様々なジャンルの音楽が聴き放題になる音楽サブスクの中には、ずっと無料で利用できるフリープランを設けているサービスもあります。音楽を聴く機会がさほど多くないなら、料金を支払うのがもったいないのでフリープランで十分と考える人もいるかもしれません。
しかし、フリープランは機能面の制限も多く、どこまで利用できるのか、どのサービスが自分にあっているのか、そもそも有料版のほうがいいのかと悩むこともあるはず。本記事では、フリープランがあるおすすめの音楽配信サービスについて有料プランと比較しながら紹介します。
音楽配信サービスのフリープランとは? 無料体験との違い

無料体験とは異なり、プランのひとつとして提供されているのがフリープラン
音楽配信サービスの中には、サブスクリプション方式で月額料金を支払う有料プランと、月額料金が発生しない無料プランの両方が用意されているサービスがあります。今回取り上げるのは、無料で利用できるフリープランです。
有料プランと無料プランの最大の違いは、機能的な制限があるかどうか。ほぼすべてのサービスの無料プランでは、楽曲の再生方式や再生時間など、機能面で制限があります。作業中のBGMにする程度など、用途によっては無料プランでも十分なケースもあります。目的にあわせて選びましょう。
音楽配信サービスの「フリープラン」
有料プランに移行しない限り、ずっと無料で使える。ただし再生方式がシャッフル再生になる、スキップ回数に上限がある、広告が流れるなど、機能面で多くの制限がある |
有料プランの「無料トライアル」
有料プランのお試し期間。期間限定(おおむね1カ月)で有料プランと同等のサービスを利用でき、無料トライアルが終了すると有料プランに自動移行する |
紛らわしいのが、有料プランの無料トライアル(お試し)です。たいていの音楽配信サブスクには、1カ月程度の無料トライアル期間が設けられています。無料トライアル期間中は有料時と同等の楽曲を聴くことができるので、有料期間移行後も継続利用するか試せます。継続利用しないのであれば、無料トライアル期間中に解約すれば料金は発生しません。

フリープランの「Amazon Music Free」

有料プラン「Amazon Music Unlimited」の無料トライアル
有料プランのお試し期間として用意されているためすべての機能を無料で利用できますが、お試し期間が終了すると自動的に有料会員に移行するケースがほとんどです。フリープランと間違えて契約しないよう注意してください。音楽配信サブスクの無料トライアルについては、以下の記事で詳しく解説しています。
各サービス無料プランのメリット・デメリット
楽曲数 | 再生方式 | 広告 | バックグラウンド再生 | プレイリスト作成 | 楽曲スキップ | 再生時間制限 | フル尺再生 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Amazon Music Free | 1億曲以上 | シャッフル再生 | あり | ○ | × | 1時間に6回まで | なし | ○ |
Spotify | 1億曲以上 | シャッフル再生 | あり | ○ | ○ | 1時間に6回まで | なし | ○ |
YouTube Music | 非公開 | オンデマンド | あり | × | ○ | 無制限 | なし | ○ |
AWA | 1億4000万曲以上 | ハイライト再生 | なし | ○ | ○ | 無制限 | 月20時間まで | × |
フリープランのある音楽配信サービスを一覧で比較してみました。ほぼすべてのサービスで、有料プランと同様の楽曲を聴くことができます。ただし、シャッフル再生にしか対応しておらず好きな曲をピンポイントで聴けなかったり、広告が入ってしまったり、フルで音楽を再生できなかったりなど、再生機能に制限があるので注意してください。
以下、フリープランのある音楽配信サービスのサービス内容を具体的に解説します。有料プランとの違いも比較しているので、プランやサービスを選ぶ際の参考にしてください。
Amazon Music Free


様々なジャンルのプレイリストを楽しめる
「Amazon Music Free」はAmazonが運営しているAmazon Musicの無料プランです。Amazonのアカウントさえあれば、誰でも無料で利用できます。
多くのフリープランのサービスでは楽曲の再生時間に制限がありますが、無制限でフル再生できるのが大きなメリット。歌詞表示やプレイリストの再生、Alexa(アレクサ)の音声操作やポッドキャストの再生、ライブストリーミングなど、無料でも幅広い機能を利用できます。

Alexaを使って楽曲を再生できる
トッププレイリストやジャンル、気分などに応じて様々なカテゴリーのプレイリストと、視聴した楽曲に基づいたおすすめをピックアップしてくれるステーションをフルで聴けるのはうれしいポイントです。筆者の印象では、プレイリストのバリエーションが一番多い配信サービスだと感じます。
とはいえ、下記の通りフリープランならではの制限も設けられています。
- 好きな楽曲を選んで再生できない(一部プレイリストを除く)
- 広告表示がある
- 楽曲のスキップは1時間に6曲まで
- オフライン再生や空間オーディオは利用不可
Amazon Music Freeでは、好きな楽曲を選択して再生できません。一部のプレイリストでは楽曲を選択して再生できるものの、アルバム単位で聴きたいときなどはシャッフル再生のみとなります。
また、楽曲のスキップも1時間につき6回までしかできず、上限を超えた場合は1時間待つかそのまま楽曲を再生し続けるしかないので、少々ストレスに感じるかもしれません。さらに、楽曲をデバイスにダウンロードしてオフラインで再生することはできず、広告も入ります。若干の制限はあるものの、作業や勉強のBGMといった使い道であれば十分利用できるでしょう。

Amazon Musicには、定額制で聴き放題の「Amazon Music Unlimited」、Amazonプライム会員特典の「Amazon Music Prime」、そして今回紹介している無料版の「Amazon Music Free」の3種類にわかれています。
Amazon Music Unlimitedにアップグレードすると、上記の機能制限がすべてなくなり、1億曲以上の楽曲を自由に再生できるようになります。Amazon Music FreeでAmazon Musicの配信ラインナップやサービスの使い勝手に満足できたなら、アップグレードを検討してみてもよいかもしれません。
Unlimitedならロスレス音質で再生できる「Amazon Music HD」が追加料金なしで利用できるため、音質にこだわりたい人にもおすすめです。
Amazon Music Primeは、プライム会員に登録していれば追加料金なしで利用できます。再生方式は原則としてシャッフル再生(一部プレイリスト除く)、スキップも1時間に6回までという点はFreeと共通ですが、Primeでは広告が流れません。
また、好きな楽曲を選んで再生できスキップ回数にも制限がないプレイリストを2つまで作成できます。(1つのプレイリストにつき最大50曲追加可能)。
Amazon Music Free | Amazon Music Prime | Amazon Music Unlimited | |
---|---|---|---|
フル再生 | ◯ | ◯ | ◯ |
選曲 | △ (一部のプレイリストのみ対応) |
△ (一部のプレイリストのみ対応) |
◯ |
歌詞表示 | ◯ | ◯ | ◯ |
オフライン再生 | × | × | ◯ |
音声広告 | あり | なし | なし |
楽曲スキップ | 1時間に6回まで | 1時間に6回まで | 無制限 |
プレイリストの作成 | × |
◯ (最大100曲) |
◯ |
Spotify

洋楽のラインナップが豊富

人気のアルバムや最新ヒットなどの切り口からのプレイリストも
Spotify(スポティファイ)は、2008年にスウェーデンで提供が開始された、全世界で6億4000万人以上の月間アクティブユーザーを有する音楽ストリーミングサービスです。洋楽に強いという特徴があります。
フリープランのメリットは、すべての音楽をフルで視聴できること。1億曲以上の豊富な楽曲を完全無料で視聴できます。バックグラウンド再生やプレイリストの作成にも対応しており、好きなアーティストの楽曲をSpotifyのアプリやスマホを閉じて楽しめるのもうれしいポイントです。
ただし、無料版を利用する際は下記のような制限があります。
- スマホアプリはシャッフル再生のみ
- 曲のスキップは1時間に6回まで
- 4、5曲おきに1回15〜30秒程度の広告が流れる
- 音質は最高音質の320kbpsを選べない(24kbps、96kbps、160kbpsで設定が可能)
- オフライン再生ができない

フリープランも歌詞の表示は可能

曲のスキップは1時間に6回まで
Spotifyのフリープランをスマホアプリで利用する場合、好きなアーティストの楽曲を自分で選ぶことはできず、すべてシャッフル再生になります。ただし、タブレットやPCからはフリープランであってもオンデマンド再生を利用可能です。
また、曲を事前にダウンロードして聴けるオフライン再生には対応していません。タブレットやPCで主に音楽を聴く人や、特に曲やアーティストにこだわりがなく、部屋や移動中などで流すBGM用の音楽配信サービスを探している人には向いていると言えます。
有料プランの「Spotify Premium」にアップグレードすると、上記の制限がすべてなくなります。好きな曲を広告なしで自由に聴きたいなら、Spotify Premiumにアップグレードすることをおすすめします。
ドコモユーザーはSpotify Premiumがお得

ドコモ回線のeximo・ahamo・ギガホのいずれかを契約しているユーザーは、ドコモのポイント還元プログラム「爆アゲセレクション」により、Spotify Premiumの月額料金(税抜)の25%にあたる223ポイントのdポイント(期間・用途限定)が毎月還元されます。 * 。
つまり、eximo・ahamo・ギガホユーザーはdポイント還元により実質月額757円でSpotify Premiumを利用できるのです。
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eximo・Alamo・ギガホならSpotify Premiumがおトクに使える! Spotify Premiumの月額料金の税抜き価格からdポイント(期間・用途限定)25%還元! 本サービスの申し込み後は、別途利用登録の手続きが必要です。ご利用登録にはSpotifyアカウントが必要です。すでにSpotifyアカウントをお持ちの場合は、継続して同じアカウントをご利用いただけます。ただし、お持ちのSpotifyアカウントにおいてSpotify Premiumをご利用中の場合、ご利用登録ができないため、お客さまにおいて事前にSpotify Premiumをご解約いただき、契約期間が終了し次第、本サービスをお申込みください。ご利用登録の手続きが完了していない場合であっても料金が発生します。ご利用登録時点で残っている契約期間は失効します。
Spotify フリープラン | Spotify Premium | |
---|---|---|
フル再生 | ◯ | ◯ |
選曲 | × (PCやタブレットでは可能) |
◯ |
歌詞表示 | ◯ | ◯ |
オフライン再生 | × | ◯ |
音声広告 | あり | なし |
楽曲スキップ | 1時間に6回まで | 無制限 |
プレイリストの作成 | ◯ | ◯ |
YouTube Music

おすすめの音楽を提案してくれる

ライブ映像やMVの視聴も可能
YouTube Musicでは、通常のYouTubeコンテンツのように音楽を再生できます。ユーザーの好みに合った曲をまとめたプレイリストや、時間や場所などに合わせたプレイリストも用意されており、シーンや自分の気分に合わせて音楽を楽しめます。フルで楽曲を視聴したり、歌詞を表示したりできるので不自由なく利用できます。
ただし、無料版では下記のような制限があります。
- 動画広告が入る
- オフライン再生やバックグラウンド再生ができない
- 音楽と動画の切り替えができない

曲の再生時に動画広告が挿入される

音楽と動画を切り替えられるのは有料プランのみ
YouTube Musicの広告は、曲の再生時に動画広告が挿入されます。YouTubeのように、5秒や15秒の広告が複数挿入されたり、5秒の視聴でスキップできたりします。他の音楽配信サービスのフリープランとは異なり、動画広告となるため音声広告よりも煩わしく感じる人も多いかもしれません。
有料版に加入すると、上記の制限がすべて開放されます。音楽配信サービスの多くは、音楽とミュージックビデオはそれぞれで検索しなければ再生できません。しかし、有料プラン「YouTube Music Premium」に加入すると再生画面のボタンを押すだけで、簡単に音声のみの再生とミュージックビデオを切り替えられるようになるのです。
YouTubeには様々なアーティストのライブ映像やカバー曲などがたくさんアップされており、コンテンツが豊富にあるのも強み。YouTubeの音楽はもちろん、映像も楽しみたいという人におすすめのサービスです。
YouTube Music フリープラン | YouTube Music Premium | |
---|---|---|
フル再生 | ◯ | ◯ |
選曲 | ◯ | ◯ |
歌詞表示 | ◯ | ◯ |
オフライン再生 | × | ◯ |
バックグラウンド再生 | × | ◯ |
広告 | あり | なし |
楽曲スキップ | 無制限 | 無制限 |
プレイリストの作成 | ◯ | ◯ |
AWA


有料版と同じ最大320kbpsの音質を選べる
無料プランでも音質には妥協したくない人におすすめなのが、「AWA(アワ)」です。フリープランでも、有料版と同じ最大320kbpsの高音質で楽しむことができます。多くの音楽配信サービスの無料プランでは音質の選択ができない中、高音質な楽曲を無料で楽しめる数少ないサービスと言えるでしょう。
再生楽曲数は1億5000万曲以上で、すべて広告表示なく利用できます。プレイリストの作成や公開、バックグラウンド再生ができるのもポイントです。
ただし、フリープランでは以下の制限があります。
- 楽曲をフル再生できない
- オフライン再生ができない
- 音楽を聴けるのは月20時間まで

フル再生をするには有料版にアップグレードする必要がある

歌詞表示はフリープランでも可能
AWAのフリープランにおける最大のデメリットは、楽曲のフル再生ができないこと。再生方法は、楽曲の盛り上がる箇所を最大90秒間聴けるハイライト再生で、月20時間までという制限があります。また、オフライン再生もできません。
好きな楽曲をフルで聴きたいという人には不向きですが、多くの楽曲の盛り上がる部分でトレンドを押さえたいといった使い方にはおすすめです。
フリープラン | スタンダードプラン | |
---|---|---|
フル再生 | × | ◯ |
選曲 | ◯ | ◯ |
歌詞表示 | ◯ | ◯ |
オフライン再生 | × | ◯ |
バックグラウンド再生 | ◯ | ◯ |
広告 | なし | なし |
楽曲スキップ | 無制限 | 無制限 |
プレイリストの作成 | ◯ | ◯ |