audiobook.jpはどんな人におすすめ? 料金プランの仕組みやメリット・デメリットを徹底解説

たくさんの作品を聴きたいなら「聴き放題プラン」がおすすめ

通勤や通学、ドライブ、あるいはジョギングの最中でも本を耳で聴けるオーディオブックサービス。いつでもどこでも楽しめるだけでなく、集中力や記憶力の強化にもつながるとして注目を集めています。

今回はオーディオブックサービスを提供している「audiobook.jp(オーディオブック ドット ジェイピー)」を紹介します。audiobook.jpでは聴きたい作品を個別に購入するだけでなく、対象作品が聴き放題となるサブスクプランや、作品をお得に買える有料会員プランも提供されています。

本記事ではaudiobook.jpで提供されている料金プランの違いや魅力、惜しいポイント、注意点などを網羅的に解説します。

アプリオ経由で無料体験30日間

audiobook.jpとは

audiobook.jpとは

オーディオブックは、プロのナレーターや声優が朗読する書籍を耳で楽しめるサービスです。耳で聴くだけなので、通勤通学中のスキマ時間を活用したり、運転や運動をしながら聴いたり、使う場所や時間に制限されないのが特徴です。また視力の衰えた人やディスレクシアの人はもちろん、リスニング能力や言語能力を高めたい人など、さまざまな人に注目されています。

「audiobook.jp(オーディオブック・ドット・ジェーピー)」は、オトバンクが運営する国内最大級のオーディオブック配信サービス。ビジネス書や実用書をはじめ、小説やラノベ、教育など幅広いジャンルのオーディオブックを配信しています。2007年より配信を開始した「FeBe」が前身で、2018年3月にサービスをリニューアルしました。リニューアル当初19万人だった会員数は、2024年2月に300万人を突破。国内ではAmazonのAudibleと並んで二大オーディオブックサービスの一角を占めています。

audiobook.jpはどんな人におすすめ?

audiobook.jpは、オーディオブックの一般的メリットを享受したい人のほか、以下のような人におすすめできます。

  • 無料でオーディオブックサービスを試したい人
  • オーディオブック聴き放題サービスに興味がある人
  • ビジネス書中心に聴きたい人
  • 割安でオーディオブックを購入したい人
  • MP3音源をDLして所有しておきたい人

オーディオブックの利用を初めて検討している場合、AmazonのAudibleと今回紹介するaudiobook.jpの2強サービスを試すのが無難です。いずれも無料で聴き放題プランを試せます。

audiobook.jpはビジネス書や実用書、自己啓発本を中心にラインナップしています。小説などのエンタメ系コンテンツはAudibleより弱い印象です。とはいえ、和書の取り扱い作品数に関しては、Audibleを上回っているとされます。日本語オーディオブックを配信している主要7社を対象にした調査では、オーディオブック書籍ラインナップ数とオーディオブックビジネス書籍ラインナップ数で、2年連続1位を獲得しています(日本マーケティングリサーチ機構2022年11月調べ)。

またaudiobook.jpにおけるオーディオブックの販売価格は、単行本の価格と大差ありません。ライバルのAudibleは単行本よりも数百円以上の上乗せ価格で販売する傾向にあり、販売価格面ではaudiobook.jpのほうがユーザーの懐に優しい印象です。さらにAudibleと異なり、公式にMP3音源のダウンロードサービスを提供しています。つまり、紙の単行本と同じ価格帯で作品を購入して「所有」しておきたい人に向いているオーディオブックサービスだと言えます。

audiobook.jpの料金プラン(会員区分)

audiobook.jp 料金プランの図解

audiobook.jpの料金プランを図解

audiobook.jpの公式サイトで登録を検討したとき、サービスの内容や料金プランについて正直なところ「何がなんだか分からない……」と筆者は感じました。

  • NetflixやDisney+といった動画配信サービスのように見放題ならぬ「聴き放題」のオーディオブックサービスなのか?
  • オーディオブックを「購入」するサービスなのか?
  • サブスクの月額会員だけどポイントがもらえて聴き放題にはならない?
  • チケットとは……?

「ちょっと試してみようかな」という程度のモチベーションでaudiobook.jpの全容を把握するのは、公式サイトの情報だけだと相当難しいはずです(筆者の理解力が不足しているだけかもしれませんが)。

料金プランの内容と位置づけをざっくり解説

audiobook.jpの料金プラン(会員区分)
会員区分(※1) 価格・料金 聴ける作品 利用環境 解約・退会後に聴けるか
通常会員 作品ごとの価格で購入 制限なし 制限なし DL済み作品を聴ける
月額会員 月額550円から月額3万3000円の7プラン 制限なし 制限なし DL済み作品を聴ける
チケットプラン会員
  • シングルチケットプラン:1500円/月(初回980円)
  • ダブルチケットプラン:2900円/月(初回1980円)
チケット交換対象作品のみ 制限なし DL済み作品を聴ける
聴き放題プラン会員
  • 月額プラン:1500円/月(※2)
  • 年割プラン:9990円/年(※2)
聴き放題対象作品のみ アプリのみ 聴けない

※1:ポッドキャスト会員は割愛
※2:ウェブからの申し込み時

まずは「通常会員」+「聴き放題プラン会員」がおすすめ

audiobook.jpは原則としてオーディオブックを「購入」するサービスです。その上に「聴き放題」サービスが乗っている構造になっています。一部の本を有料で読み放題にしている書店のようなものだと考えれば理解しやすいかもしれません。

「購入」するだけなら料金プランを契約しなくても構いません。アカウント作成と決済方法の登録さえすれば、「通常会員」として聴きたいオーディオブックをその都度購入できます。

「聴き放題プラン」を契約すると、聴き放題の対象となっている1万5000以上の作品をいつでも好きなだけ聴けるようになります。年割プランであれば1カ月あたり832.5円で聴き放題サービスを利用できるので、1〜2ヶ月に1冊でも聴けば十分に元が取れてしまう計算です。無料で試せるのもありがたい点です。

まずは聴き放題プランの無料体験期間中、「通常会員」+「聴き放題プラン会員」としてaudiobook.jpを実際に使ってみることをおすすめします。

オーディオブックを安く買い集めるなら「月額会員プラン」と「チケットプラン」を活用

サービスに慣れてきてオーディオブックを購入しようとする段階で、初めて「月額会員プラン」「チケットプラン」の契約を検討しましょう。両プランは、作品を割安で購入するための月払い定額プランで、「ポイント」(1ポイント=1円相当で作品と交換できる)または「チケット」(対象作品と交換できる)を手に入れられます。事前に一定額の料金を支払っておくことと引き換えに、都度購入よりもお得にオーディオブックと交換できる仕掛けになっています。

たとえば「月額会員プラン」のうち最も高い月額3万3000円のプランであれば、4万2000ポイント(4万2000円相当)をもらえるので、都度購入するよりも9000円分多くの作品を入手できます。

一方の「チケットプラン」では毎月、1枚(月額1500円、初回980円)か2枚(月額2900円、初回1980円)のチケットをもらえます。チケットはチケット交換対象作品と交換できるため、購入したい作品が交換対象になっていてプラン料金よりも高価であるのであれば、割安で作品を手に入れられるという仕組みです。

もっとも、毎月ほしい作品があるとは限りません。そのため「月額会員プラン」と「チケットプラン」は、買いたい作品があるときにピンポイントで1カ月だけ契約するのも一つの手です。

料金プランは併用できる

audiobook.jpでは、「通常会員+月額会員+チケットプラン会員+聴き放題会員」というように複数プランを同時に契約できます。自らのニーズに合わせてプランを組み合わせ、適宜プランを契約・解約することでコスパを最適化したいユーザーにとって攻略の余地があるサービスです。

オーディオブックを単品購入できる「通常会員」

audiobook.jp 通常会員

audiobook.jpの利用中、ユーザーは常に「通常会員」となります。通常会員はオーディオブックを個別に購入し、所有できます。

定額プランではないため、かかる費用は作品の購入費用のみです。コンテンツを所有したい人で聴きたい作品が少ない人や毎月の聴く本数にムラがある人は、通常会員のままでサービス利用を継続するのが向いています。

作品の販売価格は、紙の本と同程度か若干高くなっているケースが多いように見受けられます。ナレーションを付けるためのコストがかかっているにもかかわらず、紙の本とあまり変わらない価格でコンテンツを提供している点は評価したいところです。

【audiobook.jp】作品を個別に購入
【audiobook.jp】作品を個別に購入

作品を単品購入する

ポイント事前購入でお得に買える「月額会員プラン」

audiobook.jp 月額会員プラン
月額会員プラン 一覧
プラン 月額料金 付与ポイント ポイント内訳
月額会員500 550円 610ポイント 550ポイント+ボーナス60ポイント
月額会員1000 1100円 1220ポイント 1100ポイント+ボーナス120ポイント
月額会員2000 2200円 2450ポイント 2200ポイント+ボーナス250ポイント
月額会員5000 5500円 6500ポイント 5500ポイント+ボーナス1000ポイント
月額会員10000 1万1000円 1万3450ポイント 1万1000ポイント+ボーナス2450ポイント
月額会員20000 2万2000円 2万8000ポイント 2万2000ポイント+ボーナス6000ポイント
月額会員30000 3万3000円 4万2000ポイント 3万3000ポイント+ボーナス9000ポイント

月額会員プランは、月額固定でポイントを定期購入するプラン。月額550円〜3万3000円の7プランの中から好きな金額のプランを選ぶことができ、1ポイント=1円相当として作品との交換に使用できます(ポイント有効期限は6カ月)。

高額なプランほど1ポイントあたりの単価が安くなり、最大で9000円分お得になります。チャージボーナスによって単品購入よりも安く作品を購入できる仕組みです。

たとえば「1100円プラン」だと年換算1万3200円で合計1万4640ポイントもらえます。1冊の平均単価が1600円とすると、年9冊程度の本を購入できる計算です。聴き放題プランやチケットプランは対象作品が限られるため、新作を含めた幅広い作品を割安で聴きたい人は月額会員プランが向いています。

月額会員プランは、聴き放題プランやチケットプランと併用できますが、複数の月額会員プランに登録することはできません。また取得したポイントはaudiobook.jpの作品との交換のみに使用でき、プラン料金の支払いに充てることはできません。

【audiobook.jp】月額会員プラン

多読派(多聴派)にとっては、3万3000円の月額会員プランが一番お得になる

対象作品を格安の固定価格で買える「チケットプラン」

audiobook.jp チケットプラン
チケットプラン 一覧
プラン 月額料金 チケット付与枚数 付与ポイント(※1) チケット期限
シングルチケットプラン 1500円(初回980円) 1枚 500ポイント 2カ月
ダブルチケットプラン 2900円(初回1980円) 2枚 500ポイント 3カ月

※1:有効期限1カ月

「チケットプラン」はチケット交換対象作品と交換できる「チケット」が毎月付与される料金プランです。チケット1枚がもらえる「シングルプラン」と2枚もらえる「ダブルプラン」があります。

チケット交換対象作品であれば価格がいくらであってもチケットで交換でき、単品で購入するよりお得になります。とくに初回は、980円(シングル)/1980円(ダブル)の割引価格となっています。作品の価格がチケットプランよりも高いのであれば使って損はありません。

チケットプランはサブスクプランのため、毎月1〜2作品を購入する人に向いています。ただ、いつでも解約・再契約できるので、気になる作品が対象になっているときに加入してチケットをもらい、交換するという効率的な使い方もできます。

【audiobook.jp】チケットプラン
【audiobook.jp】チケットプラン

また、チケットプランに加入していると500円分のポイントを毎月もらえます。ポイントは登録直後に付与されるので、すぐに聴きたい作品の購入に利用できます。audiobook.jpはセールを頻繁におこなっているうえ、チケットプラン会員専用のシークレットセールも実施されています。

注意点は、ポイントの有効期限が1カ月と短いこと。あとで使おうと思っても、有効期限が過ぎるとポイントは消失してしまいます。チケットにも有効期限があり、シングルは2カ月、ダブルは3カ月以内に交換する必要があります。

対象作品が聴き放題になる「聴き放題プラン」

audiobook.jp 聴き放題プラン
聴き放題プラン 一覧
登録 プラン 料金
ウェブ 月額プラン 月額1330円
年割プラン 年額9990円(832.5円/月)
アプリ 月額プラン 月額1380円
年割プラン 年額1万200円(850円/月)

聴き放題プランでは、月額1330円(月額プラン)または年額9990円(年割プラン、約833円/月)で対象作品が聴き放題となります。年割プランなら月額プランを12カ月利用するよりも5970円お得(37%割引)となり、とてもリーズナブル。いろいろな作品を定額かつ低額で聴きたいという人には、一番おすすめです。最初の14日間が無料で(アプリオ経由で申し込むと30日間)、お試し期間中にサービスを解約すれば料金が発生しません。

聴き放題プランのラインナップは1万5000作品以上あり、「聴き放題ランキング」や「聴き放題ブックリスト」などから読みたい本を探せます。新着作品も毎週更新されているようです。

【audiobook.jp】聴き放題プラン

期間限定で聴き放題の作品もある

【audiobook.jp】聴き放題プラン

聴き放題プラン会員専用のセールが実施されていることも

また期間限定の作品も月ごとに配信されています。記事執筆時の2023年9月は、『東大教授がおしえる やばい日本史』(本郷和人/監修、 和田ラヂヲ/イラスト、横山了一/イラスト、滝乃みわこ/その他)、『虫とゴリラ』(養老孟司、山極寿一)、『腕貫探偵』(西澤保彦)の3作品が配信されていました。

聴き放題では対象の作品を何冊でも聴くことができ、ダウンロードした作品はオフライン環境で再生できます。ただし単品購入と違って、聴き放題の作品はアプリからの再生のみ対応しています。パソコン(ブラウザ)からは利用できません。

【audiobook.jp】聴き放題プラン
【audiobook.jp】聴き放題プラン

聴き放題限定の要点機能

要約を読めるのも大きなメリットです。「要約」タブや作品の詳細画面の要約をタップすると、3分程度で読める要約が表示されます。500点以上登録されており、聴く前や聴いたあとの要点確認に便利です。

ただ欲を言うと、表紙のみ表示したサムネイルでは書名を判別しにくいものがたくさんあるので、すべての要約で書名がわかるように改善を期待したいところです。

【audiobook.jp】聴き放題プラン

聴き放題の作品はaudiobook.jpアプリから聴ける

【audiobook.jp】聴き放題プラン

聴き放題作品に絞り込んで検索できる

アプリオ経由で無料体験30日間

audiobook.jpは無料体験できる

audiobook.jpでは「聴き放題プラン」の無料体験を実施しています。公式サイトを訪れると一目瞭然のとおり、運営のオトバンク社は「聴き放題プラン」を非常に強く推しています。

試すだけならタダです。オーディオブック自体が未体験であれば、同じく無料体験を実施しているAmazonのAudibleと合わせてaudiobook.jpも同時に試してみれば、オーディオブックサービスが自分に向いているのかどうかが判断できます。

聴き放題プランに登録する

audiobook.jpのメリット・魅力

audiobook.jpのメリットや魅力をまとめました。

単品購入価格が電子書籍の価格と大差ない

単行本とオーディオブック(audiobook.jp・Audible)の販売価格
作品タイトル 単行本 audiobook.jp Audible
(非会員)
Audible
(会員)
頭のいい人が話す前に考えていること 1650円 1650円 2500円 1750円
科学的に証明された 自分を動かす方法: なぜか目標を達成できてしまう、とてつもなく強力なモチベーションサイエンス 1980円 1980円 取扱なし 取扱なし
とにかく仕組み化──人の上に立ち続けるための思考法 1760円 1760円 3500円 2450円
伊藤忠 財閥系を超えた最強商人 1980円 1980円 3500円 2450円
やわらかく、考える。 1320円 1320円 1000円 700円
インデックス 913円 1650円 取扱なし 取扱なし
完全無欠の問題解決―――不確実性を乗り越える7ステップアプローチ 2970円 2970円 3500円 2450円
借金2000万円を完済した僕にドSの宇宙さんが耳打ちした奇跡を起こしまくる口ぐせ 1540円 1540円 2500円 1750円
ChatGPTの衝撃 AIが教えるAIの使い方 1540円 1540円 2500円 1750円
人生が変わる 紙片づけ! 1430円 1430円 2500円 1750円

audiobook.jpの総合ランキング上位10位(2023年10月13日時点)にランクインしている作品で比較。単行本価格はamazon.co.jpでの販売価格です。Audibleは会員向けに30%割引を実施しています。

オーディオブックを購入・所有しておきたい人にとって、単品購入時の価格は大切なチェックポイントです。

上の表をみて分かるとおり、audiobook.jpの単品販売価格は、書店やAmazonにおける単行本の販売価格と原則として同じです(高い場合でも価格差は数百円以内に収まることがほとんどのようです)。他方で競合のAudibleは単行本より1000円前後高いケースが多く、聴き放題会員向けの30%割引価格であってもaudiobook.jpでの価格を上回る場合が目立ちます。表ではaudiobook.jpの総合ランキング上位10位にランクインしている作品を比較しましたが、筆者が過去に読んだことのある作品をランダムに調べてみても、audiobook.jpがAudibleより安い傾向は表と変わりませんでした。

紙の本と変わらない値段でオーディオブックを買えるのは、audiobook.jpのAudibleに対する大きな強みです。

『聴く日経』が聴き放題プランの対象

聴く日経

聴く日経

聴き放題プランに加入していれば、ラジオNIKKEIのポッドキャスト『聴く日経』(月額550円)が無料で聴き放題となります。

『聴く日経』は、日経新聞朝刊の企業ニュース・経済ニュースを厳選した20分ほどの番組として平日6時に配信されています。ビジネスパーソンの出勤のお供としておすすめです。

複数人でのナレーション作品がAudibleより多い

かがみの孤城

本屋大賞1位を獲得し、アニメ映画化もされた『かがみの孤城』(辻村深月)では、花守ゆみり、東山奈央、島﨑信長、伊藤かな恵ら豪華声優陣が熱演しています。

audiobook.jpはナレーターが2名以上のオーディオブックを数多く配信。オーディオブックというよりもドラマCDと表現したほうが適切な10名以上の声優陣によるナレーション作品も提供されています。ドラマCD・レベルの作品数は多くはないようですが、Audibleと比べて作品あたりのナレーターの人数が多い印象です。

倍速再生で知らない間に集中力が高まる

【audiobook.jp】倍速

0.5倍速から4倍速まで再生速度を調整できる

オーディオブックは作品を耳で聴けるメディア。5分以内で終わる短いコンテンツもありますが、5時間や10時間を超える作品も多いです。等速で普通に聴くと、目で読むよりも長い時間がかかります。

そこで利用したいのが、倍速再生です。audiobook.jpでは、0.5倍速から4倍速までスピードを変えられます。想像力を膨らませる物語はゆっくり再生し、ビジネス書や実用書は2倍速以上の速度にして情報を効率よくインプットするといった使い分けが可能です。

3倍速、4倍速は少し訓練が必要ですが、「速聴」という言葉で知られるように、記憶力や集中力を鍛える能力開発の手段として活用できます。audiobook.jpはプロのナレーターや声優が朗読していることもあり、速度を上げても聴き取りやすいのがうれしいところです。

倍速再生をしっかり活用できるようになると、読書するよりも速く聴き終えることが可能になります。2倍速以上になると集中力も必要になるため、記憶に定着しやすくなるかもしれません。読書が好きな人ほど、audiobook.jpの便利さを実感できるはずです。

聴くのがはかどる便利機能

【audiobook.jp】便利機能

audiobook.jpアプリでは、10秒巻き戻し/早送りを備えています。語学学習で少しだけ巻き戻して何度も再生したり、聴き逃したところを巻き戻したりするのに便利です。

あとで聴き返したいところに「ふせん」を挟むこともできます。audiobook.jpの場合、ハイライトを引くことはできません。

また、すべての作品はダウンロードしてオフライン再生が可能。作品の中で使われている図表や参考文献のリスト(画像)もダウンロードでき、再生中に見ながら表示することもできます。

【audiobook.jp】便利機能
【audiobook.jp】便利機能

このほかスリープタイマーを備えています。睡眠前に聴いていると寝落ちしてしまうことも多いのですが、スリープタイマーなら一定時間後、またはトラックの終わりに自動で再生を終了します。寝る瞬間まで聴いていたい人におすすめの機能です。

購入した作品をMP3形式でダウンロードできる

audiobook.jpで購入した作品の音声ファイル(MP3形式)は、自由にダウンロードできます。仮にaudiobook.jpのサービスが終了したとしても、音声ファイルが手元にあればパソコンやスマホ、mp3プレイヤーなどで作品を再生できるわけです。対抗馬のAudibleでは音声ファイルを自由にダウンロードできないので、「所有」することを希望するのであれば、audiobook.jpに軍配が上がります。

なお購入していない聴き放題対象コンテンツは、公式アプリを利用したダウンロード(一時保存)にしか対応していません。音声ファイルとして自由に取り扱えない点に注意してください。

audiobook.jpの惜しいところ

audiobook.jpを利用するうえで惜しいポイントや注意点をまとめました。

洋書や小説が少ない

audiobook.jpは日本語の書籍に強い半面、洋書のジャンルが乏しいのが欠点。『美女と野獣』『星の王子さま』など誰でも知っている作品は英語版がありますが、Amazonが提供しているAudibleと比べると物足りません。海外の作品をネイティブの発音で聴きたいという人には向きません。

【audiobook.jp】語学教材

洋書は少ないが、語学学習の教材は豊富

とはいえ語学学習向けの教材は豊富です。リスニング能力を鍛えたい、英会話をマスターしたいという人はaudiobook.jpの豊富な作品を活用できます。

現代小説やラノベなどのラインナップがいまいちな点も、audiobook.jpの弱点です。ビジネス書ではなく主に文芸作品を聴きたいのであれば、audiobook.jpではなくAudibleを利用するべきです。

聴き放題に対応しているのはアプリのみ

聴き放題プランは、スマートフォンアプリのみに対応しています。単品購入と違って、ファイルをPCにダウンロードすることができません。PCで聴くことを考えている人は注意が必要です。

当然ですが、聴き放題プランを解約するとこれまでにダウンロードしたライブラリはすべて聴けなくなります。気に入った作品は、チケット交換や単品購入を利用して音声ファイルとして入手することをおすすめします。

アプリ「audiobook.jp」をダウンロード

ダウンロードしすぎに注意

聴き放題プランは何冊でも聴けるので、気になる本を気軽にダウンロードできるのが魅力。ところがアプリではダウンロードの総量が表示されないため、思っている以上にストレージを圧迫してしまいます。「ライブラリ」を開いて聴き終わったものをこまめに削除したほうがよさそうです。

【audiobook.jp】ストレージ容量

iPhoneの場合

【audiobook.jp】ストレージ容量

Androidスマホの場合

ストレージをどれくらい使用しているかを確認したいときは、iPhoneなら「設定」アプリから[一般]→[ストレージ]で選択し、[audiobook.jp]を開いて「書類とデータ」をチェックします。

Androidスマホであれば、設定アプリから[アプリ]を選択して[audiobook.jp]を選択。[ストレージとキャッシュ]をタップします。[ストレージを消去]をタップすると、ストレージがリセットされます(機種やバージョンにより操作手順が異なる場合があります)。

聴き放題プランの無料体験期間が短い

【audiobook.jp】Audibleと無料体験期間を比較

Audibleの無料体験期間は30日間。まれに2カ月無料キャンペーンなども実施している

audiobook.jpの聴き放題プランの無料体験期間は14日間です(アプリオ経由で申し込むと30日間)。競合サービスとなるAudibleの無料体験期間は30日間であるのと比べると、半分なので物足りなく感じるかもしれません。

Audibleではまれに2カ月無料などのキャンペーンを実施している場合もあります。

アプリオ経由で無料体験30日間

audiobook.jpでの決済(購入・契約)はアプリ内ではなくウェブで

アプリ内で決済するとウェブでの決済と比べて割高になります。特別な事情がない限り、作品の購入やプラン契約はウェブで決済することをおすすめします。

支払い方法はクレカかキャリア決済が基本

audiobook.jpの支払い方法
  ウェブ アプリ
作品の購入
  • クレジットカード(※1)
  • キャリア決済(d払い、ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払い、auかんたん決済)
  • ポイント(※2)
  • チケット(※2)
  • コイン(※3)
プラン契約
  • クレジットカード(※1)
  • キャリア決済(d払い、ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払い、auかんたん決済
  • App Store決済(※4)
  • Google Play決済(※4)

※1:VISA・Mastercard・JCB・American Express・Diners Club

※2:購入のみに利用可、プラン契約には利用不可

※3:App Store決済・Google Play決済で購入

※4:アプリ内からは聴き放題プランのみ契約可、月額会員プラン・チケットプランは契約不可

公式ウェブサイトの場合、クレジットカードかキャリア決済による決済が基本となります。作品の購入(交換)には、月額会員に付与されるポイントやチケットプラン会員に付与されるチケットも利用することができます。

audiobook.jpアプリの場合、作品購入にはコインが必要です。コインはApp Store決済かGoogle Play決済で購入できます。定額プランの料金は、App Store決済かGoogle Play決済で支払えます。

注意点:アプリ内決済(購入、プラン契約)は割高

audiobook.jpで何かしらの決済をするのであれば、公式ウェブサイトで決済することをおすすめします。audiobook.jpアプリは単なるプレイヤーアプリとして利用するに留め、アプリ内で作品を購入したり、プランの契約をしたりしないほうがよいということです。

アプリ内での作品購入においては、いったんアプリ内でのみ利用できる「コイン」を1コイン=2円で購入して、コインを作品と交換するシステムが採用されています。この点、ウェブでの作品購入と比べて、アプリ内の購入は実質価格が大幅に値上げされています。コインを通じた作品購入は明確に冷遇されているのです。

たとえば、アドラー心理学を一躍有名にした本『嫌われる勇気』のアプリ内販売価格は1230コイン(=2460円)であるのに対して、ウェブでの販売価格は1650円です。いくらアプリ内購入がお手軽とは言え、筆者としては約1.5倍の価格差は許容できません。

またアプリ内でのプラン契約も、ウェブでの決済より若干高い料金に設定されています。具体的には「聴き放題プラン」の料金が高くなっており、年払いで年額210円、月払いで月額50円の差があります。「月額会員プラン」と「チケットプラン」に関しては、アプリ内から契約できないため、料金格差を気にする必要はありません。

アプリオ経由で無料体験30日間

EDITED BY
AC