「仕事用の番号が必要になった」「別の番号で本人認証したい」「個人情報を記入する際にメインの番号を使いたくない」といったように、スマホで2つ目の電話番号を取得したいというニーズは意外と高いものです。
とはいえ、具体的にどんな方法があるのか、どんな手順で取得したらいいのか、どのくらいコストがかかるのか、イメージしづらい人も少なくないはず。電話番号だけ欲しいということなら、コストも極力抑えたいところでしょう。
そこで本記事では、2つ目の電話番号取得におすすめなサブ回線や、スマホで2つ目の電話番号を取得する方法についてわかりやすく解説します。
2つ目の電話番号取得におすすめ
2つ目の電話番号取得におすすめ、割安なサブ回線
2つ目の電話番号が欲しい場合、メイン回線とは別にサブ回線を契約する必要があります。とはいえ、電話番号だけ欲しいということであれば、できるだけサブ回線にかかる料金は抑えたいところでしょう。
ここでは割安で契約できるサブ回線を4つ紹介します。以下で紹介している回線であれば、「090」や「080」など汎用性の高い電話番号(詳細は後述)を取得できます。ただし、原則として電話番号を自分で指定することはできないケースがほとんどです。
楽天モバイル:月額1078円でデータ通信3GB+通話かけ放題、楽天ポイント付与率+4倍に

楽天モバイルが提供する「Rakuten最強プラン」の料金の仕組み
電話番号を取得したうえで、さらに通話もたくさんしたいということであれば楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」がおすすめです。
楽天モバイルは利用したデータ通信量に応じて料金が変動するワンプランが特徴。月3GBまでであれば、最低料金の月額1078円で利用できます。加入時や解約時に手数料が発生しないので、気軽に契約できるのも嬉しいポイントでしょう。
20GB超過後は月額3278円でデータ通信が無制限。サブ回線だけでなく、メイン回線にも楽天モバイルは向いています。家族割を利用すれば、プラン料金から毎月110円が割引されます。
2024年6月よりプラチナバンドもスタート

2024年6月27日より、プラチナバンドの商用利用がスタートしました。プラチナバンドとは、ビル群や地下などでも電波が届きやすい性質を持った700〜900MHzの電波を中心とする周波数帯の俗称。これまで楽天モバイルはプラチナバンドを使用した通信サービスを提供していませんでしたが、6月よりプラチナバンドの商用利用がスタートしたことで繋がりやすさの改善に期待が持たれます。


Rakuten Linkなら他社キャリアや固定電話を含む国内通話が無料
楽天モバイルを契約するメリットは、専用の通話アプリ「Rakuten Link(楽天リンク)」を利用できるということ。0570から始まる電話番号など一部対象外もありますが、他社携帯電話や固定電話への発信が無料になるのです。楽天リンクを使えば、SMSも無料で送信できます(ただし例外的に相手の機種などによって料金が発生する場合もあります)。

楽天モバイルを契約しているユーザーは、楽天SPUにより楽天市場で買い物した際のポイント付与率が+4倍となります。
通常分(税抜100円ごとに1ポイント)の1倍に、楽天モバイル契約による+4倍が加わり、合計で5倍にアップ。税抜100円ごとに5ポイントも貯まります。

楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」の料金は月額1078円(月間データ通信量が3GB未満の場合)。単純計算で、税抜2万1600円を楽天市場で毎月買い物しているなら、楽天モバイルによる楽天SPUのポイント付与分と通常分だけでRakuten最強プランの利用料をまかなえてしまうのです。
また、楽天モバイルを契約していると楽天マガジンや楽天ミュージックを割引価格で利用できる、Rakuten NBAやパ・リーグSpecialを無料で利用できるなどのメリットもあります。
HISモバイル:月100MB未満なら月額280円で2回線目に最適

HISモバイルは、その名の通り大手旅行会社エイチ・アイ・エスのグループ会社が提供する格安SIM。音声通話やSMSもついた「自由自在2.0プラン」なら、最安で月額280円から契約できます。
通話料金が30秒ごとに9円と格安なのも嬉しいポイントです。なかには専用通話アプリを使うことで10円/30秒程度になる格安SIMもありますが(mineoなど)、一般的には22円/30秒のキャリア・MVNOがほとんど。この点、HISモバイルは「業界最安値」を謳うだけあり、通常の半額ほどの通話料金で利用できるコスパの良さも魅力でしょう。ドコモ回線を使っているので、通話やデータ通信の品質も安心です。

1GBプランの場合、月間データ通信量が100MB未満なら月額280円で済みます。自宅やオフィスで常にWi-Fiに接続し、ほぼ通話専用の回線などとして使えば現実的でしょう。SMSも利用できるので、LINEのアカウント作成をはじめとするWebサービスにも利用できます。
6分かけ放題や完全かけ放題のオプション(月額500円)も提供されており、100MB未満なら合計で月額780円とコスパも良いので通話専用機としても向いています。
回線契約時には事務手数料として3300円が発生してしまう点には注意してください。プラン変更、解約、MNP転出に関する手数料はかかりません。
LINEMO:他社から乗り換えで最大2万円相当のPayPayポイントもらえる


「LINEMO(ラインモ)」はソフトバンクが提供するオンラインブランド。3GBまでで月額990円または10GBまでで月額2090円で料金が変動する「ベストプラン」、30GBで月額2970円の「ベストプランV」の2種類のプランが提供されています *1 。
2つ目の電話番号を持つなら、データ使用量の少ないベストプランがおすすめです。データ使用量を3GBまでに抑えられれば月額990円で使えます。
LINEMOはLINEのトークや通話を使用してもデータ通信量を消費しない「LINEギガフリー」が特徴。2回線目を発行してLINEを主に使いたいという人に適しています。
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※「通話準定額」およびベストプランVは、5分超過の国内通話料が従量制となります(一部対象外の通話あり)
※時間帯により速度制御の場合あり
※表記は基本料金
※ベストプランおよびベストプランVはオンライン専用です

他社からベストプランに乗り換えると1万4000円相当(新規契約だと7000円相当)、ベストプランVに乗り換えると2万円相当(新規契約だと1万円相当)のPayPayポイントがもらえる「PayPayポイントプレゼントキャンペーン」を実施しています。ソフトバンク・ワイモバイル・LINEモバイルからの乗り換えはキャンペーン対象外なので注意してください。 *2 。
他社からベストプランに乗り換えてデータ使用量を3GBに抑え続ければ、実質的に14カ月分のプラン料金が無料となる計算です。
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詳細はLINEMOの公式サイト(https://www.linemo.jp/)で確認してください。
mineo(マイネオ):最安は月額250円の格安SIM

mineo(マイネオ)は割安な料金でデータ回線を契約できる格安SIM(MVNO)。なかでも、サブ回線専用で契約するなら最大通信速度を選べる「マイそく」プランがおすすめです。
最安値は「スーパーライト」の月額250円。最大通信速度は32kbpsなので出先で使用するのはかなり厳しいですが、自宅やオフィスでWi-Fiに接続すれば問題ないでしょう。
プラン | 月額料金 | 最大通信速度 | 手数料 |
---|---|---|---|
スーパーライト | 250円 | 32kbps | 3300円 |
ライト | 660円 | 300kbps | 3300円(無料パッケージ販売あり) |
スタンダード | 990円 | 1.5Mbps | 3300円(無料パッケージ販売あり) |
プレミアム | 2200円 | 3Mbps | 3300円(無料パッケージ販売あり) |

事務手数料が無料になるエントリーパッケージを事前に購入しておくのがおすすめ(画像はセール時の価格)
mineoを契約する場合は事務手数料として3300円が発生しますが、Amazonでは事務手数料が無料になるエントリーパッケージが販売されています。価格も300円(セール時には100円未満の場合も)と安価なので、mineoを契約する際はエントリーパッケージを事前に購入したうえで契約するのもおすすめです。
エントリーパッケージを購入するとエントリーコードが送られてくるので、mineoの申し込みページでコードを入力すれば事務手数料が無料になります。
なお、マイそくのスーパーライトにはエントリーパッケージを適用できません。スーパーライトを契約すると事務手数料3300円が発生してしまうので、利用する期間によってはライトやスタンダードのほうがコスパがよい場合もあります。
povo2.0:基本料金0円、年間コストは500円

徹底的にコストを抑えたいなら基本料金0円で使える「povo2.0」がおすすめです。Amazonでの取り扱いも開始され、利用しやすくなっています。
「povo2.0」に最低利用料金は設けられておらず、ユーザーの利用方法に応じて料金が加算されていく仕組み。必要に応じてデータ通信や通話かけ放題のトッピング(オプション)を購入し、自分にあった独自のプランを構築できるのです。
特筆すべきは、128kbpsでのデータ通信とSMSの受信だけなら一切トッピングをしていない無料の状態でもおこなえること。「備えとして持っておきたい」「SMSでの本人認証にだけ使いたい」といった程度であれば、お金をかけずに運用できるというわけです。

「データ使い放題(6時間)」を1度購入すれば、半年間は基本料金0円で利用できる
ただし、povo2.0はずっと0円で運用していると利用停止・契約解除になってしまうため、180日に1回は何かしらのトッピングを購入しなければなりません。
そこでおすすめなのが、1回250円のトッピング「データ使い放題(6時間)」です。250円という料金は、povo2.0が常時提供するトッピングの中でも最安なのです。
つまり、半年に1度「データ使い放題(6時間)」を購入すれば年間500円で2つ目の電話番号を取得できます。電話番号の取得を目的とするのであれば、かなり安上がりだといえるでしょう。期間限定で「データ使い放題(6時間)」より安いトッピングが販売される場合もあります。
2つ目の電話番号として考えられる選択肢
一口に電話番号といっても、「090」「080」「070」「050」「020」など様々な種類があり、それぞれ「できること」が異なります。どのような用途を想定しているかによって、取得すべき番号が変わってくるので最初に確認しておきましょう。
SIMの契約 | 音声通話 | SMS | モバイルデータ通信 | |
---|---|---|---|---|
「090」「080」「070」 | 必要 | ○ | ○ | ○ |
「050」 | 不要 | ○ | × | × |
「020」 | 必要 | × | × | ○ |
「090」「080」「070」で始まる電話番号
最も汎用性が高いのが「090」「080」「070」で始まる電話番号。これらはSIMに紐付いているので、取得したい場合はキャリアやMVNOなどで音声通話/SMS機能付きのSIMを契約する必要があります。
- メイン回線がつながらないときの予備になる
- メインの電話番号の流出対策になる
- LINEなど電話番号認証必須のアカウントを複数作成できる
- SIMの組み合わせ次第では節約になることも
- 審査が必要なのですぐに発行できるわけではない
- 1台で運用するにはデュアルSIM対応のスマホが必要
一番のメリットは、それぞれ独立した電話回線・データ通信(インターネット)回線を利用できること。
たとえばメイン回線に通信障害が起きた場合も、サブ回線で通信環境を保てます。ほかにもLINEのアカウントを複数持てたり、懸賞用や申し込み用に使えたり、さまざまなシーンで便利に活用できるでしょう。

利用料金は2社分請求されますが、前述したような割安回線を使えば追加のコストを最小限に抑えられます。
ただ、1台で2回線を利用する場合、手持ちのスマホがデュアルSIM(eSIM)対応の機種でなければなりません。「2枚目のSIMが届いた後で使えないことに気づいた」という状況に陥らないように注意してください。
かつてドコモやソフトバンクでは、ガラケー向けに1回線分の契約で2つ目の電話番号を発行できるサービス(2 in 1、ダブルナンバー)などが提供されていました。しかし、いずれも現在は新規ユーザーの申し込み受付を終了しています。
現在、ドコモでもソフトバンクでも、1回線につき1つの電話番号しか得られません。2つ目の番号を取得するには、同一名義で2回線分契約するほかないのが現状です。
「050」で始まる電話番号

「050」が頭に付く電話番号は、電話回線ではなくインターネット回線を使って音声通話をする「IP電話」に割り当てられます。ざっくり言えば、LINEの無料電話と同じような仕組みだと思ってもらえればよいでしょう。
- 必要な手続きや審査などが少なく、手軽に取得できる
- コストが安い
- SIMを挿す必要がないため、機種を問わずに利用できる
- SMSの送信/受信ができない(本人認証に使えない)
- 通話品質に少し難あり(若干の音声遅延が発生するケースがある)
- 119番等の緊急通報や0120のフリーダイヤルおよびナビダイヤル等への通話ができない
「050」番号の最大のメリットは手軽さ。今のスマホ環境そのままに、ネット上で手続きするだけで簡単に取得できます。月額数百円で契約できることも多く、コストもあまりかかりません。
ただ、「050」のIP電話は用途がかなり限定される点に注意が必要です。一番の問題は、SMSの送信/受信ができないところでしょう。SMSは二段階認証や本人認証などでよく使われるため、使えないと困るケースも多いはずです。
110番、119番等の緊急通報や「0120」のフリーダイヤルおよびナビダイヤルなどへの発着信もできません。「050」の番号は完全にサブの音声通話専用として割り切り、メインの電話番号は必ず確保しておく必要があります。
「020」で始まる電話番号
「020」で始まる電話番号は、原則としてデータ通信専用のSIMに割り当てられる番号です。音声通話の発着信やSMSの送受信には一切使えない番号であり、主に識別番号としての意味しか持ちません。
本記事で想定する「2つ目の電話番号」としての役割は乏しいので、メリット・デメリットなどは割愛します。
「090」「080」「070」番号を取得する手順
ここからは2つ目の「090」「080」「070」番号に焦点を当て、回線の選び方から1台のスマホで運用する方法まで紹介します。
自分のスマホがデュアルSIM(eSIM)対応スマホかどうか確認する
2つ目の電話番号を取得する前に、まず手持ちのスマホがSIMを2枚使える仕様(デュアルSIM)になっているか確認しなければなりません。

デュアルSIMには大きく分けて、以下3つのタイプがあります。
- SIMスロットを2基備えた端末に2枚の物理SIMカードを入れる
- 物理SIMカードとeSIMを組み合わせる
- サブ回線・メイン回線の両方をeSIMで使う(デュアルeSIM)
自身のスマホがどのタイプにも対応していない場合は、1台のスマホで2つの電話番号を使い分けることはできません。回線の契約に進む前に、メーカーやキャリアの公式サイトで仕様を確認しておきましょう。

iPhoneは、iPhone XS以降のすべての機種が「eSIM」に対応しているので、高い確率でデュアルSIMを運用できます。また、iPhone 13以降の機種ではデュアルeSIMを利用可能です。
ちなみに、物理的なSIMを2枚挿せるタイプのiPhoneも存在はするものの、基本的に日本では販売されていません(香港向けの製品)。

Androidスマホでも、ここ数年でeSIM対応の機種が増えてきました。近年販売されている機種のほとんどはeSIM対応の機種であり、SIMカードスロットを2基備える機種は少数派となっている印象です。
サブ回線を契約する際は、自身の使用しているスマホがデュアルSIMに対応しているかどうか、事前にメーカーの公式サイトなどで確認してください。
2つ目の電話番号を利用するためのサブ回線を契約する
自身のスマホがデュアルSIM対応機種であることが確認できたら、2つ目の回線を契約しましょう。
回線の契約は各サービスの申し込みページからおこなえます。基本的にどのサービスで回線を契約する場合でも、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類が必要となります。


楽天モバイルの申し込み画面
楽天モバイルは「Rakuten最強プラン」のワンプランのためプラン選択はありません。SIMタイプは「SIMカード」か「eSIM」から選択できます。必要に応じて通話かけ放題やセキュリティ、保証などのオプションに加入しましょう。


HISモバイルの申し込み画面
HISモバイルを契約する際は、まずはじめにSIMタイプを「カードタイプSIM」か「eSIM」から選択。利用規約や対応端末などの注意事項を確認したら、データ使用量や通話オプションの有無などを選択してください。
あとは案内に沿って画面を進め、本人確認などの手続きをおこなえば登録は完了です。LINEMOやmineoの場合も、申し込み時にSIMタイプとデータ通信料を決める点は同様です。
デュアルSIMで利用する設定をする
回線を契約したら、あとは自身のスマホに2つ目のSIMを適用するだけです。SIMを発行したキャリア・MVNOで詳しい手順が案内されているので、そちらを参考にしてください。ここでは大まかな流れを紹介します。



iPhoneの場合、「設定」アプリの[モバイル通信]→[モバイル通信プランを追加]の順に進むと、QRコードの読み込み画面が表示される
まず「eSIM」の場合は、オンラインでの手続き後、審査完了まで待ちます。審査が通ったら、スマホを操作し指定のQRコードを読み込んだり、コードを入力したりなどしてSIMの情報を端末にダウンロードしてください。端末によってはインターネット接続にAPN設定が必要な場合があります。
基本的には、これだけで作業は完了です。最後に、デフォルトで通話やSMS、データ通信に使う回線を決めれば電話番号を自由に使い分けられます。

物理SIMの場合は、SIMカードが自宅に郵送され次第、自身のスマホに挿入するだけでOK。必要に応じてAPN設定をおこなえば、2つ目の回線を利用できます。