本記事では、iPhoneの写真・動画・音楽などのデータをSDカードに移行する方法、およびSDカードのデータをiPhoneに移行する方法を紹介します。
(1)外付けのSDカードリーダーを経由する方法、(2)Windowsパソコンを経由する方法、(3)Macを経由する方法の3パターンの手順をそれぞれ紹介しているので、自身のニーズや環境にあわせて確認してください。
方法1:SDカードリーダーを使う
Apple純正の「SDカードカメラリーダー」を接続すればiPhoneでもSDカードを扱える
一番便利なのは、外付けの「SDカードリーダー」を使う方法です。パソコンを経由せず、iPhone・SDカード間でデータ転送や読み込みが直接できるので、圧倒的に手軽です。
Appleの純正SDカードリーダーを使えば、数百枚レベルの大容量データもスピーディーに読み込めます。面倒な準備や設定なども必要なく、SDカードを取り扱う機会が多い人には最もおすすめしたい方法です。
利用できる環境
Apple純正のSDカードカメラリーダーの適応環境は、以下の通りです。
- iOS 9以降を搭載した、iPhone 5以降の全機種
- iOS 9以降を搭載した、iPad・iPod touchの全モデル
よほど古い機種でない限り、ほとんどのiPhone・iPadで利用できます。純正品以外を使用する場合は、それぞれ購入サイトなどで利用環境を確認しておきましょう。
準備するもの
その1:SDカードリーダー
まず必要なのは、iPhoneに対応したSDカードリーダーです。
Apple純正のSDカードリーダーには、iPhone15以降に搭載されているUSB-Cコネクタに対応したものと、iPhone14以前に搭載されていたLightningコネクタに対応したものがあります。自分の使っている端末に合ったものを用意してください。
Apple純正のSDカードリーダー
USB-Cタイプの純正SDカードリーダーの価格は6180円と値が張り、Lightningタイプは純正品の販売が終了してしまっています。Apple純正品にこだわらなければ、1000円〜2000円程度で購入できる製品が多数販売されています。
筆者の検証では非純正品も使えないことはありませんでしたが、やはり動作の安定性や書き込み速度に不安が残ります。安全性や確実性を考えるとApple純正品、もしくはMFi認証品のSDカードリーダーの購入をおすすめします。
MFi認証とは
MFi(Made For iPhone/iPad/iPod)認証とは、Apple社が公式にiPhoneなどに利用できる商品であると認証すること。Apple独自の規格であるLightning規格の製品は、このMFi認証を受けた製品を選ぶと、使えなくなる可能性が低く安心です。
その2:(必要に応じて)SDカード
SDカードを所有していない場合は、SDカードリーダーに合ったタイプのSDカードを用意しましょう。
Apple純正のSDカードリーダーはmicroSDカードスロットを搭載していない
SDカードは、その大きさ(サイズ)から主に「SDカード」「microSDカード」の2種類に分けられます。
iPhone純正のSDカードリーダーは、「microSDカード」のスロットを搭載していません。iPhone純正のSDカードリーダーに合わせて購入する場合は、通常サイズのSDカードを選びましょう。もしくは、変換アダプタ付きのmicroSDカード(下図参照)を買ってください。
TranscendのmicroSDカード(300Sシリーズ)は変換アダプタが付属している
また、SDカードは見た目だけで製品の良し悪しを判断するのが難しく、実際に使ってみるまで本当の品質が分かりません。粗悪品を掴まされないためには、信頼できるメーカー・ブランドのSDカードを選ぶのが確実です。
具体的には、価格と機能性、信頼性を両立している高コスパなブランド「Transcend(トランセンド)」、世界シェア/日本国内シェアともに1位を誇る「SanDisk(サンディスク)」、Galaxyでおなじみの「Samsung(サムスン)」、国内唯一のフラッシュメモリ製造・開発メーカー「キオクシア(旧東芝メモリ)」、世界トップクラスのメモリメーカー「Kingston(キングストン)」などを選んでおけば間違いないでしょう。
SDカードの容量は、自身のニーズに合わせて自由に容量を選んでOKです。ただ、せっかく買うなら、最低でも128GB以上のものを選ぶことをおすすめします。
データを転送する手順
以下では、Apple純正の「SDカードカメラリーダー」を介してiPhoneとSDカードの間でデータをやりとりする方法を紹介します。なお、ここで説明するのは、iPhoneからSDカードに特定のデータを「コピー」する方法です。
画像や動画が自動的にiPhoneの内部ストレージから消えるわけではないことに留意してください。iPhoneの内部ストレージを空けたい場合は、対象のデータをSDカードにコピーした後に削除する必要があります。
「写真」アプリでiPhoneの写真・動画をSDカードに転送する
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SDカードリーダーとiPhoneを接続する
SDカードリーダーにSDカードを装着する
まずは、SDカードリーダーにSDカードを装着します。SDカードリーダーの表面(マークが付いている方)に対して、金属の端子部分が下向きになるように取り付けてください。
前述したように、Apple純正のSDカードリーダーはmicroSDカード用のスロットがありません。microSDカードを利用する場合は、変換アダプタを用意しましょう。
SDカードリーダーをiPhoneに装着する
続いて、SDカードリーダーをiPhoneに接続します。USB-C端子またはLightning端子をiPhoneに挿し込めばOKです(USB-C規格とLightning規格の端子には、USB-A端子のような表・裏はありません)。
「アクセサリが接続されました」の通知が表示されたら、iPhoneの画面ロックを解除する
SDカードリーダーを接続すると、iPhoneに「アクセサリを使用するにはiPhoneのロックを解除してください」というメッセージが表示されることがあります。Face IDやパスコードでiPhoneの画面ロックを解除しましょう。
「写真」アプリでSDカードにデータを転送する
「写真」アプリを開く
iPhoneに標準搭載されている「写真」アプリを開きます。
右上の「選択」をタップ
SDカードに移動したい写真にチェック
[選択]をタップして、SDカードに転送したい写真・動画を選択します。
共有ボタンをタップする
すべて選択し終えたら、左下の共有ボタンをタップしてください。
共有方法の画面を下から上にスクロール
[”ファイル”に保存]を選択
共有方法の一覧が表示されたら、画面を上にスクロールして[”ファイル”に保存]を選択します。
SDカードを選択する(ここでは「EOS_DIGITAL」)
続く画面で、SDカード名を選択してください。SDカード名は「Untitled」だったり、前に使っていた機器の名前(「EOS_DIGITAL」など)だったりと、ユーザーごとに異なります。
画面が「ブラウズ」以外になっていて、SDカード名が出てこない場合は、画面左上の[<]ボタンを数回タップしてください。「ブラウズ」の画面に戻り、SDカード名をタップできるようになるはずです。
[⋯](メニューボタン)をタップ
[新規フォルダ]を選択
このままを押してもよいですが、分かりやすく専用フォルダを作成しておくのがおすすめです。まずは画面右上のメニューボタン→[新規フォルダ]をタップします。
任意のフォルダ名をつける
改めてフォルダを選択し、[保存]をタップ
任意の名前を付けたら、フォルダの作成は完了です。
改めてフォルダを選択しをタップすると、SDカードへのデータ保存が開始されます。写真データのサイズにもよりますが、今回は15秒ほどで20枚の写真データを保存できました。
「ファイル」アプリでiPhoneのデータをSDカードに転送する
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iPhoneで「ファイル」アプリを起動
「ファイル」アプリを開く
音楽ファイルや文書ファイル(PDFやエクセルなど)を共有したい場合は、iPhoneで「ファイル」アプリを起動します。筆者が検証して、実際に転送できたファイル形式は次のとおりです。
- オーディオファイル(MP3/MPEG/WAV)
- Adobeファイル(.PDF)
- テキストファイル(.TXT/.RFT)
- Microsoft関連ファイル(.XLS/.XLSX/.PPT/.PPTX/.DOC/.DOCX)
SDカードに転送したいファイルを選択する
ブラウズタブで[このiPhone内]を選択
ファイルアプリの「ブラウズ」タブを開き、[このiPhone内]に進みます。
右上のメニューボタンをタップ
[選択]をタップ
SDカードに移動したいファイルにチェックをつける
右上のメニューボタンをタップします。操作メニューが展開するので、[選択]をタップし、SDカードに転送したいファイル・フォルダにチェックを入れてください。
転送先にSDカードを選択する
画面下部のフォルダボタンをタップ
SDカードの名前(ここでは「EOS_DIGITAL」)を選択
[コピー]をタップ
画面下部のフォルダマーク(移動マーク)をタップすると、ブラウズ画面に移動します。保存先のSDカード名を選んで[コピー]をタップすれば完了です。
画面が「ブラウズ」以外になっていて、SDカード名が出てこない場合は、画面左上の[<]ボタンを「ブラウズ」の画面に戻るまでタップします。
保存先がSDカードの場合、「移動」をしたくても「コピー」になってしまうので、オリジナルのファイルはそのまま残ります。
SDカードのデータをiPhoneに転送する
SDカードに保存したデータを確認する
「ファイル」アプリを開く
SDカード名をタップ
SDカードに保存した写真が見られる
SDカードに保存した写真を確認したいときは、送り先の「ファイル」アプリを開きます。手順は「ブラウズ」タブからSDカード名をタップするだけです。SDカード名は環境によって異なります。
SDカードからiPhoneにデータを転送したい場合は、以下の手順に従ってください。
iPhoneに転送したいファイルを選択する
画面右上のメニューボタンをタップ
[選択]をタップ
iPhoneに転送したいデータにチェック
SDカードの内容が確認できる画面で、右上のメニューボタンをタップします。操作メニューが展開するので、[選択]をタップし、iPhoneに転送したいデータにチェックを入れて選択してください。フォルダや画像以外のファイルも同様に選択可能です。
iPhoneにデータを転送する
画面下部のフォルダマークをタップ
[このiPhone内]を選択
[コピー]をタップ
データを選択した状態のまま、画面下部のフォルダマーク(移動マーク)をタップします。ブラウズ画面から[このiPhone内]を選択し、[コピー]をタップすれば完了です。
画面が「ブラウズ」以外になっていて、SDカード名が出てこない場合は、画面左上の[<]ボタンを数回タップしてください。「ブラウズ」の画面に戻り、SDカード名をタップできるようになるはずです。
SDカードからiPhoneへのコピーでは、SDカード内にある元のデータが削除されません。データを完全に移動したいならば、コピー後にSDカード内のデータを削除してください。
「写真」アプリでSDカードに保存したデータを確認・転送する
iPhoneユーザガイドでは、「写真」アプリを使ってSDカードの内容を確認・転送する方法も紹介されています。しかし、筆者がiOS26.1の端末で試してみたところ、この方法はうまくいきませんでした。
今後、再び「写真」アプリでSDカードの内容を確認・転送できるようになる可能性もあるため、iOS18.5の端末で検証した際の手順を掲載しておきます。
写真アプリで「デバイス」欄を選択
SDカードおよびSDカードリーダーをiPhoneに装着した状態で「写真」アプリを起動すると、写真一覧の下に「デバイス」欄にSDカード名が表示されます。SDカード名をタップすると、SDカードに保存されている写真を確認できます。
画像を選択して[読み込む]をタップ
[選択項目を読み込む]をタップ
読み込んだ画像をカメラに残すか選択
SDカード内の写真や動画をiPhoneに転送したい場合は、転送したい画像にチェックを入れて右上の[読み込む]→[選択項目を読み込む]をタップします。SDカード内のすべての画像を保存したい場合は、[すべてを読み込む]を選択してください。
読み込んだあと、写真をSDカード内に残すか削除するかを選択してください。読み込んだ写真は、「写真」アプリからいつでも閲覧できるようになります。
方法2:Windowsパソコンを経由する
iPhone⇄SDカードのデータ転送は、Windowsパソコン経由でもおこなえます。(1) パソコンとSDカードを接続、(2) パソコンとiPhoneを接続、(3) SDカードのデータをiPhoneへ転送と少し手順が多くなりますが、そこまで難しい作業はありません。慣れればスムーズにおこなえるでしょう。
本記事では、パソコン側はSurface Laptop(Windows 11)をメインに操作方法などを紹介しています。OSバージョンやパソコンの機種によって、設定項目名や操作などが異なることがあります。
利用できる環境
Windowsパソコン、iPhoneともに利用環境の指定は特にありません。ただし、Windowsパソコンの機種によっては、SDカードスロット(SDカードの挿し込み口)を搭載しないタイプもあります。その場合はWindowsパソコンに対応する外付けSDカードリーダーが必要です。
準備するもの
その1:USB-CまたはLightningケーブル
60W USB-C充電ケーブル
iPhoneとWindowsパソコンをつなぐための「60W USB-C充電ケーブル」や「Lightning & USB-Aケーブル」、「Lightning & USB-Cケーブル」などが必要です。
基本的には、普段使っている充電用のケーブルを使えばOKです。ただし、100円均一やAmazonなどで格安で販売されている「充電専用」と記載された商品は、パソコンに接続しても認識されません。注意してください。
その2:(必要に応じて)外付けのSDカードリーダー
SDカードリーダーのAnker PowerExpand+ 7-in-1
すべてのWindowsパソコンにSDカードスロットが内蔵されているわけではありません。SDカードスロットを搭載していないパソコンにSDカードを読み込ませるには、外付けのSDカードリーダーが必要です。
どちらにしてもSDカードリーダーが必要というのなら、前述したAppleの純正SDカードリーダーを購入し、iPhoneとSDカード間で直接データをやりとりすることをおすすめします。
データを転送する手順
以下では、Windowsパソコンを介してiPhoneとSDカード間でデータを転送する方法を紹介します。なお、ここで説明するのは、iPhoneからSDカードに特定のデータを「コピー」する方法です。
画像や動画が自動的にiPhoneの内部ストレージから消えるわけではないことに留意してください。iPhoneの内部ストレージを空けたい場合は、対象のデータをSDカードにコピーした後に削除する必要があります。
iPhoneの写真・動画をSDカードに転送する
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SDカードをWindowsパソコンに挿し込む
SDカードリーダーのAnker PowerExpand+ 7-in-1
最初に、WindowsパソコンにSDカードを挿入しましょう。前述したように、SDカードスロットがない場合は外付けのSDカードリーダーを使用する必要があります。
今回筆者が使ったのは、Anker(アンカー)製の多機能SDカードリーダー「PowerExpand+ 7-in-1」。microサイズと通常サイズ、2つのSDカードスロットを備えていることに加え、HDMIやUSB-Aなどの変換アダプタとしても使える優れものです。ひとつあれば、さまざまな用途で活用できます。
Anker PowerExpand+ 7-in-1ブランドAnker WindowsパソコンとiPhoneをケーブルで接続する
WindowsパソコンとiPhoneをケーブルでつなぐ
次に、WindowsパソコンとiPhoneをUSB-CまたはLightningのケーブルで接続します。
[許可]を選択
パスワードを入力
iPhoneとWindowsパソコンが正常に接続できれば、iPhoneの画面上に「このデバイスに写真やビデオへのアクセスを許可しますか?」と表示されます。問題なければ[許可]を押してください。最後に画面ロックのパスコードを入力すれば、iPhoneとWindowsパソコンの接続は完了です。
「エクスプローラー」を介してiPhoneからSDカードにデータを転送する
エクスプローラーを起動
Windowsパソコンで「エクスプローラー」を起動します。「Windows」+「E」キーを押すと素早く起動できます。
[Apple iPhone]を選択
[PC]に進み[Apple iPhone]をダブルクリックして開きます。
[Internal Strage]を選択
[Internal Storage]を選択します。[DCIM]フォルダが表示されたときは、これも開きます。
SDカードのフォルダにコピーする
DCIMフォルダから必要なデータを選択し、ドラッグ&ドロップでSDカードにコピーすればOKです。フォルダは日付順に並んでいるので、撮影した時期で見当をつけて目当てのデータを探してください。
SDカードの写真・動画をiPhoneに転送する
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SDカードをWindowsパソコンに挿し込む
SDカードリーダーのAnker PowerExpand+ 7-in-1
最初に、WindowsパソコンにSDカードを挿入しましょう。前述したように、パソコンにSDカードスロットが内蔵されていない場合は外付けのSDカードリーダーを使用する必要があります。
今回筆者が使ったのは、Anker(アンカー)製の多機能SDカードリーダー「PowerExpand+ 7-in-1」。microサイズと通常サイズ、2つのSDカードスロットを備えていることに加え、HDMIやUSB-Aなどの変換アダプタとしても使える優れものです。ひとつあれば、さまざまな用途で活用できます。
Anker PowerExpand+ 7-in-1ブランドAnker 「iCloud」をインストールする
SDカードからiPhoneに写真・動画を転送する方法は複数ありますが、「iCloud」や「Dropbox」などのクラウドストレージを利用するのが一番便利です。ここではiCloudを利用する方法を紹介します。
パソコンに「iCloud」を入れていない人は、Microsoft Storeにアクセスしてインストールしましょう。
iCloudにサインイン
「iCloud」を立ち上げたら、自身のApple IDでサインインを済ませます。
iCloudをファイルエクスプローラーに同期
インストールの間、同期する項目を5種類設定します。同期はすべて任意ですが、2つ目の「iCloud Driveをエクスプローラーに同期」はSDカードの写真・動画をiPhoneに転送するために必要です。必ず有効にしてください。
初回は同期にしばらく時間がかかる
サインインが完了すると、設定した項目の同期を開始します。iCloud Driveの場合、ファイル数によっては時間がかかります。これで準備は完了です。
「エクスプローラー」経由でSDカードの写真・動画を「iCloud Drive」にアップする
[PC]→SDカード名を選択
「エクスプローラー」を開いて、PC下にあるSDカード名をクリックします。SDカード名は、「Untitled」だったり、前に使っていた機器の名前(「EOS DIGITAL」など)だったりと、ユーザーごとに異なります。
転送したいファイルをクリック→右クリックし、[コピー]を選択
iPhoneに転送したい写真・動画のフォルダを選び、右クリックでメニューを表示させて[コピー]を選択します。
[iCloud Drive]に移動し、右クリック→[貼り付け]
左バーから[iCloud Drive]を開き、適当な場所を右クリックします。メニューから[貼り付け]を選ぶと、SDカードのフォルダが貼り付け(コピー)されます。
「ファイル」アプリを開く
転送した写真は、iPhoneの「ファイル」アプリから見られます。
[iCloud Drive]を選択
SDカードからフォルダが転送されている
「ブラウズ」タブから「iCloud Drive」を開くとSDカードから転送したフォルダが表示されているはずなので、これをタップして中身を確認してください。
方法3:Macを経由する
Macを経由してSDカードに写真・動画のデータを転送することも可能です。また、写真・動画の枚数がそこまで多くないなら、「AirDrop」でMacにデータを転送するのも手です。ケーブル接続が不要なので、より手軽に移行作業をおこなえます。
利用できる環境
Mac、iPhoneともに利用環境の指定は特にありません。ただし、Macシリーズのなかには、SDカードスロットを搭載しないタイプも多く存在します。手持ちのMac次第では、外付けSDカードリーダーが必要になるかもしれません。
準備するもの
その1:USB-CまたはLightningケーブル
60W USB-C充電ケーブル
十数枚程度の写真を送るならAirDropが手っ取り早いですが、数百枚レベルの大容量データを転送するときはケーブルでデバイス同時を接続したほうが圧倒的にスムーズです。
その場合、iPhoneとMacをつなぐための「60W USB-C充電ケーブル」や「Lightning & USB-Aケーブル」、「Lightning & USB-Cケーブル」などを用意しましょう。
基本的には、普段使っている充電用のケーブルを使えばOKです。ただし、100円均一やAmazonなどで格安で販売されている「充電専用」と記載された商品は、Macに接続しても認識されません。注意してください。
その2:(必要に応じて)外付けのSDカードリーダー
すべてのMacデバイスにSDカードスロットが内蔵されているわけではありません。SDカードスロットを搭載していないMacにSDカードを読み込ませるには、外付けのSDカードリーダーが必要です。
どちらにしてもSDカードリーダーが必要なら、前述した「Appleの純正SDカードリーダー」を購入してiPhone・SDカード間で直接データをやりとりすることをおすすめします。
SDXCカードスロットを搭載しているMac
- Mac Studio(2022年以降に発売されたモデル)
- 14インチのMacBook Pro(2021年以降に発売されたモデル)
- 16インチのMacBook Pro(2021年以降に発売されたモデル)
- MacBook Pro(2011年〜2015年に発売されたモデル)
- Mac mini(2011〜2014年に発売されたモデル)
- 13インチのMacBook Air(2013年〜2017年に発売されたモデル)
- 27インチのiMac(2010年以降に発売されたモデル)
- 21.5インチのiMac(2010年以降に発売されたモデル)
データを転送する手順
以下では、筆者手持ちのMacBookを介してiPhoneとSDカードの間でデータを転送する方法を紹介します。なお、ここで説明するのは、iPhoneからSDカードに特定のデータを「コピー」する方法です。
画像や動画が自動的にiPhoneの内部ストレージから消えるわけではないことに留意してください。iPhoneの内部ストレージを空けたい場合は、対象のデータをSDカードにコピーした後に削除する必要があります。
iPhoneの写真・動画をSDカードに転送する
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SDカードをMacに挿し込む
MacにSDカードを挿し込む
SDカードをMacに装着しましょう。SDカードスロットを内蔵したタイプなら、上の画像のようにSDカードを直接挿し込めます。SDカードスロットの場所は機種によって異なるため、背面や側面をよく探してみてください。
SDカードリーダー「Anker PowerExpand+ 7-in-1」を経由してSDカードをMacに装着
MacにSDカードスロットが内蔵されていない場合は、外付けのSDカードリーダーを使用する必要があります。
今回筆者が使ったのは、Anker(アンカー)製の多機能SDカードリーダー「PowerExpand+ 7-in-1」。microサイズと通常サイズ、2つのSDカードスロットを備えていることに加え、HDMIやUSB-Aなどの変換アダプタとしても使える優れものです。ひとつあれば、さまざまな用途で活用できます。
Anker PowerExpand+ 7-in-1ブランドAnker iPhoneとMacをケーブルで接続する
MacとiPhoneをケーブルでつなげる
MacにSDカードを装着できたら、次にMacとiPhoneをUSB-CまたはLightningのケーブルで接続します。
転送したい写真や動画が少ない(数百MB程度)のであれば、AirdropでMacに転送しそのまま「Finder」経由でSDカードに保存するのも手です。自身のニーズに合わせてやり方を選択してください。
Macの「イメージキャプチャ」でiPhoneからSDカードに写真・動画を転送する
Macで「イメージキャプチャ」アプリを起動する
iPhoneのデータをSDカードに転送するには、Macの「イメージキャプチャ」アプリを使います。
デバイス欄でiPhoneをクリックし、「読み込み先」のプルダウンをクリック
「イメージキャプチャ」を起動すると、サイドバーに自身のiPhoneが表示されるはずです。ここで、自身のiPhoneをクリックします。
iPhone内の写真・動画が一覧で表示されるので、「読み込み先」のプルダウンを押してください。
[その他]を選択
読み込み先の候補が表示されたら、[その他]を選択してください。
SDカード名と保存先フォルダを選択
FinderのサイドバーからSDカード(「Untitled」等の場合もある)を選択し、保存先のフォルダを選ぶか、新規でフォルダを作成します。
SDカードに転送する写真を選択し、[ダウンロード]をタップ
「読み込み先」が先ほど指定したSDカード内のフォルダになっていることを確認したら、SDカードに転送したい写真をすべて選択します。
ファイルを「リスト表示」にして「種類」や「ファイルサイズ」のカラム名をクリックすると、ファイルが並び替えられて写真・動画を見つけやすくなります。
写真をすべて選択できたら、[ダウンロード]を選択します。これで、iPhoneからSDカードに指定したデータを移行できます。
「Finder」でSDカードの写真・動画をiPhoneに転送する
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iPhoneに「Documents」アプリをインストールする
SDカードの写真・動画をiPhoneに転送する方法として、サードパーティ製のiOS向けファイルアプリを利用できます。今回の検証ではiOS標準の「ファイル」アプリがMacのFinder側に表示されなかったため、サードパーティ製アプリを使っています。
今回おすすめするのは、Readdle製の「Documents」アプリ。iOS標準の「ファイル」アプリが登場する前から人気がある、無料ファイルマネージャーアプリです。
アプリ「Documents」をダウンロード転送したい写真や動画が数百MB程度なら、SDカードの写真をドラッグ&ドロップでMacにダウンロードし、AirDropでiPhoneへ転送するのも手です。この方法なら、Documentsアプリをインストールする必要はありません。自身のニーズに合わせてやり方を選択してください。
SDカードをMacに挿し込む
SDカードリーダー「Anker PowerExpand+ 7-in-1」を経由してSDカードをMacに装着
SDカードをMacに装着します。SDカードスロットを内蔵しているタイプのMacなら直接挿し込めばOKですが、SDカードスロットを内蔵していないタイプのMacでは、外付けのSDカードリーダーを利用してください。
iPhoneをMacに接続する
MacとiPhoneをケーブルでつなげる
MacにSDカードを装着できたら、次はMacとiPhoneをType-CまたはLightningのケーブルで接続します。
Apple USB-C - LightningケーブルApple Lightning - USBケーブルFinderでSDカードの写真・動画をiPhoneに転送する
SDカードの写真や動画をiPhoneに読み込ませるには、Macの「Finder」を使用します。
Finderを2画面開き、[場所]欄からそれぞれSDカードとiPhoneを選ぶ
まずは、Finderのウィンドウを2つ開きます。SDカードとiPhoneが正常に読み込まれていれば、サイドバーの[場所]欄にSDカードの名前とiPhoneの名前が表示されているはずです。それぞれのウィンドウで、SDカードの名前とiPhoneの名前を選択します。
iPhoneの名前のウィンドウで[ファイル]を選択
iPhoneの名前のウィンドウで、[ファイル]を選択します。ファイルを移動できるアプリ一覧が表示されるので、[Documents]が存在することを確認してください。
iPhoneに移動したいファイルを[Documents]にドラッグアンドドロップ
SDカードの中にある、iPhoneに移動したいファイルを[Documents]にドラッグ&ドロップします。
iPhoneの「Documents」アプリで[ケーブル転送]を選択
ファイルが転送されている
iPhoneで「Documents」アプリを開きます。トップ画面(マイファイル)で[ケーブル転送]をタップすると、転送したファイルが表示されているはずです。
「イメージキャプチャ」でSDカードの写真・動画をiPhoneに転送する
「イメージキャプチャ」を使った転送方法は、サードパーティ製のアプリが不要で、Apple公式のヘルプページでも紹介されています。ただし筆者がmacOS Tahoe 26.1で検証したところ、SDカードが正常に読み込まれているにもかかわらず読み込み先にSDカードを選択することができませんでした。今後できるようになる可能性もあるため、2024年にmacOS Sonoma 14.5で「イメージキャプチャ」を使ってSDカードの写真・動画をiPhoneに転送した際の手順を紹介しておきます。
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SDカードをMacに挿し込む
MacにSDカードを挿し込む
まずはSDカードをMacに装着します。SDカードスロットを内蔵していないタイプは、外付けのSDカードを経由してください。
iPhoneをMacに接続する
MacにSDカードを装着できたら、次はMacとiPhoneをLightningケーブルで接続します。
転送したい写真や動画が数百MB程度なら、SDカードの写真をAirDropでMacに転送し、iCloudへドラッグ&ドロップするのも手です。自身のニーズに合わせてやり方を選択してください。
Apple USB-C - LightningケーブルApple Lightning - USBケーブルイメージキャプチャでSDカードの写真・動画をiPhoneに転送する
Macで「イメージキャプチャ」アプリを起動する
SDカードの写真や動画をiPhoneに読み込ませるには、Macの「イメージキャプチャ」を使用します。
読み込み先にSDカードが選択されているか確認
「イメージキャプチャ」を起動すると、iPhone内の写真・動画が一覧で表示されるので、左側のデバイスでSDカードに切り替えます。続けて「読み込み先」のプルダウンを押してください。
読み込み先(保存先)の候補が表示されるので、[その他]を選びます。
「iCloud Drive」を選んだあと、保存先のフォルダを開いて[選択]をクリックします。
送信したい写真を選択し、[ダウンロード]をクリックします。これで転送は完了です。