Amazonが提供する電子書籍サービスのKindle(キンドル)。iPhoneやAndroid端末、Fireタブレットなどさまざまなデバイスで、Kindle本を楽しめます。 いつでもどこでも好きな電子書籍を読めるKindleですが、読み上げ機能を活用すればKindleでの読書がさらにはかどります。
本記事では、Kindle本を読み上げる方法について解説。iPhoneやAndroid端末に備わっている補助機能による方法をはじめ、Alexa(アレクサ)アプリを使用した方法、また読み上げが止まってしまったときの対処法についても紹介します。
Kindle本の音声読み上げをするには?

Kindleアプリに読み上げ機能は備わっていないので、iOSやAndroidの補助機能を活用して読み上げをしてもらいます。 AlexaアプリでもKindle本の読み上げができ、オーディオブックのような感覚でKindle本での「耳読」が可能になります。
読み上げ機能を使うメリット
- 通勤中や家事をしながらでも読書を楽しめる
- 音声を流しておくだけなので目が疲れにくい
- 効率よく読めて読書スピードが上がりやすい
耳で聴いてKindle本を読み進められることが読み上げ機能の大きなメリットです。椅子に座って、手を使ってページをめくり、目で文字を追うといった手間がすべて省けるので、何かをしながらでもスキマ時間を使って効率よく読書ができます。
もっとたくさん本を読みたいけれどなかなか時間を作れない、途中で読み疲れて読書が長続きしないという人は、読み上げ機能を活用してみましょう。
また、毎月多くの本を読むのであれば、月額980円でKindle本が読み放題になるサービス「Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)」を利用したり、定期的に開催されるKindle本のセールから本を買うようにしたりすると、よりお得に読書を楽しめるのでおすすめです。
読み上げ機能の注意点
- 読み上げるときの音声が機械的
- 漢字の読み方が正確でない
- 端末の補助機能で操作感が変わることも
- 雑誌やマンガなどは読み上げできない
Amazonには本の内容をプロの声優や俳優が朗読してくれる「Audible(オーディブル)」というサービスがあります。Kindle本の読み上げはAudibleと異なり、音声は機械的で感情がこもっていないように聞こえます。慣れるまでは違和感があり、小説などで感情移入しにくいというデメリットもあるでしょう。そのほかにも人物名や地名といった漢字の読み方は正確でないので内容が入りづらい場合もあります。
読み上げにiOSやAndroid端末のユーザー補助機能を使った場合は、端末が今までと異なる操作感になることがあるので慣れるまでは使いにくくなります。
また、雑誌やマンガなどは画像・イラストが中心になるため、読み上げに対応していません。読み上げ機能は、小説やビジネス書といったテキスト中心のKindle本でおこなうのに向いています。
iPhoneでKindleの読み上げをする方法
iPhoneでKindle本を読み上げるには、iOSの設定アプリで「読み上げコンテンツ」または「VoiceOver(ボイスオーバー)」の項目を有効にするという方法があります。
方法1:「読み上げコンテンツ」を使う
iPhoneの読み上げコンテンツを使ってKindle本を読み上げる方法を紹介します。
読み上げコンテンツの設定方法
読み上げコンテンツの機能を使う前に、iPhoneで設定が必要です。


iPhoneの設定アプリを開き、[アクセシビリティ]の項目をタップしてください。次の画面で[読み上げコンテンツ]を選択します。


「読み上げコンテンツ」の設定画面で、「画面の読み上げ」を有効(オン)にします。iPhoneの設定は以上で完了です。
同じ画面で読み上げ速度や声の種類(女性・男性など)も変更できます。読み上げ速度は左のカメマークにバーの値をずらすと遅くなり、ウサギマークのほうにずらすと速くなります。Kindleアプリで読み上げてもらいながら速度調整することも可能です。

日本語以外の言語にも対応

声質を選べる
音声は日本語以外の言語にも対応しており、リスニングの勉強にも役立ちます。日本語については、女性・男性の声ともに3種類ずつ計6種類から好きな音声を選べます。
読み上げコンテンツの使い方

画面上部から下に2本指でスワイプ

コントローラーが起動して読み上げがスタート
Kindleアプリを起動して、ライブラリから読み上げて欲しいKindle本を選択します。
ビューワー上部を2本指で下にスワイプすると、コントローラーが起動して読み上げが開始。読み上げの一時停止やページ送り、読み上げ速度の変更といった操作もコントローラーでおこなうことができ、[×]ボタンをタップすると読み上げが終了します。

Siriで「画面読み上げて」と話しかける
2本指を使ったスワイプでコントローラーが表示されず、読み上げが始まらない時はSiriを使うとよいでしょう。
Kindle本を開いた状態でSiriに「画面を読み上げて」と話しかければ、コントローラーが起動して読み上げを開始してくれます。
方法2:「VoiceOver」を使う
「VoiceOver(ボイスオーバー)」は、目の不自由な人でも画面に表示された内容を音声で知ることができる機能。健常者にとっても、Kindle本やWebサイトの記事を読み上げてほしいときに便利です。
VoiceOverでの読み上げはページごとの読み上げとなるので、何も操作せずに続けて読みたいユーザー向けではありません。またiPhone自体の操作方法が大きく変化するので、操作に慣れる必要があります。
ここではiPhoneの設定アプリからVoiceOverを有効にしますが、iPhoneの操作性が一気に変わるので注意してください。
VoiceOverの設定方法


設定アプリを開き[アクセシビリティ]の項目をタップ。[VoiceOver]を選択します。


次に「VoiceOver」の項目を有効にすれば、設定は完了です。
変更すると今までの操作方法と変わり、項目を選択するには「1回タップ」、選択した項目の決定は「ダブルタップ」、スクロールは「3本指でスワイプ」というやり方になります。慣れるまでは操作に手こずるかもしれません。


読み上げ速度は、カメとウサギのマークが描かれたバーを調整して変更します。[読み上げ]を選択すると、次の画面で声の種類とピッチを変更できます。
VoiceOverの使い方

Kindle本を開くと読み上げスタート
KindleアプリでKindle本を開くと読み上げが始まります。
3本指で左にスワイプすると次のページをめくり、右にスワイプすると前のページに戻ります。 3本指でダブルタップすると読み上げが停止します。
AndroidスマホでKindleの読み上げをする方法
Android端末の読み上げコンテンツを使ってKindle本を読み上げる方法を紹介します。
方法1:「読み上げ」機能を使う
Android端末の「読み上げ」機能を使えば、Kindle本の文章を読み上げてくれます。
ページをまたぐ読み上げには対応していないのでフリーハンドでの通読には適しません。ただし、この読み上げ機能は操作性の面で優れているので、1ページごとに読み上げ開始の操作をおこなう手間をかけられる状況であれば使いみちがあります。
「読み上げ」機能の設定方法


「設定」アプリを開いて[ユーザー補助]をタップし、[選択して読み上げ]を選びます。



「選択して読み上げのショートカット」を有効にします。オンにしようとすると、確認画面が表示されるので[許可]を選択し、続けて[OK]を押してください。
「選択して読み上げのショートカット」がオン(有効)になっていて、右下にショートカットアイコンが表示されていれば設定完了です。
![[設定]をタップ](/sites/default/files/styles/portrait_lg_1/public/2022/12/15/r-kindle-read-aloud-function-33.jpg)


読み上げる音声の速度や音の高さは設定から変更が可能です。
[設定]ボタンを押して[テキスト読み上げの設定]を選択します。「テキスト読み上げ」の設定画面が表示されるので、バーを動かして聞き取りやすい速度や音の高さに設定しましょう。
「読み上げ」機能の使い方



「読み上げ」機能は、右下のショートカットアイコンでおこないます。
読み上げ機能を使う作品のページを開き、右下のショートカットアイコンをタップ。コントローラーが表示されるので再生ボタン[▶︎]を押すと音声が流れます。
方法2:「Talkback」を使う
「Talkback(トークバック)」は、Android OSが標準で備える読み上げ機能。iPhoneの「VoiceOver」と同様に目の不自由な人でも画面に表示された内容を音声で把握できます。
健常者がKindle本の読み上げ目的で利用する場合の注意点は、端末の操作性がガラリと変わることです。慣れていないユーザーが普段使いのスマホでTalkbackを使うと、Talkback機能をオフにすることにすら手間取るはず。Talkback機能を使うための読み上げ専用端末を用意することをおすすめします。
機種やOSバージョンによってはTalkbackを使えないこともあるので、「Android ユーザー補助設定ツール」をGoogle Playからインストールしておきましょう。
端末の設定で「Talkback」を有効にする



「設定」アプリを開き、[ユーザー補助]をタップ。ユーザー補助メニュー内の[TalkBack]を選択します。次の画面で「TalkBackを使用」をオンにすれば、TalkBackの使用が可能になります。



TalkBackの設定画面から読み上げる音声の速度や音の高さを変更できます。
[設定]をタップして[テキスト読み上げの設定]を選ぶと、次の画面で音声の速度や音の高さを設定できるようになります。

Talkbackの初回有効時は、チュートリアルがはじまります。
Talkbackを有効にすることで、スワイプやタップなど、端末の操作感が変わるので注意。必ずチュートリアルを最後までおこない、操作方法を覚えるようにしましょう。 チュートリアルが終了すれば、Talkbackが使えるようになるので、Kindle本を読み上げるための設定は完了です。
「Talkback」でKindle本を読み上げる
Talkbackを有効にしたら、Kindleアプリを起動。ライブラリから読み上げて欲しいKindle本をダブルタップして選択します。

右にスワイプしてダブルタップすると通し読みが開始され、ページ送りも自動でおこなってくれます。 読み上げを停止するには、緑枠に囲まれたページのどこかをタップしてください。
単一ページを読み上げるには、読み上げてもらいたいページの中心をタップ。読み上げが終わったら、2本指で右方向へスワイプしてページをめくり、次の画面でページのどこかをタップすると読み上げが再開します。

Talkbackを終了するには、端末の設定からTalkbackを無効にします。「TalkBackを使用」のスライダーバーをオフにし、[停止]を押せばOKです。
ほかにもGoogleアシスタントや音量ボタンの操作で、Talkbackのオン・オフを切り替えられます。
Alexa(アレクサ)アプリも読み上げに便利
AmazonのAIアシスタント「Alexa(アレクサ)」のアプリでも、Kindle本の読み上げができます。スマートスピーカー「Echo」といったAlexa対応端末を持っていなくても、iPhoneやAndroid端末のAlexaアプリでKindle本の読み上げが可能です。
今回はiOS版でセットアップやKindle本の読み上げをおこないますが、Android版でも操作はほぼ同様です。
Alexaアプリの設定(セットアップ)方法


Alexaアプリを起動したら、Amazonで利用しているメールアドレスとパスワードを入力し、[ログイン]をタップします。
利用規約の確認画面が表示されるので、[同意して続ける]をタップしてセットアップを進めていきましょう。

氏名表記を確認する

セットアップするデバイスを選択する
![プロフィールが作成されたら、[機能をセットアップ]をタップ](/sites/default/files/styles/portrait_lg_1/public/2022/12/15/r-kindle-read-aloud-function-42.jpg)
プロフィールが作成されたら、[機能をセットアップ]をタップ
セットアップするデバイスの選択や氏名確認、音声IDなどを設定できたらプロフィールが作成されます。このとき、ここで登録せず、[スキップ]をして次に進めてもかまいません。
プロフィールが作成されたら、[機能をセットアップ]をタップしてください。



続いて、連絡先へのアクセスや通知の許可、アプリを使う家族の設定をおこないます。設定が終わると登録情報完了のメッセージが出てくるので、[完了]をタップします。

アレクサアプリのホーム画面

天気情報が表示されたら、セットアップは完了
一通りの情報が登録できたら、ホーム画面が表示されます。音声に従って操作していくと、Alexaから今日の天気を尋ねるよう促されます。Alexaに向かって「アレクサ、今日の天気は?」と話しかけて音声が認識されたらセットアップは完了です。
AlexaアプリでKindle本を読み上げる
AlexaアプリでKindle本を読み上げるには、ユーザー補助機能を「オン」にする必要があります。



右下のメニューボタン
で[設定]を選択。[ユーザー補助]をタップし、次の画面でKindle読書補助機能を「オン」にしてください。
画面上のマークをタップするか「アレクサ」と話しかける

Alexaアプリの認識画面が表示される
Alexaアプリのホーム画面で、「アレクサ」と声をかけるか画面右下の青いマークをタップすると、Alexaの認識画面が表示されるので「◯◯(本のタイトル)を読んで」と話しかけてみましょう。 音声が認識されると、KindleのライブラリにあるKindle本を読み上げてくれます。
なおAlexaでの読み上げについても、マンガや雑誌といった一部のKindle本は対応していません。

「再生」タブから読み上げた作品を探せる

Alexaアプリで読み上げた作品をどこまで読んでいるかは、Kindleアプリにも共有される
本のタイトルが思い出せないときや、Alexaに話しかけられないときなどは、Alexaアプリの「再生」タブから探すことができます。「Kindleライブラリ」の項目から目的のKindle本を選択すると、読み上げがスタートします。
また、Kindleアプリを起動して読み上げていたKindle本を選択すると、最後に読み上げられていたページまで移動することができます。「移動しますか?」の表示に対して[はい]をタップしましょう。逆に、KindleアプリでKindle本を読んでいた場合、読んでいたページの冒頭から読み上げを開始してくれます。
読み上げの速さを変更したいときは?


読み上げ中の再生画面では30秒ずつ早送りと巻き戻しができます。
また、「アレクサ、読み上げ速度を早くして」「アレクサ、通常の速度で読んで」と話しかけると、読み上げ速度の調節も可能です。 読み上げを止める時は、Alexaアプリを終了するか、「アレクサ、読み上げ止めて」と話しかけてください。

「その他」タブから定型アクションを追加する

定型アクションの例
Alexaに話しかけられない状況でも、読み上げの速さを変更できます。
「その他」タブの[定型アクション]では、Alexaに実行してもらいたいアクションを文字で入力して登録ができます。
たとえば、読み上げ速度を早くしたり、遅くしたりなどを定型アクションに登録。Alexaに話しかけられない状況でも、読み上げ速度の変更ができて便利です。
- 読み上げ速度を下げる:(アレクサ)読み上げをゆっくり
- 読み上げ速度を上げる:(アレクサ)読み上げを早くして
- 読み上げ停止:(アレクサ)読むのを一時停止して
※「アレクサ」の部分は自動で入力されます。
Kindleの読み上げが止まるときの対処法
Kindle本を読み上げていると、ときどき途中で読み上げが止まってしまうことがあります。 読み上げ中のKindle本に挿絵が入っているときや端末の動作が重くなったときなど、考えられる原因はさまざまです。
読み上げが止まってしまうときには、以下の方法で改善することがあります。
手動でページをめくって再スタート

手動でページをめくって再スタート
読み上げが途中で止まったら、Kindleアプリのライブラリから再生中のKindle本のページを手動でめくってみてください。
Alexaアプリで読み上げが止まり、再開できなくなったときも、KindleアプリでページをめくってからAlexaアプリに戻って再生し直してみましょう。
声の種類を変更してみる(iPhone)



iPhoneの「読み上げコンテンツ」で読み上げが止まる時は、端末の設定アプリで声の種類を変えて読み上げを再開してみてください。
「読み上げコンテンツ」のメニュー内にある[声]をタップして[日本語]を選択すると、声の種類が変えられます。 「Otoya」などの追加ボイスは、90MB程度のダウンロードが必要となります。
アプリと端末を再起動

アプリを終了して再起動する

端末の電源を切って再起動する
端末の動作が重いと読み上げが停止することがあります。 まずは、iOS版のアプリを再起動あるいはAndroid版アプリを再起動してみてください。
iPhoneの再起動またはAndroidスマホの再起動で不具合が解消される可能性もあります。 端末を再起動する際は、他のアプリで未保存のデータなどがないか、アプリ一覧で起動しているアプリを確認してからおこなってください。
アプリと端末を最新版にアップデート

アプリを最新版にアップデート

端末を最新版にアップデート
AlexaアプリやKindleアプリ、iOS、Androidバージョンが最新版なのかも確認しておきましょう。 バージョンが古いままだと、不具合が発生しやすくなります。アプリやOSアップデートは大容量の通信が発生するため、Wi-Fi環境でおこなうことを推奨します。
AlexaアプリとKindleアプリのアップデートは、以下のボタンから各ストアでおこなえます。