機種変更などをして使わなくなったiPhoneやAndroidスマホは、中古ショップへ持ち込んで買い取ってもらうことができます。きれいに使っていれば新品でなくとも、高値で買い取ってくれます。ところが状態によっては、思わぬダウン査定にガッカリすることがあるのも事実。
そこで今回は、関東圏を中心にスマホやパソコンなどの中古買取ショップを展開する「じゃんぱら 秋葉原本店」の高橋店長代理に、査定がダウンしてしまうポイントや、普段からスマホを使う中で注意すべき点などを訊きました。
使わなくなったスマホは中古買取ショップで売れる
使わなくなったスマホは、中古ショップで買い取ってもらえます。主な買取方法は以下の2種類です。
- 店舗に直接持ち込む
- 自宅から店舗に郵送して査定をしてもらう
じゃんぱら 秋葉原本店・高橋店長代理
店舗に持ち込めば、その場で取引をして即日売却できます。自宅や職場の近くに店舗があるなら、足を運ぶといいでしょう。近くに店舗がなかったり忙しくて行けなかったりする場合は、スマホを郵送して査定してもらう方法もあります。この場合は、査定に1週間から10日かかる場合があります。
どちらの場合も、本人確認書類が必要です。なお、店頭へ持っていく場合には、あらかじめスマホを充電しておきましょう。機種変更をしてからしばらく使っていないとバッテリーが切れているでしょうが、売る場合にはお店で初期化する必要があります。どんな値段でも売ると決めているなら、あらかじめ初期化を済ませてしまえばスムーズに買取の手続きができます。なお、郵送して買い取ってもらう場合は、発送前の初期化が必須です。
iPhoneを初期化する方法、譲渡や下取り・売るときに知っておきたい手順
Androidスマホを初期化(リセット)する方法──事前準備からバックアップ、SDカード、おサイフケータイまで
買取査定で注意したいポイント
じゃんぱらのサイト。価格は2017年3月31日現在のもの
じゃんぱらのサイトを見ると、魅力的な買取価格が掲載されています。売ったお金を少しでも新しいスマホの購入費に回せれば嬉しいところです。
スマホでじゃんぱらのサイトを開いて「買取」から「ご使用中のモバイル機器を検索」とタップすると、今使っている機種の価格をチェックできます。
売却したい端末を検索して買取価格をチェック
ただしこの価格で買い取ってくれるのは、外箱などの付属品が揃っていて、傷などがほとんどないきれいなスマホに限られます。うっかり落として傷をつけたり、付属品がない状態で持っていくと、たとえ最新機種でも思わぬダウン査定を受けてしまうので注意しましょう。
そのほか、スマホの査定がダウンしやすいポイントについて、高橋店長代理に伺いました。
スマホの画面にヒビ・割れ
スマホの画面割れ
液晶画面にヒビが入っていると、買取価格は大きくダウンします。バキバキに割れていると買取自体を拒否されるか、1000円や1500円など、店舗に行くまでの交通費や労力を考えるとマイナスともとれる金額しか付きません。
小さな傷(液晶画面・側面・裏側)
細かな傷も買取査定ダウンの原因の一つ。最も多いのが側面の傷です。たとえ小さくても陥没している場合は、そこから傷が深くなる恐れがあるため満額の3~4割減に。塗装が剥がれた程度の擦り傷でも、1割程度は買取価格がダウンします。もちろん数が多いほどダウン幅は大きくなるので、将来的に中古ショップに売りたい人はスマホカバーを付けて雑に扱わないように注意しましょう。
スマホ側面についた傷
ディスプレイにも、見えないほどですが細かい傷がつきます。落とさないように気を付けるのはもちろんですが、爪で引っ掻くなどの軽い衝撃もNGです。特に注意したいのがポケットやカバンに入れる時。カギやジッパーなどの金属はもちろん、ホコリや布が擦れても傷になるそうです。
画面に細かい傷が付くのを防ぐには、液晶保護シールを貼りましょう。たとえ目を凝らさないと見えないほどの傷でも、買取時には1~2割の減額になるとのこと。もし5万円で引き取ってくれる機種なら、約1万円ものダウンになります。液晶保護シールは数千円で買えるので、キズをしっかりガードしておきたいところです。
付属品が付いていない
イヤフォンや充電ケーブルはもちろん、外箱や説明書も揃っていないと買取時には1~2割減額されてしまいます。外箱やマニュアルなどは最初にスマホを取り出したら使う機会はほぼありませんが、いずれ中古ショップで売りたいと考えているなら、取っておいて損はありません。
液晶画面の色ムラ
液晶に色ムラが生じたiPhone
液晶画面は消耗品なので、長く使っていると少しずつ画面に色ムラが出てきます。普段使っている時にはほとんど気づきませんが、真っ白な画面にしてチェックすると、画面の中央と周辺で色に違いがあることがわかります。ただし、長く使っていると仕方がない現象ではあります。
新モデルが発売された後
新モデルが発売される前までに買取すると有利です。iPhoneなどで新しい機種が発売されると、旧モデルは買取価格がガクッと下がってしまいます。高橋店長代理曰く、発売日の前日か、遅くとも当日までがギリギリのタイミングだそうです。
キャリアで購入したスマホの残債がまだある場合はどうなる?
ドコモやau、ソフトバンクなどのキャリアショップでスマホを購入する場合、端末の代金を12回や24回など分割(割賦)で支払っている人が多いと思います。その残債が残っていると、中古買取ショップによっては減額されたり、買取自体を拒否されたりする場合があります。
理由は、残債が残っている状態で支払いが滞ってしまうと、そのスマホにキャリアがネットワーク利用制限をかけて使えなくしてしまうからです。中古のスマホを買った人が、ある日急に使えなくなったら困ります(ただし中古ショップでは、残債が残っている端末を売って使えなくなった場合、返金・交換などの補償をしてくれるケースが多い)。万が一、残債を支払う責任のある人が「逃げた」場合を想定して、各ショップで対策をしています。
じゃんぱらの「分割買取サービス」
じゃんぱらでは、残債が残っているという理由での減額や買取拒否はありません。買取申し込み時に買取金額の半額を受け取り、スマホの残債を完済したタイミングでもう半額を受け取れる、という「分割買取サービス」の仕組みを採用しています。古くなるほど買取価格も下がるため、残債の支払い終わっていなくてもそのタイミングでの買取金額で引き取ってくれるのはありがたいサービスです。
買取を拒否されてしまうケース
ここまでダウン査定になるポイントを紹介しましたが、買取自体を拒否されることもあります。ただ同然の買取額でも構わないという人もいるかもしれませんが、値段を付けてくれなかったら元も子もないので、チェックしておきましょう。
水没した場合
水没した場合はほぼ買い取ってもらえません。トイレなどにうっかり落としてしまうと、たとえ起動できたとしてもスマホに内蔵されている「液体侵入インジゲーター」と呼ばれるチェックシートの色が変わってしまい、メーカー保証の対象外となってしまうからです(iPhoneの場合)。水没させてしまったスマホは、残念ですが売却をあきらめたほうがよいでしょう。
iPhoneが故障した時の修理ガイド──予約から料金、修理期間、代替機、保証範囲の調べ方まで
操作や充電ができない場合
ホームボタンが効かない、タッチパネルが反応しないなど、操作ができないスマホも買い取ってもらえません。買取前には必ず初期化をするため、操作ができないとどうしようもないのです。「スマホの初期化ができない」イコール「 買い取ってもらえない」と考えて間違いないそうです。また、充電ができない場合も買取対象外です。
スマホを分解したり、改造を施したりしている場合
実はスマホを分解すると、付与されている技適マークが無効となり、使用者が「電波法違反」の罪に問われてしまいます。そのため、一度でも分解してしまうと買取対象外になります。
普通に使っているぶんには関係ない話ですが、注意したいのは中古スマホを自分が買う時。中古ショップで技適マークが無効の端末を取り扱うことはないでしょうが、ネットのオークションやフリマなどでは確認する術がありません。
また、かつてはスマホの動作が遅いという理由で非認証のアプリを入れたり、OSに不正な改造を施したりする人もいたそうです。これらもメーカー保証の対象外になるため、買い取ってくれません。
メーカーの純正パーツ以外を使っている場合
最近は、液晶の画面割れなどを格安で修理してくれるショップが多くあります。キャリアショップやメーカーに持ち込んで修理をすると数万円かかるので割安に感じますが、中古で売りたい場合はオススメしません。
iPhoneの画面が割れた時の修理・交換はどうする? 料金や予約、修理期間、バックアップ準備など
格安の修理ショップでは、修理にメーカー純正のパーツを使っていないことがほとんど。それが安く済む理由ではあるのですが、非純正品で修理をするとメーカー保証の対象外になってしまいます。中古ショップでは買い取ってくれなくなります。
まとめ
じゃんぱらで買取査定ダウンのポイントを教えてもらいました。基本的にはきれいに使うことが大切。経年劣化する部分は仕方ありませんが、落下による傷など、防げる部分はカバーや液晶シールを使って保護することが高額買取の鍵になるといえそうです。
構成・文:藤原達矢
編集:アプリオ編集部
取材協力:じゃんぱら秋葉原本店