iPhoneとAndroidスマホ、果たしてどっちがおすすめ? 価格・機能・性能・周辺機器・サポートなどで比較
日本では、iPhoneに圧倒的な人気があります。シェアは4割ほどと言われますが、長く使う人が多いため見かける割合はさらに高いでしょう。なかには2台持ちをしている人もいるので、利用者の割合は4割を超えていると推測できます。
ところが、2019年10月よりスマホの本体代金と通信料金が分離され、価格の高いiPhoneはやや買いづらくなりました。そこで今回は、iPhoneとAndroidスマートフォンを比較して、どちらがおすすめなのかを考えてみたいと思います。
ユーザーによって重きを置く部分が異なりますので、どちらを選ぶかの判断は異なってくるでしょう。多くの項目で比較していますが、選択のためのヒントになれば幸いです。
機種の種類・価格で比較
機種のバリエーションやスマホの本体価格について、iPhoneとAndroidスマホを比較します。
ブランド力はiPhoneがダントツに高い
「どんなスマホを使っていますか?」と訊かれて、iPhoneと答えると、多くの人が理解してくれます。また、「どの機種ですか?」とさらに問われることもあるでしょう。
ところが、Androidスマホでは製品名を言っても理解してもらえないことがよくあります。「Galaxy S10」「AQUOS sense 2」といった人気モデルでさえ、その形を頭に思い浮かべられる人は少ないのです。
製品としてのブランド力はiPhoneがダントツといえるでしょう。しかも、iPhoneは型番でだいたいの世代が把握できるので、わかりやすいのです。
機種数はAndroidスマホが圧倒的
そもそもiPhoneとAndroidスマートフォンの違いは、基本ソフトと言われる「OS」の違いです。iPhoneにはiOSが採用されており、Appleだけが搭載したスマホ(iPhone)を販売しています。
対して、AndroidはオープンなOSなので、数え切れないほど多くのメーカーが搭載するスマホ(Androidスマートフォン)を販売しています。
これは、MacとWindowsの構図とほぼ同じです。機種数は圧倒的にAndroidのほうが多く、幅広いラインアップから選びたいならAndroidスマホが有利です。
iPhoneは高価格モデルが中心
現在、アップルストアで購入できる最も安価なiPhoneは「iPhone 8」で、5万2800円から。最低価格の製品で5万円以上と考えていいでしょう。ところが、Androidスマホは1万円程度の製品もあり、2〜3万円のモデルにも人気商品があります。価格のバリエーションもAndroidスマホのほうが幅広いわけです。
しかも、iPhoneの安価な製品は多くが世代が古いものになります。新製品はiPhone 11(7万4800円から)となっており、さらに高価です。安価な新製品が選べるのが、Androidスマホの優位点です。
UQモバイルでは3万円台前半の「Galaxy A30」
買い取りや下取りはiPhoneが有利
iPhoneは買い取りや下取りで有利です。そもそもの価格が高い上に長い期間販売されるので、「現役」の時間も長くなります。たとえば、iPhone 8は今でも新品が販売されています。そのため中古での売り買いも活発です。
iPhone 7やiPhone 6sあたりを使っているユーザーも少なくないので、中古での売り買いも盛んです。新モデルを購入すると1〜2年後の買い取り価格は、Androidスマホに比べてかなり有利になるでしょう。
たとえば、ある店舗での買い取り保証価格は、AQUOS R2(ドコモ版)で1万700円です。対して、iPhone 8(256GB)は2万3600円、iPhone 7(128GB)でさえ1万900円です。

Androidは製品のバリエーションが豊富
Androidスマホにはシニア向けのモデル、ゲーミングスマホなど多くのカスタマイズ製品があります。しかし、iPhoneにはそういったバリエーションはありません。
機能・性能で比較
機能や性能、先進性といった面でiPhoneとAndroidスマホを比べてみます。
先進性はAndroidのほうが優れている
最近では、目を引く先進的な機能の多くがAndroidスマホに採用されています。ディスプレイ内蔵の指紋センサーや光学5倍ズームのカメラなども、Androidスマホがいち早く採用しました。
さらにAndroidには、折りたたみのGalaxy Foldも登場しました。湾曲したディスプレイのモデルやフロントカメラを本体に内蔵し、全面をディスプレイにしたモデルもラインナップされています。湾曲したディスプレイやフロントカメラを本体に内蔵し、ディスプレイを前面にしたモデルもAndroidにはラインアップされています。
逆に、iPhone独自のハードウェアは、A13などの独自チップ、Lightning端子など、多くありません。
そもそも製造メーカーが多いAndroidスマホは、先進的な機能をどんどん搭載するメーカーが多いのです。全体的に比較すれば、Androidのほうが先進的と言えるでしょう。
Androidスマートフォンは多くのモデルがディスプレイ内蔵の指紋センサーを採用する
フリップカメラを採用するZenFone 6
Androidスマホのほうが機能も幅広い
先進的ではないもののあると便利な機能も、Androidスマホのほうがバリエーションに富んでいます。たとえば、ワンセグ・フルセグのテレビを視聴できる機種はiPhoneにはありません。
さらに、Androidスマホは多くのモデルがmicroSDカードによるストレージの増設に対応しています。USB-C端子を搭載しているモデルは多く、外付けのストレージも使いやすくなっています。
Androidスマホには、画面が割れない設計を特徴としている製品や、極端に大きなモデル、逆に小さなモデルもあります。また、高性能ながら軽さをウリにしているAQUOS zero 2のようなモデルも登場しています。
性能はiPhoneが一段高い
ハイエンドモデルを比較すると、処理性能はiPhoneが少し勝っています。OSが違うので一概に比べるのは難しいのですが、常に最新のチップはiPhoneのほうが高速です。
AnTuTuベンチマークの値も、iPhoneのほうに軍配が上がります。ただし、Androidスマホには水冷などで処理が落ちない工夫をしたゲーミングモデルなどもあり、用途による性能はiPhoneをしのいでいるケースもあります。
iPhone 11 Proの搭載するA13 Bionicの性能は素晴らしい
Galaxy S10はSnapdragon 855を搭載するが、iPhoneには及ばない
OS・アプリで比較
採用するOSやアプリへの対応について、iPhoneとAndroidスマホの違いをみていきましょう。
OSの違い
iPhoneとAndroidスマホ、それぞれに搭載されたOSには違いがかなりあります。そもそもAndroidはメーカーがカスタマイズしているので、機種によって機能がだいぶ違い、操作性さえ異なります。
iOSはiPhoneだけが採用するので、統一感があります。製品を買い換えた際に迷わず使えるのはiPhoneのほうです。iOSとAndroidでは、機能にもいろいろな違いがあります。たとえば、Androidは複数アカウントでログインできますが、iOSはできません。
ただしOSは、慣れているほうが使いやすいと感じるので、良し悪しを決めるのには向きません。


アプリの対応はiPhoneが魅力的
iPhoneは機種が限られるので、アプリの対応も明確でわかりやすくなっています。ゲームなどのアプリ開発者に話を聞くと「Androidは機種が多すぎて対応が難しい」という声が大多数です。機種が古くなるとアプリが動かなかったり、そもそも非対応で使えないというケースもあります。
またiPhoneには、NumbersやiMovieなどアップル製の魅力的なアプリがプリインストールされています。AndroidにはGoogle製のGoogleマップやカレンダーなどのアプリがインストールされていますが、こちらはiPhoneでも使えます。
Googleが太っ腹なわけですが、アプリの対応という観点から見ると、iPhoneのほうが優れていると言えそうです。
iPhoneにはアップル製の魅力的な無料アプリがインストールされている。画面は表計算の「Numbers」
ゲームやアプリの課金はiPhone有利
ゲームやアプリの課金は、頻繁にiTunesカードの割引販売がされているiPhoneのほうが有利だと考えられます。

周辺機器・アクセサリーで比較
周辺機器やアクセサリー、充電機器への対応などでiPhoneとAndroidスマホを比較します。
周辺機器はiPhoneに魅力がある
iPhoneにはAir PodsやApple Watchなど、アップル製の周辺機器が数多く揃っています。また、MacやiPadとの相性の良さも見逃せません。対して、Androidスマホのメーカーでここまで魅力的な製品を揃えているところは見当たりません。
Apple WatchはiPhoneがないと利用できず、Air PodsはAndroidスマホでも使えますが、ペアリングのしやすさはiPhoneが大きく上回ります。
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たとえば、スマホ用のジンバルやプリンターなど、市販の周辺機器の多くがiPhoneの対応を明確にうたっています。ところが、Androidスマホは機種が非常に多いために、細かな対応は不明だったり明記されていなかったりするケースが少なくありません。
なおGalaxy Budsは、公式にはiPhoneへの対応はうたっていません。GalaxyシリーズとAndroidスマホにのみ対応となっていますが、こういった製品は数が多くありません。
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アクセサリーはiPhone用が多い
家電量販店の店頭に出向くと、ケースやフィルムなど多くのアクセサリーが並んでいますが、その量は圧倒的にiPhoneが多くなっています。選択肢が多いという意味ではiPhoneの圧勝です。
充電機器の対応はAndroidスマホ有利
iPhoneは独自のLightningコネクターを採用しているために、ケーブルも専用品が必要になります。Androidスマホは、汎用性の高いUSB-Cコネクターを採用する製品が増えており、ケーブルの使い回しが効きます。この点は、間違いなくAndroidスマホのほうが便利です。
また、iPhoneは18Wの急速充電に対応しますが、Androidスマホは機種によって40Wの急速充電ができるものもあります。さらに、5000mAhを超える大容量バッテリーを内蔵するモデルもあります。
ワイヤレス充電はiPhoneでも多くの機種が対応している一方、Androidスマホは機種によって異なります。
iPhoneも環境が整えば18Wの急速充電が可能
サポート・修理で比較
サポート面や修理のしやすさでPhoneとAndroidスマホを比べると、iPhoneが有利といえそうです。
長く使えるのはiPhone
数世代前のiPhoneを使っている人は非常に多いのですが、Androidスマホはさほど多くないように見受けられます。iPhoneはOSの対応が長く、古くなっても最新の機能が利用できるからかもしれません。
最新のiOS 13は、iPhone SEとiPhone 6s以降に対応しています。iPhone 6sは2015年の秋に発売されていますから、およそ4年前のモデルです。間違いなくあと1年は最新OSで利用できるため、都合5年間は最新の状態で使えるわけです。
Androidスマホは、OSのアップデートがあってもせいぜい1〜2回。つまり、2〜3年ほど最新の状態で使えれば御の字なのです。
最新のiOS 13.1。iPhoneは機種のバリエーションが限られる分、OSの対応期間が長い
修理はiPhoneが圧倒的にしやすい
修理のしやすさは、圧倒的にiPhoneが勝っています。全国各地のアップルストアで即日修理ができるほか、多くの街に修理店があり、ディスプレイのガラスやバッテリーを交換できます。
古いモデルは修理業者に持ち込むと安い部品を使うため安価な修理ができます。アップルの修理対応はできなくなる可能性はありますが、少しでも安く使いたいならこんな工夫も可能です。
iPhoneの修理、非正規店ならどこでする? 修理店選びの最新事情
ところが、Androidスマホの修理に対応している業者はほとんどありません。多くが携帯キャリアに持ち込んで日数を掛けて修理することになります。SIMフリーのモデルは、メーカーに送って直すケースがほとんどで、こちらも日数が掛かります。
iCrackedによる修理の様子
まとめ
以上、多数のポイントでiPhoneとAndroidスマホを比較してみました。トータルでどちらが良いかは、皆さんが重要視するポイントで考えてください。「iPhoneとAndroidがほとんど変わらなくなった」と言われることもありますが、こうして考えるとまだ大きく違う点も少なくないようです。
本記事のテーマに関連して、iPhoneとAndroidスマホの比較を下記動画でもまとめています。ぜひご覧ください。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部