サムスンの「Galaxy S21」シリーズがお目見えしました。今回は3モデルが登場し、auから「Galaxy S21」と「Galaxy S21+」が、NTTドコモから「Galaxy S21」と「Galaxy S21 Ultra」が販売されます。
数多いAndroidスマートフォンの中でもハイエンドの製品で、すべて5Gに対応。最新・最速のチップSnapdragon 888を搭載しています。注目の3製品を比較しながらレビューしていきます。
3製品の価格やデザインを比較チェック
まずは、3種類の価格とデザインをチェックしていきます。
Galaxy S21とGalaxy S21+はサイズ違いの製品と思って間違いありません。ところが、Galaxy S21 Ultraはディスプレイの形状や解像度、手書き対応、カメラなど大きな違いがあり、位置づけとしては別のモデルだと考えたほうがよいでしょう。
デザインは3モデルとも似ています。前後がガラス面となっており、背面はつや消しの美しい仕上げです。これも、最近のトレンドになっています。また、カメラ部分が金属の板を貼り付けたように見えるのも共通です。
NTTドコモ | au(KDDI) | |
---|---|---|
Galaxy S21 | 9万9729円 | 11万8540円 |
Galaxy S21+ | - | 15万1272円 |
Galaxy S21 Ultra | 15万1272円 | - |
すべて公式オンラインショップの現金販売価格(税込)
Galaxy S21は、最もコンパクトなモデル。価格はau版が11万8540円、ドコモ版が9万9729円
大画面のGalaxy S21+はauのみの販売で13万8730円
Galaxy S21 Ultraはドコモから販売で15万1272円
Galaxy S21 Ultraも実はあまり大きくない
最近は、スマホの大画面化が著しくなっています。狭額縁になることで大画面でも持ちやすいサイズを実現できているのです。Galaxy S21は3製品の中で最も小さなモデルですが、それでもディスプレイのサイズは6.2インチもあります。それぞれの大きさを比べてみましょう。
Galaxy S21 | Galaxy S21+ | Galaxy S21 Ultra | |
---|---|---|---|
ディスプレイ | 6.2インチ | 6.7インチ | 6.8インチ |
本体サイズ | 約71×152×7.9ミリ | 約76×162×7.8ミリ | 約75.6×165.1×8.9ミリ |
重量 | 約169グラム | 約200グラム | 約229グラム |
Galaxy S21 Ultraは、手にしてもぐっと重さを感じる(※重量はキッチンスケールの計測なので参考値)
Galaxy S21+は大画面だけあって、やはり重い
Galaxy S21は6.2インチとなかなかの大画面モデルだが、かなり軽く感じる
Galaxy S21がコンパクトなことは間違いありませんが、Galaxy S21+とGalaxy S21 Ultraは画面サイズが0.1インチしか変わりません。実物を手にしても「Ultra」という名前ほど大きいと感じることはありません。名前から相当大きいと思うのは間違いです。もちろん、手に余るサイズだと感じる人は、両方とも大きすぎると思うでしょう。
左からGalaxy S21、Galaxy S21+、Galaxy S21 Ultra、iPhone 12 Pro MAX。Galaxy S21 UltraやGalaxy S21+はiPhone 12 Pro MAXより大きく感じるが、幅が細いので持ちやすい
Galaxy S21 Ultraはディスプレイやカメラが別格
Galaxy S21 Ultraは、3機種の中でも別格の製品だと考えていいでしょう。ディスプレイの解像度は、Galaxy S21とGalaxy S21+が2400×1080ドット、Galaxy S21 Ultraは3200×1440ドットとずいぶん差があります。
Galaxy S21 Ultraは、ディスプレイの縁(フチ)がアールを描くエッジディスプレイです。輝度も異なり、Galaxy S21とGalaxy S21+は1300ニト、Galaxy S21 Ultraは1500ニトです。さらに、Galaxy S21 UltraはSペンによる手書きにも対応します。3モデルともリフレッシュレートは120Hzで、ゲームにも最適です。
カメラは、Galaxy S21とGalaxy S21+が最大64MPの3眼で30倍ズーム、Galaxy S21 Ultraは最大108MPの100倍ズームです。インカメラは、Galaxy S21 Ultraが40MPで、他は10MPです。
左からGalaxy S21シリーズをサイズ別に並べた。4台目はiPhone 12 Pro MAXで、右端はGalaxy S20+。スペック上はGalaxy S21 Ultraが最も明るいが、見た目はiPhone 12 Pro MAXのほうが明るい。ただし、撮影環境や周囲の明るさによっても変わるので、この写真だけでは判断できない
奥のGalaxy S21 Ultraは画面のフチがアールを描いている
カメラはGalaxy S21とGalaxy S21+が同じ。Galaxy S21 Ultraは1億画素で、100倍ズームを搭載する
Galaxy S21 UltraはSペンによる手書きにも対応(ケースとペンは別売)
Snapdragon 888搭載でS20シリーズと比べても差がある
Galaxy S21シリーズは、すべてSnapdragon 888を採用しています。現時点で最速のチップなので文句なしのパフォーマンスです。1世代前のGalaxy S20+ベンチマークを比較しても、かなり差があります。
Galaxy S21とGalaxy S21+はメモリが8GB、内蔵ストレージが256GBです。Galaxy S21 Ultraはメモリが12GB、内蔵ストレージが256GBと少し上になります。バッテリー容量は、Galaxy S21が4000mAh、Galaxy S21+が4800mAh、Galaxy S21 Ultraが5000mAh)です。
なお、製品には充電器が付属しません。超急速充電をするにはUSB PDの新機能であるPPS(Programmable Power Supply)対応の充電器や、メーカーが認証した充電器が必要です。
Galaxy S21シリーズは性能が格段に高い(左:Galaxy S20+、右:Galaxy S21 Ultra
PPSに対応した充電器なら超急速充電が可能になる
本体には充電器が付属しない
カメラ性能を実際に撮影して比較
今回は、Galaxy S21とGalaxy S21 Ultra、Galaxy S21+の画質などを実際に撮影して比較してみました。
標準・超広角撮影など
どの製品も文句なしに美しい写真が撮れます。1億画素のGalaxy S21 Ultraは、拡大したときの差が違います。
標準
上からGalaxy S21、Galaxy S21+、Galaxy S21 Ultraで撮影。標準カメラの撮影はどれも甲乙付けがたい
超広角
上からGalaxy S21、Galaxy S21+、Galaxy S21 Ultraで超広角で撮影。こちらも、ほとんど変わらないと言ってよさそうだ
6400万画素・1億画素
上からGalaxy S21(6400万画素)、Galaxy S21+(6400万画素)、Galaxy S21 Ultra(1億画素)で撮影。1億画素での撮影は拡大すると違いが生じるが、6400万画素でも多くのユーザーが十分だと感じるだろう
ズーム撮影
Galaxy S21+とGalaxy S21 Ultraのズームを比較しました。Galaxy S21 Ultraは100倍ズームが撮れるので、大きな差があります。もちろん、80倍、85倍などその途中の倍率にも設定できます。
注目したいのが、30倍ズームでの撮影です。Galaxy S21+は画像がかなり粗いのに対し、Galaxy S21 Ultraは文句なしのクオリティで撮れるのです。
通常

10倍ズーム

30倍ズーム

100倍ズーム(Galaxy S21 Ultraのみ)
夜景の撮影
ナイトモードで夜景を撮影してみましたが、こちらも3機種の差は大きくありません。どれも満足できるはずです。大きな違いが出たのは、月を撮影した時でした。Galaxy S21 Ultraのズームは素晴らしい限りです。
夜景
上からGalaxy S21、Galaxy S21+、Galaxy S21 Ultraで撮影。ナイトモードで撮影した夜景の差はほとんどない。
月
上からGalaxy S21、Galaxy S21+、Galaxy S21 Ultraで撮影。Galaxy S21は30倍なのでこの大きさが限界だ。Galaxy S21 Ultraでは80倍以上のズームで月を撮影した
まとめ
Galaxy S21シリーズは、どれも高級なハイエンドモデルだけあって、性能・カメラともに文句なし。最高のスマホが欲しいユーザーには間違いなくおすすめできます。
微妙なのが、Galaxy S21+です。Galaxy S21 Ultraとサイズが違わず、カメラには大きな違いがありますし、Sペンにも対応しません。Galaxy S21+を買うなら、Galaxy S21 Ultraを手に入れたほうがよいでしょう。もちろん、キャリアや価格の違いがありますが、実際に製品を比べるとそのように結論づけたいと思います。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部