スマホで2つの電話番号を持つ方法──SMSも使える割安回線などを紹介

最小限のコストで取得するには?

「仕事用の番号が必要になった」「別の番号で本人認証したい」「個人情報を記入する際にメインの番号を使いたくない」といったように、スマホで2つ目の電話番号を取得したいというニーズは意外と高いものです。

とはいえ、具体的にどんな方法があるのか、どんな手順で取得したらいいのか、どのくらいコストがかかるのか、イメージしづらい人も少なくないはず。電話番号だけ欲しいということなら、コストも極力抑えたいところでしょう。

そこで本記事では、2つ目の電話番号取得におすすめなサブ回線や、スマホで2つ目の電話番号を取得する方法についてわかりやすく解説します。

2つ目の電話番号取得におすすめ、割安なサブ回線

2つ目の電話番号が欲しい場合、メイン回線とは別にサブ回線を契約する必要があります。とはいえ、電話番号だけ欲しいということであれば、できるだけサブ回線にかかる料金は抑えたいところでしょう。

ここでは割安で契約できるサブ回線を3つ紹介します。以下で紹介している回線であれば、「090」や「080」など汎用性の高い電話番号(詳細は後述)を取得できます。ただし、原則として電話番号を自分で指定することはできないケースがほとんどです。

povo2.0:基本料金0円、年間コストは440円

【2つ目の電話番号】povo2.0

徹底的にコストを抑えたいなら基本料金0円で使える「povo2.0」がおすすめです。Amazonでの取り扱いも開始され、利用しやすくなっています。

「povo2.0」に最低利用料金は設けられておらず、ユーザーの利用方法に応じて料金が加算されていく仕組み。必要に応じてデータ通信や通話かけ放題のトッピング(オプション)を購入し、自分にあった独自のプランを構築できるのです。

特筆すべきは、128kbpsでのデータ通信とSMSの受信だけなら一切トッピングをしていない無料の状態でもおこなえること。「備えとして持っておきたい」「SMSでの本人認証にだけ使いたい」といった程度であれば、お金をかけずに運用できるというわけです。

【2つ目の電話番号】povo2.0

「smash.使い放題パック」を1度購入すれば、半年間は基本料金0円で利用できる

ただし、povo2.0はずっと0円で運用していると利用停止・契約解除になってしまうため、180日に1回は何かしらのトッピングを購入しなければなりません。

そこでおすすめなのが、220円のトッピング「smash.使い放題パック」です。「smash.」は音楽やドラマなどの映像作品を視聴できるサービスですが、特筆すべきは料金の安さ。220円という料金はpovo2.0が提供するトッピングの中でも最安なのです。

つまり、半年に1度「smash.使い放題パック」を購入することで年間440円で2つ目の電話番号を取得できると考えれば、かなり安上がりだといえるでしょう。

楽天モバイル:月額1078円で通話かけ放題+データ通信3GB

【2つ目の電話番号】楽天モバイル

電話番号を取得したうえで、さらに通話もたくさんしたいということであれば「楽天モバイル」がおすすめです。

楽天モバイルは利用したデータ通信量に応じて料金が変動するワンプランが特徴。月3GBまでであれば、最低料金の月額1078円で利用できます。加入時や解約時に手数料が発生しないので、気軽に契約できるのも嬉しいポイントでしょう。

【2つ目の電話番号】楽天モバイル
【2つ目の電話番号】楽天モバイル

楽天モバイルを契約するメリットは、専用の通話アプリ「Rakuten Link(楽天リンク)」を利用できるということ。0570から始まる電話番号など一部対象外もありますが、他社携帯電話や固定電話への発信が無料になるのです。

「Rakuten Link」を使えば、SMSも無料で送信できます(ただし例外的に相手の機種などによって料金が発生する場合もあります)。

また、楽天モバイルを契約していると楽天市場でのポイント付与率がアップしたり、楽天ミュージック楽天マガジンなどの楽天関連サービスがお得になったりするメリットもあります。

仕事などで音声通話をよく利用する人や楽天経済圏の人は、楽天モバイルの利用を検討してみるのもよいでしょう。

mineo(マイネオ):最安は月額250円の格安SIM

【2つ目の電話番号】mineo

mineo(マイネオ)は割安な料金でデータ回線を契約できる格安SIM(MVNO)。なかでも、サブ回線専用で契約するなら最大通信速度を選べる「マイそく」プランがおすすめです。

「マイそく」料金プラン
プラン 月額料金 最大通信速度 手数料
スーパーライト 250円 32kbps 3300円
ライト 660円 300kbps 3300円(無料パッケージ販売あり)
スタンダード 990円 1.5Mbps 3300円(無料パッケージ販売あり)
プレミアム 2200円 3Mbps 3300円(無料パッケージ販売あり)

最安値は「スーパーライト」の月額250円。最大通信速度は32kbpsなので出先で使用するのはかなり厳しいですが、自宅やオフィスでWi-Fiに接続すれば問題ないでしょう。

【2つ目の電話番号】mineo

事務手数料が無料になるエントリーパッケージを事前に購入しておくのがおすすめ

mineoを契約する場合は事務手数料として3300円が発生していますが、Amazonでは事務手数料が無料になるエントリーパッケージが販売されています。価格も300円(セール時には100円未満の場合も)と安価なので、mineoを契約する際はエントリーパッケージを事前に購入したうえで契約するのもおすすめです。

エントリーパッケージを購入するとエントリーコードが送られてくるので、mineoの申し込みページでコードを入力すれば事務手数料の無料が適用されます。

なお、マイそくのスーパーライトにはエントリーパッケージを適用できません。スーパーライトを契約すると事務手数料3300円が発生してしまうので、利用する期間によってはライトやスタンダードのほうがコスパがよい場合もあります。

2つ目の電話番号として考えられる選択肢

一口に電話番号といっても、「090」「080」「070」「050」「020」など様々な種類があり、それぞれ「できること」が異なります。どのような用途を想定しているかによって、取得すべき番号が変わってくるので最初に確認しておきましょう。

  SIMの契約 音声通話 SMS モバイルデータ通信
「090」「080」「070」 必要
「050」 不要 × ×
「020」 必要 × ×

「090」「080」「070」で始まる電話番号

最も汎用性が高いのが「090」「080」「070」で始まる電話番号。これらはSIMに紐付いているので、取得したい場合はキャリアやMVNOなどで音声通話/SMS機能付きのSIMを契約する必要があります。

メリット
  • メイン回線がつながらないときの予備になる
  • メインの電話番号の流出対策になる
  • LINEなど電話番号認証必須のアカウントを複数作成できる
  • SIMの組み合わせ次第では節約になることも
デメリット
  • 審査が必要なのですぐに発行できるわけではない
  • 1台で運用するにはデュアルSIM対応のスマホが必要

一番のメリットは、それぞれ独立した電話回線・データ通信(インターネット)回線を利用できること。

たとえばメイン回線に通信障害が起きた場合も、サブ回線で通信環境を保つことができます。ほかにもLINEのアカウントを複数持てたり、懸賞用や申し込み用に使えたり、さまざまなシーンで便利に活用できるでしょう。

LINEMO

利用料金は2社分請求されることになりますが、前述したような割安回線を使えば追加のコストを最小限に抑えることができます。

ただ、1台で2回線を利用する場合、手持ちのスマホがデュアルSIM(eSIM)対応の機種でなければなりません。「2枚目のSIMが届いた後で使えないことに気づいた」という状況に陥らないように注意してください。

ドコモ「2 in 1」などのサービスは現在利用できない

かつてドコモやソフトバンクでは、ガラケー向けに1回線分の契約で2つ目の電話番号を発行できるサービス(2 in 1、ダブルナンバー)などが提供されていました。しかし、いずれも現在は新規ユーザーの申し込み受付を終了しています。

現在、ドコモでもソフトバンクでも、1回線につき1つの電話番号しか得られません。2つ目の番号を取得するには、同一名義で2回線分契約するほかないのが現状です。

「050」で始まる電話番号

IP電話

「050」が頭に付く電話番号は、電話回線ではなくインターネット回線を使って音声通話をする「IP電話」に割り当てられます。ざっくり言えば、LINEの無料電話と同じような仕組みだと思ってもらえればよいでしょう。

代表的なサービスとして、NTTの「050 plus」、ソフトバンクの「Dialpad」などが挙げられます。

メリット
  • 必要な手続きや審査などが少なく、手軽に取得できる
  • コストが安い
  • SIMを挿す必要がないため、機種を問わずに利用できる
デメリット
  • SMSの送信/受信ができない(本人認証に使えない)
  • 通話品質に少し難あり(若干の音声遅延が発生するケースがある)
  • 119番等の緊急通報や0120のフリーダイヤルおよびナビダイヤル等への通話ができない

「050」番号の最大のメリットは手軽さ。今のスマホ環境そのままに、ネット上で手続きするだけで簡単に取得できます。月額数百円で契約できることも多く、コストもあまりかかりません。

ただ、「050」のIP電話は用途がかなり限定される点に注意が必要です。一番の問題は、SMSの送信/受信ができないことでしょう。SMSは二段階認証や本人認証などで使われることが多いため、使えないと困るケースも多いはずです。

110番、119番等の緊急通報や「0120」のフリーダイヤルおよびナビダイヤルなどへの発着信もできません。「050」の番号は完全にサブの音声通話専用として割り切り、メインの電話番号は必ず確保しておく必要があります。

「020」で始まる電話番号

「020」で始まる電話番号は、原則としてデータ通信専用のSIMに割り当てられる番号です。音声通話の発着信やSMSの送受信には一切使えない番号であり、主に識別番号としての意味しか持ちません。

本記事で想定する「2つ目の電話番号」としての役割は乏しいので、メリット・デメリットなどは割愛します。

「090」「080」「070」番号を取得する手順

ここからは2つ目の「090」「080」「070」番号に焦点を当て、回線の選び方から1台のスマホで運用する方法まで紹介します。

自分のスマホがデュアルSIM(eSIM)対応スマホかどうか確認する

2つ目の電話番号を取得する前に、まず手持ちのスマホがSIMを2枚使える仕様(デュアルSIM)になっているか確認しなければなりません。

デュアルSIMには大きく分けて2つのタイプがあります。1つはSIMスロットを2基備えた端末に2枚の物理SIMカードを入れる方法。もう1つは、SIMカードを挿さずに回線接続できる「eSIM」を使う方法です。

デュアルSIM

自身のスマホがどちらのタイプにも対応していない場合は、1台のスマホで2つの電話番号を使い分けることはできません。回線の契約に進む前に、メーカーやキャリアの公式サイトで仕様を確認しておきましょう。

iPhone

iPhoneは、iPhone XS以降のすべての機種が「eSIM」に対応しているので、高い確率でデュアルSIM運用が可能です。

ちなみに、物理的なSIMを2枚挿せるタイプのiPhoneも存在はするものの、基本的に日本では販売されていません(香港向けの製品)。

Androidスマホ

Androidスマホでも、ここ2〜3年でデュアルSIM対応の機種が増えてきました。近年販売されている機種のほとんどはデュアルSIM対応の機種であり、SIMカードスロットを2基備える機種は少数派となっている印象です。

ただし、同じ機種でもドコモ/au/ソフトバンクが販売するいわゆる「キャリア版」のスマホは、デュアルSIM非対応のこともあるので注意が必要。SIMスロット2基のうち1つが塞がれていたり、eSIM機能が外されていたり、デュアルSIM運用ができない仕様にカスタムして販売されている可能性があります。

2つ目の電話番号を利用するためのサブ回線を契約する

自身のスマホがデュアルSIM対応機種であることが確認できたら、2つ目の回線を契約しましょう。

回線の契約は各サービスの申し込みページからおこなえます。基本的にどのサービスで回線を契約する場合でも、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類が必要となります。

【2つ目の電話番号】回線契約
【2つ目の電話番号】回線契約

楽天モバイルはワンプランのためプランの選択はありません。必要に応じて通話かけ放題やセキュリティ、保証などのオプションに加入しましょう。

【2つ目の電話番号】回線契約
【2つ目の電話番号】回線契約

mineoを契約する際はデータ通信+音声通話の「デュアルタイプ」とデータ通信のみの「シングルタイプ」を選択できます。

2つ目の電話番号で音声通話をしたい場合は「デュアルタイプ」を選択してください。LINEなどのサービス登録のために2つ目の電話番号が必要(音声通話は利用しない)なのであれば「シングルタイプ」でもOKです。シングルタイプでは音声通話は利用できませんが、電話番号自体は発行されます。Aプラン(au回線)ならSMSを無料で使えるので、たとえばLINEのアカウント登録も可能となります。

あとは「マイピタ」または「マイそく」からプランを選択しましょう。

デュアルSIMで利用する設定をする

回線を契約したら、あとは自身のスマホに2つ目のSIMを適用するだけです。SIMを発行したキャリア・MVNOで詳しい手順が案内されているので、そちらを参考にしてください。ここでは大まかな流れを紹介します。

eSIM 発行
eSIM 発行
eSIM 発行

まず「eSIM」の場合は、オンラインでの手続き後、審査完了まで待ちます。審査が通ったら、スマホを操作し指定のQRコードを読み込んだり、コードを入力したりなどしてSIMの情報を端末にダウンロードしてください。基本的には、これだけで作業は完了です。

最後に、デフォルトで通話やSMS、データ通信に使う回線を決めれば電話番号を自由に使い分けられます。

SIM2枚

物理SIMの場合は、SIMカードが自宅に郵送され次第、自身のスマホに挿入するだけでOK。必要に応じてAPN設定をおこなえば、2つ目の回線を利用できます。

EDITED BY
MOEGI