日本では、iPhoneに圧倒的な人気があります。シェアは4割ほどと言われますが、長く使う人が多いため見かける割合はさらに高いでしょう。なかには2台持ちをしている人もいるので、利用者は4割を超えていると推測できます。
一時は「高価な製品」という印象のあったiPhoneですが、最近は手ごろな価格で手に入るiPhone SE(第二世代)などがラインアップされています。とはいえ、Androidスマートフォンも中級機種やコスパに優れる製品が増えています。
そこで今回は、iPhoneとAndroidスマートフォンを比較して、どちらがおすすめなのかを考えてみたいと思います。ユーザーによって重きを置く部分が異なりますので、どちらを選ぶかの判断は異なってくるでしょう。多くの項目で比較していますが、選択のためのヒントになれば幸いです。
機種の種類・価格で比較
機種のバリエーションやスマホの本体価格について、iPhoneとAndroidスマホを比較します。
ブランド力はiPhoneがダントツに高い
「どんなスマホを使っていますか?」と訊かれて、iPhoneと答えると多くの人が理解してくれます。「どの機種ですか?」と、さらに問われることもあるでしょう。
ところが、Androidスマホでは製品名を言っても理解してもらえないことがよくあります。「Galaxy S21」や「AQUOS sense 4」といった人気モデルでさえ、その形を頭に思い浮かべられる人は少ないはずです。
製品としてのブランド力は、iPhoneが断然高いといえるでしょう。しかも、iPhoneは型番でだいたいの世代が把握できるので、わかりやすいのです。

最新モデルのiPhone 12シリーズ
機種数はAndroidスマホが圧倒的
そもそもiPhoneとAndroidスマートフォンの違いは、基本ソフトと言われる「OS」の違いです。iPhoneにはiOSが採用されており、Appleだけが搭載したスマホ(iPhone)を販売しています。
対して、AndroidはオープンなOSなので、数え切れないほど多くのメーカーが搭載するスマホ(Androidスマートフォン)を販売しています。最近では、Xiaomi、OPPOなどのメーカーも日本に参入しており、ますます製品数は増えています。
これは、MacとWindowsの構図とほぼ同じです。機種数は圧倒的にAndroidのほうが多く、幅広いラインアップから選びたいならAndroidスマホが有利です。

コスパの高いXiaomiの「Redme Note 10 Pro」
iPhoneに激安モデルはない
Androidスマホは2〜3万円台で買えるモデルも数多くあり、予算と好みによっていろいろと選択できるのが魅力です。
iPhoneも値段が下がってきており、現在アップルストアで購入できる最も安価なiPhoneは「iPhone SE(第2世代)」で、4万9280円からとなっています。MVNO事業者によってはiPhone 7などを安く販売したり、中古整備品を販売しているケースも見受けられます。それほどまでに、iPhoneを求めている人は多いのです。
買い取りや下取りはiPhoneが有利
iPhoneは買い取りや下取りで有利です。そもそもの価格が高い上に長い期間販売されるので、「現役」の時間も長くなります。たとえば、「iPhone XR」は今でも新品が販売されています。そのため中古での売り買いも活発です。
iPhone XRやiPhone 11あたりを使っているユーザーも少なくないので、中古での売り買いもさかんです。新モデルを購入すると1〜2年後の買い取り価格は、Androidスマホに比べてかなり有利になるでしょう。
たとえば、ある買い取り店での「AQUOS sense 3」の買取価格は1万5000円です(以下すべてSIMフリー版)。対して、iPhone XRの買い取り価格は64GBで3万2000円です。iPhone SE(第1世代)の64GBモデルでさえ1万3000円、iPhone 8は64GBモデルで2万円もします。

iPhone XRは中古買取価格が3万円を超えるケースも
なんでもいいから安く使うならAndroid
スマホは基本性能が向上してきており、安価なモデルでも普通に使えるようになりました。本体が安価なAndroidスマホは、通信とセットにして手頃に提供されています。楽天モバイルなどで「実質1円」の製品も選べます。
同じ楽天モバイルでも、iPhoneは本体代金が高いので月々1149円の48回払いからとなります(iPhone SE 第2世代)。ブランドや機種にこだわることなく、とにかく費用を抑えたいならAndroidスマホを選ぶほうが賢明です。
Androidは製品のバリエーションが豊富
Androidスマホには、膨大な種類のスタンダードモデルに加え、シニア向けのモデル、ゲーミングスマホなど多くの製品があります。
なかには専用のペンで手書きができるGalaxy Noteシリーズなども用意されています。しかし、iPhoneにはそういったバリエーションはありません。

Google製のスタンダードなAndroidスマホ「Pixel 5」
機能・性能で比較
機能や性能、先進性といった面でiPhoneとAndroidスマホを比べてみます。
先進性はAndroidのほうが優れている
最近では、目を引く先進的な機能の多くがAndroidスマホに採用されています。ディスプレイ内蔵の指紋センサーや100倍ズームのカメラなども、Androidスマホがいち早く採用しました。
折りたたみモデルもいくつかのメーカーから販売されています。インカメラをディスプレイの下に仕込み、その存在をわからなくしている機種や、アウトカメラが回転してインカメラとして使える製品もあります。また、ディスプレイと接続するとパソコンのように使える製品も増えています。サムスンの「DeX」、LGの「デスクトップモード」などです。
一方、iPhone独自のハードウェアは、Aシリーズの独自チップ、Lightning端子、LiDARスキャナ、MagSafeなどを採用しています。それでも、Androidスマホ全体と比べると多くありません。
そもそも製造メーカーが多いAndroidスマホは、先進的な機能をどんどん搭載するメーカーが多いのです。全体的に比較すれば、Androidのほうが先進的と言えるでしょう。

Galaxyスマートフォンをディスプレイに接続し、PCのように使える機能「Samsung DeX」
Androidスマホのほうが機能も幅広い
先進的ではないもののあると便利な機能も、Androidスマホのほうがバリエーションに富んでいます。特に指紋センサーは、多くの製品が搭載しています。iPhoneでは(現在Appleストアで販売されているモデルでは)iPhone SE 第2世代のみの採用となります。
Androidスマホは、microSDカードによるストレージの増設に対応しています。USB-C端子を搭載しているモデルがほとんどで、外付けのストレージも使いやすくなっています。
iPhoneにはイヤホンジャックが搭載されていません(iPhone 6sまで搭載していた)。Androidスマホでは機種によりますが、中級モデル以下は多くの製品が搭載しています。
おサイフケータイは、今買えるiPhoneのすべてが採用しています。Androidスマホも採用モデルが増えていますが、SIMフリーの格安機は非搭載の製品も少なくありません。必要な人は購入時によく確認してください。

Androidスマートフォンは多くのモデルがディスプレイ内蔵の指紋センサーを採用する
カメラはAndroidスマホが優れる
iPhoneのカメラはとても美しい写真が撮れるので、多くのユーザーが満足するはずです。しかし、バリエーションと性能ではAndroidスマホの圧勝です。
1億画素、100倍ズーム、フルサイズの1インチセンサーなどを搭載した機種も登場しています。最近ではライカブランドのスマホまで登場しました。動画撮影も同様で、8K動画を撮れる機種も登場しています。
5Gへの対応は引き分け
iPhoneは、新しいモデルが5Gに対応しています。この状況はAndroidスマホも変わりません。新しいモデルほど5G対応機種が増えています。
より高速に通信できる「ミリ波」への対応は、Androidスマホのみの対応となります。とはいえ、そもそも5Gで通信できるエリアは広くありません。まだ2〜3年はLTEのみでも十分でしょう。また、ミリ波のメリットは3年後でもあまり感じられない可能性があります。
5Gは高性能なモデルほど対応しています。価格を抑えたいユーザーは、まださほど気にしなくてもよいでしょう。

iPhone 12は5Gに対応する
性能は同じ価格帯のモデルなら拮抗
ハイエンドモデルの性能は、iPhoneもAndroidスマホも甲乙つけがたい状況でしょう。高性能なチップは登場時期が異なるので、比較するタイミングによっても違ってきます。
とはいえ、今買えるiPhoneで最も安価なiPhone SE 第2世代でさえ、A13を採用しています。これはかなり高性能です。安価なAndroidスマホは、Snapdragonの600番台を搭載している製品が目立ちますが、比較するとiPhone SE 第2世代のほうが性能は上です。
ただし、価格差もあります。Androidスマホの4〜5万円台のモデルとiPhone SE 第2世代を比べると、性能差はあまりないといえそうです。トータルでみれば、同じ価格帯なら性能はあまり変わらないと考えていいでしょう。

iPhone SE2のベンチマークスコア
OS・アプリで比較
採用するOSやアプリへの対応について、iPhoneとAndroidスマホの違いをみていきましょう。
OSの違い
iPhoneとAndroidスマホ、それぞれに搭載されたOSには違いがかなりあります。そもそもAndroidはメーカーがカスタマイズしているので、機種によって機能がだいぶ違い、操作性さえ異なります。
iOSはiPhoneだけが採用するので、統一感があります。製品を買い換えた際に迷わず使えるのはiPhoneのほうです。iOSとAndroidでは、機能にもいろいろな違いがあります。たとえば、Androidは複数アカウントでログインできますが、iOSはできません。
ただし、OSは慣れているほうが使いやすいと感じるので、良し悪しを決めるのには向きません。
アプリの対応はiPhoneが魅力的
iPhoneは機種が限られるので、アプリの対応も明確でわかりやすくなっています。ゲームなどのアプリ開発者に話を聞くと「Androidは機種が多すぎて対応が難しい」という声が大多数です。機種が古くなるとアプリが動かなかったり、そもそも非対応で使えないというケースもあります。つまり、自分のAndroidスマホでは使えないアプリが出てくるというわけです。
またiPhoneには、NumbersやiMovieなどアップル製の魅力的なアプリがプリインストールされています。AndroidスマホにはGoogle製のGoogleマップやカレンダーなどのアプリがインストールされていますが、こちらはiPhoneでも使えます。一部のAndroidスマホメーカーはオリジナルのアプリを提供していますが、アップル製のアプリほど優れたものは見当たりません。
Googleが太っ腹なわけですが、アプリの対応という観点から見ると、iPhoneのほうが優れていると言えそうです。

iPhoneにはアップル製の魅力的な無料アプリがインストールされている。画面はプレゼン文書作成アプリの「Keynote」
ゲームやアプリの課金はiPhoneが有利
ゲームやアプリの課金は、頻繁にiTunesカードの割引販売がされているiPhoneのほうが有利だと考えられます。
Androidスマホの場合は、Amazonのアプリストアからインストールできるアプリは安く課金できますが、種類がずいぶん限られます。
周辺機器・アクセサリーで比較
周辺機器やアクセサリー、充電機器への対応などでiPhoneとAndroidスマホを比較します。
周辺機器はiPhoneに魅力がある
たとえばスマホ用のジンバルやプリンターなど、市販の周辺機器の多くがiPhoneの対応を明確にうたっています。ところが、Androidスマホは機種が非常に多いために、細かな対応が明記されていないケースが少なくありません。
自分が使っているスマホが古かったり、レアなモデルだったりすると使えない周辺機器が出てくる可能性があり、それがよくわからないのが困りものです。iPhoneの場合は、使えるか使えないかが明確にわかります。
iPhoneはApple Watchなどのアップル製品が使える
人気のApple Watchは、iPhoneでしか利用できません。ほかにも多くのスマートウォッチが販売されていますが、多くがiPhoneとAndroidスマホで使えます。Apple Watchを使っているユーザーが、iPhoneからAndroidスマホに買い替えて、使えなくなってしまった——という嘆きも耳にします。
AirPodsは、iPhoneだけでなく、Androidスマホでも利用できますが、ペアリングなどの使い勝手が大きく違います。やはり、iPhoneで使ったほうが便利です。最近登場したAirTagもiPhoneでしか利用できませんし、iPhone 12シリーズが採用するMagSafeも便利です。
ざっくり言えば、iPhoneはアップル製のさまざまな周辺機器をとても快適に使える環境が整っているわけです。Mac、iPadとの相性の良さも素晴らしい限りです。Galaxyシリーズなど、Androidスマホでも同様に周辺機器を出しているメーカーもありますが、iPhoneと周辺機器の組み合わせには及びません。

iPhoneにはAir PodsやApple Watch、AirTagなどアップル製の周辺機器が数多く揃っている
充電機器の対応はAndroidスマホ有利
iPhoneは独自のLightningコネクターを採用しているために、ケーブルも専用品が必要になります。Androidスマホは、汎用性の高いUSB-Cコネクターを採用する製品が増えており、ケーブルの使い回しが効きます。この点は、Androidスマホのほうが便利です。
また、iPhoneは機種によって最高で20Wの急速充電に対応しますが、Androidスマホは機種によって40Wを超える急速充電ができるものもあります。さらに、5000mAhを超える大容量バッテリーを内蔵するモデルも登場しています。
充電に関しては、Androidスマホのほうが進んでいることは間違いありません。
ワイヤレス充電はiPhoneの多くの機種が対応している一方、Androidスマホは機種によって異なります。iPhone 12シリーズはMagSafeを搭載し、ワイヤレス充電パッドを磁石でくっつけることもできます。

Androidスマートフォンは機種ごとに急速充電に対応している。Galaxy S21 Ultraは「超急速充電」もサポート。利用にはPPS対応の充電器が必要だ
サポート・修理で比較
サポート面や修理のしやすさでiPhoneとAndroidスマホを比べると、iPhoneが有利といえそうです。
長く使えるのはiPhone
数世代前のiPhoneを使っている人は非常に多いのですが、Androidスマホはさほど多くないように見受けられます。iPhoneはOSの対応が長く、古くなっても最新の機能が利用できるからかもしれません。
最新のiOS 14は、iPhone SE(第1世代)とiPhone 6s以降に対応しています。iPhone 6sは2015年の秋に発売されていますから、およそ6年前のモデルです。間違いなくあと1年は最新OSで利用できるため、約7年間は最新の状態で使えるわけです。
Androidスマホは、OSのアップデートがあってもせいぜい1〜2回。2〜3年ほど最新の状態で使えれば御の字です。しかも、いつまで新しいOSが対応するかはよくわからないモデルがほとんど。なお、Google製のPixelシリーズは、アップデートの保証期限が明記されています。

iOSは古いモデルにもOSバージョンアップが提供される
修理はiPhoneが圧倒的にしやすい
修理のしやすさは、圧倒的にiPhoneが勝っています。全国各地のアップルストアで即日修理ができるほか、多くの街に修理店があり、ディスプレイのガラスやバッテリーを交換できます。
古いモデルは、修理業者に持ち込むと安い部品を使うため安価な修理ができます。アップルの修理対応はできなくなる可能性はありますが、少しでも安く使いたいならこんな工夫も可能です。
ところが、Androidスマホの修理に対応している業者はあまりありません。多くが携帯キャリアに持ち込んで日数を掛けて修理することになります。SIMフリーのモデルはメーカーに送って直すケースがほとんどで、こちらも日数が掛かります。

iCrackedによる修理の様子
まとめ(動画でも紹介)
以上、さまざまな観点からiPhoneとAndroidスマホを比較してみました。
トータルでどちらが良いかは、皆さんが重要視するポイントで考えてください。「iPhoneとAndroidがほとんど変わらなくなった」と言われることもありますが、こうして考えるとまだ大きく違う点も少なくないようです。
本記事に関連して、iPhoneとAndroidスマホの比較ポイントを動画でも紹介しています。ぜひご覧ください。