オーディオブック おすすめアプリ厳選7本 その魅力と注意点
本の内容をプロのナレーターや声優が朗読してくれる「オーディオブック」が人気です。家事などで手が空いていないときや、移動中などのすきま時間に耳で聴くだけで書籍を楽しめるとあって、いま注目を集めています。
ジャンルはビジネス書から参考書、古典、童話、小説といった具合に多彩です。また、料金をはじめ配信の仕組みはさまざまで、どのオーディオブックサービスを選べばよいか迷ってしまうかもしれません。
本記事では、オーディオブックとはどんなものなのか、そのメリットや注意したい点を解説。そのうえで、おすすめのオーディオブックアプリ7本について特徴をまとめて紹介します。
耳で聴く本「オーディオブック」とは?
オーディオブックとは、書籍の内容を朗読した音声提供サービスです。どのような魅力で人気になっているのでしょうか、また利用するにあたって注意すべき点はあるのでしょうか。
オーディオブックのメリット
Image:Audible
会員数100万人を超えるオーディオブック国内大手のaudiobook.jpが公表した「オーディオブック白書2019」によれば、オーディオブックのいいところとして、(1) 時間を有効活用できる、(2) 読書する機会を増やせた、(3) 目が疲れない、などが挙げられています。
すきま時間の「ながら」読書が効率的
オーディオブックは、利用中も両手が自由になることが大きなメリット。本の内容を耳で聴けるため、ふだん集中して読書をする時間がとれない人も、日常のさまざまなシーンで「ながら読書」ができます。
出典:オーディオブック白書 2019(audiobook.jp)
前述のオーディオブック白書では、よくオーディオブックを聴くシーンを利用者に尋ねています。それを見ると、スキマ時間を生かしたながら読書がほとんどを占めているのが一目瞭然です。
- 家事をしながら:掃除や洗濯、料理で両手が塞がっていても、耳は空いています。いつもの家事の時間に効率よく本の内容を聴くことができます。
- 通勤・通学など移動中に:最も多い利用シーンかもしれません。慣れてくれば、朗読のスピードを倍速再生してさらなる効率アップをはかることも可能。
- 運動中に:ランニングやトレーニング中に聴いていた音楽をオーディオブックに変えてみるのもいいでしょう。自己啓発本やビジネス書を聴けば、身体と同時に頭のトレーニングにも。
- おやすみ前に:夜寝るときに、オーディオブックを聴くのもおすすめ。本をめくる必要がないので、童話や小説などをプロの語り口で聴きながら、自然と眠りにつけます。
読書のハードルが下がる
ながら読書とも関連するところですが、「読書する機会が増やせる」というメリットも見逃せません。これは、オーディオブックだと「読書のハードルが下がる」ということも意味しています。
活字を読むのが苦手だったり、集中力が続かなかったりする人も、オーディオブックなら気軽に聴けます。好きなナレーターや声優、タレントが朗読している作品があれば、さらに楽しめるはず。物語調で進む本や会話形式が多い本などは、文字で読むよりも格段に理解しやすく感じられ、オーディオブックとの相性も抜群です。
また、普段スマホやPC漬けで目が疲れてがちな人、年齢を重ねて文字を読むのがしんどい人にも、耳だけで楽しめるオーディオブックはおすすめです。実際、オーディオブック利用後に読書量が増加する傾向がみられており、オーディオブックで読書が身近になったユーザーも多いようです。
出典:オーディオブック白書 2019(audiobook.jp)
マルチデバイスで聴ける
オーディオブックは、スマホやタブレット、パソコンなどマルチデバイスで利用できるので、いつでもどこでも楽しめます。
スマートスピーカーに対応するサービスもあり、たとえばAudibleではダウンロードしたコンテンツをAmazon EchoシリーズなどのAlexa対応端末に、「アレクサ、(コンテンツのタイトル)読んで」と呼びかけるだけでオーディオブックを聴くことができます。
オーディオブックの注意点
オーディオブックの魅力を紹介してきましたが、万能なサービスではありません。デメリットを挙げるとすれば、品揃えがまだまだ少なく、新作や単品購入では高額なケースもあるという点でしょう。
当然ながら、すべての書籍がオーディオブック化されているわけではなく、話題の本やベストセラーがその中心となっています。マニアックなジャンルや、写真・図解などが多いようなビジュアル重視の本はラインナップが少ないのが現状です。
左:audiobook.jpの聴き放題プラン右:Audibleの有料会員プラン
オーディオブックの単品価格は、一般書籍と同じかそれ以上と高額になりがちな傾向にあります。数冊程度を買うなら単品購入でもかまいませんが、たくさん利用したいなら聴き放題や定額プランなどの月額会員に登録したほうがお得なケースが多くなっています。
オーディオブック おすすめアプリ鉄板7選
おすすめのオーディオブックサービス(アプリ)を7つ紹介します。まずは、各アプリの配信コンテンツの特徴や料金などを一覧表でまとめました。
サービス名 | 料金 | 作品数 | 主なジャンル |
---|---|---|---|
audiobook.jp |
|
2万7000冊以上 | ビジネス書、参考書、教養、実用書、ラノベ、文芸、講演会 |
Audible | 月額1500円(税込) | 40万冊以上 | ビジネス書、古典、絵本、童話、小説、ラノベ、学習、瞑想、ラジオ |
Audiobooks HQ | アプリダウンロード時に250円(税込) | 1万3000冊以上 | 古典、童話、小説、ラジオ |
himalaya | 基本無料、himalayaプレミアムは月額750円(税込) | 2万6000冊以上 | ビジネス書、古典、絵本、童話、小説、ラノベ、学習、ラジオ |
Kikubon | 基本無料、プレミアム会員は月額550円~2万2000円(税込) | 300冊以上 | 小説、絵本、童話、ラノベ、ラジオ |
Google Playブックス | 作品を都度購入(作品ごとに価格は異なる) | 非公開 | 小説、ラノベ、児童書、古典 |
Apple Books | 作品を都度購入(作品ごとに価格は異なる) | 非公開 | 自己啓発、ビジネス書、小説、児童書、古典 |
それぞれ聴ける作品のジャンルや機能に特徴があるため、聴きたいコンテンツがあるかどうか、どのような目的で利用したいのか、によって選ぶのがおすすめです。
料金プランもサービスにより違いがあります。たとえば、Audibleは月額1500円で毎月付与されるコインを使って1つのオーディオブックを購入するスタイル。1500円を超えるコンテンツでも、1コインで引き換えできるのがよいところ。一方、audiobook.jpは月額750円の聴き放題プランに加え、定額での購入プランも用意されています。
また、いわゆる電子書籍ストアでも、オーディオブックを取り扱うサービスが増えてきました。本記事では、その代表格として「Google Play ブックス」と「Apple Books」を紹介しています。
【audiobook.jp】日本語コンテンツ数は随一、聴き放題も充実の老舗サービス
オトバンクが展開する「audiobook.jp」は、声優やナレーターが本を読み上げてくれる“聴く本”、いわゆるオーディオブックアプリの定番です。前身は2007年から運営のオーディブック配信サービス老舗「FeBe」で、2018年3月に「audiobook.jp」にリニューアルされています。
日本最大のオーディオブック配信サービスを謳っており、月額制の聴き放題コンテンツは約1万点。単品購入作品を含めると、2万7000点以上のラインナップです。日本語オーディオブックの品揃えは随一でしょう。
- 約1万点の作品が聴き放題、選べる月額プラン
- ビジネス書を中心に聴きたい作品がすぐ見つかるホーム画面と検索機能
- 大きなボタンで使いやすい再生画面、レジューム機能やバックグラウンド再生、オフライン再生にも対応
- 主なジャンル:ビジネス書、参考書、教養、実用書、ラノベ、文芸、講演会
- 料金:読み放題月額プラン750円(税込、読み放題対象外作品あり)、お買い物ポイント付与の月額プラン330円~3万3000円(税込)
左:アプリのホーム画面中:検索画面右:再生画面
読み放題のプランは月額750円(税込)で、初月の1カ月は無料体験期間。そのほか、お買い物ポイントが毎月付与される330円~3万3000円(税込)の月額プランもあります。
ホーム画面ではおすすめ特集や最新作、聴き放題人気ランキングなどを表示。検索機能では作品名や著者だけでなく、ナレーター名を入力して検索したり人気作品順にソートして検索したり、さまざまな切り口から検索できます。

【Audible】購入タイトルの返品交換もOK、Amazonが展開する定番アプリ
「Audible(オーディブル)」は、Amazonが提供するオーディオブックアプリです。
40万タイトル以上を配信しており、ベストセラー小説やビジネス書、瞑想といったヒーリングコンテンツまで充実のラインナップ。プロの声優やナレーターによる朗読で、クオリティの高いオーディオブックが楽しめます。
オーディオブック比較「Amazon Audible」と「audiobook.jp」どっちを選ぶべき?
- 40万タイトル以上のオーディオブックが楽しめるアプリ
- 返品と交換OK、納得できる1冊を見つけることができる
- さまざまなデバイスに対応、どこにいても続きから聴くことができる
- 主なジャンル:ビジネス書、古典、絵本、童話、小説、ラノベ、学習、瞑想、ラジオ
- 料金:月額1500円(税込)
左:アプリのホーム画面中:再生画面右:購入したタイトルの返品も可能
毎月付与されるコインを使ってオーディオブックを購入する仕組みで、月額料金は1500円(税込)。初回のみ30日間無料で試すことができます。毎月付与される1コインでオーディオブックを1冊購入でき、2作品目以降は30%オフでの購入が可能です。
各タイトルには5分程度の試聴サンプルが用意されています。購入後でも返品が可能で、オーディオブックを返品した際は購入に使ったコインが戻ってきます。そのコインを使って新たに別のオーディオブックを購入するという仕組みです。
聴き放題サービスではないので、毎月1冊だけと考えるとコンテンツ選びが慎重になってしまうかもしれません。しかし返品制度が整っていることで、自分にとって納得ができる1冊をじっくり見つけられるでしょう。
【Audiobooks HQ】世界中のオーディオブックが聴き放題、英語の勉強もできる
米国企業のInkstone Softwareが提供する「Audiobooks HQ」は、日本の古典や洋書を朗読してくれるiOS向けオーディオブックアプリです。250円(税込)の有料アプリとなっており、アプリを一度ダウンロードすると対象作品が聴き放題になります。
- 1万3000点以上、世界中のオーディオブックが聴き放題
- 直感的に使えるシンプルな再生画面
- 世界中のラジオで歴史を学び、英語のリスニング向上もできる
- 主なジャンル:古典、童話、小説、ラジオ
- 料金:アプリダウンロード時に250円(税込)
左:ホーム画面中:再生画面右:英語のオーディオブックやラジオが多く、語学学習にも役立つ
パブリックドメイン化された作品を中心に、1万3000点以上のオーディオブックや海外ラジオのアーカイブを聴くことができます。配信されている作品は和書よりも洋書が多く、ラジオも海外のアーカイブだけです。
聴けるラジオは8万点以上で、1930年代~1960年代が中心。「あの時、世界で何が起きていたのか」といった歴史の貴重な一部分に触れることができるでしょう。オーディオブックやラジオで倍速機能を駆使することで、英語のリスニング向上にも役立ちそうです。

【himalaya】国内外の豊富なコンテンツが魅力、ニュースやラジオも聴ける
シマラヤジャパンが提供する「himalaya(ヒマラヤ)」は、中国で月間1億2000万以上のアクティブユーザー数を誇る巨大音声プラットフォーム「喜馬拉雅(シマラヤ)FM」の日本版サービス。オーディオブックやラジオといった豊富な音声コンテンツを楽しめるアプリとなっています。
- ビジネス書や絵本まで家族で楽しめるコンテンツが豊富なアプリ
- ユーザーに合ったおすすめコンテンツをアプリが提案、さまざまな切り口で探せる検索機能
- コンテンツをダウンロードするとオフライン再生対応、シンプルで使いやすい再生画面
- 主なジャンル:ビジネス書、古典、絵本、童話、小説、ラノベ、学習、ラジオ
- 料金:基本無料、himalayaプレミアムは月額750円(税込)
左:ホーム画面中:再生画面右:ニュースや絵本などさまざまなジャンルがある
ホーム画面には、おすすめのオーディオブックやラジオなどのコンテンツを表示。オーディオブック以外にも、その日のニュースを聴ける音声ニュースや海外のラジオなど豊富なコンテンツが用意されています。
誰でも音声コンテンツを配信できるというアプリの特性上、プロの声優による朗読もあれば、オーディオブックを配信する著者自身が朗読していたりと、品質にはムラがある印象。とはいえ、他アプリにはないオリジナルコンテンツに出会えるのがhimalayaの大きな魅力といえます。
【Kikubon】SFやミステリーが充実、自分に合った料金プランが選べる
声優の“声”と“演技”で朗読を楽めるオーディオブック配信サービス「Kikubon(キクボン)」。ここで購入したコンテンツを聴けるダウンロードして聴けるアプリが「KikubonPlayer」です。配信中のオーディオブックは300作品以上。SFやミステリー、ファンタジー小説、ラノベを中心に、無料のオーディオブックも提供されています。
- SFやミステリー、ファンタジー作品が充実のオーディオブックサービス
- 購入頻度や使い方に合わせて選べる会員制度
- フリーワードやカテゴリなど、さまざまな切り口で検索ができる
- 主なジャンル:小説、絵本、童話、ラノベ、ラジオ
- 料金:基本無料、プレミアム会員は月額550円~2万2000円(税込)
左:作品の購入はWebサイトを利用する中:再生画面右:カテゴリ検索画面。SFやミステリーなどが中心の印象
オーディオブックの購入や検索は、WebブラウザでKikubonのサイト(下記リンク先)を利用する必要があります。購入したオーディオブックは、Webプレイヤーを使ってその場で聴くことが可能。アプリにオーディオブックをダウンロードすると、オフライン状況でも聴けます。
月額のプレミアム会員に登録すると、オーディオブックの購入に使えるボーナスポイント付与など、さまざまな特典を受けることができます。
プレミアム会員は月額550円~2万2000円(税込)まで幅広く料金コースを用意。継続してオーディオブックを購入するなら、プレミアム会員の登録を検討してもよさそうです。もちろん、無料会員のまま欲しいオーディオブックだけを単品購入することもできます。
【Google Playブックス】オーディオブックも提供するGoogleの電子書籍ストア
Googleが提供している「Google Play ブックス」はiPhoneでもAndroidスマホでも利用できる電子書籍サービスです。Googleアカウントがあれば誰でも利用できます。SF・ファンタジーやラノベ、ビジネス書、児童書などのジャンルが中心の印象です。
- Googleアカウントがあれば誰でも利用可能
- 購入した作品は複数のデバイスで再生できる
- 聴くのを途中で止めても「しおり機能」で続きから聴ける
- 主なジャンル:小説、ラノベ、児童書、古典
- 料金:作品を都度購入(作品ごとに価格は異なる)
左:Google Play ブックス(Webサイト)のトップページ中:Google Play ブックス(Webサイト)の購入画面右:アプリの再生画面
月額制プランではなく、作品ごとに購入します。作品の購入は、アプリではなくGoogle Play ブックスのWebサイトからおこないます。Webサイトで購入した作品は、同じGoogleアカウントでログインしたGoogle Play ブックスアプリで聴くことができます。購入した作品を複数のデバイスで聴けるのも特徴です。
Google Play ブックスのWebサイトでは[音声ブック]タブからオーディオブックの作品を検索します。セール情報やランキングに加え、「英語学習に役立つ」「子どもと楽しむ」「読み聞かせ、就寝前に」といった特集も充実しています。
アプリの再生画面では、0.5倍速から3倍速まで変更可能。語学学習関連のオーディオブックを聴く際に役立ちそうです。聴くのを途中で止めるときは、しおり機能を使えばいつでも続きから聴くことができます。
iOS版アプリ(バージョン 5.4.0)で検証し、レビューしています。
【Apple Books】ビジネス系のオーディオブックに強み、iPhoneユーザー向け電子書籍アプリ
iPhone購入時にプリインストールされている電子書籍アプリ「Apple Books」(アイコンの表示名は「ブック」)。新書やマンガといった電子書籍はもちろん、オーディオブックも配信されています。自己啓発やビジネス系の作品を中心に、フィクション・小説、ラノベ、児童書、古典など幅広い作品が揃っています。
- iPhone購入時にプリインストールされている
- 電子書籍がメインのサービスながら、自己啓発やビジネス書を中心に幅広いジャンルを取り揃えている
- ギフト機能を使えば購入した作品を友だちにプレゼントできる
- 主なジャンル:自己啓発、ビジネス書、小説、児童書、古典
- 料金:作品を都度購入(作品ごとに価格は異なる)
左:オーディオブックのトップ画面中:ギフト機能で友だちにプレゼントできる右:再生画面
月額制プランではなく、作品ごとに購入します。オーディオブックの作品を購入するには[ブックストア]タブを開いて[セクションを見つける]→[オーディオブック]と進むと検索できます。「ランキング」や「エディターのおすすめ」「500円以下のベストセラー」「ジャンル」などから聴きたい作品を探すのがいいでしょう。
また、ギフト機能を利用すれば作品を友だちにプレゼントすることも可能です。購入画面でギフトボタンをタップし、相手の名前やメールアドレスを入力して送信すると、購入した作品をそのままプレゼントできます。
購入した作品は[ライブラリ]タブから再生します。再生画面では15秒ごとの早送り/巻き戻しに加えて読み上げ倍速の変更、所定の時間で再生を停止するスリープタイマーもあり、操作性の高いUIとなっています。