iPhoneで写真を一括削除(全削除)する方法
iPhoneでカメラを使おうとしたときに「写真を撮影できません 写真を撮影するのに十分な空き領域がありません。ストレージは"設定"で管理できます」というメッセージが表示され、写真を撮影できなくなった経験はないでしょうか?
ストレージの容量は購入時に決まるため、あとで増やすことができません。容量がいっぱいになってしまったときに、iPhoneを買い換えるなんて馬鹿らしいですよね。ストレージの空き容量を増やすテクニックを知っているのといないのとでは、大きな差が生じてきます。
ストレージの空き容量を増やす方法として最初に実行したいのが、写真・ビデオの削除です。ただ、iPhoneからだと写真・ビデオを一括削除できなかったり、消したはずなのにストレージの空き容量が解放されなかったりすることがあり、一筋縄ではいかない側面があります。
そこで、この記事では、iPhoneで写真をまとめて削除する方法を解説します。写真・動画でストレージをいっぱいにしてしまう前の対策については、下記記事を参考にしてください。

iPhoneで写真を削除する方法
ストレージの空き容量を増やすには、とにかく要らない写真やビデオを削除することです。この操作は、「写真」アプリで行います。写真(やビデオ)を選択、または拡大表示して、右下のゴミ箱アイコンをタップし、[写真(ビデオ)を削除]を選ぶだけです。
ただ、削除したい項目がたくさんあるときに、1枚1枚削除するのは時間がかかって面倒です。そこでできるだけまとめて削除する方法を知っておきましょう。
選択した複数の写真をまとめて削除する
分かりやすくて簡単なのは、消したい写真を選択してから削除する方法です。「写真」タブの写真や「アルバム」タブのアルバム(「カメラロール」など)で削除する写真を選んで、まとめて削除できます。
ここでは「カメラロール」で選択して削除するやり方を説明します。
1「カメラロール」を開いて右上の[選択]をタップする
2削除したい写真を選択する
削除したい写真を選択します。指をスライドさせると連続して選択可能。選択後、右下のゴミ箱アイコンをタップします。
3[○枚の写真を削除]をタップする
確認ダイアログが表示されます。[○枚の写真を削除]をタップして、削除完了です。
日付ごとにまとめて削除する
「昨日撮った写真は全部要らない」といったときは、撮影日付ごとに写真をまとめて削除することもできます。
1「写真」タブで[選択]をタップする
写真アプリの「写真」タブを開くと、写真がモーメントごとに整理されて表示されるので、右上の[選択]をタップします。
「写真」タブの階層構造
「写真」タブの階層構造は、年別>コレクション>モーメント>各写真となっています。
モーメントは、ある場所で同じ時間帯に撮られた写真やビデオのグループのこと。日付別にまとめられることもあれば、撮影場所でグループになっていることもあります。モーメント以外の画面から移動してくるには、写真のサムネイルをタップすればOK。写真が開いている状態なら、画面左上の[<]ボタンをタップしてください。
2まとめて削除したいグループの右上にある[選択]をタップする
まとめて削除したいグループの右上にある[選択]をタップします。複数のグループを同時に選択することもできます。
3削除する写真を決めたら、右下のゴミ箱アイコンをタップする
写真が全選択された状態になります。削除したくない写真があるときは、タップして選択を解除しておきましょう。削除する写真を決めたら、右下のゴミ箱アイコンをタップします。
4[○枚の写真を削除]をタップする
確認ダイアログが表示されるので、[○枚の写真を削除]をタップします。これで削除が完了しました。
写真アプリ内の写真タブにおける分類方法。iOS 7から採用されています。
- 年別:その名の通り、撮影年で写真を分類
- コレクション:撮影場所および撮影月で写真を分類
- モーメント:撮影場所および撮影日で写真を分類
メディアタイプごとに一括削除する
「アルバム」タブにある「メディアタイプ」の項目では、写真・ビデオの撮影モードなどに基づいて、自動的にアルバムが作成されています。
ここでは[スクリーンショット]のメディアタイプを選択
メディアタイプのアルバムの便利なところは、大量の画像をタイプごとに閲覧できるだけでなく、アルバムに含まれている画像をまとめて削除できる点にあります。たとえば上記画像のように[スクリーンショット]を選択すれば、スクリーンショットを一括削除することができます。
左:[選択]右:[すべてを選択]
まずは「メディアタイプ」→[スクリーンショット]のスクリーンショット一覧で、画面右上の[選択]をタップ。画面左上に出現する[すべてを選択]をタップすると、[スクリーンショット]内の画像が全て選択されます。
左:ゴミ箱ボタン右:[○枚の写真を削除]
次に、ゴミ箱ボタンをタップします。確認メッセージが出てくるので、[○枚の写真を削除]をタップ。これで全てのスクリーンショットを削除できました。
もちろん、スクリーンショット以外のメディアタイプでも同様に一括削除できます。
パソコンを使って写真を一括削除する
心機一転して、iPhone内の写真データをすべて削除したい場合、先に説明した2つの方法だと非常に手間がかかってしまいます。少し極端なケースかもしれませんが、このようなときに必要になるのが、PC(パソコン)です。すべての写真をまとめて削除することができます。
ただし、PCから写真を削除すると、操作を取り消せないおそれがあります。必要な写真のバックアップを別途保存しておきましょう。
Windows PC
iPhoneとWindows PCをUSBケーブル(Lightningケーブル)で接続し、エクスプローラーの「PC」を確認すると、接続したiPhone(例:○○ の iPhone)が表示されているはずです。
Windows PCでiPhoneが認識されない場合の対処法
Windows PCでiPhoneが認識されない場合、ケーブルを差し込むUSBポートを変更してみると認識することがあります。
それでも認識しないなら、「デバイスマネージャー」で「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」の項目に表示されている「Apple Mobile Device USB Driver」を削除し、「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」を右クリックして[ハードウェア変更のスキャン]を選択します。
iPhoneを開いて、「Internal Storage」→「DCIM」を表示します。
「DCIM」にフォルダがある場合、そのフォルダ内のファイルを削除すれば、写真とビデオを一括で削除できます。ファイルを選択するときは、[Ctrl]+[A]キーを押すと一括で選択できます。
DCIMは、Digital Camera Imagesの略。
なお、写真をPCに転送してから削除したいときは、「iPhone」を右クリックして[画像とビデオのインポート]を選択します。「画像とビデオのインポート」が起動して、写真とビデオを取り込むことができます。
「インポート後にデバイスからファイルを消去」という設定を利用すると、転送と消去を同時におこなえます。
Mac
Macでは、標準でインストールされている「イメージキャプチャ」を使います。iPhoneとMacをUSBケーブル(Lightningケーブル)で接続したら、「イメージキャプチャ」を起動します。「デバイス」に表示されている端末をクリックすると、写真とビデオが一覧表示されます。
削除したいファイルを選択し、左下にある削除ボタンをクリックすればファイルを削除できます。すべての写真を削除したいときは、全選択([command]+[A])してから削除ボタンをクリックすれば、一括削除が可能です。なお、[すべてを読み込む]をクリックすると、写真とビデオがパソコンに転送されます。PCに写真を取り込んでから削除したいときは、こちらも利用してください。
写真が消えない? 使用済み容量が減らないときの対策
iPhoneから写真を削除したと思っていても、まだ端末上にデータが残っていることがあります。
「最近削除した項目」で写真・動画を完全に削除する
たとえば「カメラロール」から写真を削除しただけでは、ストレージの空き容量は増えません。これは正常な動作です。
「写真」アプリの「アルバム」タブにある[最近削除した項目]には、削除した写真が30日の期限付きで一時保管されています。つまり、カメラロールで写真を削除しても、30日経たなければ空き容量が増えません。
この仕様は、誤って写真を削除してしまったときの救済措置として機能します。実際、筆者も友人から「間違ってiPhoneで写真を消しちゃったけど、どうしたら復元できるの?」と尋ねられたことがあり、この仕様の価値を実感したことがあります。
"削除"した写真は、30日が経過すると「最近削除した項目」から自動的に削除されますが、容量をすぐに解放したいときは、手動で削除する必要があります。右上の[選択]をタップして、左下にある[すべて削除]を選択すれば完全に削除できます。逆に削除を取り消して復元したいなら、右下の[すべて復元]を選択します。
使用済み容量が減らないときの原因と対策
「カメラロール」からすべての写真とビデオを削除し、「最近削除した項目」からも削除したにもかかわらず、「設定」アプリの[一般]→[iPhoneストレージ]で確認すると、写真データの使用済み容量があまり減っていないことがあります。原因はいくつか考えられます。
原因1:パソコンから同期コピーした写真
iTunes経由でパソコンからiPhoneに同期コピーした写真は、iPhoneを操作しても消すことができません。iPhoneとパソコンを接続して、iTunesで写真の同期を解除し、同時に「従来 iPhone に同期していた写真を残しますか、それとも削除しますか?」と選択を要求されるので[写真を削除]を選びます。
その後、iTunesの右下の[適用]ボタンをクリックすれば、同期していたフォルダがiPhoneから削除されます。
原因2:マイフォトストリームでダウンロードしている写真
マイフォトストリームはアップルのクラウドサービス「iCloud」を利用したデバイス間の写真共有機能です。マイフォトストリーム機能を有効にしている各デバイスに最新1000枚の写真がダウンロードされ、「写真」アプリの[アルバム]→[マイフォトストリーム]で閲覧できます。
マイフォトストリームの写真をiPhoneから削除するには、「設定」アプリで[写真]→[マイフォトストリーム]をオフにします。
原因3:iCloud写真を有効にしている
「iCloud写真」が有効になっていると、PCから写真を削除できません。iCloud写真は、オリジナルの写真をiCloudへアップロードして、サイズを小さくしたファイルと入れ替える機能です。この場合は、iCloud写真をオフにしてから削除を実行します。
iCloud写真を無効にするには、「設定」アプリ→[写真]→[iCloud写真]をオフにします。[iPhoneから削除]を選ぶと、iPhoneから写真やビデオが削除され、iCloudにアップロードされているオリジナル写真も30日間後に削除されます。オリジナル写真を保護する必要があるときは、[写真とビデオをダウンロード]を選んでオリジナル写真を端末にダウンロードするか、またはiCloudにサインインしてオリジナル写真にアクセスします。
原因4:フォトライブラリの使用済み容量が減らない
いろいろなことをしても、[一般]→[iPhoneストレージ]→[写真]の書類とデータのサイズが減らないことがあります。筆者も同様の現象に悩まされた経験がありますが、全削除からある程度の時間が経った時点でフォトライブラリの容量がきちんと減っていました。
写真の削除前にパソコンやクラウドなどに取り込み&保存
iPhoneの容量を確保するための手段として写真・動画の削除は有効な手段ですが、端末から完全に削除してしまうと復活させられなくなってしまいます。
念のため、定期的に別の場所に写真・動画を取り込み、保存しておくことをおすすめします。主な保存先は以下のとおり。
- パソコン(Windows PC、Macなど)
- クラウドストレージ(iCloud、Googleフォト、Dropboxなど)
- 外付けメモリ
パソコンを持っていないユーザーの中には、iCloudの無料ストレージ(5GB)だけ利用しているというケースも多々あるようです。無料にこだわるなら、それなりの品質を維持したまま無制限に保存できるクラウドストレージ「Googleフォト」などの利用を検討してもよいでしょう。


検証端末:iOS 12.1.4(iPhone X)、Windows 10、Mac OS X 10.14