Amazonでは、玄関前や自転車のカゴなどの場所に荷物を配達する「置き配(おきはい)」が利用できます。配達員への応答や受領のサインをする必要がなく、家を空けていても荷物が配達されるため、再配達の手間が省けて非常に便利です。
ただし“勝手に”置き配になっている、すなわち意図せず置き配で注文してしまったようなケースは注意が必要です。長時間自宅に戻れず荷物が外に放置される状況では、破損や盗難のリスクが高まります。
本記事では、Amazonの置き配が意図せず設定されてしまう原因とそれぞれの対処法を解説。また、置き配を利用したくない場合の設定解除・変更手順などもまとめました。
「勝手に」置き配されるときの原因と対処法
ここでは、思いがけず「置き配」されてしまう原因とその対処法について解説します。
Amazonの「置き配」とは?
置き配とは、受取人の在宅状況にかかわらず、指定の場所に荷物が置かれる配達サービスのことです。
置き配を利用すれば、インターホンへの応答や受領時のサインをする必要がありません。配達時に家にいたのに、手が離せなかったりタイミングが悪かったりして荷物が受け取れない事態も防げます。

配達完了時に荷物を撮影した写真が確認できる
置き配で荷物の配達が完了すると、Amazonからの配達完了メールで指定場所に置かれた荷物の写真が送られてきます。荷物の受領後にトラブルが発生したときの「問題解決策」として撮影されている写真ですが、もし荷物の写真撮影を希望しない場合は、配達完了メールから設定を変更できます(手順は後述)。
初期設定が有効になっている

初期設定では置き配が有効になっている
Amazonで商品を注文する際、置き配対象の地域かつ、置き配対象の商品である場合は置き配指定が初期状態(デフォルト)で有効になっています。
知らずに注文をして勝手に玄関前に置いていかれた、というケースもあります。配達員から直接渡してもらう配送方法に変更することもできるので、後述する手順から設定を変更するようにしてください。
「Amazonが配送」する商品である(Amazon配送サービスパートナー)
置き配の対象は、「Amazonが配送する商品」です。Amazonが発送する商品は、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便などが配送を請け負います。
「Amazonが配送」とは、Amazonの配送サービスパートナープログラムに登録し、Amazon専用の荷物配送業務を請け負っている業者が配達することを意味します。

Amazonが発送する商品

ヤマト運輸が発送する商品
注文履歴などで確認できるトラッキングIDが「DA」や「99」から始まる場合は、配送業者がAmazonである可能性が高いです。一方で、DAや99で始まらない12桁の数字のみの番号は、ヤマト運輸や佐川急便などの主要な配送業者に関連しているケースが多いようです。
「Amazonが配送」ではない商品でも、注文時に置き配のオプションを設定できることがあるものの、発送通知メールに「Amazonでお届けいたします」と表示されていない注文には原則として置き配は適用されません。
Amazonが配送する商品の場合、置き場所の指定を必ず確認しておきましょう。置き場所の指定は初期状態で「玄関」になっており、設定を変更しておかなければ意図せず玄関前に荷物が置かれることになるからです。置き配を利用したくない場合は、配達員から直接渡してもらう配送方法に変更するようにしましょう(手順は後述)。
置き配エリアに配送した
引っ越しなどで配送先を変更すると、「置き配」で配送されることがあります。この場合、置き配エリアに該当する住所に配送されたため、置き配として扱われていると考えられます。
かつては限られていた置き配エリアですが、最近では範囲が広がって置き配指定サービスの利用可能地域は40都道府県となっています(2024年10月現在)。その結果、以前は置き配ができなかった地域が新たに対象に追加され、置き配が実施されることがあります。
配送先を変更する際には、初期設定で置き配が設定されていないか確認してください。また、コンビニ受取を利用したり、指定場所配達を依頼するなどの対策を講じるとよいでしょう。
置き配の設定を変更・解除する方法
置き配で別の置き場所を指定したい人や、そもそも置き配を利用したくない人は、配達までに置き配の設定を変更しておきましょう。
荷物の置き場所を変更する手順
Amazonのヘルプページには、「置き配の指定は購入手続き時の画面だけでなく、発送後のお知らせメールや通知、配送状況の確認画面、注文後の履歴ページからも変更できる」と表示されています。
置き配オプションは、アドレス帳、注文確定画面、配送状況の確認画面、注文の詳細ページなど、複数の場所から設定・解除できます。
ただし、筆者が何回か試行してみたところ、購入手続き時の画面からは変更ができたものの、発送後のお知らせメールや通知、配送状況の確認画面、注文後の履歴ページでは変更操作ができませんでした。
届け先が置き配対象外であったり、配送業者がAmazon以外であったりといった理由は考えられるものの、購入手続き時の画面からしか変更できない仕様に変更された可能性も考えられます。そのため、置き配を希望しない場合は、注文後ではなく「購入手続き」時におこなうことをおすすめします。
以下では、購入手続きの画面から設定を変更します。
Amazonの「アドレス帳の管理」画面を開く


Amazonのトップ画面から「メニュー」タブから へ進みます。「注文」の項目でをタップします。

「アドレス帳の管理」画面には、トップ画面からもかんたんにアクセス可能です。
Amazonのトップ画面の左上にある「郵便番号(届け先住所)」を選択し、登録されている届け先住所一覧を右にスクロールします。すると、
と表示されるので、タップしてください。「配送指示」の項目から置き場所を変更する

[配送指示(置き配含む)]をタップ

「置き配指定(解除もこちらから)」のボックスにある[ほかのオプションを表示]をタップ

荷物を置いてほしい場所を指定する
「お届け先住所」欄の[配送指示(置き配含む)]をタップしてください。
次の画面で「置き配指定」のボックスで[ほかのオプションを表示]を選択し、希望の場所を指定して[保存]をタップします。置き配で指定できる場所は以下の7カ所です。
- 玄関(初期設定)
- 宅配ボックス
- ガスメーターボックス
- 自転車かご
- 車庫
- 建物内受付/管理人
- ご近所の方
一度変更して保存した荷物の置き場所は、次回以降の置き配に引き継がれます。
置き配の設定を解除する手順
荷物の配達で置き配を利用したくないときは、購入手続き時の画面や注文後の配送状況確認画面などから「置き配を利用しない」オプションを選びます。

[配送指示(置き配含む)]をタップ

「置き配指定(解除もこちらから)」のボックスにある[ほかのオプションを表示]をタップ

「置き配を利用しない」にチェックをつけて[保存]
購入手続きの画面で[配送指示(置き配含む)]をタップし、次の画面で「置き配指定」のボックスで[ほかのオプションを表示]を選択。続いて「置き配を利用しない」にチェックを入れ、[保存]をタップすれば完了です。
「置き配を利用しない」設定も、一度保存すれば次回以降の注文で適用されます。
配達完了の写真を希望しない場合の設定
置き配を指定した状態で荷物の配達が完了すると、Amazonから配達完了時の写真が送付されます。これも初期状態では有効になっているので、もし写真の送付を希望しない場合は設定を変更しましょう。

配達完了メールの[配送状況]をタップする

写真の下にある[配送時に写真を撮影しないでください]をタップする

[配送時に写真を撮影しないでください]のボタンを押す
Amazonに登録しているメールアドレスに送られた配達完了のメールを開き、[配送状況]をタップします。すると、AmazonアプリまたはAmazonのWebサイトが開き、配達された荷物の写真が表示されるので、写真の下の[配送時に写真を撮影しないでください]を選択してください。
画面が遷移したら、再び[配送時に写真を撮影しないでください]のボタンを押して設定は完了です。次回以降は、配達された荷物の写真が撮影されなくなります。
ただし、他ユーザーのほしい物リストからそのユーザーに贈り物をする場合は、写真撮影を有効にしていたとしても、プライバシー保護のため配達完了の写真が送られてくることはありません。
置き配を解除できないときの対処法
置き配を解除できないときは、配達業者またはAmazonカスタマーサービスに問い合わせるとよいでしょう。
Amazonでは、配送に問題が発生した場合、配送業者に連絡するよう案内しています。配送業者や営業所によってルールが異なることもあるので、まずは配送業者に連絡を取りましょう。問い合わせの際、どのような指示があれば置き配をせずに対応してくれるのか確認してみると良いでしょう。
配送業者 | 配送状況確認および再配達依頼 |
---|---|
Amazon |
注文履歴から、配送状況の確認や再配達の依頼ができます。注文履歴から「配送状況を確認」を選び、設定してください。 再配達依頼(自動音声受付): 0120-899-068 ※大型家具・家電おまかせサービスの場合は、ご不在連絡票に記載の再配達受付電話番号にご連絡ください。 |
ヤマト運輸 | |
ヤマトホームコンビニエンス | 配送状況確認ウェブサイト |
佐川急便 | 配送状況確認ウェブサイト |
SGムービング |
※SGムービングは佐川急便のグループ会社であるため、佐川急便のウェブサイトにリンクしています。 |
日本郵便 | |
プラスカーゴサービス | 配送状況確認ウェブサイト |
China Post |
Amazonカスタマーサービスに問い合わせる方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
Amazonで置き配を利用する際の注意点
家を空けがちな人には便利な置き配ですが、利用する上でいくつか注意点があります。
対象外の商品で置き配の利用はできない
Amazonでの置き配を利用できるのは、Amazonの発送する商品が対象です。Amazonで購入した商品でも、Amazon以外の業者が発送する場合は置き配指定ができません。
また、Amazonが発送する商品でも、置き配の対象外となる例外が存在します。Amazonの発送商品であっても置き配を利用できない条件は以下のとおりです。
- 郵便ポストに投函可能な商品(本、ゲームソフトなど)
- 置き配に対応していない配送業者が配達をおこなう場合(発送通知メールに「Amazonでお届けいたします」と表示されていない注文)
- Amazonフレッシュで注文した商品(食品など)
- ライフ、バロー、成城石井など、提携ネットスーパーで注文した商品
- 一定の金額または重量を超える商品
- デジタル商品(Kindle本、Amazonプライム、Prime Videoなど)
- 医薬品、高度管理医療機器または特定管理医療機器
また、置き配を指定できたとしても、荒天時など配送時の状況によっては、「置き配指定」で指定した場所へ配達ができない場合もあるようです。
オートロック付きの住居は配達員が入れる場所を指定する

共同玄関などにオートロック設備のあるマンションやアパートでは、置き配の指定場所に注意する必要があります。Amazonのヘルプページによると、置き配で指定した場所に配達員が入れない場合は、荷物を持ち帰ることがあるようです。
自身の住環境をよく確かめ、問題なく置き配ができる場所を指定してください。管理人が常駐しているマンションであれば、事前に置き配に指定して問題ないか確認のうえ、「建物内受付/管理人」を選択しましょう。
置かれた荷物が人目につかない場所を指定する


ガスメーターボックスは扉も閉まるので人目を避けられる
置き配は便利さの反面、荷物を外に晒すリスクを負います。盗難の被害にあわないためにも、置き配で指定するのはできるだけ人目につかない場所がよいでしょう。また、風雨によって荷物が濡れてしまわないように、屋根や覆いのある場所を指定するのもポイントです。
なお、置き配の指定場所が安全でないと配達員が判断したときも、配達をおこなわずに荷物を持ち帰る場合があるようです。置き配で荷物の盗難などのリスクを減らしたいという人は、鍵付きの宅配ボックスを別途購入するといった対策も可能です。
このほかAmazon公式ページには、置き配の補償対応に関する記載があります。置き配指定サービスでも、配送状況画面で商品がお届け済みと表示されているのに届いていない場合などは、ユーザーから状況を訊いたうえで、商品の再送や返金に対応するとしています。