AmazonのKindleストアで購入したKindle本は、専用のKindle端末やスマートフォン、タブレット、パソコンとさまざまなプラットフォームに対応しています。
今回紹介するのは、パソコンでKindle本を読む方法です。端末やタブレットなどに比べると身軽ではありませんが、大きなディスプレイなのでじっくり腰を据えて読書するのに適しています。
Kindle本をPCで読む2つの方法
Kindle本をパソコン(PC)で読む方法は、2通りあります。
方法1:Kindle for PC/Kindle for Macで読む

Kindle for PCのライブラリ画面
1つ目は、Kindleのパソコン版アプリで本を読む方法です。Windows版アプリは「Kindle for PC」、Mac版アプリは「Kindle for Mac」という名前で無料提供されています。
どちらもAmazonのページからダウンロードできますが、Kindle for MacはApp Storeからでもダウンロード可能です。
Amazonのアカウントでログインするだけで使えて、スマホやKindle端末のライブラリとも同期できます。そのため、外出しているときは持ち運びしやすいスマホ・タブレット端末で、家ではパソコンの大きな画面でゆっくり読書を楽しむ、といった使い分けにも便利です。
方法2:Kindle Cloud Readerで読む

Kindle Cloud Readerのライブラリ画面
もう1つが、Webツールの「Kindle Cloud Reader」を使う方法です。インストールの必要がなく、ブラウザでアクセスしてAmazonのアカウントでログインするだけで使えます。
読める本や機能の点で、アプリよりも制限がありますが、パソコンのストレージを圧迫しないなどのメリットもあります。
Kindle for PC/Kindle for Macの特徴と注意点
続いて、Kindle for PC/Kindle for Macの特徴と注意点を見ていきましょう。
Kindleストア内のすべての本に対応

Kindle for PC/Kindle for Macのリーダー画面
Kindle for PC/Kindle for Macは、Kindle本を読むための無料アプリです。
Kindle端末がなくても、パソコンにインストールすればKindleストア内で購入した本はもちろん、「Prime Reading」や「Kindle Unlimited」の読み放題対象タイトルにも対応します。
Kindleストア内すべての本でジャンルを問わず使えるので、マンガや雑誌、写真集などをPCの大画面で楽しめます。
画面やフォントの拡大・縮小が可能

Kindle本は、文字(フォント)やページの拡大・縮小が可能。フォントを拡大・縮小するときは、同時に文章の行間や画面のページ幅、明るさ、背景色(カラーモード)も変更できるので、ディスプレイの画面サイズや視力に合わせて、読みやすく調整しながら読めます。
ハイライト・メモ・辞書などの機能も搭載

重要な箇所に線を引きながら本を読むことができます。実際のペンと違って、ハイライトを引き直したり、あとで削除したりといった操作を自由におこなえるのが特徴です。
任意のハイライトにメモを追加することも可能です。ハイライトやメモは、「ノートブック」というドロワーにまとめられ、同じ場所で確認できます。
パソコンとの並行作業や資料作成に便利
PCアプリならではの使い方として、他のウィンドウと並べて使える点が挙げられます。Kindle本を開いたまま別のアプリで作業するときに、画面から目を離す必要がありません。
Kindleアプリには、ハイライトやメモをエクスポートする機能があり、本の内容を引用しながら資料などを作成するといった使い方にもぴったりです。
Kindle本のダウンロードに時間がかかる
注意点は、Kindle本を読むのに、本のダウンロードが必要なことです。本にもよりますが、ファイルサイズの大きなものでは200MBを超える作品もあり、ダウンロードに数分かかります。
なお、一度ダウンロードしておけばオフラインで読むことができるので、外で読書したいときに便利です。
Kindle Cloud Readerの特徴と注意点
Kindle Cloud Readerの特徴と注意点をまとめました。
ブラウザ上で使えてPCの容量を圧迫しない

Kindle Cloud Readerのリーダー画面
Kindle Cloud Readerは、ブラウザでKindle本を読めるWebツールです。アプリをインストールする必要がなく、ストレージも利用しないためPCの容量をほぼ使いません。
本のダウンロードが不要で、モバイルで読むときなどに重宝するでしょう。またAmazonにログインするだけで利用できるので、外出先のPCで読むといった用途にも使えます。
対応する書籍が限られている

最大の注意点は、対応している書籍が限られていることです。Kindle Cloud Readerで読めるのは、おもに雑誌、マンガ、洋書だけです。対応していない書籍は開くことができません。
小説や実用書などの本を読みたいときは、Kindleアプリが必要です。
ページをめくる動作が少し遅い

Kindle Cloud Readerで読める本は固定レイアウトの本に限られるため、全体的にファイルサイズが大きくなりがちです。
そのため、ページを読み込むのに時間がかかります。全体を眺めるようにパラパラめくって読むという使い方には向きません。
ハイライトやメモ機能などはほとんど使えない
Kindle Cloud Readerでは、Kindleが持つ本来の便利な機能をほとんど使えないのが残念なポイントです。文字サイズを変更するなどのレイアウト機能がほぼ使えず、辞書機能やブックマーク機能もありません。

「メモとハイライト」では、アプリ版またはKindle for PC/Macでつけたハイライトやメモを一覧で確認できます。ただし、Kindle Cloud Readerではハイライトやメモをつけられる書籍を閲覧できないため、概要を確認するだけにとどまります。
オフラインで利用できない
Kindle Cloud Readerは、オフラインでは利用できません。常にインターネットに接続している必要があります。オフラインで読む場合は、Kindleアプリを利用しましょう。
Kindle for PC/Macのダウンロード方法と使い方
Kindle for PC/Macのダウンロード方法と、基本的な使い方を紹介します。
Kindle for PC/Macのダウンロード方法
Windowsユーザー向けのKindle for PCと、Macユーザー向けのKindle for Macは、どちらもAmazonから無料でダウンロードできます。

アプリのダウンロードページを開き、[デスクトップはここから PC & Mac]というボタンをクリックしてアプリをダウンロードしてください。

アプリを起動したら、最初にAmazonアカウントでログインします。
本の開き方

Kindle for PCのライブラリ画面
Amazonへのログインが完了すると、Kindleストアで購入した本がライブラリに表示されるので、読みたい本の表紙をダブルクリックします。初めて開く本の場合は、ダウンロードが始まります。
ライブラリでは、最近開いた(購入した)アイテムが一番左上に表示されます。タイトルや著者名順で並び替えることもできます。
新しくダウンロードした未読本には「新規」のアイコンが付き、途中まで読んだ本の上部には、読み終えたページの分量が%で表示されます。ダウンロード済みの本は、右下にチェックが付きます。
ページのめくり方

ダウンロードが完了すると本が開きます。本によって、ページの開く方向は異なりますが、キーボードのカーソルキー(左右)を押すか、または画面の端に表示されている三角の矢印をクリックして、ページをめくります。

画面上の「移動」をクリックすると、好きなページへ移動できる
ページをまとめて移動したいときは、[移動]ボタンをクリックします。表紙や目次ページのほか、好きなページの位置を指定して、目的の場所までジャンプできます。

画面下部でページ数/位置を確認
また画面下部には、読んでいる位置を示すバーが表示されています。ここを見れば、全体のうちどこまで読んだかページ数を把握可能です。バーをドラッグして、指定の位置までジャンプすることもできます。
目次を使う、本の中を検索する

本の中にある目次ページとは別に、目次データからも目次を確認できます。画面左上にある目次ボタンをクリックすると目次が表示され(本によっては表示されないものもあります)、ここから表紙に戻ったり、別の章へ移動したりできます。

また目次の下には[検索]ボタンがあり、本の内容を検索できます。知りたいことが書いてある箇所にダイレクトに移動するため、本を読み返すときや調べ物をするときに便利です。
ハイライトを引く、メモを書く


読んでいる途中、大事なところへ線を引きたいときに使いたいのがハイライトです。マウスを使って線を引きたいところをドラッグするとメニューが表示されるので、4色のハイライトから好きな色を選びます。
色は選べませんが、キーボードの「Ctrl」キー(Macは「command」キー)を押しながらドラッグすることで、メニューを表示させずにハイライトを付けることが可能です。
ハイライトを付けると「ノートブック」と呼ばれるドロワーに表示されます。ハイライトのほかにも注釈を入れたいときは、ノートブックの[メモの追加]やメニューボタン
からメモを追加します。
フィルターを使って、本の中に引いたハイライトやメモを色別・種類別に抜き出すことも可能です。ノートブックのフィルターで[すべての商品]から抜き出したいハイライトの色などを選択しましょう。
辞書を使う


単語を選択し[辞書]をクリックすると、単語の意味が表示されます。初回のみ辞書をダウンロードするのに1〜2分ほどかかりますが、日本語なら国語辞典(大辞泉)、英語なら英和辞典(プログレッシブ英和中辞典)が利用できます。
フォントサイズや背景色を変更する

Kindle本の多くは、画面サイズに合わせてフォントサイズを変更できるように制作されています。そのままでは読みにくいと感じた場合、[Aa]をクリックして、フォントサイズや明るさ、背景の色などを変更できます。またページ幅を調整することで、ディスプレイの横幅いっぱいにページを拡大することもできます。
Kindle Cloud Readerへのアクセス方法と使い方
Kindle Cloud Readerへのアクセス方法と、基本的な使い方を説明します。
Kindle Cloud Readerへのアクセス方法

ChromeやFirefoxなどのブラウザでKindle Cloud Readerにアクセスします。Amazonアカウントにログインすればすぐに利用を開始できます。ライブラリもKindleアプリと同期されています。
対応ブラウザは特に明記されていません。ChromeやFirefox、Microsoft Edge、Safariなど、さまざまなブラウザから利用可能です。
読める本の見分け方

対応していない本は開けない
Kindle Cloud Readerで読める本は限られています。具体的に言うと、「固定レイアウトで作成」された本だけ読めるようです。対応していない本を読もうとすると、Kindleアプリを使うようにという画面が表示されます。


固定レイアウト(フィックス型)で作成されているかどうかは、Amazonの詳細ページで確認可能です。
「この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています」や「この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています」と表示される本が該当しています。本の種類で言えば、雑誌・ムックやコミック、洋書などです。
逆に言うと、文芸書や実用書のようにレイアウトが流動的に変化し、テキストを流し込む形式(リフロー型)の本は、Kindle Cloud Readerで読むことができません。
本の開き方

本の表紙をクリックすると開く
ライブラリが表示されたら、読みたい本をクリックします。新しいタブに本の内容が表示されます。

初期設定では見開きで表示されます。画面右上のアイコンから2列表示と単一列の切り替えが可能です(コミックは除く)。

なおライブラリは、「本」「コミック」「サンプル」で絞り込めます。また[メモとハイライト]をクリックすると、「Kindle for PC」や「Kindleアプリ」などで保存したメモとハイライトを表示できます。
ページのめくり方

左右の矢印をクリックでページをめくる
左右にある矢印をクリックするか、キーボードから左右のカーソルキーを押します。画面下部にあるスライダをドラッグしてページを移動することもできます。
本を閉じるときは、タブを閉じるか、左上の[ライブラリ]をクリックします。
なお、コミックの場合は「Kindleマンガ」というビューワが起動します。使い方はアプリ版とほぼ同じですが、本を閉じるときはタブごと閉じます。