新しくiPhone SE(第2世代)が登場しました。初代のiPhone SEは2016年に発売されているので、およそ4年ぶりになります。
iPhone SE(第2世代)は、手ごろな価格とコンパクトなボディが特徴です。予算が限られたり、iPhoneが高すぎると感じたりしているなら、とても魅力的なはずです。今回は久しぶりにiPhoneを買い換える人、iPhoneにあまり詳しくない人にもわかりやすく、新型iPhone SEをレビューしていきます。
本体サイズやデザインはiPhone 8とほとんど同じ
本体のサイズやデザインは、iPhone 8とほぼ同じです。iPhone 8は、2017年秋のモデルなので、2年以上前に製品になります。
実は、それ以前のiPhone 7ともデザインはかなり似ています。背面がアルミから、ガラスに変わるなど変化していますが、基本的な形は踏襲しているのです。つまり、iPhone SEは最もiPhoneらしいデザインと言えるでしょう。非常に完成度が高く、ガラスの背面とアルミのボディは素晴らしい質感です。見慣れているとはいえ、手にするとうっとりしてしまいます。
しかし、斬新さは感じられません。上下の縁(フチ)が太く残っており、最近のスマホと比べると、本体サイズに対して画面が小さくなります。iPhone 11 Proなど、最新の上位モデルとは外観もかなり違っていますが、そこは価格で妥協する部分です。見たことのアルiPhoneのデザインなので、周囲から「最新モデルですね!」と言われることはまずないでしょう。
本体はiPhone 8とほぼ同じ外観
背面はガラス製で高級感がある
チップは最上位モデルと同じA13 Bionic
iPhone SE(第2世代)は低価格モデルながら、チップにA13 Bionicを採用しています。
これは最上位モデルのiPhone 11 Proシリーズと同様で、価格の高いiPhone XRを上回る性能。iPhone SE(第2世代)のコストパフォーマンスがとても高いと言われる所以です。Androidスマートフォンを見ても、4万円台で最高性能のCPUを搭載するモデルはほとんどありません。
ストレージ容量は、64GB(4万4800円)、128GB(4万9800円)、256GB(6万800円)のラインナップです(価格はすべて税別)。
本体はコンパクトだが画面は小さい
本体はとてもコンパクトです。現在買えるiPhoneの中では最小です。初代iPhone SEは、4インチ液晶でした。対してiPhone SE(第2世代)は4.7インチと、少し大きくなっているわけです。画面サイズは対角線の長さをインチで表示しますから、iPhone SE(第2世代)のようにやや幅が広いディスプレイは、サイズの割には面積が広くなります。
iPhone SE(第2世代)なら、手の小さな人でも使いやすいサイズだと感じるでしょう。逆に、画面が小さく感じるケースも少なくないはず。5.5インチ以上の画面の大きなスマホから買い換える人は注意が必要です。
iPhone 8やiPhone 7には、「Plus」が付く5.5インチの大画面モデルが用意されていました。ところが、iPhone SE(第2世代)には大画面モデルはありません。iPhone 7 Plusなどから買い換える場合は、画面が狭いために情報量が少なく感じたり、文字が小さくて見づらくなったりする可能性があります。
右のiPhone 11 Pro Maxと比べると画面サイズは大きく違う
ウェブページを見ても情報量が少なく、文字も小さく感じる
画面解像度が低いのが最大の弱点
iPhone SE(第2世代)の最大のウィークポイントが画面解像度が低いことでしょう。1334×750ドットという解像度は、最近のスマホではまず見かけません。最低でも1980×1080ドット以上のモデルが多くなります。iPhoneは解像度が低いモデルが多く、iPhone 11 Proシリーズ以外はどの製品も解像度が高くありません。
解像度が低いと、画面を構成するドットが気になるようになります。iPhone SE(第2世代)もそこまで粗いわけではありませんが、iPhone 11 Pro Maxと比べて見ると写真が少しぼんやりと感じられるかもしれません。また、ウェブページの文字を見ても、キレが悪く見えます。
ただし、この点はiPhone 7などからの買い換えなら、同じ解像度なので特に気になることはないでしょう。なお、色合いの美しさ、明るさは十分です。
写真を比べると、右のiPhone 11 Pro Maxのほうがくっきりと感じる
拡大すると違いがよくわかる(以降、右がiPhone 11 Pro Max)
ホーム画面を比較しても、アイコンの文字などのキレが違う
ウェブページの文字も美しさがかなり違っている
バッテリーは少し使い込むと不足を感じる可能性
iPhone SE(第2世代)は、おなじみのホームボタンが搭載されています。指紋センサー(Touch ID)も内蔵しているのでとても便利です。iPhone 11などのホームボタンが廃止されたモデルは、顔認証(Face ID)がおこなえますが、マスクをしているとうまく認証できない欠点があります。
バッテリー駆動時間は、iPhone 8やiPhone 7とほぼ同じとされています。購入してすぐは十分な駆動時間と感じるはずですが、少し使い込むと不足に思うかもしれません。
iPhone 7のユーザーで「バッテリーが持たない」と言っている人は少なくありません。できれば、もっと容量を増やして欲しかったところです。最大18Wの急速充電に対応していますが、5Wの付属充電器では低速な充電しかできないのが残念です。
また外観からはわかりませんが、Wi-Fiは最新の「Wi-Fi 6」に対応します。充電用の端子は、iPhoneシリーズ共通のLightningとなっています。付属品は充電器とケーブル、Lightning接続のイヤホンです。
充電はLightning端子でおこなう。ホームボタンが付いているのも便利だ
付属品。充電器とケーブル、イヤホンが付いている
Qi対応の充電パッドでワイヤレス充電が可能
カメラはシングル、標準撮影なら写りは上々
カメラは1200万画素のシングル構成です。写真は美しく満足できるはずです。ただし、3つのカメラを搭載するiPhone 11 Pro Maxのように、超広角や光学ズームによる撮影は対応しません。最近のスマホで、シングルカメラのモデルはほぼ見かけないので、物足りなく感じる方もいるでしょう。
カメラはiPhone 8と変わらないように思えますが、機能はいくつか変わっています。前後どちらのカメラでもポートレートモードで背景をぼかすことが可能です。ただし、撮影できるのは人物だけになります。
ビデオ撮影でも、ステレオ録音が可能になるなど機能は進化しています。
カメラはシングル
通常撮影

iPhone SE(第2世代)でも美しい写真が撮れます。
近接撮影

花に近寄って撮影してみました。標準カメラならiPhone 11 Pro Maxとの差は大きくありません。
超広角やズーム撮影には非対応
iPhone 11 Pro Maxは、カメラが3つなので、広く撮れる超広角やズームが撮影できるのがiPhone SEとの大きな違いです。
iPhone 11 Pro Maxのズーム撮影
iPhone 11 Pro Maxの超広角撮影
まとめ
iPhone SE(第2世代)はとてもコスパの高いiPhoneです。予算が限られる人がiPhoneを使いたいなら最良の選択です。特に、手ごろな価格のスマートフォンを長く快適に利用したいのであれば、Androidスマホを含めて考慮してもベストバイといえます。
iPhone SE(第2世代)の超高性能ならヘビーなゲームも楽しめます。ただ画面は小さく、そんな用途にはあまり向きません。3年後、4年後でも快適に使えるのが、最大のメリットと言えます。iPhoneはOSのアップデートも長期間提供されます。
価格を考えると素晴らしい機種ですが、写真にこだわる人には物足りなく感じるでしょう。カメラの数が少ないために、思ったように撮れないケースが出てきます。解像度も低いため、iPhone SE(第2世代)で写真を表示してもさほど美しくないのです。
今回の記事内容に関連して、新型iPhone SEについて動画でも紹介しています。ぜひご覧ください。
構成・文:戸田覚
編集:アプリオ編集部