スマホを使い、ネット上でフリーマーケットのような個人間売買が手軽にできるフリマアプリ。そんな数あるフリマアプリの中でも、圧倒的な知名度を誇るのが「メルカリ」と「ラクマ」です。
発送方法の選択肢がさらに増えてより便利になったメルカリと、手数料の安さを維持し、安全な取引への対策に注力するラクマ。それぞれ「メルペイ」「楽天ペイ」といった独自の決済サービスとも連動し、さらに利便性が高まっています。
よく比較検討されるメルカリとラクマを、今回は売る視点から徹底検証します。出品の方法から独自の発送サービス、売上金の使い方に至るまで、実際に使ってみた感想も踏まえて詳しく解説していきます。
メルカリ・ラクマはこんなサービス
まずはメルカリとラクマ、この2大フリマアプリはざっくりどんなサービスなのか紹介します。
2大フリマアプリ「メルカリ」「ラクマ」
左:メルカリのホーム画面右:商品検索機能で出品時の情報入力もシンプルに
メルカリは、2013年のサービス開始以降急成長を遂げ、月間利用者数1500万人以上、累計出品数は15億品を超えるなど、市場規模が大きいぶん早く売れることに定評のあるフリマアプリです。世相を反映した人気の検索キーワードや意外な売れ筋商品が度々メディアでも取り上げられています。
「らくらくメルカリ便」「ゆうゆうメルカリ便」など独自の配送方法は万が一の場合の補償も手厚く、出品者・購入者ともに住所や実名を明かす必要がない匿名配送もすっかりおなじみに。さらに最近では、ポストに投函するだけで発送できる「メルカリポスト」の設置や置き配サービスの開始が話題になりました。
商品価格の相場が事前にチェックできる機能やバーコード出品機能、出品したら梱包から配送まですべて委託できる「あとよろメルカリ便」の導入など、ユーザービリティーに配慮したサービス内容の拡充がはかられています。
左:ラクマのホーム画面右:本やCDなど、バーコードを読み取るだけの「バーコード出品」機能も
一方、2020年6月時点でダウンロード数2500万を突破したラクマは、商品が売れた場合にかかる販売手数料が3.5%(外税)とおトクなことで人気です。2021年1月13日より手数料が6.0%(税別)に改定されましたが、それでもなおメルカリより割安なのが魅力の一つでしょう。
楽天ポイントが使えたり、売上金を楽天キャッシュにチャージして実店舗で利用できたりするなど、特に楽天ユーザーにとっての利便性が高いフリマアプリです。
女性向けフリマアプリ「フリル」を前身としたラクマですが、運営元の楽天によると男性ユーザー数も増加傾向に。ハンドメイドや女性向けファッションブランドのほか、エンタメグッズやスマホ・家電など、ユーザー層の広がりとともに人気のカテゴリーも拡大。取引単価も上昇傾向にあります。
気になる出品方法と売上金の使い道
左:メルカリの出品画面右:ラクマの出品画面
メルカリもラクマも商品を売る方法に大差はありません。スマホで売りたい商品を撮影し、情報を入力して出品を完了させます。
メルカリ・ラクマともに、商品説明の「テンプレート」機能のほか、カメラで撮影した画像から商品が自動認識される機能を使って、手動で入力する手間を大幅に減らすことができます。
購入されたら指定の方法で発送して、購入者からの受取評価を待ちます。受け取りが確認できたら購入者を評価して取引は完了です。売上金は、それぞれ下記のような方法で利用できます。
メルカリ | ラクマ |
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出品・購入メルカリ初心者ガイド - メルカリ
取引の流れ - ラクマ
メルカリとラクマ、売る前に知りたい3つの違い
ダウンロード数・販売手数料・売上金の管理の3点から、メルカリとラクマそれぞれの大きく異なる点を見ていきましょう。
ダウンロード数・ユーザー数ともに多いのはメルカリ
メルカリ | ラクマ | |
---|---|---|
ダウンロード数 | 7500万 | 2500万 |
販売手数料 | 10% | 《税別価格に対して》6.0% |
売上金の振込手数料 | 200円 | 210円(1万円以上で振込先が楽天銀行の場合のみ無料) |
上の表からもわかる通り、メルカリのダウンロード数は2018年12月現在で7500万を突破し、月間利用者数も実に1500万人を超えています。
2013年7月のサービス開始から約7年、右肩上がりで成長しているメルカリは、ユーザー数自体が多いことで商品が人の目につきやすく、出品後も早く売れやすい傾向を生み出しています。
フリマアプリ「メルカリ」、サービス開始から5年で累計流通額が1兆円を突破
販売手数料が安いラクマ
一方のラクマは、販売手数料の安さが最大のアピールポイントです。販売手数料とは、取引が完了した際に、出品者の売上利益から差し引かれる手数料のこと。メルカリの販売手数料が10%なのに対し、ラクマは6.0%です。
ラクマの場合、商品価格から販売手数料(3.5%)に加え消費税が差し引かれる
2019年10月の消費税増税以降、ラクマの販売手数料は外税方式へと変更されました。よって、販売手数料の総額は商品価格の6.0%+消費税に。メルカリと比べて4.0%の差は、売上利益が大きい程その影響も大きくなります。
ちなみに利益を考える際、送料の自己負担分も考慮しないといけません。メルカリもラクマも、購入者が送料を支払う「着払い」を選択することもできますが、送料込みの価格設定(売り手負担)にするほうが売れやすい傾向にあります。
実際の売上利益から送料と販売手数料を差し引くと、利益が大きく目減りすることがあるので双方に注意が必要です。
売上金の振込スケジュールと振込手数料
左:ゆうちょ銀行とゆうちょ銀行以外で振り込みスケジュールが異なる右:振込手数料400円で利用できる「お急ぎ振込」も
売上金を現金化したい出品者にとって、振込スケジュールや手数料は重要なポイントです。メルカリは売上残高が201円以上あれば振込申請が可能ですが、金融機関・申請金額にかかわらず、都度200円の振込手数料が発生します。
ラクマの場合、売上残高が1000円以上で振込申請が可能。メルカリと同じように振込手数料210円がかかりますが、1万円以上の金額で振込先を楽天銀行にした場合に限り、振込手数料が無料になります。
左:ラクマの振込申請画面右:振込スケジュール。楽天銀行を使えば当日振込も可
さらに大きく違うのは、振込スケジュールです。メルカリの場合、「ゆうちょ銀行以外」の銀行と「ゆうちょ銀行」で以下のように振込スケジュールが異なります。
【ゆうちょ銀行以外の金融機関】
0時00分〜8時59分の申請:翌営業日
9時00分〜23時59分の申請:翌々営業日
【ゆうちょ銀行】
0時00分〜8時59分の申請:3営業日目
9時00分〜23時59分の申請:4営業日目
ラクマは毎日振込申請が可能で、0時00分〜8時59分の申請で翌営業日、9時00分〜23時59分の申請で翌々営業日には振込が完了します。振込先を楽天銀行にした場合に限り、最短で当日振り込みも可能です。
メルカリ | ラクマ | |
---|---|---|
振込日 | 【ゆうちょ銀行以外】 0時00分〜8時59分の申請:1月19日(火) 9時00分〜23時59分の申請:1月20日(水) 【ゆうちょ銀行】 0時00分〜8時59分の申請:1月21日(木) 9時00分〜23時59分の申請:1月22日(金) |
【楽天銀行】 0時00分〜8時59分の申請:1月18日(月) 9時00分〜23時59分の申請:1月19日(火) 【その他の金融機関】 0時00分〜8時59分の申請:1月19日(火) 9時00分〜23時59分の申請:1月20日(水) |
メルカリ便とラクマパック、発送方法で選ぶならどっち?
宅急便や普通郵便、レターパックなどのほか、メルカリとラクマではそれぞれ独自の配送サービスを選択することができます。
メルカリ便・ラクマパックとは?
メルカリはヤマト運輸提携の「らくらくメルカリ便」、日本郵便提携の「ゆうゆうメルカリ便」、ラクマは同じくヤマト運輸・日本郵便連携の「かんたんラクマパック」を用意しています。
らくらくメルカリ便 | ゆうゆうメルカリ便 | かんたんラクマパック | |
---|---|---|---|
宛名書き不要 | ○ | ○ | ○ |
全国一律料金 | ○ | ○ | ○ |
対応サイズの広さ | A4サイズ〜160サイズ | A4サイズ〜100サイズ | A4サイズ〜170サイズ |
配送状況がわかる | ○ | ○ | ○ |
配送補償 | ○ | ○ | ○ |
匿名配送 | ○ | ○ | ○ |
集荷 | ○ | × | × |
メルカリ便・かんたんラクマパックともに、日本郵便の「ゆうパケット」(小型サイズ)や「ゆうパック」、ヤマト運輸の「ネコポス」(小型サイズ)や「宅急便コンパクト」(専用薄型BOX)など、幅広いサイズやサービス内容を選択できるのが大きな特徴です。
配送用のQRコードを利用することで送り状の宛名書きがいらない点も便利。配送時にトラブルが発生しても商品代金や販売利益が補償されるのも心強いポイントです。
メルカリでは、「ゆうパケット」と「ゆうパック」の中間サイズにあたる「ゆうパケットプラス」、ポストから投函できる「ゆうパケットポスト」も選択できます。いずれも郵便局、ローソンおよび「メルカリストア」で販売する「ゆうパケット専用箱」(65円)を使用し、ゆうゆうメルカリ便で発送します。
発送方法 | サイズ | 送料(全国一律) | 発送場所 |
ゆうパケットポスト | 32.7cm×22.8cm×3cm/重さ2kg以内 | 200円 | ポスト |
ゆうパケットプラス | 長さ24cm/幅17cm/厚さ7cm/重さ2kg以下 | 375円 | 郵便局 ローソン |
※一部のローソン、簡易郵便局および郵便窓口、ゆうゆう窓口のない一部の郵便局を除く
メルカリ便なら集荷もOK、宅配便ロッカーからも発送できる
発送方法で比較した場合、「らくらくメルカリ便」は匿名配送に加えて集荷依頼ができる点が大きなメリット。フリマアプリを利用して取引をする際、自分の住所と氏名を見ず知らずの他人に知られるのは不安なもの。それは出品者・購入者ともに同様です。
メルカリは「らくらくメルカリ便」「ゆうゆうメルカリ便」ともに匿名配送ができる上、30円の追加料金を支払うだけでメルカリ内から集荷依頼をすることができます。家電や家具など大きな荷物の発送や、子育てや介護で外出が難しい場合でも気軽に利用することができます。
また、集荷サービスこそありませんが、ラクマも「かんたんラクマパック」(日本郵便)にて匿名配送が可能です。
フリマアプリ「ラクマ」、匿名配送サービスを提供開始 日本郵便と連携
さらに、メルカリは駅やスーパー、コンビニなどに設置してあるオープン型宅配便ロッカー「PUDO」での発送も可能なほか、購入者がコンビニ受け取りを指定することもできます。らくらくメルカリ便は、新たに玄関先などの配送指定ができる「置き配」にも対応。出品者・購入者ともに様々な制約から開放されるのは嬉しいポイントです。
メルカリでは、全国のセブン-イレブン・ローソン・ファミリーマートやイトーヨーカドー(いずれも一部店舗を除く)のほか、アプリ内の「メルカリストア」でオリジナル梱包資材が購入できます。
各店舗では発送と梱包が一箇所で同時におこなえるほか、メルカリストアでは2000円以上の購入で送料無料になります。
取り扱い店舗 | 梱包資材 |
---|---|
セブン−イレブン | 宅配ビニール袋・クッション封筒・ネコポス用ダンボール・宅急便コンパクト専用箱・圧縮袋・緩衝材 |
ローソン | ゆうパケットプラス専用箱・ゆうパケットポスト専用箱・宅配ビニール袋・ゆうパケット用ダンボール・クッション封筒・圧縮袋・マスキングテープ・メッセージふせん |
ファミリーマート | 宅配ビニール袋・クッション封筒・ネコポス用ダンボール・宅急便コンパクト専用箱・圧縮袋・緩衝材 |
イトーヨーカドー | ネコポス用ダンボール・宅急便コンパクト専用箱・60サイズ用ダンボール・80サイズ用ダンボール・クッション封筒・宅配ビニール袋・圧縮袋・緩衝材・マスキングテープ・メッセージふせん |
メルカリとラクマ、安全なのはどっち?
値下げ交渉に応じたのに購入されず放置されてしまった、いつまで経っても受け取り評価がされないなど、フリマアプリ特有のトラブル事例は数多く報告されています。そこで、両サービスのサポート体制やユーザー保護の仕組みなどをチェックしてみます。
トラブル相談ができる「メルカリボックス」が有用
メルカリの公式Q&A「メルカリボックス」回答者は全員評価5以上の優良ユーザーなので安心
メルカリは、違反行為や迷惑行為に対して365日24時間メルカリ事務局に相談できるカスタマーサービス対応を整備しています。また、問題や疑問が生じた場合に過去の事例から回答を検索したり、他のユーザーに相談できたりする「メルカリボックス」のサービスもあります。
メルカリ、出品者の本人確認を強化 住所・氏名・生年月日の登録が必須に
ラクマは出品者が購入者を選べる「購入申請」が可能
ラクマもメルカリ同様、禁止行為リストやマナーリストを明示した上で、違反商品のパトロールや本人確認システムなど安全な取引への取り組みをおこなっています。
また、メルカリは出品者が購入者を選択することはできませんが、ラクマの場合は出品者が事前に購入者を選ぶことができる「購入申請」システムがあります。
左:出品する際に購入申請の設定ができる右:購入申請の承認後に購入可能
購入申請の有無は出品時に設定することができ、購入者は出品者から承認されることで初めて取引を開始することができます。
購入者にとっては煩わしさがあるので購入率自体は下がる可能性がありますが、出品者は購入候補者の過去の取引評価などを事前に確認した上で、怪しい相手との取引を避けることができるため、不安要素が減ります。
ラクマは「LOUIS VUITTON」「NIKE」「CHANEL」といった人気ブランドの取り扱いが多く、加えて比較的高価な商品を安定した市場で取引したい60代以上のシニアユーザーも増えてきています。
つまり、多少時間がかかっても安全な取引を求めるユーザー率がそもそも高い点にも着目したいところです。
ラクマはそのほかにも、取引中のすり替えを防止するための商品装着用タグ「PROTECTION TAG」(税込500円/1セット)の導入や、スニーカーやアパレル商品を購入後、偽造品の疑いがあった場合に鑑定サービスを依頼できる「ラクマあんしん補償」など、不正取引への予防に力を注いでいます。
メルカリとラクマ、決済サービスで選ぶならどっち?
メルカリとラクマ、売り方の流れやページのUIなど類似点も数多くある中で、それぞれユニークな決済サービスを展開しています。
銀行口座と連携させて自動チャージも可能な「メルペイ」
メルカリでは、株式会社メルペイが運営する決済サービス「メルペイ」が利用できます。
メルカリの売上金を出金しなくても、コンビニやスーパーなど全国対応店舗のほか、一部のECサイトでも利用できるのがメルペイの大きな特徴です。
銀行口座との連携で、売上金がなくてもメルペイ残高に自動チャージできるだけでなく、「メルペイスマート払い」も利用できるようになります。
登録は簡単で、チャージから決済にいたるまでの手数料は無料。さらに、招待コードを利用してメルペイに登録するとポイントがもらえる「すすメルペイキャンペーン」など、随時展開されているお得なキャンペーンにも注目したいところです。
ラクマの売上金は「楽天キャッシュ」にチャージできる
楽天キャッシュなら売上金1円以上から入金できるので便利
ラクマでの売上金は、そのまま商品の購入などに充てることもできますが、楽天のオンライン電子マネー「楽天キャッシュ」にチャージすることで、楽天市場や楽天ペイなどを介してコンビニ等の実店舗でも利用することができます。
楽天キャッシュとは、楽天グループの各種オンラインサービスやローソン、無印良品などで利用できる楽天会員向けのオンライン電子マネーです。売上金が1円以上あれば、ラクマアプリ内でリアルタイムにチャージできるので、現時点で最も早く売上金を入手できる方法とも言えます。
通常、ラクマでの売上金は「楽天銀行」経由で1万円以上の振り込みをした場合に限って手数料無料ですが、楽天キャッシュへのチャージは1万円以下であっても手数料がかかりません。また、一度楽天キャッシュにチャージした後でも、楽天銀行へ入金することで現金として出金することも可能です。
メルカリとラクマ、より楽に出品するならどっち?
出品数が多い場合、売れるまで自宅に保管する際のスペースや発送の手間に悩むユーザーも多いかもしれません。メルカリ・ラクマはそれぞれ独自の出品代行サービスを展開しています。
保管・梱包・発送の手間を一掃、メルカリの「あとよろメルカリ便」
メルカリでは、2020年12月より新サービス「あとよろメルカリ便」をスタート。指定の商品が倉庫に保管され、商品が売れた後は専門スタッフが梱包・発送までを一括で請け負います。
売れた商品は計測後に適切な方法で発送され、梱包資材の準備も不要です。倉庫での保管期限は2カ月間。2カ月以内に売れなかった商品はまとめて返送され、その際に配送料(980円/箱)がかかります。集荷や保管に際しての料金は無料ですが、売れた商品を送る際の梱包・配送料は自己負担です。
申込みはアプリから。縦・横・高さの合計が140cmを超える大型の商品や、食料品・香水・自動車/自転車、「梱包・発送たのメル便」が選択されている商品などでは利用できません。
あとよろメルカリ便 - メルカリ スマホでかんたん フリマアプリ
出品からすべておまかせ、ラクマの出品代行サービス「ラクまるっと」
ラクマはさらに大胆な出品代行サービス「ラクまるっと」を展開しています。ユーザーは商品を専用の箱に入れて発送するだけ。販売価格に応じた手数料・送料を負担することで、出品から商品の発送までをすべて委託できます。
メルカリに先駆けて、ラクマでは2020年10月から代行サービスを開始。ユーザーは専用サイトから利用登録をし、専用ダンボールに商品を入れて発送します。その後の商品撮影・出品から、売れた後の梱包・発送にいたるまでを一括で依頼できます。
出品する際の売れやすい価格設定までおまかせできます。商品が6週間以内に売れなければ出品は取り下げられ、ユーザーはその後に「寄付」「着払いで返送」「破棄」のいずれかを選択できます。
サービスの利用には事前審査があるため注意が必要です。
メルカリとラクマ、それぞれ実際に使ってみた
実際にそれぞれのアプリをインストールし、出品してみました。結論から言えば、利用者数が多い分、いろいろなタイプのユーザーがいるリスクを考慮したとしても、すばやく売りたい場合はメルカリが適していると言えそうです。
【メルカリ】絶対数が多い分、とにかくリアクションが早い
メルカリ、ラクマどちらにも共通して言えることですが商品の撮影から紹介文を書いて出品するまで、操作自体はとにかく簡単です。
冒頭でも紹介した、本・音楽・ゲームソフト・美容カテゴリの商品ならバーコードをかざすだけで商品情報が自動入力される「バーコード出品機能」は、やはり便利だと感じました。
今回出品したのは新品未使用のボアコートでしたが、出品当日にコメントが入り、値下げ交渉もされることなく提示価格で売れました。ラクマのようにメルカリに購入申請制度はありませんが、実際は事前に一言コメントがあって(あるいは値下げ交渉をされて)売却へとつながる場合が多いでしょう。
出品する時間帯や曜日など出品のタイミングによっても左右されますが、化粧品など中古であっても人気のブランド品や高価なものは管理状態が良ければ売れますし、どこで買っても価格が変わらないものや新品・未開封のもの、本なども売れやすい傾向にあります。
左:画像の自動解析で商品を判別右:事前に価格相場等がチェックできる
バーコード出品機能の他にも出品時に便利なのが、記事冒頭でも紹介した商品画像の自動解析機能です。
写真を撮影後、画面に表示される商品と内容が合致していれば、項目をタップするだけで商品の情報が自動入力されます。
このほかにも、商品を撮影するだけで事前に売れ行きと相場価格がチェックできる機能や、出品している商品を売れやすい一定価格にまとめて値下げできる「まとめて値下げ」機能などもあります。
【ラクマ】写真の加工が簡単にできる、果たして売れ行きは?
出品する際に一番重要とも言える商品画像。メルカリの場合画像は最大10枚まで登録でき、より魅力的に見せるための画像加工は、明るさやコントラストの調整など細かいプロ仕様で頼りになるのですが、操作に時間がかかります。
その点、ラクマは登録できる画像の枚数こそ少ないものの(最大4枚)、画像調整が視覚的に操作できてかなりスムーズでした。一方でバーコード出品機能は、メルカリではスムーズに検出された商品がラクマでは表示されないなどの問題も。
今回出品したパンプスは「いいね」が1件付いたのみで、値下げ後も売却には至りませんでした。アプリに記載されていた情報では、ラクマは「多くの商品が出品してから3日以内に売れている」とのことでしたが、早々に戦線離脱してしまって少しさみしい気もしました。
ただし、旬やタイミングによって商品の売れ行きも変わります。ラクマの公式ブログは、商品が売れやすくなるためのコツや季節ごとの売れ筋情報、人気ユーザーへのインタビューなど、ラクマをより楽しむためのヒントを掲載しており、出品時の参考になりそうです。
同じ商品を他社のサービスを使って二重に出品する「同時出品」の禁止など、メルカリ・ラクマはそれぞれ禁止されている行為・禁止されている出品物・発送時のマナーなどを明確にしています。
決済方法も多様化してきたことから、規約もより細かい内容へと変化しつつあり、禁止行為があった場合、アカウントの停止や退会など厳しい処分が設けられています。
まとめ:メルカリとラクマ、結局どっちがおすすめ?
今回紹介した内容の他にも、ラクマでは安全な中古端末取引に重点を置いた「公式中古スマホショップ」を展開したり、メルカリでは実店舗に加えオンラインで参加できる「メルカリ教室」を開催したりするなど、両者ともにコンテンツの密度は年々高まる傾向にあります。
今回の検証では、メルカリは早く確実に売りたいユーザー向け、ラクマはより高額なものを安心して取り引きしたいユーザー向けといった印象を受けました。メルペイや楽天ペイといった決済システムの有用性も理解した上で、自分に合った選択や使い分けが求められるでしょう。