Androidスマホでマナーモードを解除しているのにもかかわらず、なぜか着信音が鳴らないことがあります。こういったトラブルの原因は、さまざまなことが考えられます。サイレントモードなど他のサウンド設定が邪魔をしていることもあれば、電話アプリの不具合が原因になっているケースも。
そこで本記事では、Androidスマホで電話の着信音が「鳴らない」「音が出ない」場合に考えられる主な原因と、それに応じた対処法を紹介します。
操作手順は機種やバージョンにより異なる場合がありますが、本記事ではXperia Ace III(Android 12)を例に検証・解説しています。
電話の着信音が鳴らないときにまず見直したい3つの設定
Androidスマホで着信音が鳴らない原因として最も考えられるのは、各種サウンド設定です。というのも、Androidスマホではさまざまな設定項目が存在します。見知らぬ設定が邪魔をしているケースも少なくありません。
まずは、Androidスマホのサウンド設定を一通り確認していきましょう。
端末をサウンドモードに切り替える
基本中の基本ですが、マナーモード/バイブモードにしたまま戻すのを忘れていたというのもよくある話です。自身の端末の状態を一度チェックしてみましょう。

端末の側面にある音量ボタンを押すと、画面右側もしくは上部にサウンド設定のポップアップが表示されます。



サウンドモードのアイコンで音が鳴るかどうかをチェック
上の画像のように、シーンにあわせて切り替えましょう。画面上端から下にスワイプすることで表示できる「クイック設定パネル」からも切り替えが可能です。
サイレントモードをオフにする

サイレントモードは、前述したマナーモードやバイブモードとは別に用意されているサウンド設定で、Android 9から登場した機能です。
あらゆる音の制御ができる上に、細かい条件指定や視覚的な通知の制限も可能な万能モード。たとえマナーモードがオフの状態でも、このサイレントモードがオンなら音は鳴りません。

画面上部から下にスワイプして、通知ドロワーを表示させます。通知ドロワーをさらにスワイプすると、クイック設定パネルを表示できます。


「サイレントモード」タイルをタップして、サイレントモードのオン/オフを切り替えてください。
なお、サイレントモードはメーカーによってさまざまな名称で呼ばれます。ステータスバーやクイック設定パネルのアイコンは上のもので統一されているので、見つからない場合は丸いアイコンを目印に探してみましょう。
- Pixel、Xperia、AQUOS sense4以降:サイレントモード
- Galaxy:通知をミュート
- AQUOS sense3以前:高度なマナーモード
- arrows:高度なサイレントモード
本記事では、便宜上「サイレントモード」で統一して表記します。
クイック設定パネルに「サイレントモード」がない場合
クイック設定パネルにサイレントモードがショートカット登録されていない場合は、下の手順で登録できます。

(1)画面を上から下にスワイプしてクイック設定パネルを呼び出す

(2)左下の鉛筆マークをタップ

(3)画面下にある「サイレントモード」を長押ししながら上に移動させる
もしくは、端末の「設定」アプリから移動できる[音設定](もしくは[サウンド]や[着信音とバイブレーション]など)の項目でもオン/オフ切り替えが可能です。
サイレントモードを解除せずに電話の着信音だけを鳴らす方法
サイレントモードを解除せずに、電話の着信音を鳴らすことも可能です。この設定にしておくと、アプリ通知やアラーム音などはオフのまま、着信音だけが鳴ります。


端末の「設定」を起動させ、[音設定](もしくは[音][サウンド][着信音とバイブレーション]など)の項目に進みます。続いて、機種ごとに以下の項目をタップしてください。
- Pixel、Xperia、AQUOS sense4以降:サイレントモード
- AQUOS sense3以前:高度なマナーモード
- arrows:高度なサイレントモード



(機種によっては[人物]→)[通話]をタップして、「全員」にチェックを入れれば設定は完了です。Galaxyシリーズなら、端末の「設定」から[通知]→[通知をミュート]→[通話、メッセージ、スレッド]→[通話]と進み、「全員」を選択してください。
これでサイレントモード中でも、電話の着信があったときには着信音が鳴ります。なお「連絡先」にチェックを入れれば、未登録の電話番号からの着信時は音が鳴りません。「スター付きの連絡先」にすると、連絡先でお気に入りに登録した人物からの着信だけ音が鳴るようになります。
おやすみ時間モードを解除する

「おやすみ時間モード」が有効になっていると、設定した時間内(例23時から7時)は自動的に前述したサイレントモードがオンになります。
通知音や通知音を鳴らしたい場合は、クイック設定パネルから「おやすみ時間モード」をオフにするか、おやすみ時間中にこれらのモードを起動しない設定に変更しましょう。詳しい使い方は以下の記事を参照してください。
着信音が鳴らないときに考えられる原因と対処法
サイレントモード設定を見直しても改善しない場合、以下の対処法を試してみてください。
着信音・通知音の出力音量を上げる
当然ですが、端末の音量がゼロになっていると、通知音や着信音は鳴りません。

注意したいのが、音量ボタンでは着信音の音量を調節できないこと。
ここで変更できるのは、音楽や動画の再生中に出力される「メディア音」のみです。着信音・通知音を変更したい場合、以下の手順で端末の「設定」からおこなう必要があります。


[音設定]や[サウンド]などの項目に進み、「着信音・通知音」の音量を調節しましょう。
なお、調節中は音量の目安として一時的に着信音が鳴るので、設定時には周囲の状況に注意が必要です。
着信音が「なし」「設定しない」になっていないか確認
通知音のパターンが「なし」や「設定しない」になっていると、どれだけ音量を大きく設定していても音は鳴りません。



端末の「設定」を起動し、[音設定](または[サウンド]や[着信音とバイブレーション]など)の項目に進みます。
音設定で着信音の下に「なし」や「設定しない」「サイレント」と記載されている場合は、タップして他のものに変更しましょう。最後に、
や をタップすれば指定した音が鳴るようになります。イヤホンやヘッドフォンなど外部機器との接続を切る

イヤホンやヘッドフォンなどの機器に接続していると、特定の音の出力先が端末の内部スピーカーからイヤホンに切り替わるので、着信音が鳴っても気づかない可能性があります。
心当たりある場合は、試しにこれらの外部機器との接続を切ってみてください。


通常、ワイヤレスイヤホンは専用のケースに収納することで接続が解除されます。
ケースに収納しても接続が解除されない場合は、クイック設定パネルからBluetooth接続を解除してみてください。
LINE電話の着信音が鳴らないときはLINEアプリの通知設定を確認
LINEの無料通話の着信音が鳴らないときは、端末の設定などのほかに、LINEアプリの通知設定を確認しましょう。

全体の通知設定がオンになっているか確認

「通話の着信許可」がオンになっているか確認
LINEアプリで「ホーム」タブの設定ボタン
→[通知]と進み、全体の「通知」がオンになっているか確認してください。「通知」がオフだとメッセージの通知も含めて着信音は鳴りません。設定ボタンブロックしている場合、その相手からの無料通話の着信は届きません。
→[通話]と進んで「通話の着信許可」がオフだと通話の着信音が鳴らないので、オンになっているか確認しましょう。また、相手を端末/通信環境/アプリのメンテナンスをする
端末/通信環境/アプリのいずれかに、何かしらのトラブルが発生している可能性があります。

Androidの多くの機種では側面に電源ボタンがある
これらのトラブルの場合、Androidスマホを再起動するだけで改善するケースも少なくありません。すぐに実践できるので、まず試してみることをおすすめします。
端末を再起動しても改善しない場合、(1)インターネット接続が正常におこなわれているか、(2)ストレージの空き容量が不足していないか、(3)アプリ・OSのバージョンは最新かの3点をチェックしてみてください。
電話アプリのキャッシュを削除する
Androidスマホの場合、まれにアプリのキャッシュによってエラーが繰り返し発生してしまうことがあります。エラーが生じる工程をそのままキャッシュとして記録してしまい、何度も再現してしまうためと考えられます。
キャッシュを削除して、着信音を鳴らせるプロセスをイチからやり直させることで、不具合が改善するかもしれません。



ホーム画面上で普段使っている電話アプリのアイコンを長押しし、[ i ](アプリ情報)をタップします。
[ストレージとキャッシュ](または[ストレージ]などの項目)をタップし、続く画面で
をタップすれば完了です。なお、キャッシュはあくまで動作速度を向上させるための一時保存データなので、削除しても問題はないとされています。
電話アプリのアップデートをアンインストールする
電話アプリが最新版にアップデートされたことが原因の可能性もあります。AQUOS・Xperia・Pixelなどの機種であれば、アップデートのアンインストールをおこなうことで改善されるかもしれません。
機種によっては、電話アプリのアップデートをアンインストールできない場合があります。実際、手元のXperia Ace III(Android 12)では電話アプリのアップデートをアンインストールできませんでした。本項目に限り、AQUOS sense6(Android 12)で検証しています。


右上のメニューボタン
をタップするとアップデートのアンインストールが表示されるので、これをタップしてください。なお、アップデートのアンインストールは、プリインストールされているアプリで、かつアプリ情報画面で右上にが表示されている場合にのみおこなうことができます。メニューボタン
が表示されていないなら、アップデートのアンインストールは実施できません。SIMカードを挿入し直して再起動する

落下などの拍子にSIMカードが接触不良を起こした可能性も考えられます。以下の記事を参照しながら、いったんSIMカードを外して挿し込み、再起動してみましょう。
タスクキラーや節電系アプリ、バッテリー節電モードなどの利用を停止する

端末のバッテリー節約モードの設定画面。端末により機能の名称は異なる(Xpeiraシリーズの場合は「STAMINAモード」)
タスクキラーやクリーナーアプリ、節電系アプリ、また端末のバッテリー節約機能(エコモード、STAMINAモード、省エネスイッチ)を利用している場合は、利用を停止することで問題が解決するかもしれません。
というのも、これらの多くはスマホの「バックグラウンド通信」を制限します。バックグラウンド通信は、アプリ操作していない状態でも裏側で情報取得・更新をするための機能なので、これが制限されると着信機能に影響を及ぼす可能性があるのです。
メールの着信音が鳴らない場合は設定を見直す
メールアプリの着信音が鳴らない場合は、各種設定を見直しましょう。ここではAndroidスマホで一般的に利用されるGmailを例に解説します。

端末の設定アプリでGmailの通知設定を確認

Gmailアプリの通知設定を確認
まず、端末の「設定」アプリより「Gmailのすべての通知」などがオンになっているか確認しましょう。
次に、Gmailアプリの通知設定を確認します。トップ画面からメニューボタン
→[設定]と進み、アカウントを選択。[通知]から「すべて」または「高優先度のみ」を選択するなど、設定を見直してみてください。Gmailアプリの通知設定については以下の記事でも解説しています。
着信音が鳴るかテストをする
実際に着信がかかってこないと、問題に対処できているのか確認できません。一通り対処法を試したら、着信音が鳴るかのテストをおこなってみましょう。
ここでは、一人でできる着信テストの方法を紹介します。もちろん、家族や身近な友人に電話をかけてもらっても構いません。
LINEの自動音声通話認証システムを利用する
LINEアプリの電話番号登録・変更時におこなわれる「自動音声認証」を利用して着信テストをおこなうこともできます。
基本的に、日本国内で着信を受けた場合は発信側が国内・国外に関わらず着信側に通話料はかかりません。ただ、契約している通信会社のプランによっては着信料金がかかる場合があるので注意してください。


LINEアプリを起動し「ホーム」タブの右上にある設定ボタン
をタップ。メニューから へ進み、電話番号項目の ボタンを押してください。


「新規」の欄に現在使っている電話番号を入力しましょう。なお、登録中の電話番号と同じでも構いません。
次へをタップすると認証番号の入力画面に切り替わります。ここで[通話による認証]→[通話で認証]の順にタップしてください。

[通話で認証]をタップした直後に着信する

着信元が「アメリカ合衆国」と表示されるケースも
しばらく待つと、LINEから着信があるのでこれに出てください(出るまで着信され続けます)。
なお、発信番号は「0127」や「0101」などさまざまで、アメリカ合衆国と表示されるケースもあるようです。
試験センターに発信して折り返し着信を待つ(ドコモのみ)
NTTドコモでは、自分のスマホが正常に着信できるかテストするための番号があり、いつでも無料で利用できます。
なお、他のキャリアやMVNOの音声通話付きプランにもテスト通話専用番号はありますが、一方的な「発信」テストしかおこなえません。折り返しの電話をかけてくれるのは、ドコモだけのようです。


まず、NTTドコモの携帯電話から「111」にダイヤルして発信してください。発信時の通話料は発生しません。
試験センターに電話がつながると「ただいまから着信テストをおこないますのでしばらくお待ち下さい」とガイダンスが流れ、通話が自動終了します。

しばらくすると、「不明」や「通話不可能」から着信します。着信画面が表示されるかどうかを確認してください。
通話に出ると「ただいま着信試験をおこなっています」が繰り返し流れます。問題なければ電話を終了させましょう。