温かみのある世界観の秘密
Cordyの動画(YouTube)や写真を見ると、グラフィックの美しさが目を引く。そして、描かれているのは機械ばかりの近未来のような世界だが、どこか温かみがある。
この不思議な世界について、クリエイティブ・ディレクターのベン・スミス(Ben Smith)氏は説明する。
「Cordyの世界は地球とは違って、もっと機械的な惑星。登場するキャラクターも機械的なんだ」
自然と機械の融合がテーマ
ベン・スミス氏はCordyの世界で、自然(nature)と機械(mechanical)をくっつけたい(fusion)と考えていた。自然とは、あたたかいもの、生きているもの。機械とは、冷たいもの。この両極端な素材を組み合わせているから、Cordyの世界は不思議な雰囲気が出ているのだ。
「背景にもこだわっているので、ぜひ見てほしい」とベン・スミス氏。画像の通り、アニメーションの映画を見ているようだ。
Cordyの音楽も、ベン・スミス氏が作っている。
「ビートは機械音なんだ。アコースティックギターでテクノをやっている感じだね」
電子音がベースだが、冷たさを感じない音楽。彼の比喩は分かりやすい。
ゲームには、カニ(Crab)に似たロボットが登場する。このロボットは、クラブボット(Crab-bot)と呼ばれるもので、地球に生息しているカニをモチーフにしたロボットの一種だ。こちらにも、自然と機械の融合というコンセプトが生きている。今後、ロボットの種類は増えていくそうだ。
ゲームのコンセプトである自然と機械の融合は、あらゆる部分で垣間見ることができる。細部への徹底的なこだわりが、Cordyの世界を支えているのだ。
誰も死なない
Cordyを遊んでいて、初めてクラブボットに遭遇したときは、誰もが敵だと感じることだろう。しかし、クラブボットに触れても、Cordyがダメージを受けたり死んだりすることはない。この世界観についてベン・スミス氏は語る。
「私たちは、プレイヤーにストレスを感じてほしくない。これは、うちのスタジオ(SilverTree Media)のポリシーだといえる。キャラクターを死なせずにステージを楽しんでもらうのが、ゲームデザインの最も難しいところだね。例えば、『マリオ』や『ソニック』が死なないキャラクターだったとしたら、緊張感に欠けて、あまり面白くないゲームになってしまっただろう。ゲームデザイナーとして、フレンドリーなゲームを追求するチャレンジを楽しみながら、ゲームプレイをユニークなものに磨きあげていきたいんだ」
このようなゲームへの想いが、Cordyを温かみの感じられる作品に育て上げたのだ。
特集記事 目次
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Cordyの世界「温かみのある世界観の秘密」 |
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Cordyの誕生「SilverTreeだからこそ生み出せた」 |
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Cordy アプリ制作秘話 1「細かい動きを楽しんでほしい」 |
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Cordy アプリ制作秘話 2「アメリカで活躍する日本人開発者の存在」 |
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Cordy アプリ制作秘話 3「今後の展開」 |
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CEOからのメッセージ「それは『童心を忘れない』ゲームです」 |