連携
Yahoo!ショッピングでの買い物時にPayPayカードで支払うと「毎日5%キャンペーン」が適用されます(PayPayカードの支払いで1%、「毎日もらえる」で+3%、ストアポイント+1%で合計5%)。 キャンペーンエントリーは不要で、Yahoo!ショッピングでのポイント付与率が常に5%になるのはかなりお得です。
- ハッピー24アワー:PayPayポイント+4%
- 肉の日キャンペーン:PayPayポイント+4〜5%
- 超PayPay祭:PayPayポイント最大+8%
- ファーストデイ:PayPayポイント+3%
- 買う! 買う! サンデー:PayPayポイント+4%
- プレミアムな日曜日:PayPayポイント+4%
※ストアポイント1%分に追加される付与率を「+◯%」と表記しています。
その他にも、Yahoo!ショッピングでは毎月さまざまなポイントアップキャンペーンが実施されています。PayPayカードを持つならば、Yahoo!ショッピングを利用してポイントを効率よく貯めるのがおすすめです。
家族カードや付帯ETCカードの発行条件で比較する
楽天カードとPayPayカードでは、家族カードとETCカードも利用できます。
家族カードは、楽天カードでは最大2枚までしか発行できないのに対して、PayPayカードだと最大10枚まで発行可能。さらに、PayPayカードの家族カードは何枚目でも年会費無料となるのは強みです。
カード付帯ETCカードは、楽天カードでもPayPayカードでも年会費が550円かかります。ただし、楽天ETCカードの場合は条件をクリアすることで年会費を無料にできます。
【楽天カード】家族カードは2枚まで、ETCカードの年会費は無料にできる
楽天カードの家族カード・ETCカードの利用条件やメリット・デメリットについて解説します。
家族カードは無料で追加可能 最大2枚まで

家族カードの利用条件 | |
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発行手数料 | 無料 |
年会費 |
無料 |
発行可能枚数 | 本カード会員のカード1枚につき2枚まで |
利用可能額 |
本カード会員の利用可能枠以内(原則、最高100万円) |
対象者 |
18歳以上の生計をともにする配偶者(内縁の相手方、同性パートナー含む)・両親・子供 |
付帯保険 |
海外旅行傷害保険(死亡後遺障害 最高2000万円) |
ポイントの付与 |
|
引き落とし | 本カード会員の口座にまとめて請求、引き落とし |
楽天カードの家族カードは、本カード会員のカード1枚につき最大2枚まで発行でき、発行手数料や年会費は無料です。家族が4人以上の場合、全員に対して家族カードを発行できないのは残念なポイント。この点、PayPayカードならば10枚まで作成できるため、人数が多い場合にも対応できます。
楽天カードの家族カードには海外旅行傷害保険が付帯しますが、PayPayカードには付帯しません。
ETCカードの年会費550円は条件クリアで無料にできるが、発行できるのは1枚まで

楽天カードに付帯するETCカードの年会費は550円ですが、条件に当てはまっていれば無料で利用できるようになります。PayPayカードに付帯するETCカードは年会費550円が必ず発生するので、楽天ETCカードのほうがお得です。
ただし、楽天カード1枚につき発行できるETCカードは1枚のみ。PayPayカードであれば1枚のカードに対して最大5枚までETCカードを発行できます。
条件 | |
---|---|
楽天カード |
楽天会員ランクがダイヤモンド会員またはプラチナ会員であること |
楽天カードを所持しているユーザーが年会費無料で楽天ETCカードを使うには、楽天PointClubのランクが「ダイヤモンド」または「プラチナ」である必要があります。各ランクの条件は以下のとおり。
- プラチナ:過去6カ月で2000ポイント以上、かつ15回以上ポイントを獲得する
- ダイヤモンド:過去6カ月で4000ポイント以上、かつ30回以上ポイントを獲得する
会員ランクは、過去6カ月の獲得ポイント数および獲得回数により決定されます。毎月2日の0時までにランクが反映されるので、ETCカードの申し込み時点でダイヤモンドまたはプラチナのランクが決定していれば、初年度の年会費が無料になるわけです。申し込みの翌月にランクダウンしてしまっても年会費が請求されることはありません。
楽天カードをメインカードとして日常的に利用していれば、プラチナ・ダイヤモンドへのランクアップは無理なく達成できます。
【PayPayカード】家族カードは最大10枚、ETCカードは最大5枚まで発行できる
PayPayカードの家族カード・ETCカードの利用条件や、メリット・デメリットを解説します。
通常のPayPayカードなら最大10枚まで家族カードを作れる、年会費も無料

家族カードの利用条件 | |
---|---|
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料 |
発行可能枚数 |
最大10枚 |
発行デザイン・ブランド |
本カード会員と同じ |
利用可能額 |
本カード会員の利用可能枠以内 |
対象者 |
本会員と生計を同一にする配偶者・親・子供(高校生を除く18歳以上) |
サービス・保険 |
- |
ポイントの付与 |
|
引き落とし | 本カード会員の口座にまとめて請求、引き落とし |
PayPayカードの家族カード最大のメリットは、年会費無料で最大10枚まで発行できるという点です。発行手数料も無料です。
一方で、PayPayカードの家族カードは、ポイント付与の仕組みが少し複雑なのが難点。基本のポイント付与率は1%ですが、翌月のポイント付与率が0.5%加算されるPayPayステップの恩恵を受けるには、本カード会員とは別個に条件(PayPayで1カ月あたり200円の決済を30回以上、合計10万円以上を支払う)をクリアする必要があります。本カード会員または家族カード会員のいずれかが条件をクリアしたからと言って、全員に特典が付与されるわけではないということです。
ETCカードは本会員カード1枚につき5枚まで発行できる

年会費 |
550円(1枚ごとに) |
---|---|
発行可能枚数 | 本会員カード1枚につき最大5枚 |
ポイント基本付与率 | 1%または1.5%(200円ごとに2ポイントまたは3ポイント) |
PayPayカード付帯のETCカードは、本会員カード1枚に対して最大5枚まで発行可能です。ETCカード1枚につき550円の年会費が発生してしまいますが、複数枚のETCカードを作れるのはメリット。楽天カードでは、楽天カード1枚に対して1枚しかETCカード発行の申し込みができません。
家族カードを最大10枚まで発行できる点とあわせて考えると、PayPayカードは「カードを共有する人数の多い家族」に向いているクレジットカードだと言えます。
付帯保険で比較する
年会費無料のクレジットカードでも旅行保険などの保険サービスが付帯する場合があります。この点、年会費無料の楽天カードには「海外旅行傷害保険」が利用付帯しますが、PayPayカードには保険が付帯しません。
【楽天カード】海外旅行傷害保険が付帯、そのほかセキュリティ対策や補填も充実

楽天カードには「海外旅行傷害保険」が利用付帯します。海外旅行中の傷害死亡・後遺障害、傷害、疾病治療、携行品損害などに対して保険金が支払われます。海外旅行時の不測の事態に備えて、無料で保険が付帯するのは大きなメリットです。
「海外旅行傷害保険」が付与されるためには、日本を出国する以前に募集型企画旅行の料金の全部または一部を楽天カードで決済している必要があります。対象となる決済は、旅行代理店の海外ツアー料金や渡航先への航空券などの支払い。国内の交通費の支払いは対象となりません。
付帯保険以外にも、安全にクレジットカードを利用するためのセキュリティ対策や制度があります。
- ワンタイムパスワード認証:第三者による楽天e-NAVI内での不正使用を防ぐ
- 不正検知システム:不審なカード利用を検知、24時間365日体制のモニタリング
- 不審メールへの対応:第三者による悪質なスパムメールの受信を防ぐ対応
- ICチップの搭載:カードの偽造やスキミング防止
- カードの差し替え:カード情報の流出などを検知し、クレジットカードの差し替え・作り直しを案内
- ISMS認証取得:情報セキュリティマネジメントシステム、個人情報等の情報資産を安全に管理する取り組み
緊急時には、楽天カードに直接電話してサポートしてもらうこともできます。
また楽天カードの盗難・紛失後に不正使用された場合、楽天カードに連絡した日の60日前以降に発生したカード使用の被害額が一定の条件のもとで免除(補填)される「盗難保険」も提供されています。
【PayPayカード】付帯保険なし、補填制度はあり
PayPayカードは、残念ながら保険が付帯しません。楽天カードを始めとして、海外旅行傷害保険が付帯する年会費無料クレジットカードは珍しくないだけに、PayPayカードが見劣りするのは否めません。
PayPayカード以下のようなセキュリティ対策や制度があります。
- あんしん利用制限:PayPayカードの利用制限を設定し、不正利用のリスクを軽減する(自分で設定・解除)
- カード利用速報:カード利用後、利用内容を即時知らせるサービス(アプリのプッシュ通知とメール)
- 不正利用検知システム:24時間365日体制でカードをモニタリング
カードの不正利用時に一定の条件のもとで損害を補填する「盗難保険」も用意されています。カードの盗難・紛失などの緊急時にはオペレーターに直接、電話で対応してもらうことも可能です(24時間365日受付)。
利用上限金額で比較する
楽天カード | PayPayカード | |
---|---|---|
利用上限金額 |
最高100万円(与信状況による増減あり) |
|
(※1)本人確認完了済みの場合の上限額
利用限度額はクレジットカード申込時の審査によって決定されるため、利用者によって異なります。楽天カード(無料カード)の利用上限額は原則、最高100万円となっています。ただし、与信状況によって自動的に増減することがあります。限度額を増やしたい場合は、利用可能額の増枠を楽天e-NAVIから申し込めます。上限額が高い楽天ゴールドカードや楽天プレミアムカードに切り替えるのも一つの手です。
一方でPayPayカードの利用上限額は明らかにされていません。編集部で確認した限りでは、100万円の場合もあれば、500万円の場合もありました。PayPayアプリの「PayPayクレジット」支払いの上限金額は、本人確認済みであれば、最大50万円(過去24時間)または最大200万円(過去30日間)となります。
締め日・引き落とし日で比較する
締め日(利用分) | 引き落とし日(※) | 請求確定額の通知日 | |
---|---|---|---|
楽天カード |
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翌月27日払い |
翌月の12日以降 |
PayPayカード |
|
翌月27日払い |
翌月の15日または20日 |
※:金融機関の休業日の場合は、翌営業日が引き落とし日となる
クレジットカードの締め日・引き落とし日は、毎月の収支に大きく関わる要素です。楽天カードとPayPayカードはいずれも月末締めの翌月27日支払いです。
ただし、楽天カードでは楽天市場での買い物に限り当月の25日が締め日になるという点には注意。月末が締め日だと勘違いして26日以降に楽天市場で大きな買い物をした場合、引き落とし日は翌々月の27日になるため収支計画が崩れる可能性も考えられます。

- 締め日:毎月25日(前月の26日〜当月の25日までの利用分)
- 請求確定額通知:翌月の12日以降
- 引き落とし日:翌月の27日(金融機関が休業日の場合は翌営業日)
前月の26日から当月の25日までの利用分が請求。楽天市場のお買い物マラソンや楽天ふるさと納税などで高額利用をするときは、締め日に注意して買い物をする必要があります。
このように、楽天カードでは、楽天市場での利用に限り締め日・引き落とし日のスケジュールがイレギュラーな設定になる点に留意してください。
国際ブランドで比較する
クレジットカードの申し込み時には、国際ブランドの選択も必要になります。楽天カードとPayPayカードでは、選べる国際ブランドに違いがあります。
選択できる国際ブランド | ポイント基本付与率 | 条件や注意点 | |
---|---|---|---|
楽天カード |
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1% (100円ごとに1ポイント) |
AMEXだとタッチ決済非対応、Apple Pay・Google Pay非対応 |
PayPayカード |
|
1%または1.5% (200円ごとに2ポイントまたは3ポイント) |
プラスチックカードを選択しない場合は「JCB」を選択できない |
どの国際ブランドを選択しても、クレジットカード自体のポイント還元率や審査の難易度などは変わりません。そのため、国際ブランドの加盟店数やタッチ決済の可否、付帯する優待などから、国際ブランドを選択することになります。
VISA、Mastercard、JCBはいずれのクレジットカードでも選択できますが、AMEXはPayPayカードだと選択できません。またPayPayカードはバーチャルカードで発行した場合、JCBブランドを選べなくなります。
国際ブランドをAMEXにしたい場合は「楽天カード」を選ぶことになります。ただし、AMEXの楽天カードはタッチ決済に対応していません(AMEX自体はタッチ決済を提供している)。またAMEXの楽天カードはApple Pay・Google Payに非対応の状況です。特別な理由がない限り、楽天カードでAMEXを選択することは避けたほうが無難です。
Visa | Mastercard | JCB | AMEX | |
---|---|---|---|---|
提供会社 | Visa Inc. | Mastercard Inc. | 株式会社ジェーシービー | American Express International, Inc. |
発祥国 | アメリカ合衆国 | アメリカ合衆国 | 日本 | アメリカ合衆国 |
加盟店数(全世界) | 1億店以上(※1) | 1億店(※2) | 4300万店(※3) | 8000万店(※4) |
カード発行枚数(会員数/ 流通枚数) |
42億枚(※1) | 31億枚(※5) |
1億5000万会員以上(※3) |
1億2000万枚以上(※4) |
国内のカード決済シェア率 | 50.8%(※6) | 17.8%(※6) | 28.0%(※6) | 3.1%(※6) |
タッチ決済 | ◯(Visaのタッチ決済) | ◯(Mastercardタッチ決済) | ◯(JCBのタッチ決済) | ✕(※7) |
優待・特典 |
旅行関連の優待が豊富。また、Visa独自のキャッシュバックキャンペーンなども頻繁に開催される |
旅行関連の優待が数件あるのみ。楽天カードのようなスタンダードタイプのMastercardでは、利用できる優待がかなり限られるので注意 |
優待の数・ジャンルともに豊富。キャッシュバックキャンペーンもよく開催されるのでお得に決済できるチャンスも多い |
旅行関連やレストランでの優待、美容家電、家具、衣料品ブランドでの割引などを用意 |
選択できるカード(楽天カード/PayPayカード) |
|
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|
楽天カードのみ |
- (※1)引用元:Visa「Visa Fact Sheet」
- (※2)引用元:Mastercard公式サイト
- (※3)引用元:JCB公式サイト
- (※4)引用元:American Express公式サイト
- (※5)引用元:ロイター通信「Mastercard launches global plan to recycle credit cards」
- (※6)引用元:イプソス「2020年キャッシュレス決済大規模調査」
- (※7)AMEXブランドはタッチ決済を提供していますが、AMEXの楽天カードではタッチ決済ができません
- (※8)PayPayカードをバーチャルカードで発行すると、JCBブランドを選択できません
国内外での加盟店数およびユーザー数のシェアが最も多いブランドが「VISA」です。日本や海外で使える場所が豊富なので、「VISAが対応していなくて支払いができなかった」という場面に遭遇するケースが少なくなります。1枚目のクレカとして楽天カードやPayPayカードに申し込むなら、国際ブランドを「VISA」にするのがおすすめです。
すでにVISAブランドのクレカを所持している人は、他の国際ブランドを選択するとクレカ利用の幅が広がります。VISA非対応の店舗・サービスがあったとしても他ブランドのカードで決済できるほか、付帯する優待・サービスなどが国際ブランドごとに異なるためです。
【一問一答】その他、楽天カードとPayPayカードの気になる違いを比較
楽天カードとPayPayカードについて、細かな機能やサービス、特典などを一問一答形式で比較していきます。
カードの支払いで付与された楽天ポイント・PayPayポイントに有効期限はある?
楽天カードの利用で獲得した楽天ポイントは、有効期限なしの「通常ポイント」だけでなく、有効期限ありの「期間限定ポイント」であることがあります。一方で、PayPayカードの利用で獲得したPayPayポイントには有効期限が設けられていません。
楽天カードの利用で獲得するポイントは、原則として有効期限のない「通常ポイント」です。しかし、特定のキャンペーンなどで特典ポイントとして進呈される楽天ポイントの場合、楽天カードで決済したとしても、有効期限が設定されている「期間限定ポイント」として付与されることが大半です。有効期限内に利用しない場合は消滅してしまいます。
この点、PayPayカードで獲得できるPayPayポイントには有効期限がありません。キャンペーンによる獲得ポイントでも、通常の買い物で付与されるポイントと同じように貯め続けられます。
楽天ポイントとPayPayポイントは、クレジットカードの月々の支払いに充当できる?
楽天カードは毎月のカード支払いに楽天ポイントを充当できます。PayPayカードはPayPayポイントを支払いに充当できません。

楽天カード「ポイントで支払いサービス」
楽天カードには、1ポイント1円として支払いに充当できるサービス「ポイントで支払いサービス」があります。毎月12日〜最長24日までに、利用するポイントを1ポイント単位(通常ポイントのみ利用可)で入力するだけ。支払い金額にポイントが充当できます。

PayPayポイント
一方で、PayPayカードにはカード利用金額の支払いにポイントを充当するサービスがありません。PayPayポイントは、PayPayアプリでの決済に利用できます。
クレジットカードの1回払いを「あとから分割払い」に変更できるのは?
楽天カードでは、1回払いの利用分をあとから分割払いに変更できる「あとから分割払い」サービスがあります。一方、PayPayカードにあとから分割払いに設定できるサービスはありません。
楽天カードでは、当月分の支払いのうち1回払いに設定している請求を分割支払い(3〜36回)に変更可能です。変更期限は当月の24日までと、支払いの締め日が近いタイミングでも調整ができるようになっています。
PayPayカードでは、カード利用後に1回払いをあとから分割払いに変更することはできません(リボ払いへの変更は可能)。
分割払いを利用して月々の支払額を柔軟に調整したい人には、あとから分割払いに変更できる「楽天カード」がおすすめです。