手ごろな価格で人気のAmazon製デバイス「Fireタブレット」で、最上位モデル「Fire Max 11」が登場しました。性能を大幅に向上した上位の製品です。
Fire HD 10など従来モデルは、使っていてもっさり感を感じることがありました。もちろん機種によって性能は多少違いますが、レスポンスが良いとはいえなかったのです。ところが上位モデルのFire Max 11はずいぶん快適に使えますし、本体も高級感を増しています。
この記事では、Fire Max 11について詳細にレビューします。
ディスプレイはFireタブレットで最大の11インチ、縁も細くなった


新登場のFire Max 11。本体は金属製で高級感がある
Fire Max 11は、金属製のボディを採用しています。
Fire HD 10の樹脂ボディと比べると高級感はケタ違いです。本体は背面と側面が金属で、つなぎ目がほとんどありません。カメラの上部の一部分だけ樹脂になっているのは、電波を通すためだと思われます。とてもしっかりとした作りで、手にしていて嬉しくなるでしょう。

電源ボタンと一体式の指紋センサーを搭載
Fire Max 11は、電源ボタン一体式の指紋センサーが採用されたことも見逃せません。スリープからの復帰は電源ボタンを押すだけでOK。瞬時にログインも完了します。

Fire HD 10(下)に比べると縁が細く格好がいい
ディスプレイの縁が細くなっているのも嬉しい点です。すっきりとした外観はスタイリッシュで、Fire HD 10とは一線を画するデザイン。高級モデルであることが伝わってきます。なお、金属製なのでFire HD 10と比べるとやや重くなりますが、約490gと軽量です。
ディスプレイは非常に美しく、11インチで解像度は2000×1200となります。Fire HD 10が1920×1200だったので、少し細長くなった印象です。画面の緻密さ自体はほとんど変わりません。どちらも非常に美しいのですが、輝度はFire HD 10のほうが若干高いようです。
性能はFire HD 10の2倍まで向上

Fire Max 11のスコア。ベンチマークのスコアは程々だ

Fire HD 10のスコア。少々厳しい
Fireタブレットシリーズは、搭載するCPUを詳しく公開していませんが、性能は大幅に向上しています。今回はGeekbench 5でベンチマークを計測してみたところ、Fire HD 10の倍近いスコアが出ました。この程度の性能があれば、それなりに快適に使えるでしょう。Fire HD 10に比べるとテキパキ感が大きく違い、性能が高いことがよくわかります。動画やWebページを閲覧していても、画面分割でより快適に作業できます。
とはいえ、スマホの性能でいうならば中の下といったところで、過大な期待は禁物。ゲームもヘビーなものは難しく、軽めのタイトルがおすすめです。
少々残念なのが、メモリが4GBしかない点。格安なAndroidタブレットでも8GBのメモリを搭載するモデルが多いので、これはとても惜しい部分。また、ストレージは64GBと128GBの選択となります。動画や写真をたくさん保存したいなら128GBを選ぶべきでしょう。microSDカードの増設に対応するのは朗報です。

microSDカードでストレージを増やせる

それなりに性能が高いので、画面を分割した作業も快適だ
付属の充電器だと充電時間が長い
Fire Max 11は、バッテリーが7500mAhと程々の容量。Androidタブレットの格安モデルでも8000mAhを超えている製品があり、特別に大容量なわけではありません。カタログ値の駆動時間は最大14時間とされているので、普段使うには特に物足りなく感じることはないはずです。
ただし、バッテリー充電時間は約4.2時間もかかるので、実際に使ってみるとかなり長く感じます。特に、出かける際に持ち出そうと思って電池が切れていたといったケースで、慌てて30分程度充電してもあまり増えません。充電時間が長いのは、付属の充電器が9Wだからです。
充電器は15Wまで対応しているとのことで、海外では15Wの専用充電器を販売しています。手元にUSB PowerDelivery対応の15W充電器があれば、Fire Max 11でも使える可能性が高いので利用してみるとよいでしょう。15Wの充電器なら、3時間程度でフル充電できるようです。

付属の充電器は9W
Dolby Atmos対応でスピーカーの音は文句なし
スピーカーは、Dolby Atmos対応のデュアルスピーカーで、Fire HD 10とほぼ変わりません。ただ、実際に聞いてみるととても良い音です。Fire HD 10もスピーカーはとても良かったので、この価格帯では文句ありません。一方で、イヤホン端子は搭載されていないので、Bluetooth接続のヘッドフォンなどを利用することになります。
カメラは、Fire HD 10の2メガピクセルから、8メガピクセルへと画質が向上しています。タブレットでは写真を撮影する機会が少ない人も、QRコードの読み取りやスキャンなどに便利に利用できます。

スピーカーの音は上々

カメラは画質が向上した
専用のキーボードケースが登場

本体にキーボード付きのカバーを取り付けたところ

キーボードは日本語配列で打ち心地もいい
Fire Max 11には、専用のキーボード付きケースが登場しています。
2分割するスタイルで、背面部分がスタンドになっており、多少の角度調整が可能。ファブリック調の仕上げがとても美しくこちらも所有欲を満たしてくれるでしょう。キーボードもしっかりとした打ち心地でタイプ感も上々。日本語キーもしっかりと刻印されているのが好印象です。

本体とキーボードの接続は専用のピン
接続は専用のピンで、取り付けるだけですぐに使えます。Bluetoothのようにペアリングの必要がないのがいいところ。キーボードとセットになると64GBモデルが4万3980円(税込)で購入できます。iPadに比べるとかなり安価です。

専用のペンはとても書きやすい

ペンのバッテリーは単6電池1個
専用のスタイラスペンも登場しています。こちらは、単6電池を内蔵するタイプで快適に筆記できます。
しばらく使ってみたところ、書く際の遅延もほとんど気にならず快適でした。本体+スタイラスペンのセットは3万8980円(税込)、本体+キーボード+スタイラスペンのフルセットだと4万7980円(税込)です。
まとめ
Fire Max 11は、比較的手ごろな価格で中クラスの性能となかなか魅力的な製品です。ただ、Google Playストアが使えないために対応するアプリが限られるのは、他のFireタブレットシリーズと同様です。Fire HD 10ならば、価格が安いので動画視聴とブラウザだけを使うという形で割り切る手もあります。しかし、この性能を活かしてゲームなどを楽しみたい人には、使えるタイトルが少ないという点には注意してください。
また、最近はAndroidタブレットもどんどん安くなっており、Fireタブレットだけが安価な選択肢ではなくなっています。こちらもよく比較して選んでください。
一方でFireタブレットシリーズは、たびたびAmazonでセールの対象となり安くなっています。Fire Max 11がセール価格となっているタイミングを狙うのもおすすめです。