動画配信サービスのNetflix(ネットフリックス)は、2022年11月から広告付きの安価な料金プラン「広告つきスタンダードプラン」を提供しています。本記事では、Netflixの広告付きプランのメリット・デメリット、実際に使ってみた感想をまとめました。
月額料金(税別)から最大20%還元
広告つきプランは月額790円という低価格が魅力
Netflixには、料金・画質・同時ストリーミング可能なデバイス数によって「広告つきスタンダードプラン」「スタンダードプラン」「プレミアムプラン」の3種類の料金プランが用意されています。もちろん、すべてのプランで配信コンテンツが見放題です。
画質だけでなく、プランによって同時再生可能なデバイスの数が増減するのもNetflixの特徴です。さらに、全プランで作品のダウンロードが可能(ダウンロード対象作品に限る、広告つきスタンダードプランは毎月15作品まで)。外出先でもデータ通信量を気にせず楽しむことができます。
スタンダードプランの半額近い価格でNetflixを楽しめるのは、広告つきプランの大きな魅力です。
料金プラン | 月額料金 | 画質 | 同時再生可能なデバイス数 | ダウンロード | 視聴範囲、その他 |
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広告つきスタンダード | 790円 | フルHD画質(1080p) | 2台 | 〇(毎月15作品まで) |
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スタンダードプラン | 1490円 | フルHD画質(1080p) | 2台 | 〇(デバイスごとに最大100作品まで) | 全作品見放題 |
プレミアムプラン | 1980円 | UHD 4K+HDR | 4台 | 〇(デバイスごとに最大100作品まで) |
なお、従来のベーシックプラン(月額990円)は、2023年10月25日をもって新規受付を終了しています。ベーシックプランを契約中のユーザーは、アカウントをキャンセルするまで引き続き現行のプランのまま利用し続けることができます。プランの変更も可能です。
気になる広告つきスタンダードプランのデメリット
広告つきスタンダードプランは割安な価格で視聴できる反面、気になるデメリットがいくつかあります。次にあげる項目の他に、4K高画質の映像は視聴できないことなども覚えておきましょう。
動画の視聴前に広告が挿入される

広告つきスタンダードプランはその名の通り、動画の視聴前や視聴中に、広告が15秒間ないし30秒間表示されます。これはスキップしたり早送りしたりすることができません。Netflixの公式サイトによれば、広告が表示される時間は1時間あたり平均して約4分間とされています。
普段から動画広告に煩わしさを感じているユーザーには、不向きな面があるかもしれません。ただし、キッズプロフィールに広告は表示されません。
一部視聴できない作品がある


Netflixは定額見放題なのが大きな魅力ですが、残念ながら広告つきスタンダードプランは、他の2プランと異なり一部視聴できない作品があります。対象作品は公式サイトでアナウンスされていないため、自分でその都度チェックする必要があります。視聴できない作品には鍵のアイコンが表示され、再生することができません。
筆者が大まかに確認したところ、非対応作品はさほど多くはない印象ですが、自分が見たい作品が視聴できないとそもそもNetflixに登録するメリットはなくなってしまいます。お気に入りの作品が視聴できないことが判明したら、プランのアップグレードを検討しましょう。
実際に広告つきスタンダードプランを使ってみた

動画のシークバーには、広告が挿入される位置に黄色い印が付いている
広告つきスタンダードプランに登録して、実際に視聴してみました。動画再生時、画面のシークバーには広告が挿入されると思しき場所に黄色い印が付いていても、その部分に到達したり超えたりしても広告が表示されないことがあります。すべての動画の冒頭に15秒~30秒程度の広告が挿入されると想定していましたが、実際に利用してみるとまったく広告が流れないということも少なくありません。筆者の経験上、広告が流れるのは10本に1本程度の感覚でした。
広告の表示時間自体も公式サイトの記載より短い印象で、スキップできない煩わしさはありますが、個人的には十分許容できました。YouTubeやTVerなどの広告付き動画配信サービスと比較すると、ユーザーの負担はかなり少ないように感じます。流れる広告の量も、最も割安な価格で利用できるなら気にならない程度だと思います。
表示される広告の内容は、登録したユーザーの年齢や性別・視聴するコンテンツによって異なります。筆者が視聴したときは、PCや日用品メーカーなどの広告が表示されました。このほか生命保険会社やGoogle、Microsoftなど大手企業の広告がメインのようです。動画広告にありがちな不快な広告はほぼ流れないといってよいでしょう。
Netflix ケース別のおすすめ料金プラン
自分にとって最適なNetflixの料金プランはどれなのか、ケース別におすすめのプランを紹介します。
外出先でも気兼ねなく利用したい

Wi-Fiに接続できない外出時も積極的にNetflixを利用したい人は、ダウンロードが可能な「スタンダード」か「プレミアム」がおすすめです。「広告つきスタンダード」も2台の端末にダウンロードが可能ですが、毎月15作品までに限られます。
Netflixを家族と共有して楽しみたい場合、6台分ダウンロードして異なるデバイスで視聴できるプレミアムプランなら不満を感じにくいでしょう。
画質や音質にこだわりたい場合

自然ドキュメンタリーやライブ映像などを高画質・高音質で視聴したり、テレビの大画面で迫力ある映像を楽しんだりしたい人は、フルHD(1080p)の約4倍の画素数であるUHD/4K対応の「プレミアム」を選択しましょう。まずHDやフルHDの画質をチェックしてから判断したい場合には、はじめに下位プランを選択して、不満があれば上位のプレミアムプランに切り替えてもよいかもしれません。
また、プレミアムプランのユーザーだけが体験できる「空間オーディオ」は、特別なオーディオ機器に接続しなくても、すべての対応デバイス上で臨場感のある音質が提供されます。『ストレンジャー・シングス 未知の世界』『ウェンズデー』など700以上のタイトル(2023年3月現在)が空間オーディオに対応。対応作品は、概要説明欄に空間オーディオラベルが表示されます。
料金の負担をなるべく抑えてNetflixを楽しみたい場合

Netflixをお試しで利用したい人や、どんなコンテンツがあるのかをチェックしたい人であれば、「広告つきスタンダード」で十分かもしれません。広告や一部視聴できないコンテンツがあるなどの制限はありますが、上述のとおり広告の煩わしさは思ったほどではなく、ダウンロードできる作品数が毎月15本と限られている点を除いては他のプランと同じような感覚で快適に利用できます。
ただし、携帯キャリアやケーブルテレビ事業者といった、パートナー企業のパッケージプランを通してNetflix月額料金の支払いをおこなう場合、広告つきスタンダードプランが利用できないケースもあります。契約状況を事前によく確認しておきましょう。
料金プランを変更する方法
Netflixの料金プランは、いつでも変更可能です。アカウント情報の変更は、Netflixのウェブサイトからおこないます。


視聴プランを変更するにはNetflixのウェブサイトからログインし、画面左上のメニューボタン をタップして を選択します。パソコンの場合も同様ですが、プロフィールアイコンは画面右上に位置します。


アカウントメニューにアクセスしたら、続いて
をタップします。変更したいプランを選択しましょう。

プランをダウングレードする場合、新プランは次回の請求日から適用される
をタップすれば完了です。
なお、変更したプランが適用されるタイミングには注意が必要です。変更内容によって次のように異なります。
- 上位プランにアップグレードした場合:変更後すぐに適用され、新しい料金は次の請求日に請求される
- 下位プランにダウングレードした場合:次回の請求日から適用され、それまで今のプランのまま視聴できる
まとめ
新プラン「広告つきスタンダード」は、広告がどの程度表示されるのかが懸念点でしたが、実際に利用してみるとほとんど気になりませんでした。一部の作品に視聴制限はあるものの、割安な価格帯でNetflixが利用できるのは、特にライトユーザーにとって嬉しい選択肢と言えるでしょう。
Netflixには無料お試し期間がないため、初めて利用する場合には広告つきスタンダードから始めてみるのがいいかもしれません。より多くの作品をダウンロードして視聴したい、高画質で楽しみたいと思った時点で上位プランに切り替えても遅くはありません。
月額料金(税別)から最大20%還元