Netflix(ネットフリックス)は世界190カ国で展開し、総会員数も2億4千万人を超える世界最大級の定額制動画ストリーミングサービスです。「最近Netflixが話題だけど、たくさんある動画配信サービスとどこが違うの?」と思っている人も多いでしょう。
本記事では、Netflixに興味をもっている人向けに、サービスの魅力や気になる点などについてまとめました。
公式サイト
月額料金(税別)から最大20%還元
Netflix(ネットフリックス)とは?

Netflixは190カ国以上で2億4700万人の会員数を抱える、まさに世界最大手の定額制動画配信サービスです。豊富な映画や海外ドラマ、アニメなどが見放題なことに加えて、Neflixでしか見られないオリジナルコンテンツも多数配信されています。


Netflixでは、配信されている全作品を見ることができます。レンタルと見放題の区別はなく、完全見放題です。
配信コンテンツは、複数のエピソードで構成されている「TV番組・ドラマ」と、単体作品である「映画」とに分かれています。それぞれ「ドキュメンタリー」や「ラブロマンス」「アニメ」「バレンタイン(季節限定)」など、18〜24ほどのジャンル別にカテゴライズされています。
料金プランは3種類
Netflixの料金プランは全部で3種類。「スタンダードプラン」「プレミアムプラン」に加えて、2022年11月からは、最もリーズナブルな「広告つきスタンダードプラン」が提供されています。
従来のベーシックプラン(月額990円)は、2023年10月25日をもって新規受付を終了。ベーシックプランを契約中のユーザーは、アカウントをキャンセルするまで引き続き現行のプランのまま利用し続けることができます。プランの変更も可能です。
それぞれのプランは、画質や同時視聴可能なデバイス数、ダウンロードできる端末台数が異なります。新たに追加された「広告つきスタンダードプラン」は、文字通り視聴前や視聴中に広告が挟み込まれます。他の2プランと違ってダウンロード作品数が毎月1デバイスあたり15本に限られているほか、一部のコンテンツは視聴制限により見ることができません。
月額料金 | 画質 | 同時再生可能なデバイス数 | ダウンロード | |
---|---|---|---|---|
広告つきスタンダードプラン(※) | 890円 | フルHD画質(高画質:1080p) | 2台 | 2台(1デバイスにつき毎月15作品まで) |
スタンダードプラン | 1590円 | フルHD画質(高画質:1080p) | 2台 | 2台(デバイスごとに最大100作品まで) |
プレミアムプラン | 2290円 | UHD 4K+HDR画質(超高画質:2160p) | 4台 | 6台(デバイスごとに最大100作品まで) |
※一部コンテンツに視聴制限あり
Netflix(ネットフリックス)の魅力
Netflixの魅力は、莫大な予算の大半を注ぎ込むオリジナルコンテンツにあります。また、マルチデバイス対応の快適な視聴環境に加えて、スマートダウンロードやマルチプロフィールなど便利なオプション機能も実装されています。
それぞれ詳しく紹介しましょう。
豊富なオリジナルコンテンツや独占配信作品
最近はどの動画配信サービスもオリジナルコンテンツに注力していますが、話題性・質・量のすべてにおいてNetflixは群を抜いています。

Netflixは、年間170億ドル~200億ドルもの多大な予算をかけてオリジナル作品を制作しています。「ストーリー重視」という制作理念に加えて「映像クオリティの高さ」も追求し続けており、量だけでなく質も高いオリジナルコンテンツが多数配信されています。
2024年3月11日(日本時間)に開催された第96回アカデミー賞には、Netflixオリジナル映画『マエストロ:その音楽と愛と』が主要7部門にノミネートされたほか、9月に発表されたエミー賞では、『私のトナカイちゃん』『リプリー』がそれぞれ主演男優賞、監督賞を受賞するなど、オリジナル作品の充実度の高さが窺い知れます。


次々に生み出されるNetflixのオリジナル作品や独占配信作品は、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』『ウェンズデー』などの海外ドラマ、『愛の不時着』『梨泰院クラス』といった韓国ドラマ、『地面師たち』『極悪女王』をはじめとする国内ドラマまで、ジャンルも多岐にわたります。
近年はアカデミー賞にとどまらず、ゴールデン・グローブ賞、エミー賞のほか、数々の国際映画祭の常連として、必ずと言っていいほどNetflixの作品がノミネートされるようになりました。


映画『ハリーポッター』シリーズ全8作品が好評配信中
特に近年注目したいのがアニメ作品です。海外ばかりでなく国内でも、在京キー局と組んで番組を共同制作したり、アニメスタジオや有名クリエイターとパートナーシップを締結したりと、コンテンツが日々強化されています。
国内アニメは『終末のワルキューレⅡ』『TIGER & BUNNY 2』『ジョジョの奇妙な冒険ストーンオーシャン』など、人気作の多くがNetflix独占配信。日本と韓国のアニメ制作会社9社との連携で実現したオリジナルアニメも多く、中には高度なアニメーション技術が体感できるニッチな作品も含まれています。思わぬ良作に出会えるチャンスです。
最近では、ライセンス契約の関係でこれまで配信されていなかった『ハリー・ポッター』シリーズが新たに加わり、ますます魅力的なラインナップになっています。
ユーザーごとにおすすめ作品が構築される「マッチ度」機能

Netflixで作品を選ぶ際に参考になるのが、詳細画面に「マッチ度〇%」と表示されるNetflixオリジナルのレコメンド機能です。
マッチ度は、対象となるユーザーの視聴履歴などを元に、おすすめレベルをおよそ55%~99%程度の範囲で算出したもの。作品の視聴や評価をすることで精度が上がっていき、より自分の好みが反映されやすくなります。

作品詳細画面の「こちらもおすすめ」からも、おすすめ作品を一覧でチェックできる
Netflix独自のレコメンド機能をもとに、トップページにはいつも多彩な作品がランダムに表示されます。自分好みの作品を直感的に見つけやすいのが特徴です。
レコメンド機能は利用状況をはじめ、同じような視聴傾向を持つNetflixユーザーの動向や、ジャンルやカテゴリー別作品情報、視聴時間帯、視聴するデバイスや視聴時間の長さなど、総合的なデータをもとに独自のアルゴリズムで構築されています。
作品視聴を通して、おすすめされる作品がより自分の好みに近づいていくことが期待されます。さらにマルチプロフィール機能を上手に使えば、家族間でもそれぞれが快適にNetflixを堪能できるでしょう。

見たい動画を検索してもNetflixで配信されていない場合、「こちらの作品はご覧いただけませんが、以下の作品はいかがですか?」と、近いジャンルの作品がおすすめされることもあります。自分が意図した作品がなかったとしても、そこからまた新たな作品との出会いがあるかもしれません。
広告つきスタンダードプランなら月額料金が安く利用できる

Netflixは、割安な料金プラン「広告つきスタンダードプラン」(月額890円)を導入しています。「スタンダードプラン」と同様のフルHD画質で、2デバイスでの同時視聴・ダウンロードが可能です(ただし、ダウンロードは1デバイスにつき毎月15本まで)。

流れる広告はスキップできない
広告つきベーシックプランでは動画の冒頭や途中に15秒~30秒の広告が挿入されますが、実際に利用してみると動画によってはまったく広告が流れないということも少なくありません。
流れる広告はスキップできませんが、クライアントは「セゾン自動車火災保険株式会社」や「Google」「Microsoft」などの大手企業が中心。動画広告にありがちな不快な広告はほぼ流れないといってよいでしょう。流れる広告の量も、通常のスタンダードプランに比べ700円安く利用できるなら気にならない程度だと感じます。

ただし広告つきスタンダードプランは、ダウンロードできる作品数が1デバイスにつき毎月15本に制限されている点や、一部視聴できない作品が含まれている点には注意が必要です。

もし月額料金を支払い続けることに抵抗がある場合やクレジットカードを持っていない場合は、Netflixプリペイド・ギフトカードが便利です。
コンビニで気軽に購入し、特定の作品だけをチェックしたり、カード残高がなくなるまで視聴したりするという手もあります。
Netflixギフトカードはコンビニ(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)の他、AmazonなどのECサイト、一部の家電量販店などで販売しています。

ドコモユーザーにおすすめしたいのが、ドコモ経由でNetflixに登録する方法です。
NTTドコモは、2023年4月よりポイント還元プラン「爆アゲセレクション」の提供を開始しています。ドコモの回線契約に紐づくdアカウントを介してNetflixにドコモ経由(電話料金合算払い)で登録すると、月額視聴料金(税抜)の10%分のdポイント(期間・用途限定)が還元されます(「広告つきスタンダード」プランは15%)。
さらに、「eximo」「ahamo」「ギガホ」(「5Gギガホ プレミア」「5Gギガホ」「ギガホプレミア」「ギガホ」「ギガホ2(Xi)「ギガホ:定期契約なし」「ギガホ2:定期契約なし」「ギガホプレミア:2年定期」)ならびにドコモ光ペア回線契約者であれば、Netflixの「スタンダードプラン」「プレミアムプラン」を契約した際に還元率アップで月額視聴料金(税抜)の20%分のdポイントが付与されます。dポイントは期間・用途限定、有効期限は進呈日から3カ月後の末日までです。
すでにNetflixを利用中で「爆アゲ✕Netflix」に切り替える場合、現在Netflixアカウントに登録しているメールアドレスをそのまま流用できます。その際、すでに支払い済みの視聴料金は返金されません。
倍速視聴や吹替・字幕切り替えなど多機能な再生画面

Netflixの動画は、「0.5倍速」「0.75倍速」「標準」「1.25倍速」「1.5倍速」の5段階で調整可能です。とにかく素早くストーリーの流れを追いたいときには倍速再生、英語学習などの際にはスロー再生など、用途によって使い分けができます。ただし、再生速度が変更できるのはブラウザ版Netflix、AndroidおよびiOSデバイスのNetflixモバイルアプリに限られます。
また、吹替と字幕の切り替えが再生画面からできるのも便利です。吹替版と字幕版が別々に配信されている動画配信サービスでは、誤って作品を選択してしまうこともありますが、Netflixならその点も安心です。ただし、一部非対応の作品もあります。
- スロー再生から1.5倍速までの再生速度変更(モバイルアプリ版、PCブラウザ版のみ)
- 10秒スキップ
- 画面ロック(アプリ版のみ)
- エピソードの選択
- 吹替、字幕の切り替え
- エピソードのスキップ
- 画面の明るさ変更(アプリ版のみ)
マルチプロフィール機能はキッズプロフィールも装備


Netflixは、1つのアカウントにつき最大5つまでプロフィール作成に対応します。
プロフィールを個別に設定することで、言語表示や字幕文字のフォーマットを変更したり、再生設定をカスタマイズしたりできます。個人に特化したレコメンド機能を活用するためにも、ユーザーごとに個別のプロフィールを設定しておくことをおすすめします。


プロフィールを「キッズ」に設定すれば、子どもに対して不適切なコンテンツをブロックしたり、アカウントの利用を制限したりできるようになります。特定の作品を指定して、画面に表示させないようにする設定も可能です。
キッズプロフィールでは年齢制限のあるコンテンツが表示されなくなり、ラインナップがキッズ用に変化します。キッズ用プロフィールでNetflixゲームにアクセスすることはできず、「広告つきベーシックプラン」で契約していたとしても、視聴中に広告が表示されることはありません。
Netflix上でできるペアレンタルコントロールには次のようなものが含まれます。
- 子ども用プロフィールの作成
- 年齢制限の設定や作品のブロック
- メインプロフィールやアカウント内の他のプロフィールをロック
- 新しいプロフィールを追加する際に暗証番号を設定する
- 自動再生をオンまたはオフにする
- キッズ用プロフィールの視聴履歴にアクセスする
以前に比べて日本国内の作品も充実しつつある

Netflixといえば、ラインナップの中心はオリジナルコンテンツや海外ドラマで、日本の作品はあまり配信されていない、というイメージをもっている人も多いかもしれません。日本を含めた各国に制作スタジオを構えている現在、Netflixは以前よりも日本国内の作品が充実しつつあります。
『幽遊白書』『君に届け』といった人気漫画が原作のドラマや、鈴木おさむプロデュースの『極悪女王』、宮藤官九郎と大石静の共同脚本作品『離婚しようよ』など配信前から注目される作品も多く、地上波のドラマにも引けをとらないスタッフ・キャストによって制作されています。
地上波ドラマやバラエティ、アニメなどの配信も豊富で、日本国内作品だけが見たいという場合でも満足できるラインナップと言えるでしょう。
Netflix(ネットフリックス)の弱点
数ある動画配信サービスの中でもとりわけ注目度の高いNetflixですが、配信作品には独自の傾向があります。好みによっては合わないケースがあるかもしれません。また、他サービスでは当たり前の無料トライアル体験が用意されていないのは、大きなデメリットでしょう。
無料お試し期間がなく、料金プランもたびたび変更される
多くの動画配信サービスには初月無料などのトライアル期間が設けられていますが、Netflixには無料お試し期間がありません。
はじめから利用料金がかかるので、料金プランは事前に検討しておきましょう。料金プランも直近では2024年10月に全てのプランが100円〜310円ほど値上がりしたほか、利用料金の改定は過去にたびたびおこなわれています。
2024年10月 | 2021年2月 | 2019年10月 | 2018年8月 | 2015年9月 | |
---|---|---|---|---|---|
ベーシック* | - | 990円(900円) | 880円(800円) | 864円(800円) | 702円(650円) |
広告つきスタンダード** | 890円(810円) | - | - | - | - |
スタンダード | 1590円(1446円) | 1490円(1355円) | 1320円(1200円) | 1296円(1200円) | 1026円(950円) |
プレミアム | 2290円(2082円) | 1980円(1800円) | 1980円(1800円) | 1944円(1800円) | 1566円(1450円) |
いずれも税込料金。カッコ内は税抜料金。2019年10月以前は消費税8%、2019年10月以降は消費税10%で計算。2019年10月の料金は消費増税にともなって上がった税込料金を記載。
*2023年10月で新規受付を終了、**2022年11月から月額790円で提供開始
また、年間契約で利用料金が割引になるプランなどもNetflixにはありません。もしお得に使いたい場合は、携帯キャリアや通信業者などの外部パートナー企業が展開しているパックプランを利用する方法もあります。
広告つきプランでダウンロードできるのは毎月15本まで、一部作品は視聴不可
利用料金がお得な広告つきスタンダードプランですが、一部機能に制限があります。広告つきスタンダードプランでダウンロード可能な作品数は1デバイスにつき毎月15本まで。また、3プランの中で唯一、ピクチャ・イン・ピクチャ非対応です。

広告つきスタンダードプランには権利の関係上、一部視聴できない作品があります。視聴できない作品には鍵マークがついているので、表示はわかりやすいでしょう。
実際に検索してみると、想像以上に視聴できない作品が多く見つかります。たとえば、映画『トワイライト』シリーズや『ジョーズ』『ハンニバル』などの有名作品も、広告つきスタンダードプランでは視聴できなくなっています。見たい作品がピンポイントで視聴できない場合は、プランを変更するほかありません。
メインはオリジナルコンテンツ、特定のジャンルが見たい人には不向き
Netflixが力を入れているのはオリジナルコンテンツや海外ドラマ。音楽やスポーツなど、何らかのジャンルに特化した動画配信サービスを求める人にはラインナップが心もとないかもしれません。

ディズニー作品やマーベル作品などが見たいという人はディズニープラス、国内のアニメを主に見たい人はdアニメストアといったように、他の動画配信サービスのほうが満足できる場合もあるでしょう。特に、日本の地上波で放送された最新の作品はNetflixであまり取り扱われていない印象です。
Netflix(ネットフリックス)が向いている人、向いていない人は?

再生機能やレコメンド機能が便利でラインナップも豊富なNetflix。動画配信サービスを使い慣れていないユーザーでも親しみやすい一方、Netflix以外の動画配信サービスの方が優れていると感じられる部分もあります。
ここでは、Netflixが向いている人、向いていない人について、実際に使ってみた感想をまじえて紹介します。
Netflix(ネットフリックス)が向いている人

Netflixは、世界最大級の動画配信サービスだけあってラインナップは量・質ともに充実しています。広告つきスタンダードプランを利用すれば月額料金を安く抑えられるので、他社に比べて割高な料金プランを前に二の足を踏んでいた人でも利用しやすいと言えます。
レコメンド機能も優秀で、「知らなかったけど面白そうな作品」に出会う機会も多いはずです。人気ランキングや新着順だけではなく、自分に合いそうな作品を自動で選んでくれるので、作品を選ぶ手間が大幅にカットできるでしょう。「見たい作品がもうない」と感じることはまずないと思います。
- 映画、海外ドラマ、韓国ドラマ、国内ドラマ、アニメなど幅広いジャンルの作品を楽しみたい人
- おすすめ作品を自動で選んでほしい人
- Netflixオリジナルコンテンツや独占配信作品に関心がある人
Netflix(ネットフリックス)が向いていない人

Netflixは動画配信サービス初心者にもおすすめできるサービスですが、無料お試し期間が用意されていません。まずは無料でラインナップを確認したい、という人にとっては残念なポイントです。
「ディズニー作品が見たい」「国内の古いアニメが見たい」「特定のテレビ局で放送されたドラマが見たい」というように、見たいジャンルが限られている人も、他の特化型動画配信サービスを検討してみる余地があります。
また、Netflixで4Kに対応した高画質動画を見ようとすると、最も高額な月額2290円のプレミアムプランに加入する必要があります。これは、Amazonプライムビデオなど他の総合ジャンル型動画配信サービスと比較しても割高です。リーズナブルな料金で高画質の動画が見たい人にはあまり向いていないといえるでしょう。
- 契約前に無料でお試ししたい人
- 興味のあるジャンルが限定されている人
- なるべくリーズナブルに高画質な動画を楽しみたい人