iPhoneで利用できる毎月の高速データ通信量は、携帯電話会社の契約プランごとに異なっています。使いすぎて通信速度制限を受けてしまうと、ウェブページを表示するだけでも数十秒かかってしまい、非常にストレスフルな状態になります。
できるだけ自宅のWi-Fiや無料Wi-Fiスポットを活用するのが大前提ですが、それでも制限に苦しむiPhoneユーザーは少なくないようです。使えるモバイルデータ通信量が少ない場合、通信速度制限がかからないように通信量を抑えるテクニックが必要になります。
そこで本記事では、iPhoneでデータ通信量を消費してしまいがちなアプリやSNS、動画・音楽・電子書籍といった項目を中心に、効果的な通信量の節約術を解説していきます。
- 1. アプリごとにモバイルデータ通信をオフにする
- 2. 写真や動画のバックアップ設定を変更する
- 3. 音楽のストリーミング再生にモバイルデータ通信を使わない
- 4. App Store/iTunes Storeでのモバイルデータ通信利用を避ける
- 5. アプリのバックグラウンド更新にモバイルデータ通信を使わない
- 6. SNSアプリの通信設定を変更する
- 7. ストリーミング動画をモバイルデータ通信で見ない
- 8. 電子書籍・雑誌はダウンロードしてから読む
- 9. iCloud Driveのファイル同期にモバイルデータ通信を使わない
- 10. Wi-Fiアシスト機能をオフにする
- 11. オンラインゲームをモバイルデータ通信でプレイしない
1. アプリごとにモバイルデータ通信をオフにする
左:「設定」アプリの[モバイル通信]をタップ右:使いすぎているアプリをオフにする
モバイルデータ通信量を節約するには、どのアプリがモバイルデータ通信を多く発生させているか知ることから始めます。その鍵になるのが、「設定」アプリにある[モバイル通信]です。
ここではアプリごとにデータ通信量が表示されます。必須ではないけれど使いすぎと思われるアプリを見つけたら、とりあえずスイッチをオフにして、Wi-Fiに接続しているときだけ通信を利用できるようにします。
毎月のデータ通信量を使い果たしてしまうことが多いという場合、この方法が一番効果があります。
2. 写真や動画のバックアップ設定を変更する
iPhoneで撮った写真や動画をクラウド上に保存している人は、アップロード設定を確認してみましょう。モバイルデータ通信を使って写真や動画がアップロードされているかもしれません。
左:[写真]から[モバイルデータ通信]を開く右:「モバイルデータ通信」のスイッチをオフにする
iCloudに写真を保存している人は、「設定」アプリからアップロードの設定を変更できます。
「設定」アプリで[写真]→[モバイルデータ通信]を開きます。「モバイルデータ通信」のスイッチをオフにしたら、設定完了です。Wi-Fiに接続されているときだけ、写真や動画のデータがアップロードされるようになります。
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Googleフォトの設定画面
その他のクラウドサービスを使っている場合は、アプリ内の設定を確認してみてください。とはいえ「Googleフォト」や「Amazon Photos」は、自身で設定していない限り、モバイルデータ通信がアップロードに使われないようになっています。
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3. 音楽のストリーミング再生にモバイルデータ通信を使わない
Apple MusicやSpotifyなど、音楽ストリーミングサービスは、曲のデータをダウンロードしながら再生するため、データ通信量が多くなりがちです。事前にWi-Fi環境下で曲のデータをダウンロードしておくか、ストリーミング音質を下げると、モバイルデータ通信量が節約できます。
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左:「設定」アプリの[ミュージック]から[モバイルデータ通信]を開く右:「モバイルデータ通信」のスイッチをオフにする
Apple Musicの場合は、「設定」アプリの[ミュージック]からモバイルデータ通信の設定ができます。[モバイルデータ通信]を選択し、スイッチをオフにすれば完了です。
またSpotifyやLINE MUSICには、データ使用量を節約するために、ストリーミングを低音質に変更するモードも用意されています。ダウンロード機能とうまく活用することで、音楽ストリーミングサービスのデータ通信量を大幅に抑えられるでしょう。
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4. App Store/iTunes Storeでのモバイルデータ通信利用を避ける
外出先でアプリをアップデートする機会は少ないですが、「自動ダウンロード」をオンにしている場合は注意が必要です。自分ではアップデートをしたつもりがないのに、数十MBのデータがダウンロードされてしまう可能性もあります。
「自動ダウンロード」をオフにする
「設定」アプリの[iTunes StoreとApp Store]からアプリの自動アップデートの設定変更が可能です。モバイルデータ通信でのアップデートを止めたいのであれば、「自動ダウンロード」のスイッチをオフにしてしまいましょう。
「Appのアップデート」をオンのままにしておけば、Wi-Fi接続時に自動的にアプリのアップデートをおこなってくれます。わざわざApp Storeにアクセスしなくても、アプリを最新の状態に保ってくれます。
iPhoneアプリを勝手に更新させない、自動アップデートをオン/オフする方法
また、App Storeによくアクセスする人は、App Store上でのビデオ自動再生を「Wi-Fiのみ」か「オフ」に設定すると、モバイルデータ通信料を節約できます。
5. アプリのバックグラウンド更新にモバイルデータ通信を使わない
左:[Appのバックグラウンド更新]を選択右:「オフ」か「Wi-Fi」に変更する
バックグラウンド更新は、フォアグラウンドにないアプリ(使用されていないアプリ)が、通信を利用してコンテンツを更新する機能です。
一部の例外を除くと、バックグラウンド更新をオフにして問題が発生するアプリは多くありません。オフかWi-Fi時に制限することで、モバイルデータ使用量を減らすことができます。
6. SNSアプリの通信設定を変更する
LINEやInstagramといったSNSアプリは、Wi-Fi環境下でなくても触れる機会の多いアプリです。もちろん、各アプリにはモバイルデータ通信での通信量を軽減させる設定が用意されています。
ここでは、LINEとInstagram、Twitterでのデータ通信設定の変更方法を紹介します。
LINE
LINEでは、トークでの画像や動画の読み込みに関する設定を変更することで、データ使用量の軽減ができます。
左:設定から[写真と動画]を開く右:「写真を自動ダウンロード」と「GIF自動再生」をオフ。「動画自動再生」を「Wi-Fiのみ」か「オフ」に
LINEの設定メニューから[写真と動画]を開きます。「写真を自動ダウンロード」と「GIF自動再生」のスイッチをオフにし、「動画自動再生」を「Wi-Fiのみ」か「オフ」に設定しましょう。
これで相手が送ってきた写真や動画を自動でダウンロードしたり再生したりして、意図せずデータ通信量を消費する心配がなくなります。
Instagramには、モバイルデータ通信量を軽減させるモードが用意されています。
左:設定の[アカウント]から[モバイルデータの使用]右:「データ使用量を軽減」をオンにする
Instagramの設定メニューの[アカウント]から[モバイルデータの使用]を開きます。「データ使用量を軽減」という項目があるので、そのスイッチをオンにすればOKです。
Wi-Fiに接続していないときに、動画や画像の自動読み込みをしないようになります。
Twitterもアプリでデータ使用量を軽減させるモードを使用できます。
左:「設定とプライバシー」の[データ利用の設定]を開く右:「データセーバー」をオンにする
Twitterアプリの「設定とプライバシー」から[データ利用の設定]を開きます。「データ利用の設定」内の「データセーバー」のスイッチをオンにすると設定完了です。
「データセーバー」がオンの状態では、動画の自動再生はされなくなり、画像は低画質で読み込まれるようになります。なお、「データセーバー」は端末単位での設定なので、同じ端末から他のアカウントにログインした場合でも適用されます。
7. ストリーミング動画をモバイルデータ通信で見ない
YouTubeやNetflixなどストリーミングで動画を見ていると、かなりのデータ通信量を消費してしまいます。少し動画を視聴しただけのつもりでも、あっという間に数百MB〜数GBのデータを消費し、通信速度制限の対象となる恐れがあります。
YouTubeもダウンロード機能に対応している
YouTubeでは有料プラン「YouTube Premium(プレミアム)」に登録すると、動画・音楽のダウンロード(一時保存)とオフライン再生が利用できるようになります。
YouTube Premium(プレミアム)のメリットと料金体系、無料で登録して解約するまでの方法・注意点まとめ
このほか、AmazonプライムビデオやNetflix、Huluといった動画配信サービスでも、データ通信量を消費せずコンテンツが再生できるように、あらかじめ動画を端末にダウンロードしておける機能が搭載されています。
【Netflix】動画ダウンロード・オフライン再生機能で知っておきたいこと 全解説【iPhone/Android】
Hulu(フールー)で動画をダウンロードする方法 注意すべき制限やバックグラウンド再生の方法も解説
Amazonプライムビデオでダウンロードする方法 注意したい5つの制限
ストリーミング時の画質を変更できるアプリもある(画像はAmazonプライム・ビデオ)
また、Wi-Fiに接続していないときはストリーミング再生を制限する機能をもったアプリもあるので、積極的に使用してデータ通信量が制限をオーバーしないようにしましょう。
8. 電子書籍・雑誌はダウンロードしてから読む
スマホの雑誌読み放題アプリや電子書籍アプリで読書をする人も多いことでしょう。この場合もダウンロード設定を変更しておくと、モバイルデータ通信接続時に無駄な通信量を消費するのが防げます。
dマガジンでは[あとで読む]で雑誌のダウンロードができる
スマホで雑誌や本を読むときに通信量を節約する方法の基本は、Wi-Fi環境下で事前に1冊ダウンロードしておくことです。ほとんどの雑誌読み放題アプリでは、雑誌のダウンロード機能がサポートされています。
おすすめはどれ? 雑誌読み放題サービスの比較と選び方【最新版】
Kindleには大きいファイルのダウンロードをWi-Fi接続時に制限する機能がある
Kindleは、Wi-Fi接続時のみ50MB以上の電子書籍ファイルをダウンロードできるよう制限する機能があります。ただ、この設定をオンにしていたとしても、基本的に書籍のデータはWi-Fi環境下で事前にダウンロードしておくことをおすすめします。
9. iCloud Driveのファイル同期にモバイルデータ通信を使わない
iCloud Driveは、書類やデータをiCloudに同期します。iPhoneからおこなったファイルの変更がiCloudのファイルと同期され、同じファイルにMacやiPadなどからアクセスできる仕組みです。
「iCloud Drive」をオフにすると、Wi-Fiに接続したときのみファイルの転送・同期が実行されます。モバイルデータ通信を使わずに同期することで、データ通信量を節約できます。
ただし、iCloud Driveがオフの状態では、「ファイル」アプリからファイルをダウンロードするときにもWi-Fiが必要になるので、注意が必要です。必要なファイルはあらかじめダウンロードしておくとよいでしょう。
「iCloud」の使い方──容量やログイン方法、バックアップ、iCloud Drive利用、写真共有、メール、ミュージックライブラリなど
10. Wi-Fiアシスト機能をオフにする
Wi-Fiの接続状況が悪いときに、モバイルデータ通信に自動で切り替える機能です。オンになっていると、Wi-Fiの接続状況が悪くてもインターネットを快適に利用できます。実行中のアプリにのみ有効で、バックグラウンドでコンテンツをダウンロードするときは使われません。
とはいえ、Wi-Fiの接続状況が悪いときはモバイルデータ通信でインターネットに接続しつづけることになるので、モバイルデータ通信の使用量が多くなるケースも。Wi-Fi接続中だからといって、必ずしも安心できるとは限らないのです。
11. オンラインゲームをモバイルデータ通信でプレイしない
他のプレイヤーと通信をしながらプレイするゲームは、当然ながら常にデータ通信を必要とします。1人でプレイするタイプのゲームであっても、さまざまなデータの読み込みに通信が発生している場合もあります。
また、ゲーム内のアイテムなどのダウンロードにも、通信量を消費するので注意が必要です。
対処法としては、可能な限りWi-Fi環境下でゲームをする、以外にありません。ゲームはデータ通信をしている感覚が得られにくいので、通信速度制限が気になる人は特に気をつけたほうがよいでしょう。
検証端末:iPhone X(iOS 13.3.1)