楽天ペイで特典(楽天ポイント)を得られるかどうかは、支払い元に「クレジットカード」「楽天キャッシュ」「楽天銀行口座引き落とし」のどれを設定するかによって異なります。さらに、楽天キャッシュのチャージ方法によっても、楽天ポイントの還元率が変わってくる仕組みです。
このように、楽天ペイのポイント還元システムはかなり複雑になっており、一見してどの支払い元が一番得するのか分かりづらい構造です。そこで本記事では、還元率や機能面でそれぞれの支払い方法を比較したうえで、最もお得な支払い元の設定はどれなのかを解説。ポイント還元率を最大限に高める楽天ペイの使い方も具体的に紹介しています。
【図解】楽天ペイの還元率まとめ
まずは、楽天ペイのポイント還元率についてざっくりと図解で理解しましょう。

楽天ペイの支払い元として設定できるのは、大きく「クレジットカード」「楽天キャッシュ残高」「楽天銀行の口座引き落とし」の3種類です。
このうち、「チャージした楽天キャッシュ残高」と「楽天銀行の口座引き落とし」を支払い元に設定して楽天ペイ決済をすると、支払い金額の1%分の楽天ポイントが貯まります(税込100円支払うごとに1P付与)。一方「クレジットカード(楽天カードを含む)」を支払い元に設定した場合、楽天ペイのポイント還元は得られません。注意しましょう。

楽天ペイの支払い元に「楽天キャッシュ」を設定するなら、チャージ方法は「楽天カード」を選ぶのがおすすめです。
前述した、楽天ペイ決済で貰える楽天ポイント(税込100円支払うごとに1P付与)に加えて、楽天キャッシュへのチャージ特典も得られます(200円チャージするごとに1P付与=0.5%還元)。楽天ポイントの“二重取り”が可能になるというわけです。

楽天ペイの支払い機能一覧
また、楽天ペイの「支払い機能」によっても、ポイントの還元率は異なります。前述した、楽天ペイ決済の特典(税込100円支払うごとに1P付与=1%還元)が貰えるのは、「コード支払い(ストアスキャン/ユーザースキャン)」「オンライン支払い」「セルフ支払い」です。
2023年4月17日から「請求書支払い」を利用できるようになりますが、残念ながら決済時のポイント還元はありません。また、Androidスマホ版「楽天ペイ」アプリにのみ、Suicaの発行・チャージができる機能が搭載されており、チャージ金額の0.5%分(200円チャージするごとに1P)の楽天ポイントが貯まる仕組みになっています。
楽天ペイに設定できる支払い元
ここからは、楽天ペイに設定できる「支払い元」をより細分化して詳しく解説します。
支払い元 | 楽天ペイの決済特典 | その他の特典 | 総合的な楽天ポイントの還元率 | |
---|---|---|---|---|
パターン1:クレジットカード | 楽天カード | なし | 楽天カードで税込100円支払うごとに楽天ポイント1P付与(=1%還元) | 1%還元 |
楽天カード以外のクレジットカード | なし | なし | なし | |
パターン2:楽天キャッシュ | 楽天カードでチャージ | 税込100円支払うごとに楽天ポイント1P付与(=1%還元) | 200円チャージするごとに楽天ポイント1P付与(=0.5%還元) | 1.5%還元 |
セブン銀行ATMでチャージ | 税込100円支払うごとに楽天ポイント1P付与(=1%還元) | なし | 1%還元 | |
ラクマ売上金でチャージ | 税込100円支払うごとに楽天ポイント1P付与(=1%還元) | なし | 1%還元 | |
楽天銀行口座引き落としでチャージ | 税込100円支払うごとに楽天ポイント1P付与(=1%還元) | なし | 1%還元 | |
楽天ギフトカードでチャージ | 税込100円支払うごとに楽天ポイント1P付与(=1%還元) | なし | 1%還元 | |
楽天ウォレットで保有している暗号資産でチャージ | 税込100円支払うごとに楽天ポイント1P付与(=1%還元) | なし | 1%還元 | |
パターン3:楽天銀行の口座引き落とし | 税込100円支払うごとに楽天ポイント1P付与(=1%還元) | なし | 1%還元 | |
パターン4:楽天ポイント | 税込100円支払うごとに楽天ポイント1P付与(=1%還元) | なし | 1%還元 |
パターン1:クレジットカード

まず紹介するのは、楽天ペイの支払い元に「クレジットカード」を設定するパターンです。楽天ペイで支払った金額が、そのまま登録したクレジットカードカードの利用分として請求されます。
最大の魅力はチャージの手間がかからないこと。残高不足を気にせずドンドン買い物できますし、残高に余分な端数が残ってしまうこともありません。仕組みとしてはクレジットカード単体での支払いとさほど変わりませんが、サイン記入や暗証番号入力をしない分、スピーディーに会計を済ませられます。
楽天カードを紐付けた場合

楽天ペイに楽天カードを紐付けて支払った場合
楽天が発行するクレジットカード「楽天カード」を楽天ペイの支払い元に設定した場合、得られるのは楽天カードに付帯している特典(税込100円支払うごとに1P付与=1%還元)だけです。残念ながら、楽天ペイ決済の特典は得られません。
“ポイントの二重取り”ができないので、楽天カード単体で支払っているのと何ら変わりません。楽天カードの保有者なら、直接支払い元に設定するのではなく、楽天カードで楽天キャッシュにチャージして支払うのがおすすめです(後述)。
楽天カード以外のクレジットカードを紐付けた場合
楽天ペイの支払い元には、楽天カード以外のクレジットカードも登録できます。以下2つの条件を両方とも満たしていれば、カード会社問わずさまざまなクレジットカードが使えます。
- 条件1:「VISA」「Mastercard」「JCB」「American Express」いずれかのブランドであること
- 条件2:本人認証サービス(3Dセキュア)に対応していること

ただし、冒頭で述べたように支払い元に「クレジットカード」を設定すると、楽天ペイ決済の特典は得られません。
もちろん、クレジットカード固有のポイント還元システムやキャッシュバック制度があれば、それらの特典が付与される可能性はあるでしょう。しかし、それはカード単体で支払っても同じことです。「お得感」という面でいえば、クレジットカードを楽天ペイに登録して支払うメリットはありません。
楽天カード以外のクレジットカードを活用するなら「au PAY」がおすすめ
クレジットカードを紐付けるなら、楽天ペイよりも「au PAY」のほうがおすすめです。

PayPayカード(Mastercard)でau PAYにチャージして支払った場合
上図の通り「au PAY」は、クレジットカードによる「チャージ」でポイント二重取りが期待できる数少ないスマホ決済サービスのひとつです。
すべてのクレジットカードをau PAYに登録できるわけではありませんが、「Mastercard」と「American Express」ブランドなら基本的にどの会社のカードでも利用可能です(詳しくは以下の記事を参照)。「今持っているクレジットカードをスマホ決済で活用したい」という人は、ぜひ「au PAY」をチェックしてみてください。
パターン2:楽天キャッシュ

「楽天キャッシュ」は、楽天サービス内で使えるチャージ式の電子マネーです。楽天ペイのほか、楽天市場やラクマ、楽天トラベル、楽天証券といったサービスの支払いに利用できます。
楽天ペイの支払い元に「楽天キャッシュ」を設定した状態でコード払いやオンライン支払いをおこなうと、特典として1%分の楽天ポイントが付与されます(税込100円ごとに1P付与)。チャージの手間がかかるため利便性は損なわれますが、楽天ポイントを貯めたい人にはおすすめの手段です。
楽天カードでチャージ

前述したように、楽天ペイの支払い元に「楽天キャッシュ」を設定した状態でコード払いやオンライン支払いをおこなうと、特典として1%分の楽天ポイントが付与されます(税込100円ごとに1P付与)。
これに加え、「楽天カード」で「楽天キャッシュ」にチャージした場合、さらに0.5%分の楽天ポイントが付与される仕組みです(200円チャージごとに1P付与)。決済とチャージで楽天ポイントを“二重取り”できるというわけです。
なお、楽天キャッシュへのチャージ手段は他にも5つありますが、チャージ時にポイントが付与されるのは「楽天カード」だけです。また、楽天キャッシュのチャージに利用できるクレジットカードも、楽天カードに限定されています。効率よく楽天ポイントを獲得するなら、楽天カードは必携の1枚だといえるでしょう。
チャージ手数料 | 無料 |
---|---|
チャージ金額の指定 | 1000円以上、1円単位で可能 |
1回あたりのチャージ上限金額 | 50万円 |
1カ月あたりのチャージ上限金額 | 50万円 |
セブン銀行ATMでチャージ

セブン銀行ATM
セブンイレブン店舗、駅や商業施設など全国2万6000台以上に設置されている「セブン銀行ATM」経由で現金を楽天キャッシュにチャージできます。
現金とスマホさえあれば、誰でも利用できる手軽さが魅力です。口座振込をするわけではないので「セブン銀行の口座」を持っている必要もありません。「まずはお試しで楽天ペイを使ってみたい」という人にはおすすめの手段です。
チャージ手数料 | 無料 |
---|---|
チャージ金額の指定 | 1000円以上、1000円単位で可能 |
1回あたりのチャージ上限金額 | 50万円 |
1カ月あたりのチャージ上限金額 | 50万円 |
ラクマ売上金でチャージ

フリマアプリ「ラクマ」の売上金は、楽天キャッシュにチャージできます。売上金をわざわざ出金(銀行口座振り込み)せずに実店舗での支払いに使えるようになるため、利便性が格段に向上します。また、ラクマの売上金を出金するには手数料216円がかかるので、節約という観点でも有用な手段です。
チャージ手数料 | 無料 |
---|---|
チャージ金額の指定 | 1000円以上、1円単位で可能 |
1回あたりのチャージ上限金額 | 10万円 |
1カ月あたりのチャージ上限金額 | 100万円 |
楽天銀行の口座振替でチャージ
楽天銀行の口座引き落としで楽天キャッシュにチャージすることも可能です。
ただ、楽天銀行の口座を持っているなら、わざわざ楽天キャッシュにチャージせずとも、直接楽天ペイの支払い元に設定できます(後述)。いずれも還元率は同じ1%なので、チャージする手間が省ける分、直接支払い元に設定するほうがスムーズかもしれません。
チャージ手数料 | 無料 |
---|---|
チャージ金額の指定 | 1000円以上、1円単位で可能 |
1回あたりのチャージ上限金額 | 50万円 |
1カ月あたりのチャージ上限金額 | 50万円 |
楽天ギフトカードでチャージ

楽天ギフトカードは、コンビニやドラッグストアなどで現金で買えるプリペイドカードです。カードに記載されたPIN番号を専用ページで入力すると、購入金額分の楽天キャッシュが楽天アカウントにチャージされます。
近所にセブン銀行ATMがない人や、現金を使って楽天キャッシュにチャージしたい人にとっては便利な手段となるでしょう。なお、自己利用目的なら「金額指定タイプ」を買うのがおすすめです。1500円〜5万円まで1円単位で任意の金額を指定できます(詳しくは以下の記事参照)。
楽天ウォレットの暗号資産でチャージ

「楽天ウォレット」で保有している暗号資産(仮想通貨)は、楽天キャッシュにチャージできます。暗号資産の売却や換金といった手順を踏まずに実店舗での支払いに使えるため、利便性が格段に向上します。チャージ時の手数料が発生しないのも魅力です。
パターン3:楽天銀行の口座引き落とし
続いて紹介するのは、楽天ペイの支払い元に「楽天銀行」を設定するケース。楽天ペイで利用した分が銀行口座から都度引き落とされる「即時払い」の仕組みになっています。
クレジットカードと同程度の利便性を確保しつつも現金と同じ感覚で利用できるので、キャッシュレスに慣れていない人は安心感があるかもしれません。

楽天ペイの支払い元に「楽天銀行」を設定した状態でコード払いやオンライン支払いをおこなうと、特典として1%分の楽天ポイントが付与されます(税込100円ごとに1P付与)。ただ、口座引き落とし時にポイントが付与されるシステムはありません。ポイントの二重取りはできないので注意しましょう。
パターン4:楽天ポイントを充当する

貯まった楽天ポイントは「1P=1円」として、楽天ペイの決済時に利用できます。特筆すべきは、楽天ポイントで支払った分も1%還元の対象になること(100P利用するごとに1P付与)。
「ポイント払い」を還元対象外にしているサービスが多い中、かなり太っ腹な仕様だといえます。貯まったポイントは、積極的に楽天ペイで使っていくのがおすすめです。

楽天ペイの決済時に楽天ポイントを使うには、トップ画面で「すべてのポイント/キャッシュを使う」にチェックを入れて支払えばOK。ポイントの変換やチャージといった手間がかからないのも魅力です。
楽天ペイの還元率を最大限に高める支払い手順を紹介
ここからは、実際に「楽天カード」で「楽天キャッシュ」にチャージする手順、および楽天キャッシュを楽天ペイの支払い元に設定する手順を解説します。
楽天カードを用意する

楽天カード
繰り返しになりますが、楽天ペイで最も効率よくポイントを獲得するには「楽天カード」でチャージした「楽天キャッシュ」で支払う必要があります。
楽天カードを持っていなければ、何も始まりません。保有していないなら、まずは楽天カードの新規申し込みをおこないましょう。年会費・入会金などは発生しません。永年無料で利用できるカードです。今なら、新規入会&利用で5000ポイントが付与されるキャンペーンもおこなれているのでぜひチェックしてみてください。
楽天カードで楽天キャッシュにチャージする

「チャージ・送る」をタップ
「楽天ペイ」アプリを開き、画面上部の[チャージ・送る]をタップします。

「チャージ」をタップする
「チャージ」ボタンをタップします。

チャージ方法を「楽天カード」に指定する
チャージ金額を入力して、チャージ方法を「楽天カード」に設定しましょう。チャージ金額は最低1000円から最高50万円まで1円単位で指定可能です(楽天カードの場合)。

あとは、金額をもう一度確認して[チャージする]ボタンを押せば完了です。楽天カードで楽天キャッシュにチャージすると、200円チャージするごとに楽天ポイントが1Pが付与されます。ここでは1000円を楽天キャッシュにチャージしたので、5P獲得できました。
楽天ペイの支払い元を楽天キャッシュに設定する

「お支払い元」項目をタップ
最後に、楽天ペイの支払い元に「楽天キャッシュ」を設定します。トップ画面中央の[お支払い元]項目をタップしましょう。

支払い元に「楽天キャッシュ」を選択
「楽天キャッシュ」にチェックを入れて[設定する]ボタンを押してください。

「お支払い元」が楽天キャッシュになっているかチェック
お支払い元に「楽天キャッシュ」が記載されていれば設定完了です。この状態で楽天ペイのコード決済やオンライン決済をすれば、税込み100円支払うごとに楽天ポイントが1P付与されます。
例えば、楽天ペイで税込み1000円の買い物をすると10Pが付与される計算です。楽天キャッシュのチャージ時に付与された5Pを合わせると、15Pを獲得できます。