スマホにSDカードって必要? メリットや活用方法を解説

SDカードを使ったほうがいい人とは?

「SDカード」で簡単にストレージ容量を増設できるのは、iPhoneにはない、Androidスマホならではの特徴です。しかし、Google One(Googleフォト)やOne Driveといったクラウドストレージが普及した現在、わざわざSDカード(外部ストレージ)を利用する価値はあるのでしょうか。

本記事では、スマートフォン(携帯電話)用にSDカードを買うかどうか迷っている人向けに、SDカードとはどんな役割を果たしてくれるのか、メリット・デメリットを解説します。SDカードとクラウドストレージの比較結果なども参考に、自分にとってSDカードが必要なのか判断しましょう。

SDカードとは?

必要か不要か判断するために、まずはSDカードについて知りましょう。ここでは、SDカードの特徴を一問一答形式でまとめました。

「SDカード」ってなに?

SDカードとは、スマホなどの機器に接続してデータの読み書きをおこなう外部記憶装置のこと。ざっくり言うと、スマホ用途では端末の保存スペースを増やすためのアイテムです(詳細)。

小さい板のような形状をしており、その大きさによって「SDカード」と「microSDカード」の2種類に分けられます。

スマホで利用できるのはサイズの小さい「microSDカード」です。一方、パソコンやデジカメ向けは、大きいサイズのSDカードが主流となっています。

スマホにおいてSDカードはどんな役割を果たす?

SDカードは、内部ストレージの容量不足を防ぐのに役立ちます(詳細)。

「内部ストレージ」とは、スマホ本体に備わった保存スペースのこと。スマホを使い続けていると、この内部ストレージにアプリや写真・動画などのデータが蓄積され、徐々に空きスペースが少なくなっていきます。

内部ストレージが不足している状態のイメージ

内部ストレージがいっぱいになると、スマホに処理速度の低下や起動不良、アップデートの失敗などさまざまなトラブルを引き起こす恐れがあるので、定期的にデータを消してスペースを確保してあげなければなりません。

とはいえ、一度くらいデータを削除しても、スマホを利用するうちにまた自然と埋まってきてしまいます。結局はイタチごっこが続くのです。

SDカードで保存領域を追加した場合のイメージ

そこで便利なのが「SDカード」です。SDカードで保存できるスペース自体を増やしてあげれば、内部ストレージが圧迫されることはありません。

SDカードに対応するスマホでは、カメラで撮影した写真・動画の保存先をSDカードに指定できます。内部ストレージに写真・動画が蓄積されなくなるので、容量不足を未然に防ぐという点では非常に役立つでしょう。

このほか、各種データのバックアップ先としてSDカードを使うこともできるので、機種変更時などにも有用です。

SDカードには何を保存できる?

スマホからSDカードに移行・保存できるのは、主に写真・動画・音楽・PDFといった「メディアファイル」と呼ばれる種類のデータです(詳細)。

自身のスマホのストレージ空き容量をチェックしてみましょう。上図で赤枠で囲っているのがメディアファイルです。これらはSDカードに移行・保存することが可能です。

一方、青枠で囲った「システム」や「アプリ」「(アプリの)ゲーム」といったデータは、ほとんどのAndroidスマホでSDカードに移行・保存できません。2022年現在、標準で対応しているのはGalaxyシリーズやmotorolaシリーズなど一部の機種だけとなっています(後述)。

SDカードにはどれくらいの量を保存できる?

たとえば64GBのSDカードには、1000画素の写真およそ1万9020枚、フルHDの動画およそ6時間10分、ハイレゾ音源およそ252曲を保存可能です(詳細)。

現状、スマホで扱えるSDカードは「8GB」「16GB」「32GB」「64GB」「258GB」「512GB」が一般的です。容量ごとに写真・動画や音楽をどのくらい保存できるかの目安を紹介します(下表)。

保存できる写真枚数の目安
  500万画素 1000万画素 1800万画素
8GB(SD) 5080枚 2375枚 1200枚
16GB(SDHC) 1万160枚 4750枚 2400枚
32GB(SDHC) 2万330枚 9510枚 4810枚
64GB(SDXC) 4万670枚 1万9020枚 9620枚
128GB(SDXC) 8万1350枚 3万8050枚 1万9250枚
258GB(SDXC) 16万2710枚 7万6100枚 3万8510枚
512GB(SDXC) 32万5420枚 15万2210枚 7万7030枚

キオクシアのSDカード紹介ページより引用

保存できる動画時間の目安
  HD動画 フルHD動画 4K動画
8GB(SD) 1時間20分 45分間 14分
16GB(SDHC) 2時間40分 1時間30分 19分
32GB(SDHC) 5時間20分 3時間 39分
64GB(SDXC) 10時間50分 6時間10分 1時間18分
128GB(SDXC) 21時間50分 12時間20分 2時間37分
258GB(SDXC) 43時間40分 24時間50分 5時間14分
512GB(SDXC) 87時間15分 49時間50分 10時間29分

キオクシアのSDカード紹介ページより引用

保存できる楽曲数の目安
  圧縮音源 ハイレゾ音源
8GB(SD) 680曲 30曲
16GB(SDHC) 1365曲 63曲
32GB(SDHC) 2730曲 126曲
64GB(SDXC) 5461曲 252曲
128GB(SDXC) 1万922曲 504曲
258GB(SDXC) 2万2016曲 1016曲
512GB(SDXC) 4万3690曲 2016曲
  • WALKMAN®公式ミュージックストア「mora」のダウンロードサイズを参考に算出
  • 圧縮音源:1曲4分で12MB (AAC-LC/320kbps)
  • ハイレゾ音源:1曲4分で260MB (FLAC/96.0kHz/24bit)

SDカードの価格ってどれくらい?

SDカードの価格は容量やブランド、スペックによって異なります(詳細)。

「SanDisk(サンディスク)」「Transcend(トランセンド)」「Samsung(サムスン)」がAmazonで販売しているSDカードの値段をもとに、編集部でSDカードの平均価格を算出してみました。おおよその目安にしてください。

SDカードの容量と価格の目安
容量 平均価格
16GB 1248円
32GB 1550円
64GB 1246円
128GB 1978円
256GB 4360円
512GB 9110円
1TB 2万4560円

いずれもスタンダートタイプの価格で算出(プロタイプ、高耐久タイプは除外)

ここ数年でSDカードの値段が大幅に下がり、かつては1万円以上した128GBのSDカードも、現在は2000円程度で購入できるようになっています。

SDカードはすべてのスマホで使える?

SDカードをスマホ本体に内蔵して使用できるのは、「SDカードスロット」を搭載している機種だけです(詳細)。

iPhoneはどのモデルもSDカードスロット非搭載です。一方、Androidスマホは多くの機種が対応しているものの、最近はSDカードスロットを搭載しない機種も増えてきています。

たとえば「Google Pixel」シリーズは、どの機種も一律でSDカードスロットを搭載していません。

とはいえ、標準でスロットが搭載されていない機種でも、別途「SDカードリーダー」を取り付ければ外部ストレージとしてSDカードを扱えるようになります。

上の画像はAndroidスマホ用のSDカードリーダーですが、iPhone専用のタイプも存在します。以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

「iPhone用SDカードリーダー」格安品と純正品を比較、両方買って品質・性能を詳しくレビュー

SDカードに保存したデータはどうやって見るの?

SDカードに移行したデータは、標準の写真アプリやファイルアプリ、動画/音楽再生アプリなどからいつでも閲覧できます。

Googleフォトでは、SDカード内の写真・動画にマークがつく

各データの使い勝手は、内部ストレージに保存している状態とほぼ変わりません。

たとえば、画像・動画なら標準の「写真」アプリや「Googleフォト」アプリで見ることができますし、音楽なら「YouTube Music」アプリなどで再生可能です。

Transcend microSDカード 128GB TS128GUSD300S

スマホでSDカードを使うメリット・デメリット、クラウドストレージとの比較

Androidスマホでは標準で利用できるクラウドストレージ「Googleフォト(Google One)」と比較しながら、SDカードのメリット・デメリットを考えてみましょう。

メリット1:長期的にはSDカードのほうがコストを抑えられる

まず気になるのがコスト面です。Googleフォトと比べて、どちらが費用を抑えられるのでしょうか。

SDカードとGoogleフォトのコストを比較
  SDカード Google One
8GB 750円 無料

15GB

- 無料
16GB 1248円 -
32GB 1550円 -
64GB 1246円 -
100GB - 250円/月(2500円/年)
128GB 1978円 -
200GB - 380円/月(3800円/年)
256GB 4360円 -
512GB 9110円 -
1TB 2万4560円 -
2TB - 1300円/月(1万3000円/年)
  • SDカードはAmazonで販売されている「SanDisk」「Transcend」「Samsung」のSDカードの価格を元に、編集部で算出した平均価格です
  • いずれもスタンダードタイプの価格で算出しています(プロタイプ、高耐久タイプは除外)

それぞれの価格は上表の通り。2021年6月にGoogleフォトの無制限写真保存サービスが終了し、無料で使える容量は15GBまでになりました。15GB以上は有料プランへのアップグレードが必要で、最も安い100GBプランで月額250円、年額2500円の費用がかかります。

一方、SDカードは128GBタイプの相場がだいたい2000円程度(Amazon価格)。一見かなり割安に感じますが、SDカードは消耗品です。書き込みの上限回数が決まっており、3〜4年を目処に交換が必要となります。

それぞれ5年間使用すると仮定すると、上図のようなイメージに。5年間でかかる合計コストを比較すると、SDカードのほうが費用を抑えられることが分かります。

クラウドストレージはその特性上、一度容量を増やすと途中で解約するのは難しくなります。毎年2500円を半永久的に支払い続けることを考えれば、SDカードのほうがコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。

また、Google Oneを使う上で気になるのが中間的な容量プランが用意されていないこと。15GB以上100GB未満、および200GB以上1TB未満のプランが選択できないため、結果的にデータ量を持て余して損をしてしまう可能性があります。

一方、SDカードは8GB〜1TBまで8タイプが販売されています。個人のニーズに合わせて過不足なく適切な容量を選択できるので、無駄にコストがかかってしまうこともありません

メリット2:SDカードは内部ストレージの容量不足を未然に防げる

スマホでSDカードを使うことの一番のメリットは、内部ストレージの容量不足を未然に防げることでしょう。

クラウドストレージにバックアップするイメージ

たとえば、Googleフォトには写真・動画を自動的にバックアップする機能が存在します。

しかし「バックアップ」とは、あくまでデータを「コピー」する行為であって、スマホ本体(内部ストレージ)からそのデータが消えるわけではありません。内部ストレージの空き容量を増やしたい場合は、別途スマホを操作して対象のデータを消す必要があるのです。

保存先をSDカードに指定するイメージ

その点、SDカードはカメラで撮影した写真や動画の保存先に指定できます。そもそもスマホ本体(内部ストレージ)に写真・動画が蓄積されなくなるので、「定期的に不要データを探して削除する」という面倒な作業から解放されるのです。これは、クラウドストレージにはないSDカードならではの利点といえるでしょう。

デメリット1:SDカードは紛失・故障するリスクがある

SDカードを利用する上での最大のデメリットが、それ自体が壊れたり紛失したりするリスクがあること。

水没や衝撃などでスマホが壊れてしまった場合、内蔵されているSDカードも一緒に壊れてしまう恐れがあります。また、スマホをなくしたり盗難に遭ったりした際は、大切な写真や動画を失ってしまうのはもちろん、悪意のある第三者にSDカードを抜かれてしまうかもしれません。

この点では、インターネット上にデータを保存しておけるGoogleフォトのほうが、安全性は高いといえます。

Googleフォトにアップしたデータは運営側のサーバーに保存されているので、スマホ本体に故障や紛失などのトラブルがあったとしてもデータ自体は失われません。自らの手で削除するか、サーバーに致命的なトラブルでも発生しない限り、保存中のデータが消えてしまうことはないのです。

デメリット2:スマホ内蔵のSDカードはデータ共有にはあまり向かない

SDカードは本来、データ共有の手段としてとても有用なアイテムです。しかし、スマホ内蔵のSDカードに関しては、あまりデータ共有に適しているとはいえません。

そもそも、スマホ内蔵のSDカードが手軽に抜き挿しできる仕様ではないことが一つ目の理由です。

スマホからSDカードを取り出す際は、マウントを解除したり、スマホ本体の電源をオフにしたりさまざまな事前準備が必要です(故障対策のため)。加えて、SDカードスロットを引き出すのにSIMピンなどの専用器具が必要な機種もあります。

パソコンやデジカメに装着したSDカードを抜き挿しするのとは勝手が全然違うというわけです。

2つ目の理由は前述したように、故障や紛失のリスクがあること。スマホで使われるmicro SDカードは約1.5cm×1cmと非常に小さく、指の爪と大差ないサイズです。取り外した際に紛失する可能性が高く、破損もしやすいので丁寧に扱わなければいけません。

また、SDカードを他のデバイスに挿し込む時に、静電気などで思いがけない故障を引き起こすことも考えられます。

一方、Googleフォトをはじめとする「クラウドストレージサービス」は、インターネットを経由してブラウザやアプリベースでデータを共有します。

IDやパスワードを入力してログインすれば手軽に保存データにアクセスできるので、パソコンやタブレット、他のスマホとのデータ共有に便利です。共有する際にデータが破損する心配もありません。

SDカードの利用に向いている人

最後に、SDカードの利用に向いているのはどんな人なのかまとめてみます。当てはまる人は、SDカードの購入を検討してみてください。

Transcend(トランセンド)300Sシリーズ 128GBタイプ

筆者おすすめのSDカードは、Transcend(トランセンド)300Sシリーズ 128GBタイプ。リーズナブルな価格でありながら、耐久性に優れ、保存スピードなどのスペック面も申し分ありません。

十分な容量を備えているので、一般的なスマホの利用範囲であれば大抵の用途において不足することはないでしょう。なお、ここ5〜6年以内に発売されたSDカードスロット内蔵のAndroidスマホであれば、ほぼすべての機種で利用できます。

Transcend microSDカード 128GB TS128GUSD300S

スマホで写真・動画をよく撮影する人

まず、SDカードの利用をおすすめしたいのは写真・動画を撮影する機会が多い人。スマホカメラの性能は年々向上し、高画質な写真・動画を撮影できる機種も増えています。しかし、画質が上がるにつれて、それぞれのファイルサイズも大きくなります。

高性能カメラを内蔵するスマホはより多くの保存容量を必要とするので、内部ストレージだけではすぐにいっぱいになってしまう可能性があります。

SDカードならカメラで撮影した写真・動画の保存先に指定できるので、内部ストレージが圧迫されることはありません。

また、Googleフォトに比べてかかるコストを抑えられるのもポイント。256GBで4000円台、512GBでも1万円以下で手に入るので、費用を抑えつつ大容量を保存したい人にも最適です。

スマホに搭載されている内部ストレージの容量が少ない人

スマホの内部ストレージは、その容量のすべてをユーザーが自由に使えるわけではありません。Android OSのシステムが使用したり、制御領域として使われたりするので、データの保存スペースとして使える部分はそこまで多くないのです。

搭載されている内部ストレージの容量がそもそも少ない(64GBタイプ)の人は、SDカードで保存スペースを増設してあげるのがおすすめです。

自分の手元でデータを管理しておきたい人

SDカードはそれ自体が壊れたり紛失したりするリスクがあります。「データの消失を防ぐ」という目的でバックアップツールとして使うなら、クラウドストレージのほうが向いているでしょう。

一方で、クラウドサービスにデータを預けるということは、提供元にデータの生殺与奪の権を握られているとも捉えられます。サービスの変更や廃止、料金の改定などの可能性もあります。

たとえ紛失や故障のリスクがあったとしても、「大切なデータは自分の手元で管理しておきたい」「他人に預けるのに抵抗がある」という人はSDカードのほうが向いているかもしれません。

Galaxyスマホのユーザー

SDカードを利用するメリットが特に大きいのが、Galaxyスマホのユーザー。というのも、GalaxyスマホはアプリおよびアプリデータをSDカードに移行・保存できる数少ない機種だからです。

Galaxyスマホはアプリデータの保存先をSDカードに指定できる

アプリのデータは写真や動画などのメディアファイルよりもサイズが大きくなりがちな上、「削除する」という手段を選びにくいもの。アプリデータをSDカードに保存できれば、内部ストレージの容量削減にかなり効果を発揮するでしょう。

AndroidスマホでアプリをSDカードに移動する方法と注意点

SanDisk microSDカード 128GB SDSQUA4-128G
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EDITED BY
MOEGI