「iCloud+」とは? 料金や支払い方法、Apple Musicとの組み合わせも解説

Apple Musicなどとセットになった「Apple One」もおすすめ

Appleのアカウントを持っていれば誰でも無料で使える「iCloud」ですが、容量が5GBと少なく、バックアップなどの便利な機能を使おうとすると上限まですぐ使い切ってしまいます。

iCloudの有料版である「iCloud+(アイクラウドプラス)」に加入すれば、ストレージ容量を増設できます。写真や動画を大量に保存したい人にとってiCloudの機能を十分に活用するには、iCloud+へのアップグレードが不可欠でしょう。

今回は、iCloud+の内容や料金プラン、支払い方法などを解説。Apple Musicとのセット(Apple One)についても紹介します。

iCloud+やApple Musicがセットでお得

目次

iCloud+の基本機能と料金

iCloud+とは

設定アプリから名前→[iCloud]→[ストレージ容量を増やす]と進む

iCloud+は、iCloudを拡張するクラウドサービスです。無料で使えるiCloudの容量は5GBと少ないため、バックアップするだけで容量をすぐに使い切ってしまいます。写真や動画も保存するには、容量の追加が不可欠です。

iCloud+に登録すれば、必要なストレージ容量を増やせます。さらにメールの非表示やプライベートリレー、HomeKitセキュアビデオのサポート、ファミリー共有といった無料版のiCloudにはない機能が使用できるようになります。

iCloud+のおもな機能
メールを非表示 ランダムなメールアドレスを作成し、プライバシーを強化します。作成されたアドレス宛に送信されたメールはApple IDに紐付けられているアドレスに転送される仕組みです。Webフォームの入力やニュースレターへ登録するときに、実際のメールアドレスを使う必要がなくなります。
プライベートリレー Safariブラウザを利用する際に、ネットの閲覧履歴やIPアドレスを隠せる機能。プロバイダなどが閲覧履歴を収集するのを防げます。
HomeKit セキュアビデオのサポート 対応している家庭用防犯カメラからの映像をiCloudに保存できるようになります。iCloudに接続すれば、カメラの映像をリモートで確認したり、ストリームで視聴したりでき、セキュリティを強化します。
カスタムメールドメイン iCloudメールを独自のドメインで利用することができます。
ファミリー共有 最大5人の家族とiCloud+のプランを共有できます。ストレージはもちろん、iCloud+の機能を家族で利用可能です。

iCloud+の料金

【iCloud+】料金

iCloud+のプランは50GBから12TBまでの5種類から選べます。おもな違いはストレージ容量で、追加される機能はどのプランも共通。ただし、HomeKitセキュアビデオで利用できるカメラの台数に制限があります。50GBは1台、200GBは5台、2TB以上は無制限です。

2024年11月には価格改定による値上げが実施されました。改定前後の料金は下記の通り。

iCloud+の料金
容量 改定後の料金 改定前の料金
50GB 150円(20円増) 130円
200GB 450円(50円増) 400円
2TB 1500円(200円増) 1300円
6TB 4500円(600円増) 3900円
12TB 9000円(1100円増) 7900円

5種類のプランのうち、6TBと12TBの2プランは2023年9月に追加された新しいプランです。

写真や動画をたくさん撮影するユーザーは、大容量のストレージが必要となります。カメラの性能が上がるほど、大容量ストレージのニーズが高まっていると言えます。

Google Oneとの違い

【iCloud+】Google Oneとの違い

iCloud+と同じように使用できるクラウドストレージとして、Googleが提供する「Google One」があります。無料で使える容量は、iCloud+が5GBであるのに対し、Google Oneは15GBです。

iCloud+とGoogle Oneの容量や利用料金を比較すると、上表のようになります。GBあたりの料金にはさほど差がありませんが、Google Oneは年額プランが用意されており長期的にみてお得。また、プランの種類も多いです。

iCloud+とGoogle Oneを比較
  iCloud+ Google One
月額料金 年額料金 月額料金 年額料金
50GB 150円
(3円/GB)
100GB 250円
(2.5円/GB)
2500円
(2.083円/GB)
200GB 450円
(2.25円/GB)
380円
(1.9円/GB)
3800円
(1.583円/GB)
2TB 1500円
(0.75円/GB)
1300円
(0.65円/GB)
1万3000円
(0.541円/GB)
5TB 3250円
(0.65円/GB)
3万2500円
(0.54円/GB)
6TB 4500円
(0.75円/GB)
10TB 6500円
(0.65円/GB)
12TB 9000円
(0.75円/GB)
20TB 1万3000円
(0.65円/GB)
30TB 1万9500円
(0.65円/GB)

※()内は1GBあたりの料金

Google OneとiCloud+のどちらを選ぶかは、使う人次第と言えるでしょう。Google Oneはコストパフォーマンスがよく、その他のサービスとの連携などiCloud+に欠けているサービスを提供しています。

iCloud+はAppleのデバイス向けに提供されているクラウドサービスです。iOSやiPadOS、macOSといったAppleのエコシステム内で使用することを前提にしており、iCloudフォトやiCloudバックアップなどはiOSやiPadOSでしか機能を十分に活用できません。

一方でGoogle Oneは、Googleドキュメントやスプレッドシート、スライドなどのツールと組み合わせることにより、共同の作業スペースとして活用できます。またGoogleドライブと連携のできるアプリやサービスは多く、リンクを通じてファイルを簡単に共有できます。

このように、AppleデバイスならiCloud+の一択というわけではありません。どのような機能が必要かによって、iCloud+かGoogle Oneかを選ぶのがよさそうです。

iCloud+の支払い方法

iCloud+の支払いには、クレジットカードやデビットカード、キャリア決済などが使用可能です。基本的にはApple IDの支払い方法に登録されている方法が使用されるため、支払い方法が登録されてさえいれば、すぐに利用を開始できます。

サポートしている支払い方法
  • クレジットカード(Visa、Mastercard、JCB、Diners Club、American Express)・デビットカード
  • キャリア決済
  • PayPay
  • Appleアカウントの残高
  • iTunes Storeクレジット
  • Appleギフトカード
【iCloud+】支払い方法
【iCloud+】支払い方法
【iCloud+】支払い方法

設定アプリで支払い方法を追加

支払い方法を追加したいときは、「設定」アプリの名前をタップして、[お支払いと配送先]を開きます。[お支払い方法を追加]をタップすると、クレジットカード/デビットカード、キャリア決済、PayPayのいずれかの方法を追加できます。

【iCloud+】支払い方法
【iCloud+】支払い方法

Appleアカウントにチャージまたはギフトカードを利用

Appleアカウントにチャージまたはギフトカードなどを利用するときは、「App Store」アプリを使用します。画面上部にあるプロフィール写真をタップして、[ギフトカードまたはコードを使う]や[アカウントにチャージ]を選択してください。

ギフトカードなどでチャージした残高があると、支払い方法に登録されている方法よりも優先的に使用されます。また毎月の請求も、十分な残高がある場合はアカウントの残高から引き出されます。

Apple OneでiCloud+を利用する選択肢も

Apple Musicを利用している、または利用する予定があるなら、「Apple One(アップルワン)」に登録するという選択肢も検討したいところです。

Apple One

4つのサービスがセットになった「Apple One」

Apple Oneは、Appleで人気のサービス4つを1つにしたサブスクリプションサービスです。対象となるサービスは「Apple Music」「Apple TV+」「Apple Arcade」「iCloud+」の4つで、iCloud+には50GBのストレージが付いています。iCloud+は2024年11月に値上げされましたが、Apple Oneは値上げ対象外なのでそのぶんお得度が増しています。

Apple Oneの料金は月額1200円(個人プラン)です。iCloud+の50GB(月額150円)とApple Music(月額1080円)の月額料金を合計すると月額1230円となり、Apple Oneの月額料金より30円割高。iCloud+(50GB)とApple Musicにそれぞれ加入するよりも、月30円安くてApple TV+とApple Arcadeも付いてくるApple Oneに加入したほうがお得だといえます。

なお、50GBのiCloud+を利用中のユーザーがApple Oneに登録すると、iCloud+のサブスクリプションが解除され、Apple Oneに一本化されます。二重課金とはならないので安心してください。

iCloud+を解約する方法

iCloud+はいつでも解約できます。解約は「設定」アプリからおこないます。

【iCloud+】解約
【iCloud+】解約

名前をタップして、[iCloud]→[ストレージ]へと進みます。

【iCloud+】解約
【iCloud+】解約

[ストレージプランを変更]を開いて、[ダウングレードオプション]を選択します。Apple IDのパスワードが要求されるので認証を済ませます。

【iCloud+】解約

利用できるプランが表示されます。解約したいときは5GBの無料プランを選択し、[完了]をタップします。

5GBを上回るコンテンツが保存されていると、警告が表示されます。更新日前までにコンテンツをダウンロードまたは削除して整理する必要があります。コンテンツがストレージプラン(5GB)を上回っていると、iCloudは情報の同期や更新ができなくなります。

なお、200GB以上のプランを利用している場合、解約ではなく容量の少ないプランへのダウングレードも可能です。ストレージ容量が余っているときは、別のプランに切り替えることで利用料金を節約できます。ただし解約時と同じく、新しいストレージ容量を上回らないようにコンテンツを整理する必要があります。

解約やダウングレードはいつでも好きなタイミングでおこなえますが、画面に表示されている更新日までは現在のプランが適用されます。解約をしても日割り計算で料金が戻ってくることはありません。

iCloud+は家族と共有できる

iOSのファミリー共有を使うと、iCloud+のストレージを最大5人の家族と分け合うことができます。ストレージはもちろん、iCloud+で追加されるメールを非表示やプライベートリレーなどの機能も共有されます。

【iCloud+】家族と共有する方法
【iCloud+】家族と共有する方法

iCloud+を共有するには、「設定」アプリのファミリー共有の画面から設定します。あらかじめファミリーを追加した状態で、[ファミリー共有]→[ファミリーチェックリスト]へと進みます。

【iCloud+】家族と共有する方法
【iCloud+】家族と共有する方法

[iCloud+を共有]→[ファミリーと共有]とタップします。これでiCloud+のストレージが家族と共有されます。チェックリストからiCloud+(またはiCloudにある[アカウントのストレージを管理])を開くと、ファミリーメンバーのストレージ使用量を確認できます。

【iCloud+】家族と共有する方法

ファミリーとの共有を停止することも可能です。

[ファミリー共有]→[サブスクリプション]→[iCloud+]と進み、[ファミリーとの共有を停止]をタップしてください。これでファミリーとiCloud+の共有が停止されます。ファミリー共有グループ自体が削除されるわけではありません。

どんな人にどの容量がおすすめ?

どの程度の容量が必要かは、使用する目的やユーザーの数で変化します。連絡先やカレンダー、メモなどを保存し、iCloudバックアップやiCloudフォトを利用しないなら、5GBでも十分かもしれません。

しかし、iCloudバックアップやiCloudフォトを利用するユーザーはiCloud+が必須です。カメラの性能が上がるほど撮影データは大きくなり、ストレージを圧迫します。iCloudフォトを使用すれば、オリジナルのデータをiCloud+に保存して、端末上では軽いデータを残すという使い方ができるようになります。

50GBは初めてiCloud+を利用するユーザーに最適です。まずはここからスタートし、容量が十分かどうかを見極めましょう。Apple Musicも利用したいなら、Apple Oneに登録するという選択肢もあります。

ストレージを家族と共有する場合は、より大容量が必要になります。50GBは数人で利用するには心もとない容量で、完全に一人用です。また写真や動画が増えてくると、50GBでは不足してきます。200GBや2TBへのアップグレードも検討しましょう。2TBは高額でヘビーユーザー向けですが、ほとんどのデータを保存できるはずです。

6TBと12TBは、2023年9月に追加されたプランです。iPhone 14 Pro以降では48MPのカメラが搭載されており、ストレージの大容量化が避けられません。またiPhone 15 Proで追加された空間ビデオが普及すれば、ストレージの使用が一層進むはずです。6TBや12TBは、このように写真のRAWデータや長時間の動画ファイルを保存したい人に向いているプランです。

iCloud+やApple Musicがセットでお得

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