ソフトバンクが提供する「LINEMO(ラインモ)」は、契約時にSIMカードかeSIMかを選択できます。スマホに挿し込む物理型のSIMカードに対し、eSIMはオンラインであらかじめスマホに契約者情報や電話番号を書き込むタイプです。eSIMは便利な一方で注意点もあるため、自身の利用状況に応じて選択しましょう。
本記事では、LINEMOでeSIMを使うメリットや注意点、実際にeSIMを申し込んで回線を開通させるまでの手順を詳しく解説しています。
eSIMのメリット

eSIMとは、契約者情報や電話番号が記録されたSIMがスマホに内蔵された本体一体型となっているSIMタイプです。SIMカードとは異なり、物理型のカードは必要ありません。LINEMOを契約する際にeSIMを選択した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。
オンラインで開通まで完結、その日から使える

LINEMO契約時のSIMタイプ選択画面
eSIMはオンラインで手続きが完結するため、契約から開通までスムーズなのが特徴です。契約が完了すれば最短1時間で回線が開通するので、急きょ必要になった時でもその日のうちに使えます。
物理型のSIMカードの場合、申し込み後に自宅に郵送されてきますが、手元に届くまで2〜3日程度かかります(配送地域や申し込み状況によってはそれ以上の場合も)。
1台で複数回線の使い分けが便利

デュアルSIM対応のスマホであれば、1台のスマホにSIMカードとeSIMの両方を設定することで、電話番号を使い分けることができます。
たとえばドコモのSIMカードを挿してドコモ回線を主回線として使いながら、LINEMOをeSIMで契約して副回線として使うといったことも可能です。わざわざスマホを2台持ちしなくても、仕事用とプライベート用など手軽に回線を使い分けられるのです(回線の使い分け方法は後述)。
海外旅行時もスムーズ
旅行や出張で海外へ行く際にもeSIMは役立ちます。SIMカードを利用している場合、訪問先の国・地域に対応したSIMカードをレンタルまたは購入し、現在挿しているSIMカードと交換する必要があります。
レンタル・購入するとなれば自宅への配送に時間がかかったり、店舗まで取りに行ったり何かと手間がかかります。また、SIMカードは非常に小さいので交換した際に紛失してしまう恐れもあるでしょう。
しかし、eSIMであればオンラインで素早く手続きして利用できるようになります。もちろん紛失の心配もありません。
再発行やSIMカードへの切り替えは無料

LINEMOのeSIMは再発行やSIMカードへの切り替えが無料です。格安SIMのなかにはeSIMの再発行やSIMカードへの切り替えに3000円程度かかるものもありますが、LINEMOなら「eSIMを使っていたけどやっぱりSIMカードが良い」となった場合でも料金がかかることはありません。
eSIMの再発行はMy Menuからの手続きが必要です。SIMカードへの切り替えは以下のページから手続きしてください(受付時間:9時〜23時)。
eSIMのデメリット・注意点
eSIMにはメリットだけでなく、デメリットや注意点もあります。契約する際は考慮したうえで申し込みましょう。用途や利用状況によっては、物理型のSIMカードを申し込むという選択肢もあります。
機種変更など別端末で使うときは不便

たとえばLINEMOから他キャリアに機種変更する場合、SIMの移行手続きが必要になる
物理型のSIMカードであれば、機種変更などで別端末で利用する際はSIMカードを挿し替えればすぐに使えるようになります。
一方のeSIMの場合、別端末で使うには手続きが必要です。オンラインで手続きできるとはいえ、SIMカードに比べれば移行の手間がかかるのが難点と言えるでしょう。機種変更などに伴うeSIMの変更手続きは無料です。
eSIMに対応する端末が限られる

たとえばiPhone XRはeSIM対応だが、iPhone 6sは非対応
eSIMはすべてのスマホで利用できるわけではなく、対応している機種が限られている点には注意しましょう。対応機種でなければeSIMは利用できません。
たとえばiPhoneの場合、eSIMに対応しているのはiPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR以降の機種です。iPhone X以前の古い機種はnanoSIM(SIMカード)にしか対応していません。
Androidスマホも対応機種は限られているので、eSIMを選択する場合はLINEMOの回線を使おうとしているスマホがeSIMに対応しているかどうかを契約前に必ず確認してください。同じ機種でも事業者やキャリアによって対応していないケースもあります。
手持ちの端末で使うにはSIMロック解除が必要な場合も

たとえばiPhoneの場合、SIMロック解除済みだと「SIMロックなし 」などと表示されている
eSIMを利用するには、手持ちのスマホがSIMフリー端末であるか、SIMロックが解除されている必要があります。契約前に必ず確認しましょう。
スマホのSIMロックが解除されているか確認する方法【Android・iPhone】 iPhoneをSIMロック解除(SIMフリー化)する方法、手続きのやり方と受付条件とは
すべての機種がSIMロック解除に対応しているわけではありませんが、eSIMに対応している機種ならSIMロック解除も可能なはずです。
なお、スマホの購入元によっては購入から101日以上経過していないとSIMロックを解除できなかったり、契約状況によってはSIMロック解除に手数料が発生したりするケースもあります。詳細は各キャリアの公式サイトを確認してください。
LINEMOでeSIMを契約・利用を開始する手順
LINEMOでeSIMを契約して利用を開始するまでの手順を大きく4つに分けてそれぞれ詳しく紹介します。
手順1:事前に準備すること
LINEMOでeSIMを契約する前に準備しておくべきことを確認しましょう。
手持ちのスマホがeSIM対応か確認する

まずはじめに、手持ちのスマホ(またはこれから購入予定のスマホ)がLINEMOに対応しているかどうかを必ず確認してください。
iPhoneであれば基本的にどの機種もLINEMOに対応していますが、特にAndroidスマホの場合は機種や購入元によって動作確認がとれておらず、契約してもLINEMOの回線を使えない恐れもあります。対応機種はLINEMOの公式サイトにて確認できます。
また前述の通り、手持ちのスマホ(またはこれから購入予定のスマホ)がeSIMに対応しているかどうかも確認してください。もしeSIMに対応していなければ、物理型のSIMカードを選択しましょう。
支払い方法の確認
LINEMOで利用できる支払い方法は以下の通りです。
- クレジットカード(VISA・Mastercard・JCB・American Express・Diners Club)
- 口座振替(翌月の26日頃に引き落とし)
- PayPay残高
なお、消費税・ソフトバンクまとめて支払い(キャリア決済)・コンテンツ情報料をPayPay残高で支払うことはできません。契約時に必ずクレジットカードまたは口座振替を支払い方法に選択したうえで、My MenuでPayPay残高支払いの申し込みが必要となります。
たとえばスマホプラン(税込2728円、うち消費税248円)の基本料金をPayPay残高で支払う場合、税別価格の2480円をPayPay残高で支払うことはできますが、消費税分の248円はクレジットカードまたは口座振替にて支払わなけばなりません。
メールアドレスを作成する
LINEMOはキャリアメール(〜@docomo.ne.jpなど)を提供していないため、乗り換え前に利用していたキャリアメールは利用できなくなります。サブスクなどのサービスをキャリアメールで会員登録していた場合、乗り換え後に使えなくなる恐れもあります。
事前にGmailなどでメールアドレスを発行し、会員登録で使用したメールアドレスを変更したうえで乗り換えるのが安心でしょう。
手順2:契約申し込み
実際にLINEMOでeSIMを申し込む手順を紹介します。今回は「ミニプランのeSIMを新規契約するパターン」で検証しています。機種変更の場合、手順が異なる場合があります。
まずは以下のリンクからLINEMOの公式サイトにアクセスしましょう。
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SIMタイプで「eSIM」を選択する
LINEMOの公式サイトにアクセスしたら、[申し込む]をタップして申し込みページに進みます。
機種変更なら「今の電話番号をそのまま使用する」を選択し、現在利用中の携帯電話会社を選びます。電話番号を新規発行する場合は「新しい電話番号で契約する」を選択します(ここでは「新しい電話番号で契約する」を選択)。
SIMタイプでは「eSIM」を選んでください。利用予定の端末を選択したら、注意事項を確認しつつ画面を下までスクロールし、[サービス選択に進む]をタップします。
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プラン・オプションを選ぶ
次に契約するプランを「ミニプラン」または「スマホプラン」から選択します。
- ミニプラン:月間データ容量3GB、月額990円(税込)
- スマホプラン:月間データ容量20GB、月額2728円(税込)
必要に応じて、通話オプションや保証などに加入するかどうかもあわせて選択してください。それぞれ選択したら、[写真の撮影に進む]をタップして次に進みます。
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本人確認書類・顔写真の撮影
本人確認書類と顔写真の撮影をおこないます。
[本人確認書類の選択に進む]をタップ。撮影する本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)を選択し、[書類の撮影に進む]をタップします。
スマホのカメラが起動するので、画面の案内に従って本人確認書類および顔写真を撮影してください。
本人確認書類は正面・斜め・裏面の3回、顔写真は静止画と動画の2回撮影をおこないます。
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契約書情報の入力・支払い方法の登録
契約者の氏名・生年月日・住所などを入力
[ワンタイムパスワードを受け取る]をタップすると、入力したメールアドレスに3桁のワンタイムパスワードが届く
支払い方法はクレジットカードまたは口座振替のどちらかを選択する
LINEMOを契約するユーザーの氏名、生年月日、メールアドレス、住所などを入力します。メールアドレスはワンタイムパスワードによる認証が必要です。
支払い方法をクレジットカードまたは口座振替から選んでください。いずれも入力・登録を済ませたら、[重要事項の確認に進む]をタップします。
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重要事項説明を確認
LINEMOおよびeSIMを利用するうえでの重要事項説明を確認・同意したら、各項目にチェックを入れて[申込内容を確認に進む]をタップします。
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申し込みが完了
最後に申し込み内容を確認し、[申し込みを確定する]をタップしてください。
受注番号が表示されるので、スクリーンショットを撮影して保管しておきましょう。登録したメールアドレスにも確認メールが届きます。
iPhoneでスクリーンショットを撮る方法──背面タップ、仮想ボタン設定、全体スクショも解説 Androidスマホでスクリーンショットを撮影する方法──音消しや全画面スクショも解説
手順3:eSIMの回線開通手続き
申し込みが完了したら、eSIMの回線開通手続きをおこないましょう。今回はAQUOS sense6(Android 11)を使ってLINEMOの回線を開通したので、その手順を紹介します。
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確認メールからLINEMOの開通アプリをインストール
メール内のURLをタップ
AndroidスマホであればGoogle Playからインストール
iPhoneであればApp Storeからインストール
申し込みが完了してすばらくすると、「eSIMプロファイルダウンロードのお知らせ」というタイトルのメールが届きます。今回の検証では申し込み完了から1時間弱で届きました。
メール本文に記載されたURLをタップすると、「LINEMO かんたんeSIM開通」というアプリを入れる画面に切り替わるので、インストールしておきましょう。
なお、「LINEMO eSIMかんたん開通」アプリを使わずに開通手続きをおこなう方法もありますが、今回はより簡単に手続きできることから、アプリを使った方法で解説しています。
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eSIMかんたん開通アプリを起動
「LINEMO eSIMかんたん開通」アプリを起動させましょう。なお、アプリを起動する際はLINEMOでeSIMを利用する端末で起動してください。
案内に従って画面を進め、利用規約を確認・同意して[次に進む]をタップします。
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SIMロックが解除されているか確認し、認証コードを発行
SIMロック解除が完了しているか尋ねられます。開通手続きする際は、必ず事前にSIMロックを解除しておくか、SIMフリーの端末を利用してください。
SIMロックが解除されているかを確認する
すべての項目がクリアできていればOK
スマホがSIMロックが解除されていることを確認し、[解除されています]→[次へ進む]をタップしてください(「解除されていません」または「わかりません」を選択すると、SIMロック解除の方法が記載されたページが表示されます)。
回線を開通する端末(=アプリを開いている端末)がeSIM対応端末か、ストレージの空き容量があるかどうかのチェックがおこなわれます。すべてクリアしたら[次へ進む]をタップしてください。
申し込み時に表示された受注番号と登録したメールアドレスを入力し、メールまたは自動音声通話で受け取った6桁の認証コードを発行・入力してください。
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設定ファイルのダウンロード、APN設定をおこなう
[設定をはじめる]をタップすると、設定ファイルがダウンロードされます。
iPhoneであれば基本的に設定ファイルをダウンロードするだけでAPN設定は不要です。もし通信が正常にできない場合は、以下のヘルプページを参照してください。
eSIMプロファイルをダウンロードした際にエラーが出た時の対処法(LINEMO) iPhoneやスマートフォンでAPN設定(モバイルネットワーク設定)をしたにもかかわらず、通信できない(LINEMO)
Androidスマホの場合、手動でのAPN設定が必要です(以下参照)。
AndroidスマホでのAPN設定
AndroidスマホでLINEMOのeSIMを開通する場合、設定アプリからAPN設定をおこなってください。
ここではAQUOS sense6を使った方法で検証・解説しています。機種によって操作手順が異なる場合があります。
検証端末:AQUOS sense6(Android 11)
まずはじめに端末の設定アプリを開き、[ネットワークとインターネット]を選択。「モバイルネットワーク」に「LINEMO」と表示されていることが確認できるはずです。
[モバイルネットワーク]をタップし、[アクセスポイント名]を選択してください。
APNの一覧画面で[+]ボタンをタップし、アクセスポイントの編集画面を開いてください。
アプリの指示通りにアクセスポイントの各項目を入力
eSIMかんたん開通アプリの画面の指示通り、各項目を入力してください。指定された項目以外は未設定または空白で構いません。
指定されたすべての項目を入力できたら、
ボタン→[保存]をタップしてアクセスポイントを保存します。APN一覧で「LINEMO」が選択されていることを確認し、再びeSIMかんたん開通アプリを開いて[次に進む]をタップすれば完了です。
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端末を再起動する
APN設定が完了したら、[LINEMOの利用を開始する]をタップしてください。
「接続テストをしよう」の画面が表示されます。eSIMの回線を利用できるまで少し時間がかかるので、しばらく待ちましょう。画面には「15分ほど」と記載されていますが、筆者のケースでは3分ほどで完了しました。
開通が完了すると、登録完了メールが届きます。その後、[LINEMOの接続テストをはじめる]をタップし、端末を再起動してください。
iPhoneを再起動・強制再起動する方法 機種別やり方まとめ Androidスマホを再起動する4つの方法 強制再起動や電源ボタンを使わないやり方も
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再びアプリを起動し、接続テストする
端末を再起動したら、もう一度eSIMかんたん開通アプリを起動。[LINEMOの接続テストをはじめる]をタップすると、接続テストが実行されます。
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開通手続き完了、必要に応じてLINE連携を
接続テストが成功したら、開通手続きはすべて終了です。以後、LINEMOのeSIMでインターネットに接続できるようになります。
デュアルSIMの場合、2つの電話番号を持てる
SIMカードとあわせてデュアルSIMで使う場合、1つの端末で2つの電話番号を持てることになります(回線の切り替え方法は次項で解説)。
なお、回線をLINEと連携させておくと便利です。LINEMOのLINE公式アカウントのトーク画面から契約内容・請求金額の確認や問い合わせなどの画面にアクセスしやすくなるほか、スタンプが使い放題となるLINEスタンププレミアム(月額240円相当)を無料で利用できる特典なども開放されます。
LINE連携の方法
LINEMOの公式アカウントを友だち追加したら、トーク画面で[かんたん確認]→[My Menuとの連携はこちら]→[さっそくMy Menuと連携する!]の順に進み、認証画面で[許可する]をタップします。
Wi-Fiに接続していたらオフにし、[LINEMO My Menuと連携する]をタップすれば連携は完了です。
手順4:モバイルデータ通信をeSIMの回線に切り替える
eSIMとSIMカードの両方を使っている場合、モバイルデータ通信の回線をeSIMに切り替えましょう。回線を切り替えることで、電話番号やデータ通信を使い分けられるようになります。


iPhoneの場合
iPhoneであれば、「設定」アプリで[モバイル通信]→[モバイルデータ通信]の順に進みます。あとは「主回線」か「副回線」を選択すればOKです。
原則として、eSIMで契約すると「副回線」にLINEMOの回線が表示されます(SIMカードで契約した場合は「主回線」)。主回線・副回線というのは単なる名称に過ぎず、大きな違いはありません。



Androidスマホの場合(検証端末:AQUOS sense6)
Androidスマホの場合、端末の「設定」で[ネットワークとインターネット]→[LINEMO]→[モバイルデータ通信]と進みます。あとは接続したいデータ通信を選択しましょう。