連絡ツールとして欠かせない存在となっているLINE(ライン)。「パスコード」は、そんなプライベートな情報を頻繁にやりとりするLINEをより安全に使う機能の一つです。パスコードによるロックを設定しておけば、LINEアプリ起動時に4桁のコード入力や生体認証が求められるので、第三者が勝手にLINEを開いてしまう恐れがなくなります。
本記事では、LINEアプリのパスコードを設定・変更・解除する方法に加えて、パスコードを忘れたときの対処法などについて解説します。
LINEのパスコードとは──パスワードとはどう違う?
LINEの「パスコード」とは、LINEアプリ起動時に入力する数字4桁のコード(暗証番号)のことです。パスコードを設定すると、LINEアプリ起動時に毎回パスコードの入力または生体認証(Touch IDやFace ID)を求められ、第三者がLINEアプリを勝手に起動できないようになります。
スマホ自体のロックに加えてLINEアプリの起動にもロックをかけるのは、無駄な作業を増やすだけとも考えられます。しかし、何らかの理由で友だちにスマホを貸さなければならないがLINEは見られたくないといったように、一時的に利用するには便利な場合もあります。
パスコードは、あくまでも端末を操作してアプリを起動する時に入力を要求されるに過ぎません。そのため、万が一メールアドレスとパスワードが外部に流出してしまった際に、アカウント乗っ取りの防御策にはなりません。
一方で、LINEには「パスワード」も存在します。LINEにおけるパスワードとは、LINEアカウントとしてメールアドレスを登録する際に同時に設定する、英数字で6文字以上の文字列のことを指します。

PC版LINEのログイン時やアカウント引き継ぎ時に入力するのが「パスワード」
パスワードを入力する必要があるのは、PC(パソコン)版LINEやLINEストアなどにログインするとき、機種変更時にLINEアカウントを新端末に引き継ぐときなどです。
パスワードは、LINEアカウントにログインしようとしているのがユーザー本人であるかを確認するためのもので、LINEアプリを起動する際の鍵となるパスコードとはまったく異なる役割を担っています。
LINEのパスコードを設定・変更・解除する方法
LINEにパスコードを設定・変更・解除する方法をそれぞれ解説します。iOS版もAndroid版も手順はほとんど同じです。
パスコードロックを設定(登録)する
LINEにパスコードを設定する手順は以下の通りです。
「プライバシー管理」画面を開く


まずは「ホーム」タブの設定ボタン
→ の順に進みます。「パスコードロック」をオンにする

iOS版LINEの場合

Android版LINEの場合
をタップしてオンにします。
パスコードを2回入力


確認用も含めてパスコードを2回入力
パスコードに設定する4桁の数字を入力し、確認用にもう一度同じパスコードを入力します。
Android版LINEでの初回パスコード設定時、通知でメッセージ内容をプレビュー表示するかどうかの選択ができます。iOS版LINEにこの機能はありません。

をタップすれば、通知上でメッセージ内容をプレビューできるように設定を変更できますが、パスコードロックをかけるような状況でメッセージ内容を通知に表示させるメリットはほとんどないでしょう。
その場合は
をタップしてください。パスコードの設定完了

iOS版LINEの場合

Android版LINEの場合
これでパスコードの設定は完了です。以後、LINEアプリを立ち上げる度にパスコード入力を毎回求められることになります。
パスコードを変更する

iOS版LINEの場合

Android版LINEの場合
パスコードが設定されている状態で「ホーム」タブの設定ボタン
→ と進み、 をタップします。

確認用も含めて新しいパスコードを2回入力
iOS版LINEであれば、新しいパスコードを2回入力するだけで変更が完了します。
Android版LINEの場合、変更前のパスコードを入力した上、新しいパスコードを2回入力して変更完了です。
パスコードロックを解除(無効に)する
LINEのパスコード設定を解除する方法はいたって簡単です。

iOS版LINEの場合

Android版LINEの場合
「ホーム」タブの設定ボタン
→ と進み、「パスコードロック」をオフにするだけです。現在のパスコードを入力する必要はありません。Face ID/Touch IDをLINEのパスコードに利用する(iOS版のみ)
iOS版LINEでは、Face ID(顔認証)またはTouch ID(指紋認証)をパスコードとして利用できます。iPhone X以降のホームボタンがない機種はFace ID、iPhone 8以前およびiPhone SE 第2世代のホームボタンがある機種はTouch IDでの設定となります。

ホームボタンがないiPhoneの場合(Face IDを設定)

ホームボタンがあるiPhoneの場合(Touch IDを設定)
パスコードが設定されている状態で「ホーム」タブの設定ボタン
→ と進み、「Face ID」または「Touch ID」をオンにすれば設定完了です。
ホームボタンがないiPhoneでFace IDを使用

ホームボタンがあるiPhoneでTouch IDを使用
設定が完了すると、次回起動時よりパスコードの代わりにTouch ID/Face IDが求められるようになります。
うまく認識されないことが続くと4桁のパスコード入力が要求されますが、もう一度LINEを起動すればTouch ID/Face IDでやり直せます。
LINEのパスコードを忘れたときの対処法、間違いは何回までOK?
LINEで設定したパスコードを忘れてしまうと、OSや端末によっては非常に困った事態に陥ります。というのも、パスコードとして設定した4桁の数字を確認する方法は用意されていないからです。
iOS版LINEは、LINEのパスコード認証をFace ID/Touch IDで代用できるので、設定を有効にしていればそれらでパスコードを解除できます。パスコードさえ解除できれば、覚えやすいパスコードに変更して問題は解決です。
しかし、Face ID/Touch IDによるLINEのパスコード認証が無効のままでは、正しいパスコードを入力することができません。また、Android版LINEではFace IDやTouch IDなどの生体認証によってロック解除させるオプションがありません。
したがって、正しいパスコードを入力しないかぎり、アプリを起動できなくなってしまいます。ちなみに、パスコードを何度間違えても操作がロックされて使えなくなることはありません。

パスコードを思い出せないと、この画面から先に進めない。パスコード入力は何度でも試せる
LINEのパスコードを忘れてしまってアプリを起動できなくなったとき、対処法は以下の2パターンしかありません。
- LINEアプリを削除して再インストールする(バックアップがないとトーク履歴はすべて削除される)
- 4桁のパスコードを総当りで入力してみる(0000から9999まで1万通り)
パスコードにある程度の当たりが付けられるようなら何度も入力する手段を試す価値がありますが、やはりLINEアプリを削除して再インストールするのが最も現実的な対処法になります。
ただし、LINEアプリを削除して再インストールすると、パスコードは無事に解除されるものの、過去のトーク履歴がすべて消えてしまいます。しかも、アプリが立ち上がらない以上、最新のトーク履歴のバックアップはできません。もちろん、過去のバックアップがあれば、その時点までのトーク履歴を復活させることは可能です。
LINEでパスコード機能を利用する場合を含め、万が一に備えてあらかじめトーク履歴の自動バックアップを有効にしておくようにしましょう。