Amazonの「ほしい物リスト」は、住所や氏名を明かすことなく“匿名”でプレゼントを送り合えるのが特徴のひとつです。とはいえ、初めてほしい物リストを利用する人は「本当に匿名で届くのか」「住所などはバレないのか」など不安に感じるはず。
そこで今回、実際にAmazonのほしい物リストを公開して商品を送り合い、完全匿名でのやりとりが可能なのか検証してみました。
実際に「匿名」でのやりとりが可能なのか検証
さっそく、本当に匿名でやりとりができたのか、「欲しいものリストを公開する側」と「欲しいものリストから商品を送る側」に分けて、それぞれ検証結果を紹介します。
なお、ここで紹介するのは、公開する側も送る側も、後述する手順どおりに対策を施した上での結果です。ただ単にほしいものリストから送るだけでは同じ結果にならない可能性があるので、注意してください。
ほしいものリストを「公開する側」のプライバシーは守られたか?
ほしいものリストを公開する側について、限りなくプライバシーに配慮された仕様にはなっているものの、完全な匿名とはいえない結果となりました。
検証1:注文画面の仕様
下画像は、他人が公開しているほしい物リストから商品を注文し、届け先を選択する際の画面です。

住所は都道府県までしか表示されません。氏名をニックネームに変更すれば、名前も非公開にできました。「都道府県すら公開したくない」という人もいるかもしれませんが、残念ながら仕様上それはできないようです。
検証2:注文履歴の仕様

通常の注文

ほしい物リストからの注文
通常、Amazonで注文した商品は、注文履歴の画面からおおよその配送状況(荷物の所在地)を確認できます。発送状況の「さらに表示」リンクをタップしたり、トラッキングIDを各配送業者の専用サイトで検索したりすると、荷物の所在地(配送センター名など)が分かるのです。
一方、ほしい物リストから注文した商品については、注文履歴にこれらの情報が一切表示されません。注文履歴画面から住所などがバレる心配はないといえるでしょう。
検証3:発送通知メールの仕様


ほしい物リストものリストから注文した商品の場合、発送通知メールのトラッキングID(お問い合わせ伝票番号/追跡番号)も隠されます。[配送状況を確認する]ボタンを押しても荷物の所在地などは分かりませんでした。
検証4:お届け予定通知メールの仕様

商品が届く予定日になると「お届け予定」の通知メールが注文者に届きます。ほしい物リストからの注文であっても、このお届予定通知メールには「問い合わせ伝票番号」が記載されてしまうようです。

試しにクロネコヤマトの配送状況確認サイトに問い合わせ伝票番号を入力してみると、住所は表示されないものの、最寄りの配送センターの名前までは分かってしまいました。
ちなみに、宅配業者が「Amazon」だった場合は、問い合わせ伝票番号が表示されていたとしても荷物の所在地は非公開のままで注文者に知られることはありません。
ほしいものリストから商品を「送る側」のプライバシーは守られたか?
一方、ほしい物リストから商品を「送る側」の個人情報は、基本的に隠される仕様になっています。氏名やアカウント名といった送り主の情報は、一切表示されませんでした。
逆に、誰が注文して送ってくれたのか受け取り側には全く伝わらないので、少し不気味に感じるかもしれません。「本名や住所は明かしたくなけれど、ニックネームやメッセージは添えたい」という場合は、アカウント名を変えた上で、ギフト注文を利用するとよいでしょう。詳しい手順は以下の記事を参照ください。
検証1:注文履歴の仕様
「ほしい物リストを公開した側」の注文履歴には、商品の情報は一切表示されない仕組みです。したがって「後から領収書を発行して住所を探られる」といった心配もないでしょう。
検証2:通知やメールの仕様
ほしい物リストから商品を注文して他人に送っても、相手には送り主の情報などは一切通知されませんでした。商品が配送されたタイミングではじめて、誰かがほしいものリストから注文してくれたことを知ります。
検証3:配送ラベルの仕様
今回、クロネコヤマトおよびAmazon配達員の配送で検証しましたが、いずれも届いた商品のラベルには送り元に「Amazon.co.jp」と記載され、送り主の氏名や住所などは記載されていませんでした。

ほしい物リストから他人が注文して、Amazon配達員の手で届いた荷物のラベル

ほしい物リストから他人が注文して、クロネコヤマトの配送で届いた荷物のラベル
検証4:納品書や出荷明細書の仕様
今回の検証では、クレジットカード支払いとAmazonギフトカード残高支払いでそれぞれ注文しました。結果、どちらにも領収書や納品書、出荷明細書といった注文者の個人情報が印字されている書類は同梱されていませんでした。
Amazonでは、販売元や出品者、配送業者によって領収書や納品書、明細書の取り扱いが異なります。注文する商品次第では、これらの書類が同梱されて送り主の個人情報が記載される可能性もゼロではありません。

特にクレジットカードで決済する場合は、カードに紐付いた請求先情報(氏名や住所)が記載されてしまう可能性があるので注意が必要です。確実に匿名で送りたいなら、クレジットカード以外での支払いを推奨します。
ほしい物リスト経由でプレゼントを送る場合は、Amazonギフトカードのチャージタイプを使うのが便利です。その場ですぐ必要な分をチャージして決済に利用できますし、チャージ金額を100円から50万円まで間で1円単位で指定可能なので余計な端数が残ってしまう心配もありません。
匿名でほしいものリストを公開して商品を受け取る方法
ここでは、ほしいものリストを「公開する側」に必要な手順をまとめました。
ほしいものリストを作成する
まずは、Amazonでほしいものリストを作成しましょう。


Amazonのウェブサイトにアクセス・ログインしたら、人型アイコンをタップ。展開したメニューで を選択してください。


チュートリアル画面が表示されるので、
をタップ。続く画面でリストの名前を入力してください。なお、ほしいものリストの名前は他人にも表示されます。本名などは記載しないように注意してください。ほしいものリストは複数作成できます。「○○用」などと分かりやすくネーミングしておくと使い分けるのに便利でしょう。
ほしいものリスト専用の届け先を設定する
リストからプレゼントを贈ってくれる人のために、住所を登録しておきましょう。この登録操作をしていないと、リストから商品を購入する際に注文者が手動で入力することになってしまいます。


ほしいものリストのページに進み、右上のメニューボタン
から[リストの設定]をタップ。

「お届け先住所」の項目で[登録しない]部分をタップし、
を選択します。

氏名の部分をタップし、ニックネームや愛称を入力しましょう。あとは、自身の住所を入力して
ボタンを押せば、住所の登録は完了です。前述したように、相手側にはニックネームと住所の都道府県のみ表示されます。
リストを公開、もしくはリンクをシェア設定にする


「リストを管理」画面に戻ったら、[公開/非公開]の項目をタップして「公開」もしくは「リンクをシェア」に設定しましょう(どちらでも効果はあまり変わりません)。

最後に「受取人」の項目をニックネームに変更し、「お届け先住所」に記載されている住所が間違いないことを確認します。その後、右上の
ボタンをタップしてください。このとき、 「第三者の出品の商品の発送同意書」のチェックは外しておくことをおすすめします。第三者(Amazon.co.jp以外の出品者)が発送する商品は、ほしいものリスト公開者のプライバシーが完全に守られない可能性があるためです。
ほしいものリストに商品を追加する
ほしいものリストの設定ができたら、リストに商品を追加していきましょう。


手順はいたって簡単で、商品ページの今すぐ買うボタンの下にある[ほしい物リストに追加する]をタップするだけ。あとは、先ほど作成したリストを選択すれば、追加完了です。
ほしいものリストのリンクをコピーして共有する
最後に、ほしいものリストへのリンクを任意の場所に共有しましょう。


前述と同じ要領でほしいものリストのページにアクセスしたら、[招待]をタップして[表示のみ]を選択します。


[リンクのコピー]を選択して、任意のツールに貼り付けましょう。ここではTwitterを選択しました。
これで受け取る側の作業は完了です。リストに追加した商品が送られてくるのを待ちましょう。
ほしいものリストから匿名で商品を送る方法
続いて、ほしいものリストの商品を匿名で送る手順を紹介します。
匿名で送りたい場合はAmazonギフトカードをチャージしておく
前述したように、確実に匿名で配送したい場合はAmazonギフトカード残高による支払いを推奨します。

Amazonギフトカード チャージタイプの購入ページにアクセスし、あらかじめ購入金額分のAmazonギフトカード残高をチャージしておきましょう。チャージ金額は1円単位で自由に指定できます。
相手のほしいものリストにアクセスする

共有されたリンク(URL)をタップして、相手のほしいものリストにアクセスします。Amazonへのログインが要求された場合は、自身のアカウント情報を入力してログインしてください。
ギフト設定をオフにした上で「レジに進む」ボタンをタップ


ほしいものリストの中から贈りたい商品を選択し、
→ の順にタップします。このとき、匿名で贈りたい場合は「ギフトの設定」をオフにしておくことをおすすめします。ギフトの設定になっていると、外箱の送り状シールや同包される納品書に「贈り主」として注文者の名前や住所が記載されてしまう可能性が高くなるからです。
ギフト用に指定された住所を選択する

お届け先住所の選択画面が表示されたら、「ギフト用に登録された住所」を選択して
ボタンをタップしましょう。住所は都道府県までしか表示されない上、氏名もニックネームの場合がありますが、注文すればきちんと届くようになっています。なお、「ギフト用に登録された住所」が表示されない場合、手動で住所を入力しなければなりません。相手に連絡を取り、ほしいものリスト用の住所を登録してもらうか、住所を教えてもらうかしてください(住所の登録方法は前述)。
支払い方法を選択する(クレジットカード以外がおすすめ)

続いて、支払い方法を選択します。前述した手順でAmazonギフトカード残高をチャージした場合は、「ギフトカード残高の¥〇〇を使用」を選びましょう。
請求先住所を選択する

続いて、請求先情報の入力を求められます。ここは、いつも使っている自身の自宅住所を指定しましょう。
注文情報を確認して確定する


最後に、届け先や支払い方法を確認したうえで、
ボタンをタップしましょう。「確定されました」の画面で送り相手の名前が記載されていれば注文は完了です。