Androidスマホを最新バージョンにアップデートする方法
不定期に提供される、Androidスマートフォンやタブレットへの「アップデート(バージョンアップ)」。スマホに通知が届いたのでなんとなく従っている、あるいはよくわからず放置している、という人も少なくないはず。
そこで本記事では、Androidスマホのアップデートをおこなうメリットや注意点、事前バックアップなどの準備、アップデート手順などについて、初級ユーザー向けにわかりやすく解説します。
Androidスマホにおけるアップデートとは?
ここでは、「アップデート」についての基本知識やメリット・デメリットを解説します。アップデートを実行する前に、どのような影響があるのかを知っておくと安心です。
OSバージョンアップとソフトウェア更新の2種類ある
Android端末のアップデートとは、新機能の追加や操作性の向上などを目的に端末のシステムを更新することを指します。アップデートの提供には大きく、「OSバージョンアップ」と「ソフトウェア/セキュリティ更新」の2種類があります。
OSバージョンアップ
OSバージョンアップは、新機能追加やデザイン変更などを伴うメジャーアップデートです。
たとえばWindows 7がWindows 10になる、といったように見た目も中身も大きく進化します。今主流になっているのは、Android 9→Android 10のバージョンアップです。

ソフトウェア/セキュリティ更新
Android 10のセキュリティアップデート
ソフトウェア/セキュリティ更新は、既存の不具合やセキュリティ上の欠陥(脆弱性)などを修正し、機能・操作・安全性の向上をはかる小規模なアップデートが該当します。
これらは、基本的に最新のOSバージョンにアップデートされた端末を対象に提供されます。
配信のタイミングは機種・キャリアによって異なる
アップデートの配信は、Androidスマホで一斉に同じ日におこなわれるわけではありません。
特にOSアップデートは、端末メーカー(機種)、携帯キャリアによって、配信日がまちまち。たとえば同じXperiaの機種でも、ドコモとソフトバンクでは別の配信スケジュールになります。
アップデートが配信されると、スマホのロック画面や通知領域、ステータスバーなどで知らせてくれるので、ユーザー側がスケジュールを気にする必要はありません。
もし自身の端末のアップデート予定が気になる人は、携帯キャリア、もしくはメーカーのサイトで確認できるのでチェックしてみてください。
ソフトバンク/ソフトウェアアップデート情報
NTTドコモ/ソフトウェアアップデート情報
au/ソフトウェアアップデート情報
新機能の追加やセキュリティの向上などのメリットがある
アップデートをおこなうと、最新機能の追加をはじめ、消費電力の削減や使い勝手の向上など様々な恩恵が受けられます。
- 新機能の追加
- 既存機能の向上
- 操作性のアップ
- セキュリティの向上
- 端末の不具合の修正
- 最新アプリが使える
なかでも重要なのが、最新のセキュリティ更新パッチを受けられる点。
マルウェアはスマホに潜在する脆弱性を悪用し、個人情報を盗むなどの犯罪をおこなうため、アップデートで脆弱性が修正されることでセキュリティリスクを軽減できます。
一部の機能やアプリが使えなくなる可能性がある
セキュリティ面からみても、原則バージョンアップはするべきなのですが、場合によっては次のようなデメリットが考えられます。
- 特定の機能が削除される場合がある
- 設定が削除(初期化)される場合がある
- 特定のアプリが使えなくなる場合がある
アップデートでは、機能が追加されるだけでなく、特定の機能や設定が削除されることがあります。また、古いアプリでめったに更新されないものだと、最新OSに対応できず正常に動かなくなってしまうケースも。
とはいえ、メリットとデメリットを比較すると、基本的にはアップデートをおこなうメリットのほうが大きいといえます。特定の機能やアプリについての強いこだわりがある場合はともかく、アップデートはその都度おこないたいものです。
各キャリアやメーカーのサイトから詳しいアップデート内容と削除項目を確認できるので、気になる場合は事前にチェックするとよいでしょう。
アップデートにおける事前準備と注意点
端末をアップデートする前に確認しておきたいのが、通信環境・バッテリー残量・バックアップの3点です。
外出や急ぎの返信・連絡は済ませておく
アップデートがおこなわれる数十分の間、スマホは一切使えなくなります。110番、119番、118番への電話も含め、すべての操作ができません。
外出中や連絡待ちなど「今スマホが使えなくなると困る」といった状況のときにアップデートをおこなうのは、避けたほうがいいでしょう。
安定した通信環境(Wi-Fi)に接続する
アップデート時にダウンロードするファイルサイズはそれなりに大きいため、なるべく自宅などの安定したWi-Fiに接続した状態でアップデートを実行してください。
アップデート中に通信が途切れると、アップデートが失敗したり、初めからやり直しになってしまったりする可能性があります。

電池(バッテリー)残量を確認しておく
内容や通信速度にもよりますが、アップデートにはおよそ数十分以上かかります。
途中で電源が切れると、アップデートが上手くいかないばかりか、データが失われてしまう可能性も。バッテリー残量が70%以上あるのが理想ですが、できればアップデートが完了するまで充電した状態にしておきましょう。
ストレージの空き容量を確保する
左:「設定」アプリ→「ストレージ」や「デバイスケア」を選択右:ストレージの空き容量を確認できる
アップデートでは、数GBのファイルを端末にダウンロードすることになります。容量が不足しがちな人は、事前に空き容量をチェックしておきましょう。
端末のストレージ容量が不足した状態では、更新プログラムがダウンロードできなかったり、動作に支障をきたしたりする場合があります。
念のためバックアップをとっておく
通信環境や電池残量などに問題なければ、通常はアップデートによってデータが失われることはありません。
しかし、端末の状況によっては、データが消える可能性があるのも確かです。万が一に備えて、以下の記事を参考にデータのバックアップをとってくと安心でしょう。

Androidスマホをアップデートする手順
Androidスマホをアップデートする方法を手順を追って紹介します。
なお、本記事では「AQUOS sense plus」をAndroid 9から10にアップデートするケースを例に解説します。手持ちの機種に該当しない場合でも、操作手順は似ていることが多いため参考にしてください。
1. 端末の「設定」からアップデート画面に移動
スマホの「設定」アプリを開いて、[システム]もしくは[ソフトウェア更新]をタップ。
続く画面で[システムアップデート]や[ソフトウェアアップデート]の項目をチェックし、「アップデートを利用できます」と記載されていたらタップして進みましょう。
ちなみに、スマホのロック画面や通知領域のアップデート通知からも移動できます。
2. 更新用データのダウンロードをする
「システムアップデート利用可能」の画面が出てきます。事前準備が済んでいるなら、ここで[ダウンロード]をタップし、更新用データを端末にダウンロードしてください。
ダウンロードが完了すると[今すぐ再起動]ボタンが表示されるので、タップして再起動しましょう。
3. ソフトウェアの更新(アップデート)をおこなう
端末によっては、更新用データのダウンロード・再起動後に改めて「アップデートを利用できます」といった画面が表示されます。再び[ダウンロード]→[今すぐ再起動]に順にタップします。
端末が再起動すると、同時に自動でシステムアップデートが開始(インストール)されます。この間、スマホは一切操作できません。
アップデートが完了すると、もう一度端末が再起動します。
その後、アップデート完了を知らせる画面や新しいOSのチュートリアルを確認すれば作業は終了です。
Androidのアップデートはスマホからおこなうのが基本ですが、機種によってはパソコン経由でのアップデートも可能です。
PCでのバージョンアップは、各機種のソフトウェアインストールパージから専用ツールをインストールし、パソコンとスマホを付属のmicroUSBで接続しておこないます。これなら、通信環境や電池残量の心配はありません。
ソニーモバイルによるXperia向けの「Xperia Companion」や、サムスンによるGalaxy向けの「Smart Switch PC」などが代表的で、スマホ本体によるアップデートに失敗した場合に修復をはかったり、データのバックアップしたりすることもできます。
検証端末:AQUOS sense plus(Android 9→10)、Galaxy A20(Android 9→10)